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ペナルティ目当てで能力選んだらナビゲーター付き盗賊として異世界転生してました(仮)  作者: 神野オキナ
第二章:美少年(中身はオッサン)、そろそろ異世界で仕事する
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その8・静かな静かな森の中

その8・静かな静かな森の中


「……というわけで森の中に来たんだけど……リアルファンタジー世界は面倒いなあ。虫はいるし蛇も居るし猪もいるし。というかナビゲーターの人何処行ったんだ?」

「なにブツクサ言ってるのよ、あんたしょっちゅうそれ言うわよね? リアルファンタジーって」

「いやまあ、色々ありまして」

「……ったくもう。いい? ちゃんと顔に炭塗った? 覆面は鼻の上までしてるわね? ほら、そこ、装備の紐緩んでる、数少ない防御用鈑金入った部分だからチャカチャカ鳴らないようにして!」

「はい……なんか母親みたい」

「なんかいった? あたしより年下のくせに生意気よ?」

「あ……そっか、向こうは17、僕が15だから確かに年下だ」

「何意味不明なこと言ってるの?」

「いや、なんでもない」

「まったく……ちょっと斥候でてくる。ここにいてよ、A」

「はいはい」

(去って行くB)

「しかしナビゲーターの人がいないナア……ひょっとしてなにかあって帰っちゃったのかな?」

「いや、いますよ」

「わ!」

「?」

「いや、あなたが着替えた辺りでちょうど休憩時間だったんで。ご飯食べてました」

「ご飯必要なんですか?」

「当たり前です、働かざるもの食うべからずというでしょ? 逆に言えば働くものは食べるもの、なんです」

「小悪党系のときの多田野曜平(ただのようへい)さんみたいな声で言われると説得力あるようなないような。せめてイーストウッド寄りの声だった良かったのに」

「わたしもそう思うこと多々ありますけれどもね……おっと今のはダジャレじゃないですよ? で、今状況は待ち伏せですか?」

「そんなとこですはい」

「あー、ここからだと大体2キロ先にあるあの街道を馬車が通るって感じですね。今ざっと確認したら護衛の女性騎士が20人、オーガーの傭兵が18人、さらに弓兵が40人、歩兵が100人、それの給仕を行う部隊が100人……さすが王女様の移動となると本格的ですなー」

「なんか絶望的にどうしようもない気がするんですけれど。というか弓兵、っていってながら持ってるのがボルトアクションライフルなんですけど!」

「あなたがセマーリン改作れるんですから、まあ火薬兵器はあるんでしょうな。でもボルトアクションライフルの機関部を持つデカイ槍、ってかんじですな。騎士のほうなんて完全に銃身が剣と一体化してるし。鎧の腕の辺りに入っているのは魔法紋章ですから一種の強化服もかねてあるんでしょうなー」

「楽は出来ないか……ナーロッパ世界だから仕方ないかー」

「仕方ないですねえ」

「大丈夫かなあ、この仕事」

「まあ、私のナビにお任せください」

「頼りにしてます」

(※B、戻ってくる)

「……A、あんたまたブツブツいって。ホント、大丈夫? やっぱり暗殺者の毒かなんかにやられてない?」

「大丈夫大丈夫、いや、その緊張すると『空想の友だち』と喋ると落ち着くんだ」

「……ほんと、こんなのが盗賊王になれるのかしら?」

「もちっと大きなものにはなりたいけどね、王様とか」

「バカ言わないの。あたしら盗賊。盗賊王だって大それた望みなんだから!」

「はいはい」

「なんか私、あなたとBさんの将来が今見えた気がします」

「なにそれ? あの子と俺、結婚できるの?」

「いえ、むしろバカみたいな理想を追っている間に彼女はもっと逞しくてオスとしての魅力溢れる存在にNTRされて、あなたが決意して告白しようとしたら彼女はアヘ顔ダブルピース……」

「さ……山文京伝先生」

「何で知ってるんです?」

「……と、友だちに聞いただけですっ! そう年上の友だちにっ! 沙雪の里とか七彩のラミュロスとか読んでません!」

「ラミュロスは完結しましたねえ……いいラストでした」

「え? そうなんですか!」

「来たわよ! 手はず通りに隠れて!」

「ああ、可哀想にあなたは彼女と今こうしていられる時間を……」

「……その僕をヘタレ屑の寝取られ側に定義する話は後でゆっくり」

「はいはい。ではナビゲーションに専念しましょう」

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