ゴーレム決戦④
くそ!どうすれば良い!このままでは全滅だぞ!
どうすれば・・・
俺は脳内で魔法リストを展開していた。何か状況を打破できる魔法がないか・・・
その中で1つの魔法を見つける。
これは!
『サモン・ゴーレム』
ゴーレムを召喚し、代わりに戦わせる。
搭乗し操作する必要有。
これならいけるか?
詳細は?
全長18m、ビームライフル、シールド装備、時には男の憧れハンマーも装備、等々
ダメだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
こんなの使えない!こんな魔法なんか使ったら・・・
『U』NEIどころの騒ぎじゃないぞ!著作権にモロ引っかかる!フローリア・・・、何て魔法を用意してくれたんだ・・・
間違って使わないように永遠に封印だ!
「はあ、はあ、はあ・・・」
「あなた、大丈夫ですか?」
「あぁ・・・、大丈夫だ・・・、ちょっと、ヤツの攻撃以上にダメージを喰らってな・・・」
「まさか?またフローリア様の仕業ですか?」
「その通りだ・・・、危うく、全てが消え去るところだった・・・」
「あいつの悪ノリには限界が無いみたいだな・・・」
「どうしたんだい?もう諦めたのかい?」
「諦める訳がないだろ!この俺の命がある限り、諦める事は絶対にない!」
「そうだ!旦那様が諦めないのに我々が諦める訳がないだろう!」
「凍牙お兄ちゃんは最強だった。だから、私も最強でないといけない!お兄ちゃんの為にも負けられないんだぁああああっ!
美冬が吠えながらゴーレムを殴り続ける。ゴーレムはわずかに後退するが、装甲には傷一つ付いていない。しかし、美冬の拳は割れてしまい、血だらけになっていた。
美冬はゴーレムに殴られ飛ばされてしまう。数回バウンドし転がり、ヨロヨロと立ち上がった。
「美冬ーーー!」
「はぁ、はぁ・・・、負けない・・・、絶対に・・・、絶対に・・・、絶対!に負けないんだぁああああああっーーーーーーーー!」
突然、蒼太の右手が光り、白い光の玉が飛び出し上空に浮かんだ。
そして2つに分かれ、1つは蒼太の右手に戻り剣の形になった。
いつもの刀とは違う。刀身の長さが前よりも長くなって、更に白く輝いている。
「凍牙・・・、お前・・・、美冬の為に本気で怒ったのか・・・」
もう1つの光の玉は美冬の胸に吸い込まれ、美冬の全身が白く輝く。
光が収まると、両拳に白く輝くガントレットを装備した美冬の姿が現れた。
そのガントレットは狼の顔をモチーフにしたような形状だ。
「何・・・?これ・・・、力が・・・、力が湧いてくる・・・」
「この温かい感情・・・、まさか?」
「お兄ちゃん・・・、ありがとう・・・」
美冬の目から涙が零れた。
「この力なら!」
美冬がゴーレムに向き直りストレートを叩き込む。
グシャァァァ!!!
ゴーレムが木端微塵になった。
「バ、バカな!神鉄で出来たゴーレムだぞ!破壊するには神器以外は無理な筈だ!そ、それを・・・」
「これが俺達の絆の力だ!神の理さえ凌駕する力だぁああ!」
「俺も負けていられない!みんな!行くぞぉおお!」
「おぉおおおおおおおおおおおっーーーーーー!」
蒼太の体から大量の青いオーラが吹き出し、春菜達を包み込む。
「これは!」
「力が湧きあがってくる!」
「そして、温かい・・・」
青いオーラを纏った夏子と千秋がゴーレムに立ち向かう。
夏子はゴーレムを一太刀で両断し、核を破壊する。
千秋は細切れにして破壊する。
「凄い・・・」
「何て力だ・・・」
「これは夢だぁぁぁ!そんな事がある訳ないんだぁぁぁーーー!」
絶叫しているゴッド・ゾーダからロケット・パンチが飛び出し、蒼太の方に向かってくる。
「ここは私が!行きなさい!アタック・ビット!」
春菜が叫ぶと、光の玉からロケット・パンチに向かって魔法が飛び、粉々に破壊した。
「嘘だ!嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「嘘ではない!これが俺達の家族の絆の力だぁああ!」
