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ヤンデレ女神に転生させられてしまった  作者: やすくん
第2章
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クローディア①

フローリアや義父さん達と分かれ、俺とアイリスは自宅に戻ってきた。

とても疲れた(精神的に)ので、今はリビングのソファーで寛いでいる。

アイリスもかなり疲れたみたいで、俺の膝を枕にして気持ち良さそうに眠っていた。


頭を優しく撫でてあげると、「パパ・・・」と寝言を言っている。本当に可愛いな。

ふと前を見ると、ドアの後ろにサクラとガーベラの顔が見える。2人は羨ましそうな顔で見ていた。


「サクラ、ガーベラ、こっちにおいで。」

俺が2人に手招きしたら嬉しそうに近づいてきた。

アイリスを起こさないように2人はそっと近づいてきたが、目の前に来たところでアイリスが目を覚ましてしまった。

「あ、サクラ、ガーベラ・・・」


「ゴメンね、起こしちゃって・・・」

サクラがアイリスに謝ったが、アイリスはニコッり笑いながら

「大丈夫、サクラもガーベラもパパの隣に座りたいのでしょ?私はずっとパパと一緒にいたから、2人に譲ってあげる。」

そう言って、ソファーから降りた。

2人は喜んで俺の両隣に座って寄り添ってくる。アイリスはサクラの隣に座り、ニコニコした顔でサクラ達を見ていた。

この子達は本当に良い子に育ってくれた。こうやっていると幸せだな。

この幸せをフェンリル族やスキュラ族にも分けてあげられないものか・・・


しばらく4人で座っていると、2階に続く階段のあたりでドタバタと足音が聞こえる。

アクア、マリン、紅葉、吹雪が部屋になだれ込んできた。


「お父さん、おかえり!」

紅葉が元気よく挨拶してくれる。


「「お姉ちゃん達、ずる~い!」」

アクアとマリンが見事なシンクロでサクラ達に文句を言っていた。


子供達が一斉に俺の前に来て、みんな俺の前に座った。

我が家は前世の日本同様に玄関で靴を脱いでから上がるので、床の上で座ったり寝転がっていても問題はない。

しかし、子供達を見渡すと1人足りない・・・


「吹雪・・・、凍牙はどこに行った・・・?」


吹雪が困った顔になった。

あいつめ・・・、また何かやらかしたな・・・

「凍牙兄ちゃんは、つまみ食いがバレて、今、ララお母さんとミドリお姉ちゃんの前に正座させられて、怒られているところ・・・」


あいつ・・・、本当に何をやっている・・・

何かドッと疲れが出たぞ・・・


子供達と一緒に遊んでいると春菜達が帰ってきた。

「あなた、ただいま。」


「春菜、お疲れ様。あっちの世界はどうだ?」


「かなり進んできましたね。元の美しい世界に戻るのはまだまだ先ですけど、すごくやりがいのある仕事ですよ。みなさんも手伝ってくれてますし、感謝してます。」


女神となった春菜は、ガーネットがかつて滅ぼした世界の復興を行っている。

そして、夏子、千秋、美冬はその手伝いだ。

かなり大変らしいが、元の美しい世界に戻すように頑張っていると義父さんが褒めていた。


「あなた、フローリア様から聞きましたが、かなり面倒な事を押し付けられられたとか?」


「そうなんだよな・・・、頑固すぎる爺さんの説得に、大幅な戦力ダウンでの戦い・・・、無理ゲーに近い・・・」


「大変ですね。私達も一緒に手伝います?何か、昔を思い出しますね。」

春菜が最高のニコニコ顔で俺に微笑んでくれた。でも、忙しい春菜の手は借りれない。


「いや、大丈夫だ。美冬だけ借りていくよ。美冬、頼むな。」


美冬がサムズアップしてくれた。

「ソータ、分かったよ。フローリアお姉ちゃんからも連絡が来た。手伝ってくれってね。フェンリルの里かぁ・・・、帰るのは数千年ぶりだなぁ・・・」


「そして、私もお手伝いをしますのよ。マスターの為にね。」

春菜達の後ろでふんぞり返っているクローディアがいた。


「「出たな!乳おばけ!」」

夏子と千秋が振り返って構えている。


「夏子、千秋、あいつを知っているのか?」


2人とも頷いた。

「あぁ、私達は旦那様と結婚するまではフローリア様の護衛だったからな。だから、何度も会っている。しかし、あいつはいっつも自分は胸がデカイといって威張ってくるんだ。胸の大きさで女の価値が決まる訳ではないと思ってはいるが、何せあの大きさだ。何故か負けたような気になってな・・・」


「そ、そうか・・・、色んな女の戦いがあるんだな・・・」


「ただいまぁ・・・、疲れた・・・」

マリーが帰ってきた。


マリーがふんぞり返っているクローディアを見てニヤリと笑った。

「誰?この垂れ乳女は・・・」


クローディアが真っ赤になって叫ぶ。

「私は垂れてないわ!あなた、何を言っているの!」


マリーがまだニヤニヤしている。

「いやぁ・・・、上手くブラで誤魔化しているけど、春菜や千秋に比べるとねぇ・・・、あの2人も巨乳だけど、私も羨ましいくらいに全く垂れてないからね。でも、あんたはちょっと垂れてるよ。」


