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ペナルティ目当てで能力選んだらナビゲーター付き盗賊として異世界転生してました(仮)  作者: 神野オキナ
プロローグ・ダメダメな人、開き直って逆算してしまう
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その1・死因は秘密でお願いします

Twitterで短期間連載した「1時間で作る転生もののプロローグ」改め&改稿して投稿です。

13話目以後は途中で終わったTwitter版の続きになります。

また基本的にぶっつけ本番で書いているので、読み返しての誤字脱字修正はもちろん、設定や展開の修正もありますので、お許し下さい。

(※2019年9月29日追記)


これは、どこにでもある物語

でたとこ任せでグルグル回る、異世界という名のルーレットと、そこへ投げ込まれた球と、球の行く末をある程度は補佐するディーラーの物語。

球もありきたりなものだし、ディーラーもごく普通の平均的なディーラー。


だからこの物語の登場人物にも世界にも個別の名はない。

(※画面は開発中のもので変更も有り得ます)





その1・死因は秘密でお願いします




「というわけで、Aさん(×0代後半&仮名)、あなたはえーととても口には出せない理由により死にましたので」

「はい、絶対に言わないでください、お願いです、死んだ筈なのにまた死にます……トラックだったら良かったのに。トホホ」

「大丈夫、私は見ての通り鬼ではなく天使に近い存在です」

「ありがとうございます。温厚そうな外見通りの紳士な対応にほっとシマス……ところで、ここどこですか? あの世?」

「あなたの前世での読書傾向なら判る所でしょ?」

「ああ、やっぱその……世界の狭間とかそういう」

「……さて、お察しのいいところで本題に」

「はい」

「あなたは本日とある数的事情、世界線と事象のクルムヘトロジャン的なアレによって、そのまま魂をレストアされて別世界で再利用、ということではなく」

「はあ」

「最近流行りのアレです、えーと今までの知識やら何やらをもったまま異世界に転生します」

「はあ……」

「なんですか、嬉しくないんですか? 異世界転生は流行でしょう? 特に死後のトレンディ」

「……というか、あれは端から見てるから楽しいんであって」

「理屈こねると死因を私、再び口にしますよ?」

「ああやめてとめてやめてとめてええ!」

「喜びなさい」

「わーい(棒)

「そういうわけですから、あなたにはこれからえーと……NAー401型『への31』平行世界……といってもわかりにくいんで、えーとナーロッパ世界へ転生できる権利を得ました」

「はあ」

「一応聞きますが、権利を行使しますか?」

「いやまあ…………はい」

「ソレは良かった……まあ、死んじゃった人でそれを拒否する人って滅多にいませんけどね」

「ところで、なんですか、ナーロッパって?」

「なんとなくヨーロッパ近世と中世と近代と21世紀のローテク部分がゴッチャになった感じの異世界です」

「はあ……なーんか安易な気が……」

「でしたらガリゴリのドハードな中世ヨーロッパ世界に行きますか? 魔法がなくて宗教は絶対、医療技術も知識も発達してないので、うっかり『頭が割れるように痛い』って言ったら頭蓋骨を石割るためのノミとハンマーで砕かれる系、あと疫病蔓延(えきびょうまんえん)しててみんな迷信深くて革命的なことを言ったり発明したりすると悪魔の使いということで即火あぶりの世界」

「いやです!」

「もしくはドがつくハードなヒロイックファンタジーの世界はどうです? 筋骨逞しい男たちが闊歩して、青銅の武器を用いた肉弾戦でぶつかり合い、ややこしい魔法やらおぞましいモンスターやらとガチンコで血まみれの殺し合いをやらかして、ろくに水洗トイレもない、料理と言えば焼くか煮る、香辛料も殆どなく塩があれば御の字、という世界でろくに医者にもかかれないで戦い続け、王になっても湿気の酷い石造りの城の中で、ぽろぽろ落ちてくる漆喰の下で冷めた料理をすするような生活がお好み?」

