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その50・古龍再び

▼その50・古龍再び


【お前の話を仲間にしたら誰も信じないのでな、古龍の集会に連れていこうと思ってきたが、攻撃は迷惑だったか? 加勢したつもりだったのだが】

「いや、そんなことない、ありがとう!」

【ならば良かった】

(※古龍・ヘクトパスカル、地面に降り立つ。体高40メートル、体長200メートルの巨大な生物)

「あ、改めて見ると……なんか凄いね」

【そーであろうそーであろう、はははは】

「しかし……たった一撃で敵陣が崩壊ですか……彼が放ったのは恐らく生体レーザーの一種ですよ。この世界の古龍は極めると自体が生体レーザー発信器になりますから」

【お、相変わらず側の奴…………いや『中の人』もおるようだ】

「中じゃないです、僕のすぐ側にいるんで」

「助かりました、ありがとう!」

【例には及ばぬ、お主の記憶、誠に面白かった】

(※古龍ヘクトパスカル、周囲を睥睨)

【ところで、一体どういう状況なのだ?】

「ちょうど魔王軍に全滅させられるところだったんだ、助かったよ」

【ほう、チョイとしたヒーローの役を担ったわけか、我は。ふむ……スーパーヒーロー着地とやらをすべきであったかな?】

「なんかえらく俗っぽいこと言い出してる……」

「多分、あなたの記憶を全部読み込んだ際、エンタメ関係の記憶も知ったんでしょう」

【おう、読み込んだぞ。色々面白いな……だが、インフィニティ・ウォーの続きはどうなっておる!? あと転スラとオーバーロード、居酒屋のぶも気に掛かるぞ! あとちらりとしかなかったが悪役令嬢ものも面白そうだがもっと記憶はないのか!】

「略語まで使い始めた……ていうか僕本屋さんじゃないですから次回入荷はないですよ」

「順応早いですねえ……さすが古龍……」

【当然だ……だが、どの記憶よりも一番面白かったのはA、お前の前世での】

「わーやめてとめてやめてとめてやめてええええ!」

「久々にその話、でましたな……というか、童貞棄ててもやっぱり恥ずかしいですか?」

「童貞とかそういう問題じゃなくて人生の問題! 魂の問題ですよぅ! ヘクトパスカル、二度とその話しないで!」

【判った判った……おおすまん、今気付いたが、お前以外は我の声を直接浴びると気絶するのであったな】

「あ、しまった……B! Fさん!」

「ん……あ……空から竜が……! ほ、本物!」

「うう……竜の旦那よぅ、ちったぁ手加減してくれよ」

【すまぬな、これぐらいの声量でよかろうか?】

「まあね」

「と、魔王軍が撤退を始めましたよ!」

「え……?」

「一瞬で戦線崩壊したにしては素早い判断です……これで安全に脱出出来ますね」

「ヘクトパスカル! 頼みがあるんだ」

【なんだ、我を女の子の姿に変じさせ、エロ同人誌みたいなことをしようというのであれば断るぞ? 私が絶世の美男子になり、お前が受けて私が攻めならかんがえないでもないが……】

「なに変な単語までおぼえてるかなこの最強生物!」

「まー、知識が広がって楽しくって仕方ないんでしょう、しかも使える相手はあなただけですし」

「うう……」

【で、なんだ?】

「あいつらを追いかけたい! 手伝って!」

「おお、魔王領域に侵入ですか。私にも見えない場所ですからありがたいですが……大丈夫なんですか?」

「打撲と軽い脳震盪ぐらいだから大丈夫!」

「ばか、A!何考えてるのよ! 魔王の領域に乗り込む? 死んじゃうわよ!」

「ヘクトパスカルがいれば大丈夫」

「だめ、あたしもいく」

「Fさんを安全領域まで送るのは誰がやるんだよ!」

「じゃあ、あたしが魔王の領域まで偵察しに行く、あんたがFさんを連れて帰って」

「おい、ガキ共! オレは一人で帰れるぞ! ふたりとも行ってこい!」

「え……」

「年長者の命令だ、ふたりとも行け。Aはデキるのは間違いないが、肝心なところで詰めが甘い。Bはそこがフォローできる。二人同伴(セット)じゃなきゃ、偵察も浸透行動も無理だ」

「……」

【我もその戦エルフの意見に賛成だ】

「あんがと。うちの先祖が酷いことしたのに……感謝するよ」

【もう1000年も前の話だ、気にするな。当人が生きていたらその時は生きているコト自体を後悔させてやるが】

「……わかった、じゃあ二人で行こう」

「当たり前よ、Aのくせに生意気なんだから、もう!」

【痴話げんかはもういいか? そろそろ乗って貰わないと奴らを見失うかもしれんぞ】

「痴話げんかじゃないって! もう!」

「そ、そうよ! ただの幼なじみ!」

【まあ、そういうことのしておいてやろう】


(※空に舞い上がるヘクトパスカル)


【振り落とされぬよう、ふたりともしっかり掴まれ】


(※AとB、ヘクトパスカルの首に縄を巻いてそれにそれぞれ捕まっている。


「は、はひ! 高い高いっ!」

「ドラゴンってこんな速さで上昇するの?」

【お主等が低酸素で失神せぬよう、これでも低いところを飛んでおる】

「えーと現在魔王軍は北北西を陸路で逃亡中ですね…………あらあら? なんか行き先に時空変動の数値が感知されてます」

「うむ、確かに我らが知る魔法とは違う力で、空間がねじ曲げられておるのを感じるな」

「急いで!」


【よし……しかし竜使いの粗い奴だ】


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