春菜と千秋が真っ赤になった。

「マリーさん!」「マリー!何て事を言うんだ!」


クローディアが呆然としている。

「わ、私が負ける・・・、この完璧な肉体が・・・」


何とまぁ、低レベルな戦いだ・・・

「お前らなぁ・・・、子供達の前で変な話をすんな・・・、教育に悪いぞ。」


フェンリルの里についての話をしようと思っていたけど、この様子じゃ無理っぽいな。

今日は風呂に入ってスッキリして、明日、改めて話をしよう・・・



夕食後、俺と凍牙は風呂に入っていた。

増築で風呂も更に立派になり、浴場は男女で別れたからゆっくり入る事が出来る。

銭湯に来た気分で風呂に入れるから最高だ。

今では妻達は自分の子供と一緒に女湯に入っているので、以前みたいに俺が入っている時に乱入しようとする事は無くなった。

この入浴タイムが1日で最高の癒しタイムだ。

凍牙も湯船に浸かってのんびりしている。


「凍牙・・・、お前、ララとミドリに何をしたんだ?正座で説教までされて・・・」


「いやぁ・・・、あいつらが楽しみに取っていたケーキを食べてしまってな・・・、お前が何とか買ってきた数量限定品だったから、完全に怒っちゃって・・・」


「そりゃぁ、お前が悪い。それにしても・・・、お前、本当に子供っぽくなってしまったな。」


「そうなんだよな、俺もよく分からん。体がこんな状態だから、精神年齢も下がってしまったかもしれない。我ながらアンバランスな状態だと思っているよ。」


「そうか・・・、それと、サクラとガーベラの事はどうなんだ?あいつらは真剣みたいだぞ。親としては複雑な気持ちだけどな・・・」


「蒼太・・・、その事については俺は覚悟を決めている。何せ、お前の子供達だからな。本当に良い子に育っていると思う。ちょっと愛が重いけどな・・・、お前が嫁さん達に追いかけられていた時の気持ちがよく分かる・・・」

「俺はあいつらよりも一足先に成人の時の体に戻ると思う。そして、あいつらが成人になっても俺と一緒にいたいと思っていたら一緒になるつもりだよ。可愛い美冬がお前に嫁いで幸せになっているんだ。俺がお前の娘達を幸せにしないと、お前の親友である俺の立場が無くなるからな。」

「ただねぇ・・・、お前の事を『義父さん』と呼ぶのか・・・、変な気分だよ。」


「凍牙、今更そんな呼び方されると、俺も気持ち悪い。お前とはずっと今までのいつもの呼び方で構わないと思うぞ。」


「そうだよな。」


「凍牙、それとな・・・」


「何だ、蒼太、言いにくい事か?」


「実はな、義父さんからフェンリルの里を助けて欲しいと依頼されてな・・・、数日後に美冬と2人で行こうと思っている。」


「何ぃ!どういう事だ!」


俺は詳しい事情を凍牙に放した。


「う~ん、そんな訳か・・・、あの石頭ジジイ、一族同士以外の結婚は認めないからな。追放されずに監禁までされたとなると、その男はジジイの息子の氷河かもしれん。族長の息子がスキュラ族の娘と恋仲となってしまって、ジジイも周りの目を気にしてしまったのだろうな。」

「俺は里を出ていったから関係ないと言えばそれで終わりだけど、美冬と1番仲の良かった雪が残っていると大変だな。何かあったら美冬が悲しむ。」

「分かった。俺も一緒にいくよ。今の姿だと大した戦力になれんが、サクラのあの力を使えば一時的にあの時の姿に戻れるからな。俺が行くなら、サクラは間違いなく一緒に来るだろうし・・・」


「親としては複雑だけどな・・・、まぁ、泣いてでも一緒に行くのは間違いないと思うよ。あの子なら戦力としても十分だろうな。今では夏子達と引き分けになるくらい強いし・・・」


「俺もサクラのあの力は本当は嫌なんだけど・・・、大切な可愛い美冬の為だ。出来れば、サクラの力を使わないように頼むぞ。」


「凍牙・・・、ありがとう・・・」

「そうなら、吹雪も連れていきたいな。あそこは美冬の故郷だ。やはり、息子には母親の故郷を見せたいよ。」


「まっ、ジジイが俺に何かしても、お前が何とかしてくれるだろうしな。それと、お前の後ろにはレオとフローリアがいるから、そこまでバカな事はしてこないと思うぞ。」


凍牙が協力してくれる。こんな嬉しい事はない。

体を洗う為に一緒に湯船から出て椅子に座った。


「マスター、お背中を流しましょうか?」


えっ!何故、クローディアの声が背中から・・・?

恐る恐る振り返ると・・・


いたぁああああああ!素っ裸のクローディアが俺の後ろに立っている!

いや、大事な部分は石鹸の泡で隠されているから、ギリギリセーフか?

