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ヤンデレ女神に転生させられてしまった  作者: やすくん
第1章
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エピローグ②

第一部完結になります。


美冬のお腹もかなり目立ってきた。

フローリアのプレッシャーもかなりだ・・・

「みんな母親になっているのに、私とララさんがまだですか・・・」


「フローリア、神族はなかなか子供が出来にくいと言われているからな。そう焦らずに頑張ろうな。」


「はい・・・」

子供は授かりものと言われるくらいだから、焦ってもどうしようもないと思うぞ。

でもなぁ・・・、フローリアも最初から俺の子供を欲しがっていたしな・・・

期待に応えられるよう頑張ろう・・・




幸せそうな顔で美冬がベッドで男の子を抱いている。

やっぱり、アレはフラグだったのか・・・

「春菜、お前の言った事が全部当たってるな。どんな予知をしているんだ?」

春菜が焦っている。

「そ、そんな事はしてませんよ。ただ、こうなるのかなぁ・・・と、突然頭の中に閃いたような感じだけですよ。」

フローリアが春菜の横に来た。

「春菜さん・・・、あなたは女神に覚醒した時、同時に予知にも目覚めたかもしれませんね。今は無意識で漠然とした事しか予知が出来ていないかもしれませんが、将来は私を越える女神になるかもしれませんね。」

「そ、そんな・・・」

フローリアが急に真面目な顔になり、春菜の肩を掴む。

「春菜さん!私の子供はいつ出来るか分かりますか?」

春菜が更に焦っている。

「そ、そんなの分かりませんよ・・・、でも、今すぐではないかもしれませんね。あと5、6年待てば分かりませんが・・・」

「わ、私!何を言って!す、すみません・・・」

「フローリア様!、信用しないで下さいね。私にそんな力はありませんから!」

フローリアがニッコリ微笑む。

「春菜さん、ありがとう・・・、5、6年後ですね・・・」

「フローリア様・・・」

ダラダラと冷や汗を流す春菜だった・・・


「美冬、ごめんな、外野がうるさくて・・・」

「大丈夫だよ。みんなはちょっと賑やかなのが普通なんだから。」

「そ、そうか・・・」

「でも、私も嬉しいな。大好きな人の子供を授けてもらえるなんて・・・、初めて会ったあの時から、あなたをずっと待っていたから、本当に・・・」

美冬が泣き出してしまった。ちょっと焦る。慌てて美冬をハグしてあげた。

「ありがとう、ソータ・・・」

「美冬、お兄ちゃん呼びは辞めたのか?」

「うん!だって私はお母さんだよ。旦那の事をお兄ちゃんって読んだら変じゃない。だから、これからはソータって呼ぶね。」

「分かったよ。お前もママになったなら、ちゃんと野菜を食べないとな。子供に示しがつかんぞ。」

「むぅ・・・、ソータの意地悪・・・」

俺と美冬のやり取りを見ていたフローリアと春菜が大笑いしていた。


「凍牙、お前も少し大きくなってきたな。」

「あぁ、ずっとあのサイズだったらどうなるのかとビクビクしていたけど、ちゃんと成長出来て良かった・・・」

今の凍牙は小型犬くらいの大きさだ。そして、やっと人間の姿にもなる事が出来るようになった。でも、人間になっても5歳児くらいなんだよな。相変わらず美冬とララのオモチャにされているが・・・

「この姿で伯父さんになるとはなぁ・・・、只でさえ兄貴の威厳が無いのに、美冬の子供にも伯父さんの威厳が無いだろうな・・・、早く大きくなりたい・・・」

「贅沢言うな、凍牙。こうやって復活出来ただけでも奇跡なんだからな。俺と同じで新しい人生を歩むんだと思えば良いさ。」

「そうだな。俺も転生したみたいなものか・・・」


凍牙はこの状態でも剣に変化する事が出来た。

そして、美冬に対しても今までのガントレットの形での変化も可能だ。さすがに両方同時には無理だが、それでも美冬は兄と一緒に戦えるといって喜んでいたな。

この能力は始祖のフェンリルが元々持っていたみたいで、お互いに心を通わせた相手の武器になれる話だ。今のフェンリル族はその力もかなり弱くなっていて、死ぬ事により形見として武器化する事までしか出来ないみたいみたいだ。

