お父さんがやって来た②
無事に創造神も俺の事を認めてくれたようで良かった。
ちゃんとフローリアも幸せにしないとな。
場が収まったところでフローリアが提案してきた。
「パパ、もうすぐでお昼だから、一緒にみんなでご飯を食べましょう。旦那様の料理を食べたら更に気分が良くなるわよ。」
「そ、そうか・・・、じゃぁ、わしも一緒にご馳走になろう。」
そして、渚と一緒に大急ぎで昼食の準備を行い、みんなでお昼ご飯にした。
「「「「「「いただきま~~~す!」」」」」」
創造神はいただきますの挨拶を知らないので、目が点になっていたが・・・
「う、旨い!」
創造神が喜んで食べているよ。作った甲斐があるもんだ。
「美味しいでしょ。旦那様と渚さんが作ったのですから、美味しくて当然ですよ。」
「な、渚だと!」
創造神が驚いている。渚の事を知っているんだ。
「フローリア・・・、あの渚なんだよな?闇女神の再来とまで言われた・・・」
「パパ!これ以上言ったら渚さんが可哀想よ!今は違うんだから!」
「わ、悪かった・・・」
フローリア強い。父とはいえ、1番偉い神様を叱っているよ。
「そうですよ。今まで渚さんが出てくるときはテンションMAXの状態でしたからね。だから、ああなってしまってたけど、普段の渚さんは可愛らしい女の子なんです。私達は誰も彼女の事を理解しなかったのに、旦那様だけはちゃんと渚さんを理解してくれたんですからね。それくらい、旦那様は凄いんです。」
フローリアがドヤ顔だ。
渚が真っ赤になっているぞ。本当に可愛いよ。
創造神が真面目な顔で渚を見つめている。
「渚よ、今まで悪かった・・・、お前の事を全く理解しようとしていなくてな。あの暴れっぷりだけで判断していた。心から謝罪する。」
渚に対して創造神は頭を下げてきたが、さすがに1番偉い神様に頭を下げられいるもんだから、渚もかなり慌てている。
「そ、創造神様!頭を上げて下さい!私なんかに頭を下げる事はありませんよ!」
「いや!わしが創造神だからこそ頭を下げなければならん。本質を見極められなかったわしが悪かった・・・」
「創造神様・・・」
渚の目から涙が流れている。今までが辛かったから、本当に嬉しいんだろうな。良かった・・・
「創造神様、私も暗い闇の底から彼に救い出されました。そして、今は幸せを実感しています。」
「わ、私も助けてもらいました。」
千秋と春菜も渚に続いて真剣な顔で創造神に訴えている。
「そうか・・・、フローリア、お前の見る目は間違いなかったな。」
「息子よ!これからもフローリアの事を頼むぞ!」
「はい!」
「はいはい、折角のお昼ご飯が冷めちゃうから、早く食べましょう。」
フローリアが湿っぽくなった雰囲気を察知して場の空気を変えてくれた。
それから、みんな昼食を楽しんだ。
昼食が終わって、帰る事となったはずだったが・・・
「息子よ。今日はお前に会えて良かったぞ。」
「自分こそ、ちゃんと挨拶もしないで申し訳ありません。」
「良い良い。」
義父さんの目つきが急に変わったぞ。一体何が・・・
「それでだ!お前を見ていると血が騒ぐ。どうしても、お前の力を見てみたくて我慢が出来ん。」
「娘に相応しいかどうではない!わしが戦いたがっているんだ!」
「フローリア!これはわしの我が儘だ!一勝負させてもらう。いくらお前でも止める事は認めん!」
「パパ・・・」
「こうなったら、私でも止められませんね・・・」
恐る恐るフローリアに聞いたみた。
「もしかして、創造紳って戦闘狂?」
「はい・・・今では大人しくなったのですが・・・、強い相手を見ると、もう喜んで戦うんですよ。こればっかりは誰にも止められません・・・」
「ここだと戦えませんので、例の世界に行きます。」
「分かった・・・」
やっぱり、フローリアの父だ、。欲望に忠実なのは全く同じだ・・・
「それでは、みなさん行きますよ。」
そして、俺は創造紳と戦う事になった・・・
そして、鍛錬の世界に着いた。
「フローリア、ここは久しぶりだな。お前達ロイヤル・ガードもわしがここで一時期鍛えたからな。あの時よりも強くなって嬉しいぞ!」
あんたは喜んでいるけど、彼女達は青ざめてるぞ。フローリアといい、一体どんな修行をさせたんだ?
それにしても、こんな爺さんが本当に強いのか?
やはり、魔法をメインで仕掛けてくるのか?
ただ、分かる事は・・・、油断は一切出来ない!
「ふはははぁ!こんな姿では満足に戦えんな!」
創造紳がローブを脱ぎ捨てた。
「え!」
俺の目の前にいたのはヨボヨボだった爺さんではない!
世紀末伝説のアレに出て来る覇王の姿だぞ!ゴンザよりも大きいし、単なるマッチョではない。無駄な筋肉など一切ない、本当にリアルに〇オウだよ!
あの爺さんの姿は何?絶対に詐欺だよ。創造紳詐欺だ!
勝てるかぁああああああ!
