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ヤンデレ女神に転生させられてしまった  作者: やすくん
第1章
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闇に堕ちた女神⑧

「ガーネット・・・」


「ブルー様・・・、とうとう私と1つになる決心がつきました?早く!なるべく痛くしないようにしますよ。」

ガーネットが涎を垂らしながら俺を見つめている。

正直、もう勘弁して欲しい・・・

こんな姿を見ると、フローリアの暴走の方が可愛らしいくらいだ。


「フローリア、ヤツの防御シールドはハンパないな。どうだ?」


「問題無いですよ。さすがに1人だと厳しいですが、私達3人だと誰にも負ける気がしません。」

フローリアがガーネットに見せつけるようにして、俺の腕を組んでくる。


「そうだよな。それじゃ、そろそろ終わらせるか!」


「何で私の前でイチャイチャしているの!女狐!もう許さない!」


美冬が俺達の前に出てきた。

「凍牙お兄ちゃん、お願い・・・、私に力を貸して・・・」

美冬がそう呟くと、体が白く輝く。光が収まると、あのガントレットが両腕に装備されていた。

「それじゃ、私からいくよ~!」

ガーネットに向かって走り出す。

「右のぉおお!マグナムゥウウッ!・ブレイィイイックゥウウウッ!」


ガキィイイイイン!


「そして、左のおぉおおおお!ファントムゥウウウウッ!・クラッアアアアッシャーァアアアアアアッ!」


グシャァアアアアア!


「よし!ヒビが入った!お姉ちゃん!次!」


「美冬さんに負けられませんね。」

美冬と入れ違いにフローリアがダッシュでガーネットに駆け寄り、大剣を振り上げる。

「はぁあああああああああ!」

「乾坤一擲!雲耀の太刀ぃいいいいいいい!」


ガキィイイイインンンンンン!


ヒビが更に大きくなる。

「ふっ!私に断てぬものはありません・・・」


「お、おのれぇぇえええええ!」


「旦那様!最後です!」


「分かった!凍牙!いくぞぉおおおおおお!」

凍牙が俺の手に現われる。


「ガーネット!これでお前を守るものは無くなる!」

「くらえぇえええええええええええ!」

「無蒼流秘奥義、終の型・・・」

「乱れ雪月花ぁああああああああああ!」


バリィイイイイイイイイン!!!


ついに、防御シールドが砕け散った。


「し、信じられない!絶対に破られる事のない私のシールドが・・・」

「はっ!何、これ!私の顔に傷がぁあああああああああ!」

乱れ雪月花の剣がガーネットの頬に掠り、傷が出来て血が流れていた。


「こ、この美しい顔に傷がぁあああああ!」

「ゆ、許さない!」

ガーネットの醜悪な顔が更に歪んでいる。


「あら、これのどこが美しい顔ですの?ご自分で鏡を見てみましたか?」

フローリア!お前、何を挑発している!

相手を怒らせてどうする?


「だ、黙れぇえええ!私を挑発するなんて無駄よ!女狐!大人しく私に殺されなさい!」


「そう・・・」

フローリアが指を鳴らすと、ガーネットの前に巨大な鏡が現れた。

ガーネットが鏡に映った自分の姿を見て絶叫したぞ。


「な、な、何!この化け物は!これが私!そんな訳がなぁああああああああい!女狐め!そんな事をして私を動揺させようとしても無駄よ!美しい私がこんなに醜い姿である訳がない!」


フローリアがニヤニヤした顔でガーネットを見ている。

「どう思おうとあなたの勝手ですけど、これが今のあなたの真実の姿ですよ。あなたの醜い魂そのままの姿ですよ。」


「フローリア・・・、あんなに怒らせて大丈夫か?」


「私もビックリです。あんな手に引っかかるとは思いませんでしたよ。彼女は自分の美しさに絶対の自信を持っていましたから、そこを突いてみたのですが、あんなに怒るとは・・・」