しかし、こんなところを春菜達に見られでもしたら・・・、間違いなく俺の人生が終わってしまうぞ・・・


「クローディア・・・、いつの間に・・・」


「マスター、私達神器は普段は特殊な空間にいるんですよ。すぐに呼び出せるようにね。結界も妨害魔法も無視して顕現出来るのですよ。」

「今なら誰も邪魔者がいませんからね。マスター・・・、私の愛を受け止めて下さい・・・」

舌なめずりしながら、クローディアが近づいてくる。


「凍牙!逃げるぞ!」

凍牙の方に振り向いたが・・・

大量の鼻血を噴き出して、血の海の中で失神していた。


そうだった・・・、当時の凍牙は相当のイケメンでかなりモテてはいたが、純情過ぎて女には弱かったな。

サクラとガーベラはまだ子供だからそんなに女と意識しないで付き合えているが、クローディアみたいなダイナマイトな女だと刺激が強過ぎたか・・・


凍牙を抱えて脱衣室に逃げようとした時、浴室の入り口からフローリアを除く春菜達妻全員が駆け込んできた。どさくさに紛れてミドリまでいる!

「あなた!今、フローリア様から連絡があって、あなたがクローディアに襲われていると!」


さすが、フローリア。俺の状況を逐一チェックしていたか。助かった・・・


しかし!何故だ!


「何で、お前達まで裸なんだ!」


「たまには、夫婦水入らずでお風呂に入りたいと思いましてね。」

春菜がそう言うと、みんながポッと頬を染める。


そして、春菜と千秋がズイッと前に出る。2人の大きな胸が揺れている。クローディアに垂れていないアピールをしているのか?

クローディアが春菜達の胸を見ながら悔しそうにしている。そんなに気にする事か!

こんな状況じゃなければ、最高に嬉しい光景だけど・・・

目を覚ました凍牙が春菜達を見て、またもや盛大に鼻血を噴き出して気絶してしまった。

あまりにも勢いよく鼻血を出し過ぎて宙に浮かんだぞ。

ヤ、ヤバイ!凍牙が出血多量で痙攣を起こしている!


そんな危機的な状態の凍牙が目に入らないのか、アイリスが凍牙を無視してクローディアの前に出てきた。


アイリスもいたのか!


「その前に、邪魔なデカ乳女を排除しないとね。」


「子猫ちゃん、今回は手加減しないわよ。」


「ふっ・・・、デカ乳女、私も容赦しないから。」

アイリスがクローディアに向かって駆け出し、手前でスライディングを行った。足を引っかけて相手のバランスを崩す。

よろめいたクローディアの後ろにアイリスが回り込み、腰に腕を回してがっちりホールドした。

そのままクローディアを抱えながらジャンプし、空中で半回転してクローディアの後頭部を床に叩きつけた。

ジャンピング・バックドロップだと!

そして、倒れているクローディアの両足を抱え、アイリスを中心として回り始める。

アレは!ジャイアントスイング!

勢いを付けて彼女を空中に放り投げる。そして、彼女を追いかけるようにアイリスもジャンプした。

空中でアイリスがクローディアの首に腕を回し締め上げて半回転し、頭から床にクローディアを叩きつけた。

トドメのバベルクランベルだ!


クローディアは頭を床に食い込ませながら気絶していた。

まさか、必殺コンボのDSCを再現するとは・・・、アイリス恐るべし・・・


アイリスが美冬とハイタッチしている。

「アイリス、私の最大の必殺コンボを良く覚えたね。」


「うん!これでデカ乳女には負けないよ!霞お姉ちゃん!後はよろしくね。」


アイリスの隣の空間が裂けて、中から霞が現れた。

「はいよ!凄いなお嬢ちゃん。あの頑丈なデカ乳をノックアウトするなんて・・・、さすが、私が認めただけあるな。」

「それじゃ、このお邪魔虫は持って帰るね。」

霞が気絶したクローディアを無造作に床から引っこ抜き、ズルズル引きずりながら空間の割れ目の中に消えていった。


「あらら、床に穴が・・・」

春菜がそう言って指を鳴らすと、あっという間に床が修復された。


「さぁ、あなた、これでゆっくりみんなとお風呂に入れますね。」

夏子とマリーに両腕をガッチリ掴まれて、湯船の中に引きずり込まれてしまい、みんなが入ってきた。

何故、ミドリも一緒に入っている?


気絶した凍牙は、いつの間にか来ていたサクラとガーベラに抱えられながら浴室から出ていった。

あの2人、とても嬉しそうに凍牙を運んでいたな・・・、何をする気だ・・・


春菜が隣に座り、胸を腕に押し付けてくる。

「あなた、フェンリルの里に行くとなるとしばらく会えませんからね。今日くらいは私達の我が儘を聞いて下さい。」

そう言って、春菜が俺にキスをしてきた。


それを見ていたマリーが「あ~!春菜、ズルイ!私も!」そう言いながら抱きつきキスをしてきた。


「マリー!アイリスもいるんだから、大人しくしろ!」


「へ~い・・・」


アイリスがニコニコしながら隣に座る。

「パパ、モテモテだね。私もずっと大切にしてね。」


「もちろんだよ。」


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