「久しぶりだな、この姿は。創造紳の肩書があると面倒でな。普段は変身魔法で爺さんの姿を演じているが、やはりこの本当の姿が一番落ち着く。」
「さて、闘神と呼ばれた、このレオの心をどこまで満足させてくれるかな?楽しみにしてるぞ。」
絶対に勝てる気がしません・・・
「旦那様~!死んでも安心して下さい。私がすぐに生き返らせますから。」
フローリア・・・
そんな風に言わなくても・・・
でもな、俺にも意地があるんだよ。簡単にはやられんぞ!
「ほう、さっきよりも顔つきが良くなったな。俺を殺すつもりでかかって来い!」
「義父さん、それじゃ、思いっきり行かせてもらいます!
「凍牙行くぞ!先手必勝だ!」
俺は走り出し凍牙をすぐに具現化して切りかかった。相手は丸腰だ。凍牙なら無傷で済まないはず!
しかも、リーチなら俺に分がある。先手はもらった!
あと一歩で間合いに入ると思った瞬間に、背筋に凄まじい悪寒が走った。
ヤバイ!
すぐに後ろに下がったが、俺の腹に痛みが走る。驚いて腹を見てみると、横一文字に浅く切られていた。
い、いつの間に・・・
「ほう、よく気が付いたな。もう一歩踏み込んでいれは、輪切りになっていたところだったのにな。」
気が付けば、義父さんの手には剣が握られていた。凍牙と同じ日本刀だ。
「ほとんどの者が、この一太刀で死んでいるのだが、息子よ、お前は生き残った。俺と戦う資格があるようだな。やはり、お前は強者だ。血が騒ぐ。」
「この刀は俺の神器だ。そして、この刀を抜く事は、相手の息の根を止めるまで戦う覚悟を表している。そう簡単に死ぬなよ。」
「こちらから行くぞ!」
義父さんが一瞬で俺の前に移動して上段から切りかかる。かろうじて受け止めたが、何て重いんだ!
息をする暇もなく左右からの切り返しが襲ってくる。転がりながら何とか回避した。
「はぁ、はぁ、強いですね、義父さん・・・」
「息子よ、逃げ回ってばかりでは、俺にには勝てんぞ。」
義父さんは正眼の構えで俺を見据えている。
くそ!全く隙が無い!どの方向から踏み込んでも輪切りにされるビジョンしか見えない・・・
「ならば!フレア・ストーム!」
魔法を放ち、時間差で切りかかった。
巨大な炎の嵐が義父さんを襲う。避けなければ直撃だ。避けた瞬間を切りかかれば・・・
「甘いっ!」
義父さんが大きく刀を振りかぶり、勢いよく振り下ろすと斬撃が飛んできた。
マ、マジか!
そのまま炎の嵐を一刀両断し、斬撃が俺のところに向かってくる。かろうじて躱したはずだったが、切られてしまう。
「ぐあぁ!」
く、左肩を切られた!だが、そんなに傷は深くない。まだまだいける!
「なかなか良い攻撃だな。だが、まだまだだ!」
つ、強い!どうする・・・
「どうした?もう終わりか?」
「まだだぁああ!無塵斬!」
キィィィーーーーーン!!!
「何だと!」
無塵斬が受け止められただと!光速を超える無数の斬撃で、誰も躱す事すら不可能な技の筈なのに・・・
「ふっ!さすがに少し焦ったぞ。奥義だけあって凄まじい技だ。確かに光速を超えた数億の斬撃は、まともに喰らったら俺でもどうにもならん。しかし、初動の太刀さえ押さえれば後は続かんからな。さすが我が息子、ここまでの技を見せるとは嬉しいぞ!」
初動を受け止めるだと!初動でも光速を超えているんだ。それを見極めるなんて、本物の化け物だ・・・
「それなら、防ぐこ事も出来ないコレでどうだぁああああ!」
「トール・ハンマァアアアアア!」
青白く放電した巨大なハンマーを握る。
あのゾーダ戦からかなり制御も上手くなったから、いきなり巨大過ぎる事は無くなった。それでも最少サイズにしても3mはあるけどな。
「これなら受け止められまい!」
「うぉおおおおおおお!」
「舐めるなぁああああああああああ!!!」
ガキィィィーーーーー!!!
「う、受け止めただとぉおおお!」
ハンマーが義父の剣に受け止められていた。いくら神器でも無事では済まないはずなのに・・・
し、信じられない!
「息子よぉおおお!父の壁は厚いぞぉおおおおおおおお!」
義父の裂帛の気合でハンマーが真っ二つにされた。
「ば、ばかな・・・」
そして、俺も袈裟切りにされ、深い傷を負った。
「息子よ、よくぞ俺を相手にここまで戦ったな。久しぶりに熱くなれたぞ。最後はお前の死で決着にするぞ。」
「フローリア!蘇生魔法の準備だ!覚悟ぉおおお!」
終りか・・・
しかし!いくら蘇生魔法で生き返れるとしても、負けるのは嫌だ!
負けたくない!負けたくない!
うっ!意識がどんどん無くなっていく・・・
トドメを差される前に決着がついてしまうのか・・・
いやだ!負けたくない・・・
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