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ヤンデレ女神に転生させられてしまった  作者: やすくん
第2章
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機械神族㉙

夏子が千秋に呼びかける。

「千秋!体は温まった?」


千秋が頷いた。

「えぇ、十分よ。でもねぇ、私達で倒しても雪達の勉強にはならないわね。それなら、私と夏子でコンビネーションの手本を見せない?」


「そうね、良い考えだわ。じゃあ、こっちの方を私達で倒して、千秋の方を冷華達の練習台にしようかしらね。」


千秋がサムズアップする。

「それじゃ、こいつを少し黙らせてから行くわ。」

そう話すといきなりジャンプし、ガーディアンの顔の高さまで飛び上がった。

右手を横に振ると、何か細長いものが数本飛び出す。


ドス!ドス!ドス!


地面にナイフが数本刺さっている。


「影縫い・・・」


そう呟くと千秋の前にいるガーディアンの動きが止まった。ナイフはガーディアンの影に刺さっていた。


「これでしばらくは動けないでしょうね。ついでに・・・」


サリーの搭乗しているラスト・ガーディアンの方へもナイフを投げた。

その影にもナイフが刺さる。


『う、動けない!どうなっているの?』


千秋がニヤッと笑った。

「別に大した事じゃないわよ。拘束系のスキルを使っただけだからね。あの子達の練習が終わるまで静かにしてもらいたいだけよ。無抵抗の相手を嬲る趣味はないから安心して頂戴。」


軽く飛び上がり夏子の横にスタッと着地した。


「雪!冷華!今から私達をよく見ていなさい!あっちはあんた達に任せるから、今から私達の行うコンビネーションをちゃんと理解してね。」


「「はい!」」

2人が勢いよく返事をする。


「それじゃ、夏子!まずは牽制は私が行うわ!」


夏子が頷く。

「それじゃ、トドメは私ね。分かったわ。」


「月影」

いつの間にか千秋の両手に2振りの真っ黒な刀身の剣が逆手に握られている。

スッと腰を下ろし構えた。


「デュランダル!」

夏子が右手を頭上に掲げ叫ぶと光が集まり剣の形になった。

黄金の剣を両手で握り、剣先をガーディアンへ向けた。


ガーディアンが巨大なビームライフルを夏子達に向けると銃口から光が溢れる。


ズバァアアア!


巨大なガーディアンが装備してるものだから武器も大きい。極太のビームが夏子目がけて発射された。

しかし、夏子は仁王立ちのまま笑っている。


「「夏子様ぁあああ!」


冷華と雪が叫んだ。

夏子はマリーやアイリスみたいな絶対防御のシールドや、美冬みたいな圧倒的な身体能力は持っていない。技巧派の部類に入るので、さっきみたいに華麗に躱すと2人は思っていたみたいだ。

それが、今回は避ける行動を取っていないから驚くのも当然である。


グッと剣を上段に構えた。


「こんな子供騙しの武器で・・・、私を舐めるなぁあああ!」


腰を落とし剣を振り切った。

「はぁあああああああああああああああ!」


スパァアアアアアアアアアン!


ビームが夏子の剣を始点に左右に分かれた。


『嘘でしょう!剣がビームを切るなんてあり得ない!』

サリーが絶叫していた。


残心の姿勢のまま夏子がサリーの方へ視線を移す。

「私の剣で切れないものは存在しないわ。どんなものでも切り伏せる!それが私よ!」


「でも、私にも切れないものは存在するわ。旦那様との愛だけは絶対に切れないのよ。」


ポッと頬を赤く染め、はにかむように微笑んでいた。


『こらぁあああ!どさくさ紛れに惚気るんじゃないわよぉおおおおおおおおおお!リア充爆発しろぉおおおおおおおおおおおおおお!』

サリーがグリップをガチャガチャと動かしているが、ラスト・ガーディアンはピクリとも動かない。

『何で!何で動かないのよぉおおお!私だってマスターから【愛してる】って言われたかった!どんなにアプローチをしてもマスターは返事をしてくれなかった・・・、そして、ゼウスと一つになり肉体は帰らぬ人に・・・』

