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ヤンデレ女神に転生させられてしまった  作者: やすくん
第1章
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家族が増えた①

はっ!


目が覚めた。しかし、昨日の夜の事は覚えていない・・・

たしか、フローリアと美冬に迫られた事までは覚えているんだが・・・

周りを見渡してみると、フローリアと美冬が俺の両隣で気持ちよさそうに眠っている。


一体、何があった・・・

死を覚悟したような気がするんだが、この2人には絶対に聞けない!

聞いたら、また同じ目に遭う気がする・・・


「旦那様、おはようございます。」

フローリアが目を覚ました。すごく晴れやかな顔だな。

余程、良い事があったのだろう。

俺にとっては最悪だったかもな?


「フローリア、おはよう。」

すぐに美冬も目を覚ました。

「ソータお兄ちゃん、フローリアお姉ちゃん、おはよう。」

美冬もすっきりした顔だな。


「美冬、結婚したのに、まだお兄ちゃんと呼ぶのか?」


「うん!まだ甘えたいからね。」


「お前なぁ・・・、都合によって大人と子供を切り替えるのか?」


「えへへへ・・・、ダメ?」

美冬の上目遣いが可愛い!ダメだ、この可愛さに勝てん!何でも言う事を聞いてしまう!

破壊力抜群だよ。

魂の世界で会った凍牙もシスコン気味だったしな。俺もその気持ちはよく分かる!


「分かったよ。でもな、野菜はちゃんと食べるんだぞ。」


「むぅ・・・、お兄ちゃんの意地悪・・・」

このちょっと拗ねた姿も可愛いぞ!


昨日はあれこれと騒々しかったが、今朝は比較的穏やかな朝だな。

いつもなら、こんな朝だと、フローリアが『さぁ!続きよ!』とか言って、また襲ってくるんだが・・・

こんな日があって良いだろう。

いや!これが普通の朝なんだ!普通じゃないのに慣れてきているなんて・・・


改めて考えると、ホントに濃過ぎるメンバーだよな。

でも、毎日賑やかで楽しいから良いか・・・




我が家も住人が7人となって、かなり狭く感じてきた。

元々、この家は旅の宿泊拠点として用意していた家だったので、最大5人で住む予定だったからな。

まさか、ここで定住するとは思わなかったし、今ではフローリアもララ住んでいる。

フローリアは俺の寝室で寝泊まりしているけど、ララは1階の和室に住んでいるが、ララ個人の荷物や衣類が置けないので可哀想だ。

その事をフローリアに相談すると提案してくれた。

「じゃぁ、軽く増築しましょう。」

か、軽くって・・・

「まぁまぁ、旦那様、この私に出来ないことはありませんよ。」


全員が外に出て、家の前に立っている。

「少し待ってて下さいね。」

フローリアが呪文を唱えると、家全体が光った。

光が収まったが・・・

「見た目は全く変わってないけど・・・、フローリア、大丈夫か?」


「安心して下さい。ちゃんと増築しましたよ。敷地はこれ以上増やせないので、内部を色々と弄りました。」


「そうなのか?」


「旦那様、外からだと分かりませんから、中に入って確認しましょう。みなさんも驚きますよ!」

ウインクしながらドヤ顔をしているフローリアだった。


中に入ってみた。

ひ、広いぞ!外からだと思わなかったが、リビングの広さが今までの倍以上ある。テーブルも大きくなったし、ソファーも数が増えてる。

何故?


「驚きましたか。空間魔法を応用して内部の空間を広げました。異次元収納の応用ですね。だから、外から見ても変わらないのに、中は広くなったのですよ。」


「凄いな。さすが、フローリアだ。」

素直に褒めるとフローリアが照れた。こんな態度が可愛らしいな。


キッチンも今まではダイニングと対面式だったのに、今回はアイランドタイプに変更されている。これなら俺以外にフローリア、渚、ララと4人が一緒に料理をしても余裕だな。


そういえば、料理で思い出したが、最近の夏子と千秋はフローリアに家事の特訓を受けていると春菜が言っていたな。

何故か『修練の世界』まで出かけて特訓をしているなんて、一体どんな特訓なんだ。

帰ってくると、2人はボロボロだし・・・

渚にそれとなく特訓内容を聞いてみた事もあったが、「な、何も聞かないで下さい。思い出すだけでも・・・」と酷く怯えていたな。

家事っていうのは、ここまで肉体的、精神的にもボロボロになるまでのものか?


話は逸れてしまったが、ダイニングテーブルも大きくなって、出来上がった料理も今まで以上に置ける。食いしん坊キャラが多い我が家だが、これなら配膳の手間も省けそうだ。


風呂も大きくなった。5人が一緒に入っても大丈夫なくらい、洗い場も湯船も大きい。

だが、残念だったな、フローリア・・・、俺は1人で入って、ゆったりする風呂が大好きなんだよ。絶対に乱入出来ないよう、入る時は結界を張らせてもらうからな。それだけは譲れん!


