機械神族㉖
「あはははははぁあああああああああああああああああああああああああ!」
フローリアが天まで届くかのようなどす黒いオーラを放ちながら絶叫している。
「春菜ママ・・・、アレはヤバイわよ・・・、あそこまでフローリアママが怒るなんて・・・」
アイリスが大量に冷や汗をかきながらフローリアを凝視している。
心なしか少しガタガタしていた。
春菜もアイリスと同様に冷や汗をかきながらフローリアを見ている。
「えぇ・・・、さすがに私でもアレはどうにも出来ないですよ。気が治まるまで黙って見ているしかないですね。それにしても、あの機械神族の方はバカですか?今では蒼太さんとフローリア様の関係は知らない人がいないくらい有名なのに、それでも蒼太さんにちょっかいを出すなんて・・・」
エリーが2人の前に立った。
「お二人様、それは仕方ありませんよ。マザーコアであるサリー様は長い間休眠していましたからね。さっき活動を再開しましたから、今の神界の事は全く分かっていないと思いますよ。自分達がどれだけ時代遅れになってしまったのかも分かっていないみたいですし・・・」
「「「はぁ~~~」」」
3人が揃ってため息をしている。
フローリアから放出されていたどす黒いオーラがフッと消えた。
表情も邪悪な笑みからいつもの優雅な微笑みに戻っていた。
アイリス達がホッとした表情になった。
「ホッ・・・、どうやら治まったみたいよ。これで平和になるわ。」
しかし、まだフローリアがブツブツと言っている。
「ふぅ、いけませんね。思わずカッとしてしまいましたよ。女神としてはあるまじき態度でしたね。反省、反省・・・、まぁ、旦那様の事でちょっと頭に血が上ってしまったのは仕方ないでしょう。だって、私がみんなの中でも1番旦那様の事が好きですからね。旦那様に何かあったら私は生きていけませんし、旦那様が女神を辞めて専業主婦をしなさいって言われれば喜んで女神を辞める事も出来ますからね。ふふふ、こんなにも旦那様の事が好き・・・、あのサリーっていうブスがちょっかいを出してくれたおかげで一時とはいえ離れ離れにされてしまったのね。愛し合う2人を引き裂く意地悪な魔法使いのような存在かしら?でも、おかけでどれだけ旦那様の事を愛しているか再認識出来たわ。やっぱり私は旦那様の事が好き・・・、旦那様がいなくなってこんなにも胸が締めつけられるなんて・・・、でもね、こうして障害があると私は燃えるのよ。恋を成就する障害を撥ね除けて再び旦那様と一緒になるのよ。あぁぁぁ・・・、旦那様を救った私・・・、そして私に旦那様が微笑んでくれるのよ。『フローリア、ありがとう。やっぱりお前が1番好きだよ。ずっと離さない。』ってね。ふふふ・・・、そして旦那様は私を優しく抱きしめてくれるのよ。そのまま私をお姫様抱っこしてくれて見つめ合う2人・・・、きゃっ!恥ずかしいわ!あぁ・・・、そう思ったら体が疼いてくるわ。早く旦那様に抱かれたい。今夜は頑張らないとね。早く2人目の子供も欲しいから今夜は寝させませんよ。ぐふふふ・・・」
自分を抱きしめてクネクネしている。
「ダメだぁぁぁ・・・、もっと質の悪い状態になっているよぉぉぉ・・・」
アイリスが呆れて見ていた。
クローディアがアイリスの肩をポンポンと叩いている。
「クローディア・・・」
「あの状態のフローリアは使い物にならないから、しばらく放置しておいた方が良いわ。下手に構うと飛び火して私達が被害を受けるのは確実よ。だから私達であのデカ物を叩けば問題ないでしょう?」
「そうね、手伝ってね。」
「えぇ、分かったわ。ってぇええええええ!」
突然クローディアが輝くと剣の状態になりフローリアの手に握られてしまった。
『えへへ・・・』と悶えながらクローディアを握りしめニヤニヤしながら上の空になっている。
ラスト・ガーディアン内のサリーは・・・
「な、何なのよ・・・、あの行動は?全く意味が分からない・・・、でも、あのラリっている目はとても危険だわ。私の危険感知センサーが最大の警報を放っているよぉおおお!アレを見ていると1つだけ確実な事が分かったわ。絶対に相手をしてはダメ!触らぬ神に祟りなしよ!」
正解である。
アイリスもこめかみを押さえプルプルしている。
「はぁ・・・、もうママったら知らない・・・、妄想の世界でクローディアを振り回しながらパパを助けているのかな?あっちは放置して私達で頑張るわ!」
「ママ達、お願いね!」
春菜達が一斉に頷いた。
アイリスがジッとラスト・ガーディアンを見ている。
「しかし・・・、あのデザインは見れば見るほどGだよねぇ・・・、作者も何を考えているのかしら?イラストにしたら完全に版権に引っかかるわよ。」
