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ヤンデレ女神に転生させられてしまった  作者: やすくん
第1章
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ゴーレム決戦③

何なんだ、この神は・・・

完全に狂っている。


「私の記憶が間違いなければ、1人心当たりがあります。」春菜が呟いた。

「狂った神と言われ、神界ではずいぶん昔から邪神認定されていましたが、神々の追求を全て躱して行方が分からなくなっていました。そして、創造神様の神殿から貴重な素材を盗んだとも言われています。」


かなりの大物か・・・


「そんな神なら全く遠慮はいらないな。みんな全力でぶちかませ!」


「「「「了解!」」」」


前後をサンドゴーレムに挟まれている。数はざっと数百体はいるな。


「春菜は前のゴーレムの殲滅を頼む。美冬は春菜のフォロー。夏子と千秋は連携して後ろのゴーレムを頼む。」


『たった4人で挑むのか?無理ゲーだよ。』


「どうかな?行くぞぉぉぉ!」


「「「「はい!」」」」


俺は準備した魔法を展開した。

「ターゲット・ロック!みんな!どうだ!」


「バッチリです。視界のゴーレム全てに核の場所がマークされています。」

「これなら核の場所を探す手間が省ける。一発で倒せるな。」

「旦那様と初の共同作業は上手くいったな。腕が鳴る。」


そう、俺と夏子でドラでの移動中に、ゴーレム対策の魔法をカスタムしたのだ。

サーチの魔法の設定を変更して、ゴーレムの核を索敵するようにし、核の場所にマーカーが出るようにした。それだけだと俺にしか分からないので、指輪の念話機能を利用して、イメージをみんなに送れるようにしたのだ。

そうすると、俺だけでなく、指輪を着けている春菜、夏子、千秋の視界にゴーレムの核の場所が表示されるようになった。


「これならいける!」


「アタック・ビット展開!」春菜の周囲に光の玉がいくつも出現し、ゴーレムの方に向かって飛ぶ。


「アタック!」

光の玉から数々の魔法が飛び、ゴーレムの核に命中すると、全て形が崩れ砂になっていく。


「凄いです!こんな楽にゴーレムを倒せるなんて・・・」

「普通だと、核を潰すまで延々と攻撃をするか、素体を完全に消滅するしかないのに、こんな簡単に核を潰せるとは思いませんでした。」


「作戦が上手くいって良かったよ。」


崩れたゴーレムの砂の塊があちこちに散らばっている。春菜の後ろにあった砂の塊が動き出しゴーレムの姿になった。最初から砂の塊に擬態していたヤツで、春菜も気付いていない。