2階は大きく様変わりした。

何と、俺を含めて全員が個室を貰えた。もちろん、ララも個室が与えられ、とても喜んでいた。ベッドもあるし、1人で落ち着きたい時は最高だ。これでゆっくり眠れるぞ。

ただし、俺達の寝室は2階で1番大きい部屋が割り当てられている。俺達6人が一緒に寝てもまだまだ余裕がある巨大なベットが鎮座していた。


「旦那様、みなさん、これでみんな一緒に眠る事が出来ますね。全員が妻ですから、全員で一緒に寝ましょうね。これで、寂しい夜を送らなくても良くなりましたね。」

みんなの目が輝いている。

普段はここでみんなで一緒に寝る事にしたんだな。

でも、たまには個室で1人ゆっくりと眠らせてもらえる日も欲しい。


ん!

・・・

ちょっと待て!


「フローリア・・・、今、全員と言ったよな・・・、何で、俺の目に前にララも一緒に並んでいる?」


「あら・・・、気が付きました。」

「ララさんから私にお願いがありまして、是非、旦那様の妻に加えて欲しいと言われ、みんなで許可しました。今回のサプライズですよ。驚いたでしょう?旦那様もララさんから告白されれば受け入れますよね?まさか、断る事はありませんよね?」


それはない!ララなら俺も受けれるよ。あの盗賊事件で心の傷を負いながらでも、俺達には一切そんな素振りも見せず頑張っていたんだ。そんなララなら大歓迎だよ。

ララが恥ずかしそうに俺に近づく。よく見ると、左手の薬指には既に指輪が嵌まっていた。


「ご主人様・・・、黙っていて申し訳ありません。みなさんがどうしても黙っておくようにと・・・」


「良いんだよ。俺を驚かそうと思ってやった事だしな。俺もララなら大歓迎だよ。」

「それに、ララがいないと家事が回らないしな。」


「ふつつか者ですが、よろしくお願いします。」

ララを抱き寄せキスをすると、みんなが拍手し祝福してくれた。


「ララ・・・、お前は俺達の正体を知っている。俺達と一緒になるという事は、人間であるお前だけがどんどん歳をとっていく事になるんだ。本当に大丈夫か?フローリアの力で、今の姿で天使に生まれ変わる事も可能だが・・・」


「構いません、私は人間として人生を全うしたいと思ってます。」

「ご主人様・・・、私がおばさんやお婆さんになっても、変わらず愛し続けて下さいね。」


「もちろんだ!約束する。」




新しくなったキッチンで、早速、みんなで料理を作る事にしてみた。

夏子と千秋が『修行の成果を見せる!』と気合を入れて料理に参加してきた。


本当に大丈夫か?

あの様子だとどんな修行をしていたのか分からんし・・・


「だ、旦那様!食べてくれ!」

夏子が差し出してきたのはおにぎりだった。

一口食べてみる。

ふっくら握られていて、塩加減も絶妙だ。素直に美味いと思う。


「夏子、美味いぞ!」


「やったぁあああ!これで主婦の仲間入りだ!渚ばかりに良い思いをさせられないからな!」

夏子が飛び跳ねて喜んでいる。おにぎりくらいで大袈裟な・・・

少し呆れていたが、春菜が横に来て説明してくれた。

「夏子さんですが、おにぎりを作るとすごい事になるんですよ・・・」


「な、何が起きるるんだ・・・?」


「おにぎりを握る時に気合が入り過ぎるのか、力を入れ過ぎて普通サイズのおにぎりがビー玉サイズまで小さくなってしまうんです。高密度に圧縮されているので、硬くて食べれません。以前、試しに切ってみようとしたのですが、包丁が入りませんでした。2升のお米を焚いて握ると、やっと普通の大きさのおにぎりになるんですよ。硬いし重いし食べられないし・・・、うっかり落としてしまったら、床にめり込みました。」


「物理法則を完全に無視した握り方だな・・・、理解出来ん・・・」

「普通に握れる事が出来たから、あれだけ喜んでいるのか。」


どうやら、特訓で『手加減』を覚えたみたいだな。


一方の千秋は・・・

玉ねぎのみじん切りの前で胸を張っている。


「どうだ!とうとう玉ねぎを克服したぞ!」


おっ!あの「目が~目が~」というのを克服したみたいだな。

しかし、千秋よ・・・

いくら玉ねぎ対策だと分かってはいるが、鼻にティッシュを詰め込みながら玉ねぎを切る姿はなぁ・・・

お前のクール美人が台無しだぞ。

今度、電子レンジを使った玉ねぎ対策の方法を教えてあげよう。


少しバタバタした感じがあったが、無事に調理も終わり、みんなで楽しくご飯を食べた。

フローリアが俺の隣で、みんなの姿を見て微笑んでいる。


「家族は良いですね・・・、みんなで楽しく賑やかな姿・・・、私の憧れの光景です。」


「そうだな。この光景がずっと続くよう頑張るよ。」


「お願いしますね。旦那様。」




その夜、俺は個室で椅子に1人座って寛いでいる。

仮称宝石箱の中にある、残り1個の指輪を見つめていた。


「この指輪は誰の分だろう?一番可能性が高いと思っていたララでもなかったし・・・」

「しかも、この2階の個室は、あと一部屋空きがあるよな。」

「フローリアは分かっているみたいだが、俺の運命の人って一体誰だ・・・?」


評価、ブックマークありがとうございます。

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