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ヤンデレ女神に転生させられてしまった  作者: やすくん
第1章
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お父さんがやって来た①

「フローリア」


「あっ!創造神様。どうしました?」


「いや、お前の計画がどこまで進んでいるかと思ってな。」


「計画とは言わないで下さい・・・、『私と彼との一生添い遂げラブラブ作戦』なんですから、計画だと言うと変な思惑があると思われますよ。私は純粋に彼と一緒に暮らしたいだけですからね。あの性悪女神と一緒にしないで下さい。」


「似たような気もするが・・・」創造神がちょっと困った顔をしている。


「まぁ、彼女は愛した人間の神格を得させる為だけに、無理矢理神族を殺しまくってクリスタルを集めてましたからねぇ・・・、さすがに、私はそんな事はしませんよ。粛正対象の邪神限定にしていますので!」


「まぁ、邪神の粛正も我々神の仕事だからな。」

「おかげで、管理している世界も段々と平和になっているからな。悪い事とは言わん。」


「ところで、彼の方はどうだ?」


「はい。今は最上級天使の神格まで上がっています。そろそろ、神族の仲間入りも近いですね。私もここまで早くなれるとは思ってもいませんでした。」


「確かにな、デスブリンガーやゾーダみたいな大物の邪神を倒せば、一気に神格が上がるが、彼らだけで倒すとは・・・、わしも思わなかったぞ。」

「まぁ、あのトール・ハンマーの魔法を使いこなすくらいだから、もう、並の邪神ごときは相手にならんか・・・」


「はい、私の旦那様ですからね。」

フローリアがとても良い笑顔で微笑む。


「そうか・・・、そうなると、わしの出番だな。」


「えっ!なぜ創造神様が?」

フローリアが困惑している。


「それは、お前の旦那に相応しいか、わしが直々に見定める為じゃ!」

「お前は、わしの大事な友人の子じゃ。大戦前の任務であいつら夫婦が残念ながら亡くなって、お前が孤児となったのを聞いてどれだけ驚いたか。すぐにお前を引き取って育てたが、わしはお前を大事な娘と思っているからな。」


「はい、私も創造神様は大事な父として尊敬しています。」


「お前も固いな。たまには娘としてわしを扱ってくれないと寂しいぞ。」


「はい!」

フローリアが創造神に抱きつく。

「パパ、それで彼に会いに行くのは何故です?見定めるとは?」


「もちろん!お前が可愛いからだ!ブルーの転生体とは分かっているが、あいつがブルーくらいに強くなっていてもらわなくては困る。お前をちゃんと守れる存在かどうか、わしが見定めるという事だ。」

「あいつはわしのライバルだった男だからな。」


「パパ、本音は?」


創造神が興奮しながら絶叫する。

「誰がお前を嫁に出すかぁあああ!一生、わしの可愛い娘でいて欲しいぃいいい!どこの馬の骨に娘を渡すものかぁあああああ!」

「はぁ、はぁ、はぁ・・・」


フローリアがあきれ顔になってしまった。

「パパも大概ね。あの性悪女神と変わらないんじゃない。娘はいつかは嫁ぐものですよ。いつまでも可愛い可愛いと言っても仕方ないのでは?」

「それに、パパも彼と一緒になる事は認めてくれたじゃないですか。今更、駄々をこねても・・・、結婚指輪も交換して、私はもう彼と一緒に住んでいます。実際にもう新婚生活を始めてますからね。後は子供さえ出来れば・・・」


「それは分かっている・・・、分かってはいるんだが・・・」


「どうしても、納得出来きないわしがいるんじゃぁああああああ!」


「分かっていましたが、本当に父親って面倒臭いですね。ママなんてもう孫が生まれた時の準備まで始めているのに・・・」


思いっきりため息を吐くフローリアだった。




俺は今、渚と一緒に昼食の準備をしていた。


「旦那様、ただいま~!」


「おっ!フローリアか。お疲れ様。」

フローリアを見ると1人ではない。誰か一緒にいるぞ。

その人物を見た春菜達全員が膝を付き、敬礼のポーズを取った。


誰だ???


春菜が恭しく話す。

「お久しぶりです。創造神様。」


えっ!創造神・・・

もしかして、神界で一番偉い神・・・

そんな神がフローリアと何で一緒にいる?


「旦那様・・・、すみません・・・、父がどうしても旦那様に会いたいと聞かないもので・・・」

フローリアが困った顔をしている。

確かに父としては娘の相手は気になるのは当然だ。俺もそうだったからな。

しかしだ!フローリアの父親が創造神だと!一番偉い神じゃないか!

でも、前にフローリアは自分は孤児だと言っていたよな?

頭が混乱してきた!


「旦那様、混乱するのは分かります。私は以前、孤児と言いましたからね。それは間違いありません。ですが、孤児であった私を創造神様が引き取り育ててくれました。ですから、私は創造神様は父と思っていますよ。」


「そうなんだ。」

良かった。フローリアはちゃんと親の愛情というものを受けて育ったんだな。


「それでなんですが・・・」

フローリアがかなり困った顔をしている。こうやって父親が来るという事は、俺も大体予想が付くよ。

「父の私に対する愛情がいきすぎて、旦那様が私に相応しいか確かめると息巻いてまして・・・」

「すみません・・・」


「フローリア、親父さんの気持ちはよく分かるよ。俺も地球の時は娘の結婚相手に対しては厳しかったからな。気にしなくていいさ。」

そう言ったが、今度は俺が逆の立場だ。何とかして気に入ってもらわないとな。

創造神様か・・・、見た目は俺の世界の異世界ものの本の通り、長いひげにローブを着た老人だ。正に、THE・神様の出で立ちだな。

さて、どう対応するか・・・


いや・・・、何か震えているぞ。どうした?


