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ヤンデレ女神に転生させられてしまった  作者: やすくん
第2章
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模擬戦①

数日後、俺達はフェンリルの里に行く前に義父さんのところへ挨拶に行った。

メンバーは、もちろん俺、そして凍牙、美冬、吹雪、アイリス、サクラだ。

クローディアと霞も連れていくが、今は彼女達の空間で待機してもらっている。

そして、移動の手段や子供達の世話にミドリも同行する事になった。

今回で、ミドリの本心が分かるかも?


義父さんの前に行ったのだが・・・


義父さんがとても困った顔をしている。

横に2人の男が並んでいるが、その男達が敵意剥き出しで俺達を睨んでいるからだ。

1人はマッチョな上半身裸の男。

もう1人はローブを纏い眼鏡をかけた魔法使い風の男。


ハゲのマッチョな男が義父さんに詰め寄った。

「創造神様!正気ですか?こんな子供を行かせるとは・・・、遠足ではないのですよ。蒼太殿や美冬殿は強いので分かりますが、こんな子供が何の役に立ちます?いくら何でも、身内贔屓し過ぎです。」


ローブの男も俺達を見下したような目で睨みながら話す。

「そうですよ、創造神様。この神聖な創造神の神殿がいつから託児所に変わったのですか?今回の任務は我々と部下で簡単に終わらせる事が出来ます。あんな犬同士の戦いに大した時間はかかりませんよ。」

「それに蒼太殿、確かにあなたは強い。でも、ここ数年はハーレムに溺れていると聞いていますね。こんな人神がちゃんとした仕事が出来ますか?これからは私達、新しい神の出番ですよ。女に溺れた男の出る幕ではありません。」


この男、本当に失礼な奴だな・・・、義父さんの前でなければ速攻で真っ二つにしてやるのに・・・

しかし、今は我慢だ!

美冬を見ると・・・、ヤバイ!髪の毛と尻尾が逆立っている。本気で怒っているぞ。

頼む!手を出すなよ!


「私をバカにするのは我慢出来る。でも、私の旦那と家族をバカにするのは許さないよ・・・」

美冬がニヤリと笑った。

「そんなに自信があるなら、今、ここで勝負しない?あんた達と自慢の部下で、私達とね。」


マッチョ男が冷や汗をかいている。

「み、美冬殿もですか・・・?さ、さすがにあなた様は強過ぎますから・・・」


「いや、私は戦わないよ。だって、私が出るとあんた達数百人が相手でも全然物足りないしね。私の子供をバカにしてるけど、あんた達レベルなら私の子供でも勝てないよ。吹雪、少し遊んであげてね。」


吹雪がケラケラ笑う。

「うん!分かった、母ちゃん。確かにこいつらは俺より弱い。相手の強さも分からないなんて・・・、バカだね。」


マッチョ男がプルプルしてるぞ。5歳児にここまで言われたらねぇ・・・

「こ、このガキィイイイ!殺してやる!」


凍牙がヘラヘラした態度で間に割って入る。

「オッサン、本当の事なんだから仕方ないだろう?あっ!そうか!頭に栄養が届いていないからバカなんだな。だからか、頭が剥げているのは栄養が足りてないからか・・・、可哀想に・・・」


