表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヤンデレ女神に転生させられてしまった  作者: やすくん
第2章
178/184

機械神族㉘

5体の量産型ラスト・ガーディアンが春菜達の前に立っている。


「ねぇねぇ、雪姉さん、アレってG〇に似てない?量産タイプっていうのも共通だし。」

アイリスが雪にボソボソと話しかけている。


雪もアイリスの言葉が分かったのか笑っていた。

「確かにね。言われればアレに似ているわ。ホント、今回は作者の趣味全開だけど大丈夫かな?」


「まぁ、イラストにしなければ大丈夫じゃない?責任は持てないけどね。」


マイペースな2人であった。



渚とマリーが春菜達の前に戻ってきた。

「夏子、後はよろしくね。大して体力は使っていないからあのデカブツ相手でも問題ないでしょうね。」

渚が目を閉じると赤い髪が青く変化していく。

「分かったわ。丁度いい具合にウオーミングアップも終わったようね。後は任せなさい。」

そう呟きニコッと微笑んだ。


「私もまだまだ戦えるけど、あんた達に譲るわ。でないと、あんた達のファンから出番が無いってクレームが付くからね。まぁ、私の戦闘シーンも初めて見せられたし、今回で少しは私のファンが増える事を期待してるんだけど・・・」

少し微妙な表情のマリーだった。


「マリーさん、大丈夫ですよ。私から見てもカッコ良かったですしね。絶対にファンは増えると思いますよ。」

一生懸命に春菜がマリーをフォローしていた。


そして、クルッと量産型ラスト・ガーディアン達の方へ向き直った。

「さて、私達も少しは活躍しないといけませんね。第2部になってから極端に出番が減りましたからねぇ~、今回はちゃんと見せ場を作らないと本当に今後に差しつかえますから気合を入れていきましょう。」


アイリス達が頷いた。


「あの後ろでふんぞり返っているデカブツはフローリア様に任せるとして、雑魚の量産型は我々が梅雨払いさせてもらいます。」



「それでは、散開!」



マリー、冷華、雪以外のメンバーが一斉に量産型の方へ飛び出した。

フローリアは未だにクローディアを握りしめながら妄想の世界で「えへへ・・・」と悶えていたが・・・



『そんな豆粒みたいなあなた達にどうにか出来るモノではないわよ!量産型とはいえラスト・ガーディアンの力を舐めないでちょうだい!』

サリーが叫ぶ。


ニコッと春菜が微笑んだ。

「それはどうでしょうね?これくらいの大きさの魔獣など数えきれないくらいに私達は戦ってきたのですよ。そして、私達にもプライドはあります。『ロイヤル・ガード』としての誇りがね。あなたこそ私達を舐め過ぎている事を証明させてあげましょう。」


次の瞬間、春菜の周囲に魔法陣が浮かぶ。左右と頭上に3つの巨大な魔法陣が姿を現した。

「トリニティイイイ!ノヴァアアア!」

各魔法陣より赤、青、黄色の光が迸り巨大なビームが発射された。

発射されたビームが螺旋状に絡み、更に巨大なビームとなって1体のガーディアンを飲み込んだ。


ボシュゥゥゥ!


ビームが消え去った後には何も残っていなかった。


『バ、バカな!ロストですって!量産型が一瞬で消滅した・・・』


相変わらず春菜はニコニコしている。

「あなた方から見れば豆粒の私ですがどうです?私達の力はまだまだこれからですよ。これくらいで驚いてもらっては困りますね。」


(そ、そんな・・・、こんなにもあいつらは化け物なの?)

モニターを見ながらサリーが細かく震えていた。


「あっ!」

春菜が何かを思い出したように叫んだ。

「簡単に終わらせ過ぎました!私の出番はこれで終わりですかね?とほほ・・・」

ガックリと肩を落として落ち込んでいた。



「うわぁ~、春菜ママの魔法って相変わらずだよね~」

アイリスが春菜の魔法を見て感心していた。

「魔法に関しては春菜ママには勝てないし、クローディアはフローリアママに取られているから、剣での戦いも見せられないしねぇ~、私の見せ場っていえば・・・」

そしてニヤッと笑った。

「やっぱり、今回はアレしかないわね。」


アイリスの全身から魔力が溢れだす。

「雷帝モード!」

バチバチと全身が放電を始め、右手をスッとガーディアンへ向けた。


「ふふ、私は雷系の魔法が一番得意だからコレでいくわ。魔法を放つのではなく、自分の身体強化に使えば上昇度はハンパないし、色々と面白い技も使えるからね。まぁ、今回は自前の武器で戦うしかないわね。この状態だと霞はあまり意味がないからねぇ~」


「出でよ!グングニールの槍ぃいい!」


差し出した右手の上に青白くスパークしている槍が浮かび上がった。


「レールガン!」


ヒュン!


