異世界でステータスは鉄板だね
前話の美冬の表現が間違えていたので訂正しました。
とっても個性的なメンバーでフローリアの世界を冒険する事になった。
果たして俺はこのメンバーを纏められるのだろうか・・・
しかし!見た目はどれも美人の女の子ばかり!
若返った俺にとってはご褒美のパーティーかも?
ポジティブに考えれば道は開けるはず!
「そう言えば、フローリア。」
「はい!」
「これからお前の世界に行くんだよな?一体どんな世界なんだ?」
「そうですねぇ~、私が管理している世界は数千の世界ですが、蒼太様の好みの世界に絞って候補は出ていますが・・・」
「う~~~ん・・・」
「やはり、他の神達との戦闘も考えられますので、既存の世界の人達に迷惑をかけたくないとも思っているんですよ。」
「そうなると、新たに蒼太様の好みオンリーの世界を作った方が良いのかと?」
「世界なんてちゃっちゃっと作れますからね。」
世界を作るだと!
世界は神によって簡単に創造されるとは衝撃の事実だった。
数千の世界を管理だと!しかも俺の都合で迷惑をかけてしまう事に気を遣っている。
今までの言動からだとポンコツ女神にしか見えなかったが、一応それなりの地位の女神なんだろうか?
時々まともになるみたいだ。
それにしても、他の神々の事をゴミと言っていた気がしたのだが、怖いから詳しく聞かないでおこう・・・
「試しにこんなのを作ってみたのですが、どう思います?」
「自信作ですよ。」
「そのドアを開けて覗いてみて下さいな。」
妙にニコニコしているフローリアの表情に嫌な予感を感じたが・・・
意を決してドアを開けてみる。
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「きゃぁぁぁぁ~~~~~~~!」」」」」」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「蒼太様ぁぁぁぁ~~~~~~~~~!」」」」」」」」」」」」」」
視界を埋め尽くすほどの大量のフローリアがいた・・・
「却下。」
とてつもない精神的ダメージを受けた気がした・・・
そして後ろを見ると、大量の鼻血を吹き出して倒れている千秋がいた。
何かブツブツ言っている。
「フローリア様がイッパイ・・・」
「女だけのパラダイス・・・」
「最上のご褒美です・・・」
フローリアが悶えている千秋を見ながら
「すみません・・・、ちょっと羽目を外し過ぎました。」
「普通に異世界もので剣と魔法の世界で、時代考証は中世っぽいモノを作ります。」
「頼みますから、まともなものでお願いします。フローリアならそれくらい簡単だよな?」
「お任せを!」
チョロい
しばらくしてフローリアが
「出来ました。蒼太様の希望通りに出来たと思います。」
「行く前に確認だけど、いくら春菜さんたち護衛が強くても相手は神との戦いになるんだろ?」
「そんな相手に俺は大丈夫なのかな?」
「その点は心配しないで下さい。」
「まず体は蒼太様の一番ベストの状態である20歳に若返らせています。」
「若いから多少の無理は大丈夫ですよ。」
「ふふふ・・・、若いですからいくらでも絞り取「おい、フローリア!」・・・」
「それ以上、下ネタをぶっ込むと『U』が出て来るぞ!」
「『U』!はぁぁぁぁ・・・・」
「大変申し訳ありません!調子に乗り過ぎていました!」
「私とした事が・・・、興奮の余り一番大事な事を忘れていました・・・」
向かうところ敵無しと言えるくらい厚顔無恥のフローリアが青ざめている。
それもそうだ。
『U』とは我々の世界では絶対とも言える存在で、全ての生き物の意識に「絶対に逆らってはいけない」と刷り込まれている。
創造紳や女神とは比べものにならないくらいの高次元な存在でもある。
そんな存在に目を付けられるようなものなら、存在そのものをキレイに消し去られてしまうのだ。
この世界の誰も勝てない・・・
話は逸れたが・・・
「おほん!」
「肉体を若返らせるだけでは不十分だと理解していますよ。」
「もちろん、私から加護を授けますので、神々との戦いでもお役に立てると思います。」
「それでは加護を授けます。」
俺の体が光った。
確かに加護を受けたみたいだ。
「私の持ちうる加護を授けましたので確認して下さい。」
「『ステータス・オープン』と念じるとステータスプレートが浮かび上がります。」
加護とステータス。
異世界転生の鉄板ではないか。
やはり異世界だなぁと実感するね。
「ステータス・オープン」
目の前にノートPCの画面みたいなものが浮かび上がった。
「どれどれ・・・」
名前:水上 蒼太 (20歳)
種族:もう人間辞めてます(フローリアのモノ)
「えっ!」
職業:フローリアの所有物❤
「はぁ!」
そして残りの余白いっぱいに大きな文字で
『最強です!』
何コレ・・・
下の方に小さな文字で
『※向かうところ敵無しです。誰もあなたに敵いません。レッツ!独裁者♪』
膝から崩れ落ちそうになった。
確かに強さは重要だけど、こんな冗談みたいなステータス表記は欲しくなかった・・・
同じ最強でも、せめて表現に工夫してもらいたかった・・・
「・・・」
「すごいステータスですね。」
「フローリアの所有物確定ですか?」
「私の加護を受け入れましたから、お互いの同意と同じ事ですよねぇ~。」
「誰にも蒼太様を渡しません!」
本当に一体どうしてフローリアはこんなに俺に惚れているんだろう?
確かにあの部屋での印象は最悪だったが、あまりに一途なフローリアを見ていて少し好きになっている俺もいる。
俺が神の一員になれるか今は分からないが、ここまで頑張っているフローリアに対して逃げ出しては男が廃ると思う。
監禁生活を回避する方法を考える時間は十分にあると思うし、それ以上に異世界を旅する事にワクワクしているのは本当だ。
よし!腹を括ろう!
「あの~・・・」
「どうした、フローリア?」
「一つお願いがあるのですが・・・」
「何だ?」
「・・・」
「これから・・・」
「これからは蒼太様の事を『旦那様』とお呼びして良いですか?」
「その・・・」
「勢いとはいえども・・・、私の初めてを蒼太様に捧げましたし・・・、これからの確かな心の繋がりを感じていたいんです・・・」
「ダメですか・・・・・・・?」
フローリアの潤んだ目が上目使いで俺をジッと見つめている。
この表情には絶対に勝てない。
「分かったよ。」
そう言った瞬間、フローリアが俺の胸に飛び込んで静かに泣きだした。
嬉し泣きだろう。
気の済むまで胸を貸してあげよう。
横を見てみると、ニコニコ、ニヤニヤした4人がいた。
そして小さく「おめでとう。」と言ってくれた。
泣き止んだのか、フローリアが微笑みながら顔を上げてきた。
その微笑は今まで見たフローリアの笑顔の中でも最高の笑顔だった。
「それじゃ行ってくる。」
そう言って、俺は異世界へ繋がるドアへ歩き出す。
「行ってらっしゃいませ!『旦那様』!」
さぁ!冒険の始まりだ!
『U』とは一体何でしょうね?(笑)