瞳から涙が溢れている。

『私がどれだけの想いでマスターの血筋を待っていたと思って!私は新しいマスターと一緒になるのよ!お前達邪魔者を排除してやる!ラスト・ガーディアン!動いて!動いてよぉおおおおおおおおお!』


「無駄よ。」

千秋が鋭い視線をラスト・ガーディアンに向けた。

「私の影縫いはそう簡単に破れないから、しばらくは大人しく見てなさい。あなたにどんな過去があったか知らないけど、人の旦那を泥棒する真似は許せないわ。ここにいるロイヤル・ガードは全員が蒼太さんから幸せを貰ったのよ。その幸せを奪おうとする者はどうなるか?私達の怒りを思い知りなさい!」


再び双剣を構えると、真っ黒な翼を大きく広げガーディアンへと飛び立った。

「まずは邪魔な飛び道具を黙らせないとね。」


ガーディアンも負けじとビームを空中の千秋目がけて連射するが全て躱されてしまう。

あっという間にビームライフルの前に来ると月影を振るった。


スパッ!


ビームライフルと手首から先が粉々になって弾けた。


「夏子!」


「了解!」


いつの間にか夏子がガーディアンの右肩の上に浮いていた。


「はっ!」


デュランダルを振り下ろすと右腕が切り落とされる。

そのまま左肩の方へ一気に移動し再びデュランダルを振り下ろそうとした。

しかし、ガーディアンも夏子の動きを察知してか、巨大なシールドを上に掲げ夏子の斬撃を防ごうとしている。


「無駄ぁあああああああああ!」


デュランダルを振り落すとシールドが真っ二つに切り裂かれ、同時に左腕も切り落とされてしまった。


「さっきも言っただろう。私に切れないモノは無いとな!」


ガーディアンの胸部装甲が開き、中からガトリング砲が出てきた。


「不意を突いたつもりだろうけど甘いわ。」

千秋の声が聞こえたと思った瞬間にガトリング砲がバラバラになった。

そのまま頭部へ飛び上がり、再び月影を振るった。


スパァアアア!


頭部が首から切り落とされた。


満足な表情で千秋が切り落とされ落下している頭部を見ていた。

「ふふふ、やっぱり首を落とさないと倒した気になれないわね。夏子!トドメよ!」


「分かってる!」


ガーディアンの正面で浮いている夏子がデュランダルを左手に持ち、刀身に右手の人差し指をスッと滑らせた。


ゴォオオオオオ!


刀身が真っ赤な炎に包まれた。

再び両手で剣を握り頭上に掲げると更に炎が激しく燃え上がり、10mを超える巨大な炎の刀身が完成した。


「これで終わりだぁあああああ!プロミネンス斬っんんんんん!!!」


一気に剣を振り下ろす。


ズバァアアアアアアアアアアアアアアア!


ガーディアンが縦にキレイに真っ二つになり、左右に分かれ爆発を起こした。


夏子が剣を下げると炎がスッと消え、元の金色の刀身が輝いている。

「討伐完了」


既に地上に降りている千秋の隣に夏子が舞い降りる。

千秋が指をパチンと鳴らすと、動きの止まっていた残り1体の量産型ガーディアンが動き始めた。

顔を冷華達へ向けた。

「さぁ、次はあなた達の番よ。遠慮はしなくて良いから思いっ切りやりなさい。」


「「はい!」」

2人が勢いよく返事をした。



『量産型があっという間に4体も落とされるなんて・・・、しかも、ただの天使が剣だけで倒すなんて信じられない・・・残る量産型もあと1体なんてあり得ないわよ。お願い、私のラスト・ガーディアンが動けるまで何とかして・・・』

サリーが懇願するような視線で残り1体の量産型ガーディアンを見つめていた。



「さぁ!私達も恥ずかしくない戦いをしないとね。」


冷華が雪に話しかけると雪が静かに頷いた。


「唯我独尊!モード・アックス!」

冷華の手に巨大な黄金のバトルアックスが握られる。


「アルテミス!」

雪の左手に黄金の弓が握られた。


「あんなデカブツ相手にタイミングよく空中戦を挑めるなんて、この装備を作ってくれたデウス様に感謝よ!牽制は任せたわ!」


「分かったわ!冷華!思いっ切りやっちゃって!」


2人が同時に空中に浮かび上がる。


ガーディアンがビームライフルを2人に向けビームを発射した。


ズバババァアアアアアア!