「貴様ぁああああああ!何だ!この格好はぁあああ!」


そうだった・・・、昼食の準備中で、エプロンとお玉を装備中だった・・・


「いやぁ・・・、今は昼食の準備中で・・・」


「男がこんな事をするのかぁあああ!。軟弱過ぎるぞぉおおお!」

「フローリア!こいつはいつもこんななのか!」

フローリア父が激怒してるぞ。俺のエプロン姿が軟弱に見えたか?一体いつの時代の考え方だ!

そうか、地球とは違うんだな。

それにしても・・・、神界は意外と遅れてるな。


「パパ、旦那様はいつもこうですよ。私がいない時は家事が出来ない彼女達の為に頑張ってくれてます。私が彼女達にもっと家事が出来るように訓練させるから、もう少し待っててね。」

「彼女達も旦那様の妻ですから、頑張らせますよ。」


「彼女達はというと、もしかして、お前のロイヤル・ガードの事か?確かに見た顔ばかりだ。」


「はい。4人全員が私と同じく妻になりましたよ。あっ、美冬さんだけ婚約ですけど、もう結婚確定ですけどね。」


「何!お前の護衛全員があいつの妻だと!そんな話は聞いてないぞぉおおお!」

「この女たらしがぁあああああ!」


フローリアが『パパ』と呼ぶ光景も珍しいが、春菜達が俺と結婚している事は言ってなかったのか?この様子だと、俺が妻を複数持っている事はマズイかも?

それよりも、ずっと怒られっぱなしだ。俺の第一印象が最悪なんですけど・・・


「わしは妻一筋だ!フローリア!お前もヤツから愛されていると言ってたよな?でも、どうなんだ!本当にお前を愛してくれるのか?この中の特定の誰かだけ愛して、お前はヤツから愛されなくなるかもしれないんだぞ!」

うわぁ・・・、言われ放題だ。あまりに一方的にここまで言われると、さすがに我慢出来んぞ。


「パパ・・・」

フローリアの視線が怖い。俺より先にキレたみたいだ・・・


「いくら何でも言い過ぎよ!私の為と思って言ってくているかもしれないけど、あまりにも旦那様を悪く言い過ぎ!パパは一体、いつの時代の考え方?今は夫婦で家事を分担するのも当たり前でしょ!それを、自分の価値観だけを押し付けて、何が『妻一筋』ですか!それなら、あのお水のオネさーんの名刺は何?よくもそんな事が言えるわね!黙っていたけどママに言いつけるから覚悟してね!それと、最近、地球の神と仲がいいから一緒に視察と称して、地球のキャバクラで吞んで騒いでいるのも知っているんだから!どの娘の胸が大きかったとか、触り心地が良かったとか、アホな事を言ってんじゃないわよ!アイドルの誰が好みとか、地球の神と議論しているのも知っているし!何が娘が大事?そんなに大事なら私を家から一歩も出さないようにすれば良いでしょ!まぁ、私はそんな事されても、必ず脱出しますけど!私は自分で、この人なら絶対に大丈夫と思って結婚したんだから、それを否定するっていう事は私は男を見る目が無いと言いたいの?」


「そんなパパなんて、大っ嫌いぃいいいいいいいいいいいい!」


あっ!創造紳が死んだ・・・




「フローリア・・・、わしが悪かった・・・、だから、機嫌を直してくれんか?すまん、この通りだ!」

創造紳がフローリアにひたすら土下座をして謝っている。さすがに、創造神の方も言い過ぎだったと俺も思う。フローリアがキレて当然だろうな。

でも、あれだけ言われた創造紳も可哀想だと思う。

特に娘からの『大嫌い』の言葉はなぁ・・・


だから

「お義父さん、娘さんを大事に想う気持ちは俺にも分かります。俺も地球時代に娘を嫁に出しましたからね。言いたくないけど言ってしまうものなんですよね。」

そう言うと創造紳の顔が明るくなった。

「おおっ!同志よ!私の気持ちが分かってくれるか!」

「分かりますよ。父親は娘に対してはみんな一緒な気持ちです。」


「分かった!お前をスローリアの伴侶と認めよう。お前なら間違いなくフローリアを幸せにしてくれると信じているぞ。」


「もちろんです。必ず幸せにすると約束します。」


「頼んだぞ!我が息子よ!」


「はい!」


最初はどうなるかと思ったけど、フローリアのおかげで丸く収まったな。感謝するよ。


「息子よ。一言いっておく。もし、フローリアを不幸にしたらどうなるか分かっているな。」


「ど、どうなります・・・」


「創造紳の権限をフル活用して、お前を肉体的、精神的、社会的に完全抹殺するからな。覚悟しておけよ!」


「は、はい・・・」


血は繋がっていないとはいえ、さすがフローリアの父親だ。やる事は親娘揃って極端なのは変わらん・・・

評価、ブックマークありがとうございます。

励みになります、m(__)m

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