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ヤンデレ女神に転生させられてしまった  作者: やすくん
第1章
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蒼太ミュージアム

少し訂正しました。

「ここになります!」


女神に連れられて、ある扉の前に立っている。

感覚的には神殿のかなり奥にある部屋のようだ。


「あっ!ちょっと待って下さいね。」

「勝手に入れないように防御結界を施してますから、それを解除しますね。」

「とっても強力な結界ですから、何も知らずに近づいた下級神や天使が何人消滅した事やら・・・」


おいおい。そんな危険なモノ、せめて注意書きくらい付けろよ。


「えい!解除しました。どうぞ中に入って下さい。」

「本当は見てもらうのは恥ずかしいんですが、蒼太様には私の愛の深さを知ってもらいたいんです。」


いやいや、これは『深い』というよりも『重い』というものでは?

それも『とてつもなく重い』気がするのは気のせい?



部屋に入った瞬間、俺は絶句した。


・・・・・・・・・・・・・・・・


壁には俺の各世代の実物大写真が貼ってあるし、同様に各種大きさの額縁に入った写真も壁一面に飾ってある。

ガラスケースには俺の服や靴が色々とディスプレされている。


そういえば生前に婆さん(10年前に亡くなった・・・)が、

「爺さんや、時々服なんかが無くなるけど、何かあったんかねぇ・・・?」

「不思議な事もあるもんで・・・」

と、時々そんな事を言っていたな。


お前が犯人か!!!

地球の神よ!ここに泥棒がいるぞ!


壁に近付きパネルの写真を見ていたが、赤ん坊の頃からの写真もあり、俺の成長記録みたいでちょっと懐かしい気がした。


お!俺と婆さんの結婚式の時の写真もあるんだ。


・・・


婆さんの顔部分が☓印に切り裂かれている・・・

しかも、新婚旅行や夫婦で旅行している写真の婆さんの顔部分全て切り裂かれていた・・・

何枚かはナイフを突き立てているものもあるし・・・


女神がボソッと「泥棒猫め・・・、干渉出来たものなら塵も残さず消し去ったのに・・・」


うわぁぁぁ~!!!!!!怖すぎる!!!!!!


婆さんや、天寿を全う出来て本当に良かった・・・


ベッドを見てみると、俺の等身大の抱き枕やクッションが敷き詰められて、天井には俺の顔をドアップにした写真が貼ってあった。

「蒼太様に囲まれていると思うと、本当に幸せにいつまでも寝ていられるわよ♪」

と、女神が説明してくれた。


はぁ・・・

頭痛が痛い・・・


「フローリア・・・、あの上に丸い穴が空いている箱って何?」

「くんかくんか用って書いてあるんだが・・・」


「あれはですねぇ~、蒼太様成分を補給する大事なものなんですよ。」

「蒼太様の靴下や下着を入れて崇高な成分を吸収させていただいております。」


精神値がガリガリと削られ、確実にマイナス値に突入している。


恐る恐るもう一つの箱を指差し「じゃぁ、アレは?」


「蒼太様が床屋さんに行った際にカットした毛髪の保管箱ですよ。」

「お風呂に入れれば蒼太様エキスがお肌に染み込むのを実感しますし、サンドイッチの中に1本入れて食べる事もありますよ。」

「そうすれば蒼太様と一つになった気がして・・・(ポッ)」


もの凄く幸せでうっとりした顔の女神がいた。


「そういえば、最近新しいコレクションも増えましたの。」


フローリアが何かを取り出した。


「・・・」「コレって・・・、どう見ても骨壺だよね?」

「どう見てもソレにしか見えないんだけど・・・」


「そうですよ。」「お察しの通り蒼太様の遺骨になります♪」


大量の冷や汗が出てしまう。

「いやっ!コレってマズイでしょ!」


そんな簡単に盗まれてしまうなんて、地球の神の管理はザルだぞ!


「大丈夫ですよ。」

「遺骨なんてお墓に一度入れてしまえば、その後は確認するものでもないですし。」

「無くなったなんて気付く人は誰もいませんよ。」

「もちろん骨壺も遺骨もディスプレイしますけど、全部の遺骨を展示する事はありませんよ。」

「適当な大きさの遺骨を加工してペアのペンダントにしたり、婚約指輪の宝石代わりにもしたいですし、結婚指輪の素材にも最適ですかね。粉末にして飲み薬やふりかけにしても良いかも。あぁぁ・・・、色々とアイディアが出てきますわ・・・。グフフ・・・」


フローリアの目が完全に逝っている・・・


もはや、これは拷問だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!

こ、心が折れそう・・・

頭の中で警報音が鳴り響いている!

死んだ事以上に人生最大の危機に間違いない!


大量の冷や汗をかきながらこの部屋から逃げ出そうとドアの方に視線を向けると・・・



フローリアがドアの前に立っていて、そして・・・


「ガチャリ」と鍵のかかる音が妙に大きく響いた・・・


今まで見た事のない世界中の男全てを虜にするようなゾッとした妖艶な笑みを浮かべて、

「私のコレクションの中でも最大の悲願である蒼太様本人が手に入りました。」

静かに言った。



「この部屋で永遠に私と一緒に暮らしましょうね。」





そして俺の心が完全に折れた・・・



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