ドパァアアアッンンン!


ガーディアンのシールドを構えた左腕が、付け根からシールドごと消滅した。


「う~ん、思ったよりもグングニールの初速が遅かったわね。それに狙いも甘かったから胴体ごと吹き飛ばせなかった。物理攻撃の中では強力だけど、まだまだ改良の余地ありね。」


『まだよ!左腕が吹き飛ばされただけだし、まだビームライフルが残っているわ!さっきのシールド使いみたいなシールドは使えないはずよ!意地を見せなさぁあああっいいい!』


ズバババァアアアアアア!


巨大なビームライフから何本ものビームがアイリスへ発射される。


「無駄よ。」


ビームがアイリスの手前で突然グニャリと曲がり、湾曲してアイリスを避けるような状態でビームが通過した。


『な、何が起きたの?ビームを捻じ曲げるんて・・・』


アイリスがニヤッと笑う。

「おばさん、荷電粒子兵器は無駄よ。私の周りはプラズマ・ボールで磁場が歪んでいるから屈折されてしまうからね。だから、私を傷つけたければ実体弾を使わなければ意味が無いわよ。まぁ、弾がプラズマに耐えられればの話だけど。ふふふ・・・」


『きぃーーー!また私をおばさんって呼んだわね!許さない!叩き潰してあげる!例え量産型でもこれだけの質量なら、いくら何でも防ぎきれないわよ!』

サリーがギリギリと歯ぎしりしながら叫んだ。

『やってしまいなさい!』


しかし、アイリスは笑みを崩していなかった。

「ヒステリーなおばさんは困りものね。だけど、私はまだ本気にもなっていないのよ。」


『だ、黙れぇええええええええええええ!小娘が生意気よぉおおおおお!』


「春菜ママのセリフじゃないけど、私もおばさんに力の差を見せつけてあげるわ。」


アイリスの手にグングニールが握られ構えた。

「相手がどれだけ大きかろうが、今の雷帝モードの前では無駄だって分からせてあげるわね。」


バチバチバチィイイイ!


アイリスの全身が一際激しく放電し白く輝いた。


「行くわよ。」


真っ白な翼を大きく広げ一気に上空へと飛び上がった。

ピタッとガーディアンの真上で停止する。


「私の攻撃を防げるかな?まぁ、無理でしょうね。」


槍を前に突き出し流星のように白い軌跡を残して急降下する。

「突撃ぃいいいいいいいいいいいいいい!」


ズバババァアアアアアア!


ガーディアンが何発ものビームを放つが、全てアイリスが纏っている白い光に弾かれてしまった。


「はぁああああああああああああああ!ライジングゥウウウ!インパクトォオオオオオオオ!」


グシャァアアアアアアアアアアア!


真上から槍をガーディアンの頭に突き刺し、そのまま一気に股間まで突き抜けた。

地上すれすれで90°直角に曲がり、少し離れた場所でガーディアンを背にした状態でスタッと立つ。


「ジ・エンド・・・」


そう呟き、槍の石突を地面にコンと置くと


ズドォオオオオオオオオオオオン!


ガーディアンが爆発し、アイリスの全身を覆っていた放電が消えた。

そして、サリーの搭乗しているラスト・ガーディアンへ視線を移した。


「おばさん、どうだった?あまりにも手ごたえが無さ過ぎてつまらなかったけど・・・」


サリーがグリップを握りながらワナワナ震えていた。

「う、嘘・・・、信じられない・・・、あいつらは本当に化け物集団なの?マスター、どうすれば・・・」



「春菜もだけど、アイリスも派手にやったわねぇ~、私も普通に倒したんじゃ目立たないから、こうなったら派手にやらせてもらうね。」

美冬がニヤニヤしながらガーディアンと対峙していた。


ズバッ!ズバッ!ズバッ!