おっ!ハゲマッチョの頭中の血管の浮き上がって、今にも破裂しそうだ。

美冬も凍牙も吹雪も面白いように挑発してるな。俺もスッキリしたよ。


「こ、殺してやる!死ねぇえええ!」

ハゲマッチョが凍牙に殴りかかろうとした。


「このぉおおお!バカどもがぁああああああああああ!」

義父さんもキレた。


「大人が子供に対して何をしておる!恥を知れ!」

「美冬の前では勝てないと分かってペコペコしているのに、子供の前だとそんな態度か!情けない男だな。」

「そんなにワシの孫達が信用ならんなら、納得いくように決着を着けさせてやるわ。」


「「そ、創造神様・・・」」

2人が大量に冷や汗をかいている。


「元々、お前達が彼等に喧嘩を売ってきたのだ。責任を取ってもらおう。」

「例の闘技場で模擬戦を行う。お前達、さっさと準備に行け!」


「「は、はい!」」

2人が慌てて部屋から出て行った。



「義父さん・・・」


「すまんな、息子よ・・・、バカな部下共の所為で恥をかかせてしまってな・・・」

「上位神家系の神族だから、実力が無いのにプライドだけが高くてな。困っていたんじゃ。」


「まぁ、このメンバーを見れば確かに不安な気持ちも分からない事はないですけど、言い方がさすがに失礼でしたね。よく美冬が我慢出来たと思います。」

「でも、ハーレムと言われたのはさすがに当たっているだけに、何も言い返せませんでしたが・・・」

こればかりは苦笑いするしかないよな。


義父さんがケラケラ笑う。

「息子よ、ハーレムの事は気にするな。あれはモテない男のひがみだ。上位神の中には、数十人の妻を持っている奴もゴロゴロいるからな。ただ、フローリアとロイヤルガード全員を妻にしているからなぁ・・・、フローリアの求婚者の数は星の数ほどいたし、春菜達もかなりの数のプロポーズを受けていたのだぞ。ずっと断っていたのをお前が全部持っていってしまったからな。男どもから恨まれるのは仕方ないな。」


「全員があの美貌ですからね。仕方ありませんよ。今でも見つめられたりするとドキッとしますし、こんな俺を選んでくれて感謝してます。」

美冬が赤い顔で俺の手を握ってくれた。

「ソータ・・・、キレイだなんて・・・、恥ずかしいな・・・」


「そして、お前達の強さはワシが1番分かっている。もう、遠慮せずにあのバカどもを叩き潰してやってくれ!」


「分かりました。2度と俺達に絡む事が出来ないよう、遠慮せずに、トラウマが残るまで叩き潰しますよ。」


「頼んだぞ。」


「あなた!この試合、私も見届けさせてもらえませんか?」

義母さんとガーネットを抱いたフローリアが、隣の部屋から出てきた。


「私もあのアホン神族の態度には普段から腹が立っているの。あのハゲは、まだ生まれたばかりのガーネットを『高貴なワシの妻の1人に迎えてやる』なんて事を言ってきましたのよ。信じられます?私から見ても将来は美人に間違いない子だから、今のうちに自分のものにしょうとするなんて・・・」

「蒼太さん、私とフローリアが立ち会いで蘇生魔法を使いますから、あのバカ共を抹殺しても大丈夫です。殺してもすぐに生き返らせますから、安心して細切れにして下さい。」

うわぁ・・・、義母さんが怒っている・・・


フローリアもムッとした態度になっている。

「そうよ、旦那様!あの陰険眼鏡も、まだ私に言い寄ってくるのよ。『君はあんなハーレム男の妻には相応しくない。あの男と別れて僕と一緒にならないか?僕なら君をずっと幸せに出来るから。』そんな事を言ってくるのですよ!気持ち悪くてサブイボ出まくりだし・・・」

「旦那様、すり潰すことを許可します。もう、2度と近づかないように、徹底的にお願いしますね。」


名前通りのアホな神族だ・・・


「義母さん、フローリア、分かった。俺達家族に手を出したらどうなるか・・・、魂まで恐怖を染み込ませてあげますよ。誰に喧嘩を売ったかをね。」




1時間後、俺達は闘技場に入った。

観客席には数百人の神族がいる。


「義父さん、俺達だけでの模擬戦のはずでは?何でこんなにギャラリーがいるんですか?」


義父さんがプルプル震えている。

「あのアホ一族めが・・・、あの観客はアイツの一族と取り巻き連中だ。この機会にお前達に恥をかかせて、お前がワシの傍にいられなくなるようにして、お前達を排除するつもりだ。ワシに対するアホ一族からの発言権を強くしようと目論んでいるに違いない。魔の森で戦争になっている危ない状態でも、自分の一族の利益を優先しようとする・・・、浅はかな奴らだ・・・」


