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ヤンデレ女神に転生させられてしまった  作者: やすくん
第2章
184/184

機械神族㉞

半年後・・・


「クローディア、少しお腹が目立ってきたわね。」


ミドリがニコニコしながらクローディアを見つめていた。

今のクローディアは黒髪の人間Verだったりする。

2人はとても仲が良いから、クローディアの妊娠が分かるとミドリが1番に喜んでいたなぁ~


(まさか、人間になったクローディアがすぐに妊娠するなんて、ちょっと驚きだよ。)


今までは神器として生きていた彼女だったけど、デウスのおかげでこうして人間としての生き方も出来るのは感慨深いよ。

状況によって神器の体に戻れるけど、妊婦の間は人間として暮らす方が幸せだろうな。

神器は使えない状態だけど、凍牙の母さんが剣となってくれるので戦力的に問題は無いから大丈夫だろう。

いや、義母さんの方がもっと攻撃的な武器のような気がする・・・

義父さんがじゃじゃ馬と言うだけあるかもしれない。何せ凍牙と美冬の母親だからなぁ・・・、


そんな俺の気持ちとは関係無しに、俺の目の前にいるクローディアは嬉しそうだな。

「ふふふ・・・、私も母親になれるんだね。旦那様、幸せをありがとう・・・、そして、デウス様・・・」


クローディアの視線の先にはデウスが立っていた。


「まさかこんな早く妊娠するとは思わなかったぞ。早々にお前の肉体のとの神経バイパスを繋げておいて正解だったな。我々機械神族は体の構造的に子を宿す事は出来ん。無から生命を生み出す事は不可能だからな。だがな、お前との感覚を繋いでおいたから、私も擬似的に妊娠を体験出来るのだよ。これからお前のお腹の中で子供が動く感覚も体験出来るのだよな。かなり大きくなってきたから、そんな感覚もそろそろ体験出来ると思うと感慨深いな。」


うっとりとした表情でデウスがクローディアのお腹を見ていた。

髪の色は違うが全く同じ顔同士が見つめ合っているなんて、ちょっと変な感じがするが・・・


「蒼太よ、これも感情の研究なのだよ。真の意味で愛を知った私だが、妊婦の気持ちは幾星霜の時の流れの中でも経験した事は無い。さすがにクローディア以外の者に協力を頼む事は出来ん。クローディアよ協力を感謝するぞ。」


クローディアがニコッと微笑んだ。

「デウス様、そんな事はお安いご用ですよ。こうしてかつての肉体を甦らせてくれた事に感謝しかありませんし、デウス様の役に立てるのならいくらでも協力しますよ。」


「ですが・・・」

急にクローディアの表情が真面目になった。


「どうした?急に真面目な顔になって・・・、私に何か言いたいのか?」


「デウス様はもちろん私が出産する際も感覚はリンクしますよね?出産も経験しないと真の母親になれませんからね。」


ギクッ!


デウスがピクッと震えた。


「もしかして?」


ニヤリとクローディアが笑った。


「デウス様は出産の苦しみは経験したくないとでも?まさか・・・、デウス様が逃げるって事は無いですよねぇぇぇ?」


「も、も、も・・・、もちろんだぞ。私が逃げると思っているのか?私を舐めるな。出産の痛みくらい耐えてやるわ!」


そう強気で言っているけど、デウスの顔が汗ビッショリになっているのだけど・・・


「ふふふ、強気ですね。出産の痛みというのは例えるなら『鼻からスイカが出てくる痛み』だと、旦那様の世界では言われているみたいですよ。私もフローリア達に聞きましたけど、すんなりと出産したのは千秋くらいで、特にフローリアと美冬は陣痛から出産までかなり苦労したと聞いていますね。出産の痛みは想像している痛みの10倍は確実に痛いと、そう言っていましたよ。」


「何なのだその例えは?理解出来ないぞ!」


「出産はそれだけ大変なのでしょうね。でも、みんな言っていましたよ。『どんなに苦しくても産まれてきた我が子を見ると、とても可愛くて痛さなんてすぐ忘れちゃいます』ってね。」