1度、凍牙にフェンリル族の里に俺と美冬の3人で顔を出さないかと言ってみたが、始祖のフェンリルが復活したと分かってしまうと、純血主義の長老は間違いなく凍牙を監禁させ、血を残す為に里の娘全員と結婚させられるのは間違いないと焦っていた。「俺はそんなハーレムは嫌だ!自由が欲しいんだ!」と、真剣に里に帰るのを嫌がっていたな。

凍牙は元々里のしきたりが嫌で、自由を求めて里から飛び出したからな。そんな未来は絶対に嫌だろう・・・、俺も、その気持ちは分かる。


「あのね・・・、ソータ。この子の名前だけど、本当に私が考えたので良かったの?」

「もちろん、良いに決まっているだろう。お前が大切にしたい子供の名前なんだからな。『吹雪』か、良い名前だな。さすが美冬が考えただけあるよ。」

「えへへ・・・、そんなに褒められると恥ずかしい・・・、でも、この子は髪の毛が金色なんだよね。間違いなく、凍牙お兄ちゃんと同じで始祖のフェンリル様の血が甦っている。私、そんな子の母親なんだ。私もしっかりしないとね。フェンリル族は何よりも強さを優先するから。」

「そうだな。当時は神界最強と言われていた凍牙よりも強くなるかもな。何せ、俺と美冬の子供だからな。」

「そうだね。私も頑張る!」

凍牙が俺の視界の隅で拗ねていた。

「俺だって、本当は強いんだ・・・、元の姿に戻れれば・・・」




それから5年が経った。

我が家も家族が一気に増えてしまったので、フローリアの魔法で更に内部を大きくした。

外見は全く変わっていないが、中に入ると、どこの高級ホテルなんだと思うくらいに広くなっている。

フローリアが「気合いを入れ過ぎてしまいました・・・」と、お茶目に舌を出していたが・・・

これ以上は大きくならないと思うが、更に大きくなったら何処かのアパートみたいに秘境が出来て、我が家でも家族の遭難騒ぎが起きるかもしれん・・・

そうならないように、フローリアにはちゃんと念押ししておかないとな。


ララも昨年子供が生まれた。女の子で名前を『ルル』と名付けた。

神族になった俺と人間のララの子供だったので心配したが、生まれた子供は天使だった。

ララはルルを抱きながら、「これで私がおばあちゃんになっても、あなたがずっと私の代わりにご主人様のお世話が出来ますね。」と喜んでいたが、娘にもずっと我が家のメイドにさせるつもりか?

さすがにララに子供が生まれた時は、フローリアが「後は私だけですか・・・、春菜さんの言葉を信じていたい・・・」と、本気で落ち込んでいたな・・・

やはり、日頃の行いの差かもしれん・・・


俺とフローリアはリビング外のウッドデッキにあるベンチに2人で座っていた。

初めてこの世界で夜を迎えた時も、このベンチで2人で座っていたなぁ・・・

懐かしい・・・

「フローリア・・・、やっぱり春菜の予言は凄いな。本当に5年後で当たったぞ。」

「そうですね。やっと私にも赤ちゃんが出来ましたね。本当に嬉しいです。」

そう、フローリアもおめでたになった。

「パパもママも私がおめでたになったと分かったら、もう喜んで喜んで・・・、パパなんかこの子が生まれた日は創造神権限で神界の祝日にしようとまで言ってましたし・・・、さすがに『それはやり過ぎ!』と、ママが私の神器でパパをホームランにして、パパが星になりかけましたけど・・・」

うわぁ、フローリアの母さんって・・・、あんな姿で神器に認められる程の強者か・・・


「かなり大きくなってきたから、もうそろそろかな?」

「私も母ですか・・・、実は、もう子供の名前を決めているんです。」

「へぇ・・・、そうなんだ。」

「このお腹の子はもう女神として覚醒していまして、女の子と分かってしまいました。」

「サクラみたいだな。サクラも今ではかなりのものだし、この子も将来が楽しみだよ。」

「それで、名前はガーネットと名付けようと思っているのですが・・・」

「な、何だって!一体・・・、どうして・・・?」

まさか、あのガーネットの名前が出てくるとは思わなかった。かつてのガーネットは全ての記憶と力を失って、今は『アイリス』という名前で俺達が育てている。あの苛烈さの面影は一切無く、本当に可愛い娘だ。