「たかが人間がぁぁぁ!」
ゴッド・ゾーダが残った左腕を振りかぶり、殴りかかろうとする。
「ソータお兄ちゃんに指一本触れさせない!」
美冬が一瞬で蒼太の前に移動し、ゴッド・ゾーダの左ストレートに向かって右ストレートを放つ。
「右のぉおお!マグナムゥウウッ!・ブレイィイイックゥウウウッ!」
15m以上あるロボットのパンチを、たった1人の女の子のパンチが受け止めてしまった。
「こ、こんな事がぁぁぁ!」
お互いの動きが止まったが、ゴッド・ゾーダの左腕が拳の方から細かいヒビが入り、腕全体に広がり爆発した。
その隙を突いて、夏子と千秋が駆け寄り、両足の膝から下を細切れにする。
支える足が無くなり、ゴッド・ゾーダは前のめりに倒れてしまう。
倒れる先に美冬が構えて立っていた。
「左のおぉおおおお!ファントムゥウウウウッ!・クラッアアアアッシャーァアアアアアアッ!」
倒れてくるゴッド・ゾーダのボディに美冬の左ストレートが炸裂する。
「無敵のゴッド・ゾーダがぁぁぁ!嘘だぁぁぁ!」
大きな破壊音を響かせながら、ゴッド・ゾーダはうつ伏せに倒れてしまった。
腹から背中まで大きな穴が貫通し中に美冬が佇んでいたが、すぐさまジャンプし離れると、
「春菜!今だ!」
春菜に向かって叫ぶ。
「はい!美冬さん!展開!アタック・ビット!」
春菜が間髪入れず魔法を絨毯爆撃の様に放った。
「ぎゃぁぁぁぁぁーーーーー!」
ボロボロになっているゴッド・ゾーダに蒼太が駆け寄る。
「終わりだぁああーーー!」
蒼太が凍牙を振りかぶる。刀身が真っ白に輝いた。
「行っけぇえええええーーーーーー!」
凍牙を振り下ろすと白く輝く衝撃波が発生し、ゴッド・ゾーダの方に地面を抉りながら衝撃波が走っていく。
「こ、このゴッド・ゾーダがぁぁぁぁぁぁーーーーーー!」
真っ二つになり、そして大爆発した。
「終わったな・・・」
「みんな、ありがとう・・・」
「強敵でしたね。みなさん無事で良かったです。」
「さすがに今回はヤバかった・・・」
春菜と夏子が安堵の顔を蒼太に向けた。
「さぁ、クリスタルを回収して帰ろう。」
「「「「はい!」」」」
「まだだ!まだ終わらない!全てを賭けて貴様を滅ぼす!」
「何!」
ゴッド・ゾーダの残骸の方に振り返ると、残骸の上空にゾーダがボロボロの状態で浮かんでいる。
顔も老化が進んでしまったのか、更に老けていて体も老人そのものになっていた。
「これで貴様らは最後だぁぁぁぁぁっ!」
ゾーダの上空に巨大な魔方陣が浮かび上がった。
魔方陣の中から何かが出てくる。
「そ、そんな・・・、バカな・・・、まだ、そんな隠し球を・・・」
出てきたのは、先ほどのゴッド・ゾーダよりも更に大きなロボットだった。
大きさはゴッド・ゾーダの軽く3倍以上はある。
「俺の全てと言っただろう・・・、これを起動すれば間違いなく俺は死ぬ。」
「ならば!貴様達も道連れだ!そして、この世界も一緒に滅ぼしてやる・・・」
「このグレート・ゾーダなら可能だ・・・」
グレート・ゾーダの顔のパーツが開き、ゾーダが中に乗り込んだ。
そして、地上に降り立つ。
デカい!いくら何でも、デカ過ぎる・・・
そして、両腕を上げ俺達の方にロケット・パンチを放つ。
「小娘!これを防げるか!」
さっきとは比べものにならない大きさだ・・・
「負けるかぁああ!」
美冬が果敢に殴りかかったが、あっさりと弾き飛ばされてしまう。
「きゃぁぁぁーーー!」
ロケット・パンチはそのまま俺達の後ろの崖に直撃し、大量の岩が転がり落ちてきた。
「これで、逃げ道も無くなったな。」
「さぁ、俺の最後まで付き合ってもらおうか。」
「もっとも、それまで生きているかな?」
後ろを見ると、大量の岩が道を塞いでいる。完全に退路を塞がれた状況だ。
前には巨大なグレート・ゾーダ・・・
みんながパワーアップしたのに、この巨大さには通用しない・・・
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