そう言ってクローディアが嬉しそうに自分のお腹を撫でていた。


「その気持ちは分かる気がするわ。旦那様との愛の結晶が少しづつ私のこのお腹の中で大きくなっていくのが分かるの・・・、段々と私も母親になっていくんだね。どんなに出産が大変でも私は母親になりたいし、みんながそう思っていた気持ちはこうなんだと実感してる・・・」


そんなクローディアをデウスが優しい目で見ていた。


「ふっ!あのクローディアがこうも女らしくなってしまうとはな・・・、世の中何が起こるか分からん。」


デウスはそう言っているが、俺から見るとデウスもクローディアを見る目が母親のようになっていると思う。

今のクローディアは当時の記憶を失っているけど、デウスとはご先祖様の頃からの長い付き合いだし、今のクローディアの幸せも我が身のように思っているのだろうな。

今回の機械神族の件で、俺の中のデウスの認識がガラッと変わったと思う。


(まさか、俺の嫁さんになるなんてな・・・、ちょっと前までは想像もしなかったよ。)


今ではクローディアとそっくりになったデウスは愛おしく思うし、俺の意識の中では完全に女性との認識になっている。

悪戯でまた男の体に戻って迫ってくる真似なんかするなよ!


(う~ん・・・、あいつならやりかねん・・・)


デウスが俺の視線に気付いたようだ。


「蒼太、どうした?」


「いや・・・、デウス・・・、こうやってお前を見ていると可愛いって思ってな。」


ボン!


デウスの顔が真っ赤になり頭から湯気が出てきた。

久ぶりにデレたデウスを見たな。


「そ、蒼太よ・・・、今の不意打ちはクリティカル・ヒットだったぞ・・・」


思わず俺も微笑んでしまった。

「いつもデウスにやられっぱなしだしな。たまには俺もやり返しても罰は当たらんだろう?それにしても・・・、クローディアと一緒な体なのに、お前とクローディアと中身が違うと表情は別人になるよ。クローディア以上に女らしかったり可愛らしかったりと、見ていても飽きないな。」


「蒼太よ・・・、これ以上は言うな・・・」


更にデウスの顔が赤くなってくる。

どうやら羞恥の限界のようだな。デウス自身はプライドがかなり高いから、こうして弄られるのは慣れていないし、かなり恥ずかしいみたいだ。

さすがにこれ以上はヤバい気がする。恥ずかしさの余り勢いでこの一帯を焦土にしてしまうかもしれない。フローリアが作ってくれた我が家だけど、デウスのマジ攻撃を喰らって無事に済むとは思っていないからな。そろそろ弄るのを止めた方が賢明だろう。


「すまん、すまん・・・、こうして照れるデウスも可愛らしくて、ついな。もう意地悪しないよ。」


「頼む、これ以上は私自身の抑えが効かなくなってしまうからな。本当にこの好きという感情は困ったものだよ。だけどな、この半年間、お前と一緒に過ごしているが、ここまで心が満たされた事は無かったぞ。早く他の機械神族にもこの気持ちを分けてあげたいな。」


「そう焦るなよ。エリーも新しい機能の実験で頑張っているし、あのエデンには適任者が復活したからな。」


「蒼太よ、私をからかった罰だ。今夜は私とエリーの相手をするのだ。もちろん、お前に拒否権は無いからな。ふふふ・・・、朝まで寝させないから覚悟するのだな。」


ニヤニヤとデウスが笑っているけど、しまったな・・・、逆にデウスに火をつけたみたいだよ。今夜は1人でゆっくりと安眠出来る日だったのに・・・

仕方ないな・・・、デウスはこうして俺と一緒になるまではずっと1人だったしな。気が遠くなる程の長い間・・・、その間の寂しさを埋め合わせようと、何かにつけて俺と一緒にいようとしている。フローリアとは違うタイプのヤンデレだろうな。


(こうして一緒になると決めたのだ。デウスが幸せだと思えるように俺も頑張らないとな。)



ブン!