「「当たらないわよ!」」


2人が華麗にビームを躱すと、冷華がガーディアンに突っ込んでいく。

「はぁあああああ!ファイナル・エンド!」

巨大なバトルアックスをガーディアンに振り下ろした。


ガキィイイイイイイイイン!


しかし、攻撃はシールドに受け止められた。

だが冷華がニヤッと笑った。


「雪!今よ!まずは邪魔な飛び道具を黙らせて!」


雪が弓を引き絞り光の矢をガーディアンに向けて放った。


シュン!


光の矢がビームライフルの銃口に吸い込まれた。


ドォオオオオオオオオン!


ライフルが大爆発を起こし、ガーディアンの右腕の肘から先も破壊されていた。


「あれだけのエネルギー弾を放つから、自爆するととんでもないわね。冷華!黙らせたわよ!一旦引いて!」


「分かったわ!」


冷華が急上昇を行うと雪が再び矢を放つ。

「アロー・レイン!」

数十本の光の矢がガーディアンへ迫った。


ズドドドォオオオ!


「何!」

雪の目が驚愕で見開かれていた。


光の矢は左手に握られていたシールドで全て防がれていた。


「まだよぉおおおおおお!」

冷華が後ろからバトルアックスを振りかぶりながら接近し振り下ろした。


ガキィイイイ!


「ちっ!思ったよりも動きが速い!」


ガーディアンが冷華のバトルアックスを振り下すスピードよりも速く振り返り、冷華の攻撃をシールドで受け止めていた。

そのままの状態でシールドを振り回して冷華を弾き飛ばす。


「くっ!」


高速で吹き飛ばされたが急停止し、ジグザクに飛行しながら雪の隣で止まった。

少し悔しそうにガーディアンを見ている。

「さすがにロイヤル・ガードのみんなみたいにいかないわね。あんなものをあっという間に倒してしまうなんて、私達とみんなの力の差を痛感してしまうわ。」


『ふふふ、どうしたの?どうやらあなた達は彼女達と比べて数段レベルが落ちるみたいね。やっと私達が優位に立てる時が来たわ!』

サリーがニヤニヤ笑いながら冷華達を見ている。


「な、何!あれは!」

雪が叫んだ。


粉々になったビームライフルと右腕のパーツがガーディアンの方へ集まっていく。しばらくすると破壊される前の元の状態に戻っていた。


「自己修復?」

冷華が呟いた。


『よく分かったわね。あんた達の攻撃力だと私のラスト・ガーディアンどころか量産型も完全に破壊する事は不可能ね。あはははぁああああああああああ!無様に負けを認めなさい!』


「そう・・・」

冷華だけでなく雪もニヤッと笑う。

「やり過ぎるかと思って手加減していたけど、本気でやらないとダメみたいね。ちょっと舐めてたわ。雪!私達の本当の力を見せるわよ!」


「私も思いっ切りいくわね。千秋様にはこれ以上恥ずかしいところを見せられないわ。」


『何を負け惜しみを!』


「レッド・ソウル!オーバードライブ!」

冷華の背面装備の折り畳まれていた翼が展開した。翼が赤く発光し、光の粒子が溢れ始めた。


「ブルー・デスティニー!オーバードライブ!」

雪の背面の4枚の翼が大きく開き、青白く発光した。


「さて・・・、行くわよぉおおおおおおおお!」

黄金の巨大なバトルアックスを両手で握りしめ冷華が一気に飛び出した。

赤い流星みたいな軌跡を描きガーディアンへと突撃する。


『は、速い!さっきとは段違いのスピード!だけどぉおおお!あんた達には無駄な事よぉおおおおおおおおおおお!』


『量産型!やりなさい!』


ビームライフルから冷華目がけてビームが発射される。


「私は美冬達と一緒に並んで戦えるくらいになりたいのよ!こんな事で手間取る訳にはいかない!夏子様に出来たのなら私にも出来る!」

バトルアックスを大きく振りかぶった。

「私を舐めるなぁあああああああああああああああああああああああ!」


スパァアアアアアアアアアン!


