その12・そういや君は転生勇者
その12・そういや君は転生勇者
「あるでしょ?」
「ありますまあります! そうか、魔法で檻の中だから安心してるんだ!」
「使い方はご存知ですか?」
「(小声で)そりゃもちろん……B、逃げるよ」
「え?」
「(顔を王女に向けて)ですけど……」
「どうした少年。多少、とうはたっておるが、未だに身体を鍛えて折る故、子供ならバンバカ産めるぞ! それに処女だ、どうだ!」
「いやあの……」
「そうか、まあ、深い仲になろうと言うに鎧姿も無粋であるな」
ばあん!
「うわ……ひ、紐水着、きょ、巨乳」
「ひ、姫様、はしたのうございます!」
「構わぬ、ありのままの妾を見て貰おう!」
「姫様!」
「おまけに筋肉質ですねえ。よく見れば日焼けもしてますし」
「け、結婚します!」
「早いなおい」
「A! 何馬鹿なこといってんの!」
「王女様、あなたは僕の理想の相手です! 切れ長の吊り目の美貌! 日に焼けた肌、輝く腹筋、引き締まった脚! さらに幼なじみのBにはない巨乳!」
「このバカ!」
がすん!
「いったいなあ!」
「何考えてるのよ! 王女を掠う側が婿入りなんて!」
「婿ではない、愛人じゃ、妾に子種を仕込み、妾はそやつの(数文字削除)をしこむ」
「え?!」
「え!」
「おー、進歩的ですなァ」
「男は女を組み敷くだけと考えるからつけあがる。妾の閨では男女平等、挿しつ挿されつ。母上もそのまた母上も、建国の祖であらせられる女王陛下X様も、そうして王を尻にしいておったのじゃ」
「なんとディビ先生な展開……」
「尻に敷くと言うより、尻を……」
「以下削除! 以下削除!」
「A、あんたホントに大丈夫?」
「Aさん、あなたは今美少年ですから、考えてみては?」
「いやあのでも心の準備が」
「あなたのド好みの美人にお願いされても?」
(※もやもやと妄想)
「ど、どうしよう……」
「えーい! バカかあんたわー!」
ゴスガスゲスドス。
「いくらっ! 脱出っ、計画とっ! いってもっ! 棄てちゃっ! いけないものがっ! 男の子にはっ! あるでしょーがっ!」
ゲスガスゴスドスドス
「痛い痛いってっ! いやあのこころのまよいだって、一瞬! ほんの一瞬!」
「一瞬でも考えるな、ばかー!」
「やれやれ……本当にこの人で、この世界、大丈夫ですかねえ」
「ナビさん、腕組みしてないで何とかしてよ!」
(※周辺、騒がしくなる。外から女騎士一人走ってくる)
「姫様!」
「どうした?」
「遠くに敵影を感知しました!」
「なに?」
「鳥より大きく、龍より小さいとのこと!」
「まことか!」
「魔王の<天駆ける軍団>かと!」
「防空体制! このアホ共の処遇はあとじゃ!」
「え? え?」
「あー以外と早かったなあ……Aさん、この世界にあなたを派遣した理由が今来ますよ」
「え?」
「ほら、あっちの空」
(※ローターが風を切る音)
「え?」
「敵襲ー、敵襲ーっ!」
(銃撃音、魔法陣展開)
「東に部隊を集中せよ!」
「本陣を固めよ! 姫を守れ!」
「うそでしょ、あれ……」
「ええ、UH-60 ブラックホークヘリコプター」
「映画で見ました……でもあれ、なんかゆる可愛らしいキャラがデカデカと描いてありますけれど」
「とはいえ、両脇に積んだMINIMI機関銃などの武装は本物です……ほらホバリングしてロープでラペリングしてきますよ」
(※飛び交う銃弾、魔法防壁で弾かれる)
「(降り立つ、ベルト弾倉のMK46(※MINIMIの改良型分隊支援火器)とボディアーマーで武装したグラマー美女のシルエット)逃げる奴は敵だ、逃げない奴は訓練された敵だぁ!」
「フルメタルジャケットですか……えーと、ここから先はハードモードです、ちょっと覚悟しておいてくださいね」
「……えーと、どうなっちゃうの?」
「何言ってるんですか。あなた転生した勇者なんですよ?(ニヤリ)」