俺達の前の床に光のリングが浮かび上がった。

その光のリングの中から3人の人影が浮かび上がる。


「デウス様」


真ん中にいる人物がデウスの名を呼ぶと膝を着き頭を下げた。

その動作に倣い、両隣の人物も同じように床に膝を着き頭を下げた。


「どうだ、体の調子は?」


「はい、全く問題ないです。ここまで意識と肉体がリンクするとは予想外でした。本当に自分が生き返ったように思える程です。」


俺の記憶の中にある生前の親父が目の前にいた。

多分、俺の今の見た目に合わせて40代後半の見た目の親父だけど、記憶の中の親父と寸分の狂いもない。

さすがはデウスだよ。ここまで完璧に再現してくれるとは思わなかった。


「まぁ、この肉体が完成して1ヶ月程しか経っていないからな。不具合が出れば逐一私に報告してくれ。私のクレーム対応は完璧だからな。」


「はい!この度のお慈悲には感謝してもしきれません。必ずエデンに人々を戻す事を誓います。」

「同じく、私ユリーもデウス様には忠誠を誓います。」

「同じく、私サリーも誓います。」


3人が深々と頭を下げていた。


「そこまで畏まらなくて良いぞ。こうしてエデンから蒼太のこの家まで直通の転移ゲートも出来た事だ。感覚からすればお互いにご近所さんみたいなものだからな、フェンリル族やスキュラ族のように気軽にお付き合いすれ良いだろう。」


「親父、そういう事だよ。」

俺から親父にウインクしてあげたら、少しホッとした感じになった。あれから親父は今の神界の事を学んだから、デウスやフローリアの事はよく理解したみたいだ。

あれからはユリーもサリーも俺達に対してはかなりビビりながら接しているけど・・・


(まぁ、こればっかりは時間をかけて俺達に慣れるしかないだろうな。)


「ん?」


確か転移してきたのは3人だったよな?親父の後ろに誰かいるみたいだぞ。


「えへ!」


何なのだ!この可愛い存在は!

親父の後ろからちょこんと出てきた女の子だけど、とてつもなく可愛い!

見た目は黒髪で目も黒い瞳の2歳くらいの女の子だ。

俺の子供達も妻が妻だから可愛いさは天元突破しているけど、この子も同じくらいに可愛いぞ!


「ほほぉ~、この子か?」


デウスが優しそうな目で親父の後ろにいる女の子を見ていた。


「友里絵、挨拶は?」


親父が女の子に話すとペコリと俺達へお辞儀をしてきた。


「初めまして、友里絵です!」


とても可愛らしくしっかりと挨拶をしてくれた。


(何かユリーが小さくなった感じだな。髪も瞳も黒色だし。)


女の子の手を繋ぎ親父達が立ち上がった。


「デウス様からの基本概要を元に、ユリーとサリーのナノマシンを再構築して完成しました。実際の人間のように成長型のボディとし、AIも学習型として我々3人が親となって育てる事にしました。」


「そうだな・・・」

デウスが親父の言葉に深く頷いていた。

「我々は最初から完璧なものを求め過ぎていたのだな。だから上手くいかなかったのだろう。我々機械神族は子供を成す事は出来ないが、こうして子育ては可能だ。お前が人間の時にユリーとサリーのAIを完成出来たのは一緒に暮らして共に成長したからだろう。その子は我々機械神族の希望だな。」


「「はい!」」

ユリーもサリーも嬉しそうに頷いた。


「私も今はこうして妊娠という事象を研究中だ。その成果をお前達にもフィードバックして、真の母親になれるように共に頑張ろうじゃないか。まぁ、クローディアが言っていた陣痛や出産の痛みは無いようにするけどな。」