「そんな奴らには絶対に負けられませんね。それでは、俺達は下に行きます。」


「頼んだぞ。」


俺達が闘技場に入った時に貴賓席にいる義父さん達の方に目を向けた。

義父さんの隣にデップリ太ったカエルのような男が座っていた。いやらしい目を義母さんやフローリアに向けている。

アイツはいつか絶対に抹殺だな。




「行ったか・・・、まぁ、息子達なら負ける要素はないから、どれだけ圧倒出来るか楽しみだ。なっ、母さん。」


「そうですね、徹底的にやってもらいたいですよ。」


貴賓席に入るドアから、丸々と太った男が入ってきた。

「これは創造神様。お久しぶりです。そして、奥方様とフローリア様も相変わらずお綺麗ですね。」

そう言って、創造神の隣の席に座る。


「今回は、私の息子達の為に時間を作っていただいて感謝してますよ。いくらあなたの息子さん達が強くても、私の息子、デーズとダーナの前には単なる木偶に成り果てますよ。このダーラよりも遙かに強い自慢の息子達です。」

「そして、優秀な我が息子達が鍛えた精鋭の力もお見せ出来るとは嬉しいですね。この試合で我々が圧倒的な力を見せ、あの犬どもの喧嘩を見事に収めてきますよ。まぁ、我々の力が強大過ぎて、犬達が間違えて滅んでも仕方ないかもしれませんが・・・」


「そんな事はこの試合に勝ってからだ。お前の息子達がどこまでの猛者か見定めてもらうぞ。」


「もちろんです。我が息子達と精鋭の圧倒的な強さを見ていて下さい。それと、我らが勝った暁には、以前から言っていました、我が息子とあなた様のお孫さんとの婚姻を認めて、我々もあなた様の一族に加えてもらう事もお忘れなく。」


創造神がニヤリと笑う。

「お前達が勝てたらな。ワシの息子や孫達を舐めるなよ・・・」


フレイヤとフローリアが黒い笑みで闘技場を見て、同時に呟いた。

「「地獄を見せてあげてね・・・」」




「さて、誰から行く?相手はハゲの部下みたいだな。」


闘技場の中央に1人の男が立っている。デカい!身長は軽く2mを越えている。体格はハゲマッチョと似た感じがだが、そいつはちゃんと髪が生えていた。その男の右手には身長と同じくらいの長さの棍棒が握られている。


「父ちゃん!俺が行く!」

吹雪が前に出てきた。


「よし!吹雪!アイツらに地獄を見せてやれ!」「うん!」


美冬が吹雪の頭に手を置き微笑んだ。

「吹雪・・・、ってもいいから。遠慮しなてもいいからね。」「うん!」


吹雪が元気よく走って、闘技場の中心で男と対峙した。

身長差がハンパない。吹雪は120cm位の身長なので、自分より倍近くの体格の相手との戦いだ。


男がニヤニヤ笑いながら吹雪を見ている。

「チビ犬、安心しろ。すぐにこれでぺちゃんこにしてやるよ。苦しむ間もないくらいあっという間にな。」


吹雪もニヤニヤしている。

「出来ればね。」


「この生意気なチビがぁああああああ!」


男が棍棒を振りかぶり、振り下ろそうと足を前に出した瞬間に吹雪が動いた。

前に踏み出した足の膝に拳を叩き込む。


「ぎゃぁああああああ!ひ、膝が!」


吹雪が相手の膝を破壊し、膝から下が変な方向に曲がっている。男は踏ん張る事も出来ず、前のめりで倒れ始めた。

男の顔面が吹雪に迫る。


「これでこの汚い顔に届く!」

吹雪が再度構える。

「喰らえぇえええ!母ちゃん直伝の、マグナム・ブレイクゥウウウ!」

吹雪の右ストレートが男の顔面を捕らえ、脳味噌をまき散らしながら顎から上の頭部が吹き飛んだ。


そして、ゆっくりと男が仰向けに倒れた。


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