「絶対、いやです。特に筋骨隆々の男たちと以後のくだりが!」

「ですよね?」

「そうですね、そうですね、うん。ナーロッパたーのしー♪ たーのしみーぃ♪」

「なんか適当にやっていますね?」

「人生は楽なほうがいい、が僕の生きてた頃のテーマでした」

「その割にはうっかり発明なムニャムニャ行為で……」

「やーめーてー! とーめーてー! 行きますどこにでも赴任します! もう荷物なんかないし! 転勤族になりきって異世界に転勤します!」

「ま、それでいいですよ、ええ」

「なんか悪魔と契約してるよーな気がしますが」

「それは主観の相違とあなたがあんな死に方を……」

「わー! わー! わー! きーこーえないーきーこえーないーっ!」

「ま、いいでしょ。とにかく、あなたは転生の権利を行使する代わりに我々の代行者としてその世界のバグを調整して貰います」

「そのバグって?」

「世界によって様々ですが大抵はその世界の滅亡に関わることになりますね。魔王だの天変地異だの、宗教対立だの、サッカーの発明だの」

「最後のって世界の滅亡に関わるんですか?」

「いくつかの世界はフーリガン同士の争いで滅んでます」

「えー!」

「想像してご覧なさいな、魔法をバシバシ打ち合う世界で、サッカーで熱くなったフーリガンが魔法を使い始めたらどうなります?」

「うわー……やな最後だ」

「あと早すぎる民主主義の概念の誕生でも滅びますね-」

「……」

「まあ、そこまで難しいことは滅多にないですよ、多分あなたも魔王退治が最終的な目標ですよ、多分」

「んなテキトーな……ところでここ何処ですか? あなた以外は何にも見えなくってちと不安です」

「まあ、よくあるあなたの世界と異世界の間に広がる空間ってやつですからねー」

「なんか凄い照明の光でセット代けちってるみたい」

「今の状態のあなたにも全てが見える様にしてなおかつ今後問題にならないようにするには色々面倒なんですよ。本来ならセカンドチャンスはないんですから贅沢言わないでください」

「そうなんですか、わかりました。

で、なんかチート能力貰えますか?」

「やっぱり、そういう所はしっかり押さえてますね」

「どうせやるなら無双とかハーレムとかしたいですから」

「なんか平均的ですね。まあ最近は大量にいますから、知恵がついてくるのも当然ですか」

「で、何貰えます?」

「そうですねえ。まず永遠無双、生まれた瞬間から誰もあなたに勝てる人はいません。賭け事から戦闘、競争ごと、いわゆる勝負事全てですね。ピンチに陥ることもありません」

「やった!」

「その代わり関わる人間がみんな死にます。二言以上会話を交わした人はみんな無残に」

「……」

「ハーレム、という能力もあります」

「おお!」

「その代わり毎日12人の女性を相手に満足させないとちん○んが破裂します」

「ぎゃあああ!」

「翌日には再生しますが、その代わり満足させるべき女性は倍に。出来なかったときの破裂の痛みも倍で増えていきます」

「う……」

「急速無限成長、というのもあります」

「おお、鍛えれば鍛えるほど強くなるという! 少年ものの王道能力!」

「その代わり、一生童貞です」

「なんで!」

「少年ものの王道にスケベエはありませんから」

「う……」

「えーと他にもありますよ.時間は今の所無限ですから、全部説明しましょう」

「あの……女神様とかあなたとか連れていくというネタは」

「ああ、それ。他の時空でやらかした人がいるんで禁止になりました」

「やっぱりなのかー」

「まあ、仕方ないですな。裏技は見つかったら封じられるのが当たり前です」

「えーと……じゃあスタンダードな奴ってありますか?」

「まあ、最近はそうですねえ『格闘(要努力)』『魔法才能(要努力)』『剣術(要努力)』どれも発動すれば生涯身について、時にピンチに陥ったりしますが死なない限りはなんとかなる、という奴です」

「え? 転生するのに死ぬの?」

「何言ってるんですか、不死身は別項目でしょ?」

「あ……なるほど」

「色々バグを見つける人が多いんで最近細かくなってるんですよ。世界のバランスを崩すバグ技も幾つか使われて大騒動になったこともあるんで」

「なるほど……で、(要努力)ってどれくらいですかね?」

「うーん、そこに関しては『様々』とか『人それぞれ』としかいいようがないですな。ただ努力しても得られないよりはマシです。あなたが以前生きてた世界ではそういうこと多々あったでしょ?」

「うーん」

「どうですか?」

「すみません、さっきからあなたがめくってるマニュアルの写しか何か貰えます?」

「ああ、自分で調べる気になりましたか。よかった。はいどうぞ」

「……ありがとうございます。じゃあ、読み込みますね」


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