「デウス様、ズルいですよ・・・」


ジト目でクローディアがデウスを見ていた。


「クローディアよ、そんな目で見るなよ。お前が出産するまでは私はちゃんとリンクをしておくからな。産みの苦しみは共有するからな。」


デウスはそう言っていたけど・・・



実際にクローディアが出産した際は、あまりの痛みにデウスは気絶してしまった。

その後、目を覚ました時、『機械神族の出産は無痛出産だ!それは譲れん!』と宣言していたな。



ちょっと脇道に逸れてしまった。


デウスや親父達が協力すれば機械神族の進化は劇的に進むだろう。それこそ、本当に人間のように生きていくのでは?と思う。


「デウス、楽しみだな。」


「あぁ、全てはお前と巡り会ってからだよ。お前とこうして出会えた奇跡、そして共に歩む幸せ・・・、お前は私にかけがえのないものをプレゼントしてくれた。私は生涯をかけてお返しするからな。」


「そういう事は・・・、げっ!お前の寿命は無いから永遠じゃないか?」


「そうだが、何か問題でもあるのか?」


とても嬉しそうにデウスが微笑んだ。

こんな可愛らしい笑顔をされてしまっては・・・


(何も言えないよ・・・)






「それではフローリア様、レンヤは無事に・・・」


(ん?)


談話室からフローリアが出てきたぞ。しかも俺が見た事もないエルフの女の人と一緒に・・・


(あのエルフの人は誰だろう?)


「問題ありませんよ。」

フローリアがニコッとエルフの女性に微笑んだ。

「彼、レンヤさんは無事に今の時代に転生させましたし、今頃は成人になって称号を授かっているでしょうね。」


「感謝します。」

深々と彼女がフローリアへ頭を下げていた。


「ですが・・・」

フローリアの表情が真剣な表情になった。

「新たに勇者の称号を授ける事になりますから、それ相応の試練を課します。いくら転生したといっても、試練に打ち勝てなければあなたの愛したかつての彼に戻れませんよ。」


「分かっています。」

厳しい事をフローリアから言われていたが、彼女はとても嬉しそうに微笑んでいる。

「レンヤなら・・・、私は試練を乗り越えると信じています。そして、再び勇者となった時は・・・」



「改めて彼にプロポーズします・・・、もう2度と離れたくありません。」



うっとりとした視線でフローリアを見つめていた。

フローリアもニコッと微笑んでいる。


「ラピスさん、あなたの願いは叶うと思いますよ。私も同じでしたからね。かつて愛していた人との別れ・・・、だけど諦めなかったわ。こうして今は私の旦那様になってくれましたからね。ラピスさんも大丈夫ですよ。」


ははは・・・、一体、何の話をしてるのだ?

フローリアの話の中で、どうやら俺が出ているみたいだよ。かつてのブルーの時、フローリアと死に別れてしまったけど、こうしてフローリアに転生させられて強引に結婚したしなぁ・・・

相手のエルフの女性はラピスと言うのかな?

その子に追いかけられている人も大変だよ。まさか、転生してからも追いかけてこられるなんて、まるで俺みたいだけど・・・


(頑張れよ・・・)


「ですが・・・」

急にフローリアの表情が真面目になった。

「生まれ変わったレンヤさんは女難の相が出ていますね。どれだけの女の人に告白される事やら・・・、ハーレム間違いないですよ。まるで旦那様みたいな人ですね。」


そう言って2人が俺の方を見てきたが・・・


(ちょっと恥ずかしい・・・)


「初めまして!」

エルフの女性、ラピスさんだっけ?が挨拶をしてくる。

「フローリア様には色々とお世話になっております。私の本体は元の世界にありまして、今は思念体でのご挨拶で申し訳ありません。」


「そんなに畏まらくても・・・」


パシッ!


(何だ!)


彼女から何かが流れてきた。


(これは・・・)


彼女の人生とは・・・、何でアカシックレコードが俺に彼女の人生を見せたのだ?

この世界の勇者だと!

あまりにも悲しい別れを経験していたと・・・

そして、転生により再び出会い一緒になるとはな・・・


(まるでフローリアみたいだよ。)


はい?