「それはですね・・・、彼女は決して許すことの出来ない罪を多く重ねて来ました。そして、私達が倒したのは事実ですが、彼女は元々本当は優しい女神です。旦那様への愛情が重すぎてあんな風になってしまいましたが、私は彼女の事は忘れてはいけないと思ってます。生まれ変わった彼女自身は、今はアイリスの名前で私達の子供として育っていますが、やはり、ガーネットという名前も私達家族の輪の中に入れてあげたいと思いました。」

「旦那様・・・、ダメですか・・・?」

「ダメな訳がないだろ。やっぱり、お前は優しいな。俺が1番好きな妻だけあるよ。」

「そ、そんな・・・、不意打ちで1番好きと言われると、恥ずかしいです・・・」

そうだよな。ガーネットはあれだけ俺と一緒になるのを望んでいたんだよな。全てを敵に回しても・・・、俺達の家族の中にガーネットの名前を入れる事が、彼女に対する1番の幸せかもしれない・・・

「分かったよ。俺も賛成だ。ガーネットも俺達の家族の輪の中に入っている証にしたいしな。」

「旦那様・・・、ありがとうございます。」

フローリアから涙が溢れた・・・


フローリアが俺の肩にもたれかかって幸せそうな顔をしている。

庭から俺を呼ぶ声が聞こえた。あの声はアイリスだな。

「パパ~!」

アイリスが俺のところに駆け寄ってきて、「パパ、だ~い好き!」と言って抱きついてきた。いつものアイリスの行動だけどな。

「アイリス、どうした?サクラと凍牙と一緒に遊んでいたんだろ?」

「そうなんだけど、サクラが凍牙お兄ちゃんに『私、凍牙お兄ちゃんのお嫁になる!』と言って抱きついていたの。そしたら、私、何か急にパパのところに行きたくなって・・・、今までこんな事なんて無かったのに・・・」

フローリアが立ちあがった。

「私は家の中に入っていますね。」

少し間を置いてから真面目な顔で

「旦那様・・・、アイリスの事は旦那様の意志にお任せします。」

そう言って、ウインクしながらリビングに戻って行った。

女の勘か?フローリアは何かを感じ取ったみたいだな。


「アイリス・・・、どうしたんだ?まさか、凍牙が好きなのか?サクラが凍牙の事が好きと言ったから、やきもちでも焼いたか?」

アイリスが思いっきり首を横に振った。

「違う!凍牙お兄ちゃんの事は好きだけど、お嫁さんになりたいの好きでないんだ!私がお嫁さんになりたい人は・・・」

アイリスが俯いて黙ってしまう。

「そうなんだ・・・、アイリスは誰のお嫁さんになりたいんだ?」

アイリスが顔を上げる。その目には決意が籠っていた。

そうか・・・、アイリスは小さい時から俺にベッタリだったからな。赤ん坊の頃は俺にしがみついて離れないし、歩けるようになってからは、ずっと俺の後ろを付いていた。もうすぐ8歳になるが、今もほとんど夜は一緒に寝ている。本当に俺から離れようとしない。

やはり、記憶を失っていても、魂は俺の事は忘れていなかったか。そして、以前の彼女は心から俺と結ばれる事を願っていた。

そして、アイリスは将来、俺に告白してくるだろうと妻達全員が予想していた。俺の気持ちは・・・


アイリスは真っ赤になりながら、俺の顔をジッと見つめている。そして・・・

「私!パパのお嫁さんになりたい!」

俺は優しくアイリスに微笑みかけた。

「分かったよ。アイリスなら大歓迎だよ。アイリスが大人になったら結婚しような。約束だ。」

「えっ!本当!パパ!本当に・・・、私と約束してくれるの・・・」

俺はアイリスに頷いてあげる。

アイリスの目から涙が止めどなく溢れてきた。

「何で・・・、何でこんなにたくさん涙が出てくるの?悲しくないのに・・・」

優しくアイリスを抱きかかえてあげる。

「パパ・・・、嬉しい・・・」

アイリスが小さな体でギュッとしがみついてきた。

「アイリス、それはな、お前はずっと昔から俺と結婚したかったからさ。一途にずっと俺の事を想って・・・」

「そして、やっと約束出来たから嬉しいんだろう。だから泣いているんだ。」


「待たせたな・・・」


(ガーネット・・・)


まだまだ次く予定にしていますが、ちょっと投稿ペースが落ちると思います。


評価、ブックマークありがとうございます。

励みになりますm(__)m

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