「それと、私達の事をずっと『女狐』や『雌豚』なんて言い続けていましたし、私もいい加減に頭に来てました。少しくらいは仕返ししてもいでしょう。」


「お前・・・、意外と余裕があるなぁ・・・」


「彼女の性格はよく分かっているつもりですよ。」


「がぁあああああああ!私が!私が!あんな姿である訳ないぃいいいいいい!この雌豚女狐がぁああああ!今すぐ八つ裂きにしてやるぅうううう!」

ガーネットが怒り狂って鏡を粉々にした。


「今です!」

粉々になった鏡の破片が宙に浮き、全てガーネットに向かって飛んでガーネットの全身に刺さった。


「ぎゃぁあああああ!い、痛い・・・、痛いぃいいいいいい!」

「私の体が・・・、この美しい体がぁあああああ!」


「頭に血が上り過ぎて、こんな簡単なトラップも気付かないとは・・・」

「旦那様!今です!」


「分かった!フローリア!美冬!お前達の力も借りるぞ!」

2人が頷いた。


「トォオオオルゥウウッ!!・ハンッマァアアアアーーーーーーー!!」


俺の目の前に巨大な黄金のハンマーが現れる。

「フローリア!美冬!」

「「「はぁあああああああああ!」」」

「「「ハンマァアアアアアーーー!、コネクトォオオオオオッーーー!!」」」

3人でハンマーの柄を掴み魔力を流す。

ハンマーがかつてないほどに光り輝いた。


「2人ともありがとう。これならヤツを完全に消し去れるはずだ。」

「ガーネット!これで最後だぁあああああ!」

ハンマーを握り直し、ガーネットと対峙する。


「おぉおおおおおおおお!」

ガーネットにむかって駆け出し、手前でジャンプをしてハンマーを振りかぶる。


「させるかぁああああああああ!」

「出でよ!グングニールの槍ぃいいいいい!」

何だ、ガーネットの右腕が巨大な槍に変化したぞ!

構うかぁあああ!


「ファイナルゥウウ!・クラッアアアアッシャーァアアアアアアッ!」

黄金のハンマーと漆黒の槍が激突する。

「おぉおおおおおおおおおおお!」


「はぁあああああああああああ!」


「負けるかぁあああああああああああああ!」

黄金のハンマーが槍の尖端から徐々に光の粒子に変え始めた。

「うおぉおおおおおっ!」

槍がどんどん光になって消え始める。

「光になぁれぇえええええええええええ!!」


槍が全て光になった。

このまま押し切ってやる!

「おぉおおおおおおおおおおお!」

ガーネットの右腕のつけ根まで光になって消え去った瞬間、俺の背筋に強烈な悪寒が走った。

何だ!

俺の視線がガーネットの腹にある口に向かう。ここがヤバイと感じた。

口の中が漆黒の闇で満たされていた。

こ、これは!何て邪悪な気配!

その瞬間、口から闇が放たれた。

「ヤバイ!」

咄嗟にハンマーを盾にしたが、ハンマーが粉々に砕かれてしまい、吹き飛ばされてしまった。

「くそぉおおおおおお!あと少しだったのに!」


ガーネットがゆらりと立ち上がり、俺の方に向く。

「ブ、ブルー様・・・、何故、そこまで私を拒絶するのですか・・・、どうして、そんなに私を嫌うのですか・・・、私はあなたとずっと一緒にいたかった・・・、ただ、それだけの願いだったのに、何故です?」


「ガーネット・・・、お前は俺と一緒になりたい。その気持ちは嬉しい・・・、しかし、お前が望んでいるのは俺とお前2人だけの世界だ。そして、他は全て排除する2人っきりだけの寂しい世界だ。俺はそんな世界は望んでいない。俺が望んだ世界はお前と真逆、みんがが笑い幸せになる世界だ、誰1人も欠けて欲しくない。そうして、みんなが手を繋ぎ助け合う・・・、それが俺の望みだ。」

「だから、ガーネット・・・、お前が俺達の輪の中に入る気持ちがあったなら、俺はお前を受け入れていただろう・・・、だが、お前はそれを拒み、排除を選択した・・・」


「私は・・・、ブルー様と一緒にいたい!それがどんな手段でも!ブルー様の望みは分かりました・・・」

「そして、私を受け入れてくれると思った気持ちも・・・、嬉しくて失神しそうです。」

「だけど・・・、私の体も魂も限りなく汚れています・・・、もう、私はあの頃に引き返せません!だから・・・、ブルー様!私と一緒に死んで、魂で一つになりましょう!誰にも邪魔をされない世界で・・・」


「さぁ!一緒に死にましょう!ブルー様、愛してますぅうううううううう!」

「これが究極の愛です!」


何を言っても無駄か・・・

ガーネットの今の言葉で一瞬でも救いたいと思ったが・・・

もう、どちらかが完全に滅ぶ道しかないのか・・・

だから・・・、俺よ!覚悟を決めろ!


「ガーネット!俺はお前と心中する気は無い!死ぬのはお前だけだ!」

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