その勇者って・・・


ははは・・・、まさか俺と繋がっているとは思わなかったよ。

今は直接手助けは出来ないが、そう遠くない未来に会うなんてな。しかも、彼の・・・


俺の無蒼流剣術を受け継ぐ存在がいるとは驚きだよ。しかも普通の人間が・・・



その時を楽しみにしておくよ。



「旦那様・・・」


(はっ!)


心配そうにフローリアが俺の顔を覗き込んでいた。


「どうしたのですか?ラピスさんと挨拶をした瞬間に固まっていましたけど・・・、そのままブツブツ言ってましたし、ラピスさんなら帰ってしまいましたよ。」


「すまない。彼女の世界の事が俺の意識の中に流れ込んで来たんだよ。まさか、彼がな・・・、面白くなってきた。さすが、フローリアが目をかけている世界だけあるよ。」


思わずにやけてしまった。


「そうなんですか。アカシックレコードが旦那様まで巻き込むなんて、相当にあの世界は混沌としてきたようですね。ダリウスとの決着を着ける時が来たのかもしれません。」


「多分な。美冬が修行させている人も、同じ世界の人じゃないのか?」


「そうですよ。」



ブオン!



俺達の目の前の空間が割れ美冬が出てきた。


「美冬さん、どうでした?」


フローリアが美冬に話しかけるとニコッと微笑えみ返してくれた。


「大丈夫、『白狼神掌拳』の免許皆伝を伝えたわ。彼女は精神体でずっと修行していたから、元の肉体に馴染ませるのに本来の世界に返したわよ。力が体に馴染むのに2、3年はかかると思うけど、目が覚めたら武神として頑張ってもらわないとね。」


それからうっとりした視線で天井を見上げている。


「すごいね、彼女は・・・、裏技の修行で500年を1万年に引き伸ばして修行させたけど、人間がフェンリル族の冷華や雪を追い越すなんて想像しなかったわ。それだけ強くなりたかったのでしょうね。好きな人と一緒に戦いたい・・・、守られるだけの自分は嫌って・・・、その一念で才能が無かったのにここまで強くなるなんてね。」


「どうやら、ラピスさんの世界で大きな動きがありそうですね。私達は直接には手を出せませんが、見守る事は出来ます。加護の形で手助けをするのは可能ですからね。」


フローリアが俺と美冬へと話を始めた。


「旦那様、美冬さん、お手伝いをお願い出来ませんか?」


俺も美冬もゆっくりと頷いた。


「ありがとう・・・」


フローリアが俺達にお礼を言おうとした瞬間


「ママ、ちょっと待って。」


アイリスが俺達の中に入ってきた。


「かつて私がガーネットだった頃にママ達に滅ぼされたじゃない?その時に私の魂は粉々になってあちこちの世界に飛び散ってしまったわ。本体の魂は春菜ママに憑りついていたけど・・・、その魂の欠片の1つが今のラピスさんの世界にあるみたいなのよ。」


(何だと!)


「パパ、心配しなくても大丈夫よ。」


アイリスが俺に微笑んだ。


「私の中にあるガーネットの魂はもう浄化されて女神の頃の力に戻っているわ。欠片も同じように浄化されているし、危ない存在ではないと思うの。だからね、その欠片と一体化した魂は今の私と同じ力を使えると思うのよ。」


「そうなんだ。」


「まだその魂は目覚めていないけど、絶対にラピスさん達の戦いに必要な存在だと思うわ。だから、私もその時は手伝わせて欲しいの。私が加護を与えればその魂は必ず目覚めるから!」


ジッとアイリスが俺を見つめている。

もう女神としてフローリア達と一緒に仕事をしても大丈夫だろうな。

娘の成長が嬉しいよ。


「分かったよ。フローリアも良いよな?」


フローリアを見るとゆっくり頷いてくれた。


「アイリス、その時は頼むな。」


「うん!分かった!パパ!」


嬉しそうにアイリスが俺に抱き着いてきた。



(数年後にはあの世界は大騒ぎになるだろうな。)



ダリウス・・・


その名前はかつてフローリアから聞いたけど、かなり粘着質な性格の神だったはず・・・


あの世界にいるもう1人の俺・・・



(頑張れよ。)


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