冷華がビームを切り裂いた。


そのままガーディアンに肉迫し、もう一度バトルアックスを振りかぶった。

「マックス・パワー!」

みるみるバトルアックスが更に巨大化した。


「ファイナルゥウウウ!エンドォオオオオオオオオオオオオオオオ!」


ドオオオォオオオオオオオオオオオン!


右腕ごとビームライフルが吹き飛んだ。


「どうよ!これでも余裕でいられると思って!」


『くっ!雑魚が生意気よぉおおおおおおおお!追いつけないスピードではないわ!シールドで叩き潰してあげなさい!』


ドン!


ガーディアンの全身のあちこちから火が上がっている。


『な、何が起こっているの!』

サリーがモニターの視点を色々と切り替え状況を確認している。

『そんな事ってぇええええええええええええ!』


雪がアルテミスから何本もの矢を連続して放っていた。

「リフレクト・ショット!」

全方位から光の矢が襲いかかり次々と爆発を起こしていった。


ズズ~~~ン


全身から煙を上げ、立つのもままらなくなったのか、ガーディアンが地面に膝を付いた。


『どうなっているの!あんな攻撃でここまでダメージを喰らわないはずよ!』


「どうかしら?」

雪がニコッと微笑んだ。


『何ぃいいいいいいいいいいい!』


「装甲やシールドは確かにこのアルテミスだと攻撃力不足には間違いないわ。だけど、関節や装甲の隙間はどうかしら?ピンポイントで集中的に狙わせてもらったわ。結果は見ての通りね。」


『そんな精密射撃が出来るなんてあり得ないわぁあああ!』


ニコニコしていた雪の目が細くなり、全身から大量の殺気が溢れる。

「私達フェンリル族を舐めないで下さい。フェンリル族は戦闘民族、戦いの中で常に成長し強くなっていくの。1分前、いえ、1秒前の私と一緒に思わないで下さい。」


「雪!よくやったわ!そろそろトドメと行くわよ!」

冷華が雪の前まで飛んできた。

「メガキャノン展開!」

背面装甲に装着されている砲身が展開し、巨大なランチャーを冷華が構える。

「パージ!」

しかし、ランチャーが装甲から外れ手に取った。それを雪に渡す。

「雪、分かっているわね。」


「ええ、この方法なら確実ね。」

雪が頷いた。


「そういう事よ。私達はまだまだ未熟、でも必ず勝てる方法を取らないとね。雪の魔力ならこいつは私以上の攻撃力を出せるわ。最後の仕上げは頼んだわよ。」

そして唯我独尊を頭上に高々と掲げた。


「ガーベラちゃん、悪いけどあんたの必殺技をパクらせてもらうわ。モード・ドリルゥウウウウウウウウウウウウウウ!」


冷華の右腕に長さは5mはあろう巨大な黄金のドリルが出来上がった。

それをガーディアンへ向けて構える。

翼が真っ赤に輝きミサイルのように一気に飛び出した。


「いっけぇえええええええええええええ!ドリル・クラッシャァアアアアアアアアアアアアア!」


黄金の弾丸のように冷華がガーディアンへ一直線に飛んでいく。

シールドを構え冷華を迎え撃つ。


ゴシャァアアアアアアアアアアアア!


ドリルがシールドを突き破り、胴体をも突き抜け大きな穴が開いた。

冷華はそのまま急上昇を行い上空へと飛び上がた。


「雪ぃいいいいいい!いっけぇえええええええええええええええ!」


雪が冷華から譲られた大型のランチャーを構えている。砲身から青白い光が溢れていた。


「今度こそ本当に終わりよ!メガ・バスターキャノン発射ぁああああああああああああああ!」


巨大な青白いビームが発射され、ガーディアンがビームに飲み込まれた。



美冬がボソッと・・・

「うわぁ~、雪がまんまWGだよ。でも、良いものを見せてもらったわ。」


評価、ブックマークありがとうございます。

励みになります。m(__)m

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