ビームライフルのビームを次々と華麗に躱していく。


『な、何で当たらないのよぉおおお!』


美冬がニヤリと笑う。

「そんなの簡単よ。銃口の向き、同じ発射タイミング、高性能のAIだろうけど、私に対してはとてもレベルが低すぎるから狙いがバレバレよ。」


『そ、そんなぁぁぁ~』


「春菜、アイリスに続いて、私からもあなたに絶望をプレゼントしてあげるわね。喜んで受け取ってちょうだい。」


美冬が立ち止まると意識を集中する。


「えっ!美冬ママの魔力がとんでもないくらいに上昇している!何が起きるの?」

アイリスが驚いた表情で美冬を見つめている。


空間そのものを振動させるような魔力の放出がピタッと止まった。

辺りに静寂が漂う。

「これが私の真の姿よぉおおおおおおおお!」


美冬の真っ白な髪と尻尾が金色に輝いている。

金色に染まっているのでなく、金色の輝きを放っていた。


「えぇえええええええ!美冬ママがぁあああ!」


美冬の手足がスラリと伸び、中学生くらいの体だった美冬が夏子達と同じような姿まで成長した。


「うっそぉおおおおおお!大人な美冬ママなんてぇええええ!しかも、スタイル最高の超絶美人よぉおおお!」

アイリスが絶叫していた。

そして冷華と雪が大人の美冬を見て「負けた・・・」と呟き、がっくりと膝を付いている。


美冬が全ての男を魅了するような微笑みで優雅に立っていた。

「これが真祖フェンリルの力よ。凍牙お兄ちゃんは大きな金色の狼の姿になるけど、私はこんな感じね。力が漲ってくるわ。」


ゆっくりと構えをとりガーディアンと対峙する。

「神界最強7神の1柱、【神】獣フェンリルの美冬!行くわよ。」


ビー!ビー!ビー!


コクピット内に警報が鳴り響き、計器類が真っ赤に変わり点滅している。


『嘘でしょう?そんなのあり得ない・・・、戦闘力測定不能なんて・・・、このラスト・ガーディアンを凌駕する戦闘力を持っている生物が存在するなんて・・・」


ボソッとサリーが呟いた。

「量産型なんて太刀打ち出来ないわ。目が覚めた途端にこんな悪夢を見せられるなんて・・・」


ズバババァアアアアアア!


巨大なビームライフから何本ものビームが美冬へ発射された。


「はっ!」


美冬が腕を横に振るうと全てのビームが弾き飛ばされてしまう。


『悪夢よ・・・、生身でビームを弾く存在がいるなんて・・・』


ライフルでの攻撃が無駄だと理解したのか、ガーディアンが背面のブースターで高速で接近し、美冬を巨大な足で踏みつけた。


ズン!


『やったの?』


しかし、美冬はガーディアンの右足の踏みつけを左腕1本で受け止めていた。


『う、うっそぉおおおおおおおおおおお!』


そのまま右腕でガーディアンの足にアッパーを放った。


ズドォオオオオオオオオオオオオオッン!


右足の膝から下が粉々に吹き飛びバランスを崩す。

美冬はそのままガーディアンを遙か上から見下ろせるほどに高く空中へジャンプした。


「美冬!」

マリーが叫んだ。


「マリー!ナイス!フォロー!」

美冬も叫ぶと、ジャンプした上空に透明な箱型のシールドが浮いていた。

そのシールドを足場にして、今度は眼下のガーディアンへ向かって思いっ切り足場を蹴った。


「美冬キィイイイックゥウウウウウウウウウウウ!」


キックの体勢のまま高速でガーディアンへ向かっていく。


しかし、ガーディアンもカウンターで右腕を振り抜き、美冬に殴りかかった。


ゴシャッ!


ガーディアンの右腕を粉々に砕き、そのまま右足が胸に吸い込まれ、大きな穴を開けて貫通してしまう。


スタッ!


何事も無いように華麗に着地すると・・・


ズドォオオオオオオオオオオオン!


アイリスの時と同様にガーディアンが大爆発を起こし、木っ端微塵に吹き飛んだ。


「残りは2体ね。」

美冬が小さく呟いた。



『あっという間に3体も・・・』

大量の冷や汗をかいたサリーが、唖然とした表情でモニターを見ていた。

『の、残りの2体は?』

慌てて別のモニターに視線を移すと、夏子と千秋が2体のガーディアンのビームライフルの攻撃を次々と躱している映像が出ていた。


『な、何で当たらない・・・』


そして、夏子と千秋が同時に視線をサリーのモニター越しに飛ばした。


(え!こうやってモニターで見られているって分かっているの?偶然よね?)

そう思いながらも背中に大量の冷や汗をかいていた。

評価、ブックマークありがとうございます。

励みになります。m(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