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その5・当面は誘拐を主な業務として


その5・当面は誘拐を主な業務として


「さっきの閃光で視力が低下したみたいですから、クレバーに判断したんでしょう。第一暗殺者は長期戦には向きませんから」

「た、たすかった……」

「彼女にとっては多分初めての敗北ですねー……あ、そうそう言い忘れてましたがここの世界の魔法は一種の超能力で、才能のある人はキーワードを唱えると脳内にある才能型魔法回路が開いて、この世界の人型人類共通の、無意識下に存在するアカシックレコードにアクセスし、そこで数万年単位で蓄積、構築された数式に従い、空気中の魔素をコントロールして発動します。呪文詠唱とか不要な代わり、大きな魔法であればあるほど体力、あるいは寿命を消費します。体力ならいいですけれど、寿命は即死の可能性もあります。ちなみに魔法の名前はT(トンネル)&(アンド)Tトロールズっぽく適当というかちょっと皮肉とジョークが入ってます」

「ぜーはー、ぜーはー……」

「あと、盗賊、騎士、戦士、魔法使い、呪術使い、王族で使える魔法があります。この1万年ぐらいで蓄積されて専用の職業用魔法の数式が出来たんでしょうな」

「(聞いてない)……し、死ぬかと思った……」

「まったく情けないわね! ほらA、立ちなよ!」

「ありがとう、B」

「……ったく、ここの盗賊王になる筈の男が、そんなに弱っちくっていいの?」

「面目次第もない。でも美少年だから」

「殺すわよ、実際」

「ごめん、でも死ぬかと思った」

「いや実際、私がナビゲートしなきゃ死んでましたよあなた。今、計算結果でましたけど大体98%の確率ですねえ」

「いいですよねえ、そっちは単に見てるだけだから」

「いつも思うんだけど、あんた何処向かって喋ってるのよ?」

「これまでもそうだったんですか?」

「15年のオートプレイモードは今のあなたに繋がるようになってますから」

「なるほど……ところでB、北派(きたは)って……ああ、そうか、お父さんのことが憎くて堪らない元自称許婚のDおばさんが率いてるとこか」

「ホント今日はどうしたの? あんた言うことが変よ?」

「気にしないで、頭と顔が良すぎてよく分からないんだ」

「……ほんと、一度殺したほうがいいかも…………ってあんた震えてるじゃない」

「はは、ほんとだなんでだろ……はははは」

「まー、ちょっと前までは殺し合いどころか、ののしり合いからも無縁な人生でしたもんねえ」

「B、ちょ、ちょっとお水貰えるかな」

「……ばか」

 ぎゅー。

「え? あ?」

「あら、抱きしめられてますねえ」

「いやあのいやあの(混乱)」

「あんたは昔っから怖がりなんだから。そんなんじゃ盗賊王になるどころか、王女襲撃できないよ? 元気出しな。さっきの動き、すっごく格好良かったよ」

「あ……う、うん、げ、元気出た、うんいやあの、こ、これ以上はデンジャーだから、危険だから」

「? いつもやってることじゃないの? あとその後あんたが股間にテントを張るのも」

「そそそそそうなの? あ、ほほほほんとだほんとだ! 記憶にある! どうしよう! お婿にいけない!」

「ここは盗賊都市、どんな女だってその程度は理解してるわよ」

「そうなの?」

「まー。性的な羞恥心は地方によりまちまちですからねえ。あ、あとそのテントのポールですが転生前よりも……」

「言わないでいいです! 見りゃ判ります! ありがとう! ビッグビッガービッゲストですっ! こんな形で知りたくなかったけどっ!」

「どういたしまして。キレ気味の感謝の言葉有り難く受け取らせていただきます」

「……あんた今日変だよ? ま、元気出たみたいだからいいけどさ。ほら支度」

「いやまって、あの、この状態からまだお仕事やるの?」

「当たり前でしょ? 何ヤワなこといってんの? チャンスは一度、これで引っ込んだらあんたの親父さんが恥かくのよ!」

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