「甘いよ。」


美冬がゴーレムに接近して拳を腹にぶち込む。腕を引き出すと指に小石程度の大きさの赤い石が指でつままれていた。

そのつまんだ石を力をいれて割ると、ゴーレムは崩れて元の砂になってしまった。


「あいつは卑怯者だから、これくらいは予想してる。そして私には核の臭いが分かるから、待ち伏せも不意打ちも通用しないよ。」


夏子も千秋も危なげなくゴーレムを砂に変えていく。

数百体いたサンドゴーレムも、あっという間に10数体となった。


『バカな・・・、あれだけの数があっという間に・・・』


「良かったな、まだまだ遊べるぞ。次は何をする?」


『舐めるなぁ!』


俺の前の崖が振動し、表面が人型になっていく。

そして、百体以上のストーンゴーレムが現われる。


『砂なら簡単に倒せても、石はどうだ?剣も簡単には通らないぞ。』


夏子が俺達の前に出る。

「私の技量なら、石も変わらず切れるぞ。試してみるか?」


千秋も前に出た。

「石には剣が通じないといった常識は、我々には通用しない。」


美冬も遅れて俺の前に出てきた。

「舐めないでね。春菜は見物していて。」


3人はストーンゴーレムに向かって駆けだした。

夏子と千秋は石を豆腐のように剣で切っていく。一緒に核まで真っ二つにしているから、切るごとに石の塊がどんどん増えていった。

美冬も凄い。拳や貫き手でゴーレムを粉砕しながら核を潰していく。あの拳はどれだけの破壊力があるのだろう・・・、決して美冬に殴られないようにしよう・・・


ストーンゴーレムもあっという間に全滅した。


『うがぁぁぁーーー!』あ、キレたな・・・


俺達の前に1人の男が立っていた。見た目は10歳くらいの男の子だが、顔は老人だった。

興奮しているのか、肩で息をしている。


「よ、よくもぉ!俺のゴーレム軍団を!」


しゃべり方も最初の時とは違う。これが本当のしゃべり方なんだろう。


「この姿は・・・、あなた!間違いないです。」


「どうした?春菜。」


「さっき話していました、狂った神ですよ。名前は確か『ゾーダ』と言うはずです。あの噂が確かなら、まだ安心は出来ません。気を付けて下さい。」


「分かった。」


「これで泣き叫べぇぇぇっ!」


ヤツの周りに無数の魔方陣が浮かび、中から騎士鎧風の人形が現われる。


「このアイアンゴーレムでどうだ!スピードもパワーもストーンゴーレムの比ではないぞ!」


夏子が俺の前に出る。


「旦那様、ここは私1人で任せてもらいたい。」


「夏子・・・、大丈夫か?」


「問題ない・・・」そう言って夏子は飛び出した。




本当に問題なかった。

夏子1人でアイアンゴーレム軍団はあっという間に壊滅した。夏子はまだまだ余裕だった。



「嘘だぁぁぁぁぁーーー!」

「ならば!」

またもや男の周りに魔方陣が浮かび、今度は金色に光る鎧軍団が現われる。


「蒼太さん、次は私だ。」そう言って、千秋が1人で駆けだした。




金色の残骸が累々と横たわっている。



「蒼太さん、これは金だ!全部貰っていくぞ!」


「でかした、千秋!」


「この泥棒ぉぉぉっ~~~~~!」


「悪党にかける情けはない。」

そう言って、俺は異次元収納に金の残骸を全て収納した。


「これなら絶対に勝てん!勝てる訳がない!」

ヤツは3度目のゴーレム召喚を行った。ガラスか水晶みたいなゴーレムが出現する。


「このダイヤゴーレムに勝てるかぁ!」


「次、私。」

美冬が走りだし、ゴーレム軍団の中を駆け回り、俺の前に戻った。


「はっはっはっぁぁぁ!犬っころめ!素手では何も出来なかったな!走り回るだけだったか!」


「私は犬じゃない。狼だよ。」

美冬が少しふくれっ面になったが、すぐにニヤリとする。


「コレ、な~んだ・・・」

相手に掌が見えるようにして広げた。手には大量の赤いゴーレムの核が握られていた。

そして握り潰す。ダイヤゴーレムは粉々になった。


「私の拳はダイヤより硬い!」

「ソータ、貰っちゃえ!」


「お、おぅ!」異次元収納に大量のダイヤを収納した。


「うおぉぉぉ~~~!何てことだぁぁぁ~~~!」


ゾーダが膝を付き呆然としている。どうやら心が折れたみたいだな。


違う!何かヤバイ!俺の予感が最大限の警告を放っている。


「あなた!負のオーラが段々と彼に集まってます!このままでは・・・」



「そうだよな・・・、最初から、こうしとけば良かったんだ・・・」



「もう・・・、どうでもいいや・・・」



「くそ!一気に畳みかける!」


ミスリルソードを手にし、ヤツに駆け寄り切りつけようとしたら、俺とヤツの間に巨大な魔法陣が出現した。

思わず動きを止めてしまい、魔法陣から出て来るものに切りつけたが、硬い!剣が折れてしまった。

そのまま、魔法陣から出て来るものを見ていた。


何と!巨大なゴーレムだ!いや、違う!ロボットだ!


肩の装甲が開き、中からガトリング砲みたいなものが出てきて、俺の方に向いてきた。


「あなた!危ない!」


俺の目の前に春菜のシールド・ビットが展開し、一瞬にしてシールドが張られた。


一瞬、銃口のようなものが光ったかと思ったら、轟音と共に大量の銃弾が襲ってきたが、シールドのおかげで無事だった。


「春菜、サンキュー・・・、少しでも遅かったら、ミンチにされていた。」

「ロボットにガトリング砲・・・、何でそんなものを知っているんだ・・・」


「ふふふ・・・、、そうだよ、コレは地球という世界を参考にして作ったんだ。究極のゴーレムとしてね。」

「しかも、装甲は神鉄を使っている。どんな攻撃も無駄だよ。」


「神鉄ですって!どうしてそんなモノが・・・」

「もしや・・・、神殿で盗まれたものとは・・・」


「そうだよ、この僕が使うに相応しい素材だよ。でもね、まだまだ使いこなせていないから、本当は使いたくなかったんだよ。消費魔力も尋常じゃないし、何故か、使う度に若さを吸い取られていく・・・」


そうか、それで体は子供なのに顔は老人なんだ。


「もっと研究をして、完全に使いこなせてから、世界を蹂躙したかった。このゴーレムなら誰にも負けないはずだしね。例え創造紳でも・・・」


「でもね・・・、もう、いいんだ・・・」


「ここまで僕をコケにしてくれた君達には、もう全てを使ってでも仕返ししないとね。僕が死のうとも!」


「このゴッド・ゾーダでね!喰らえぇぇぇーーー!」


右腕が持ち上がり、俺の方に向く。そして、右腕が飛んできた!


「ロケット・パンチだと!くっ!」


かろうじて避けたが、地面に腕がめり込んだ衝撃で飛ばされてしまった。

その隙にゴッド・ゾーダの胸部装甲が開き、中にヤツが乗り込む。


「これでもう僕を倒す事は不可能になったよ。仕返しだぁぁぁ!」


ガトリング砲の銃弾の雨が再び俺を襲うが、春菜のシールドで何とか防御している。その隙に、春菜が俺の隣に来た。


「春菜!俺の近くだと危ないぞ!」


「構いません!私はいつもあなたの傍にいます。死ぬ時も一緒です!せめて、防御は私に任せて下さい!」


「分かった!でも、無理すんなよ・・・」


「邪魔なシールドだなぁ・・・、でも、その前に・・・」


夏子達の前に魔法陣が出現し、光が収まると3体の騎士型ゴーレムが現れた。


「また、同じゴーレムか!叩き斬る!」


夏子がゴーレムに切りかかったが切れない。剣の刃が食い込みもしない。


「何だ!この硬さは!」


「このゴーレムも神鉄で作ったゴーレムだよ。自慢の剣技も全く役に立たないよ。」


残りの2体のゴーレムは、其々千秋と美冬のところに向かった。

千秋も切りつけるが、全く刃が立たない。美冬の正拳突きでもビクともしない。


「どうだ!さっきのようにいかないだろう!ゴーレム達よ、奴らをジワジワいたぶって殺せ!」


「夏子!千秋!美冬!今、助けに行く!」


「おっと!君達2人は僕が相手だよ。喰らえっ!」


ロケット・パンチが飛んで来る。


「くっ!シールド!」


パンチがシールドに当たる。一瞬だけ持ち堪えたが、シールドが粉々になった。幸いパンチの軌道が逸れて直撃は免れたが、衝撃で2人とも吹き飛ばされてしまう。


「ぐわぁぁぁっーーー!」「きゃぁぁぁっーーー!」


「どうだ!手も足も出まい!僕に逆らったバツだ!」


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