(美)「アイリスもそう思った?でもねぇ、これはこれでソータがとても喜びそうね。」
(夏)「そうね。それに冷華や雪の甲冑?のデザインもすごいわね。旦那様が持っている雑誌で見たけど、冷華はデ〇テ○ーのGとデザインが似ているし、雪はまんまEWのGのデザインよね。あのアニメは旦那様が大好きだから、いつかはフ○ーダ○のGもデウス様に頼むんじゃない?多分、アヤさん用にね。」
(千)「あり得るわね。ホント、あの2人を見るとコスプレとしか思えないわね。それによ、蒼太さんの部屋にあるGシリーズのプラモも出来がとても良いのよね。プロが作ったのでは?と思うくらいの精度なのよ。さすが器用さのステータスがカンストしているだけあるわ。しまいには、あの2人のフィギュアを作って凍牙さんにプレゼントするかもしれないわよ。それくらいの事は簡単に出来そうだからね。」
(美)「分かる、分かる。凍牙お兄ちゃんもGシリーズのアニメが大好きだからね。しかも可愛い雪や冷華のフィギュアでしょう?お兄ちゃんが涙を流して喜ぶ姿が目に浮かぶわ。」
(春)「あ~、その姿は想像出来ますね。私はあまり漫画やアニメには興味はありませんが、蒼太さんと凍牙さんはあの手の話になると徹夜で語り合うくらいにお互いに好きですからね。サクラも最近は凍牙さんの影響を受けてか、アニメをよく見るようになってきましたよ。」
(マ)「あら!春菜のところもそうなの。ガーベラも同じよ。あの娘は元々が格闘系の戦闘が好きだから、ロボットもののアニメや漫画は凍牙と結婚する前からかなりハマっているのよ。キング・クラッシャーの必殺技なんて、パイルバンカーが必殺武器のア○トの必殺技を丸々パクっているからねぇ・・・、結婚してからは更にアニメにどっぷりとハマっているみたいなのよ。おかげで私もある程度のアニメや漫画の知識は身に付いてしまったわ。」
(ア)「いやぁ~、マリーママ、詳し過ぎよ。ママも本当は大好きなんじゃない?」
(マ)「そうね、私はガーベラの影響もあったけど、やはり好きな人の趣味は共有したいと思っているのよ。蒼太と一緒に映画やアニメを見ている事も多いわね。でも、個人的にはラブロマンスの映画が1番かな?見終わった後はお互いその気になっちゃって、その夜はとても激しく愛してくれるのよ。ふふふ、恥ずかしい・・・」
(春、夏、千、美)「「「「その方法!参考にするわ!」」」」
(美)「私もソータの影響で格闘漫画は手放せなくなったわ。どの漫画も必殺技がカッコ良くて、ついつい真似してしまうのよね。さすが漫画内では最高の破壊力だから、実際に使うと驚くくらいに強力だよ。吹雪も頑張って真似しているけど、まだまだ私のレベルには程遠いけどね。」
(マ)「美冬・・・、それって真似出来るレベルなの?漫画やアニメの必殺技なんて物理法則をねじ曲げているし、普通は絶対に無理よ。あぁぁぁ、そう言えば美冬は例の漫画からコ〇モに目覚めてたわね。そんなものをホイホイと真似出来るなんて、ホント、あんた達はおかしいわよ。」
(ア)「いやぁ~、ママ達みんなパパの影響をモロに受けてるのね。でも、マリーママが言っている好きな事は共有したいっていう気持ちはよく分かるね。私も今夜はパパにたくさん愛してもらうわ。早く2人っきりでのラブロマンスの映画を試してみたいのよ。」
(春)「アイリス、それとこれは別よ。蒼太さんの夜のお供はちゃんと順番が決まっていますからね。私達が決めた約束はちゃんと守りなさい。それに、今夜はフローリア様だし抜け駆けは禁止よ。まぁ、フローリア様を出し抜くなんて、いくらアイリスでも無謀だと思いますよ。確実にあの世を見るわね。」
(ア)「確かにねぇ~、私もそこまで命知らずではないわ。」
ズバババァアアアアアアアアアアア!
「ふん、イージスの盾!」
マリーが叫ぶとみんなの前に光輝く盾が出現した。
バシュゥウウウ!
何本ものビームが春菜達に襲いかかったが、光の盾に阻まれみんなのところには届かなかった。
「そんなチンケな攻撃は無駄よ。」
全員がゆらりとビームの発射地点を睨んだ。
巨大なビームライフルを構えたラスト・ガーディアンが佇んでいる。
『あんた達ぃいいいいいいい!何をほのぼのと井戸端会議をしているのよぉおおおおおおおおおおお!』
『それとも、このラスト・ガーディアンの力に恐れて現実逃避をしてしまったのかしらね。』
「はいぃいいい?何でアンタを怖がらなくちゃいけないのよ。」
アイリスが不思議そうな表情でラスト・ガーディアンを見ている。
「そうだぞ。」
夏子もニヤッとした表情だ。
「どうみても貴様は私達よりも数段落ちると思うな。そんなレベルで立ち向かうなんて勇敢を通り越して可哀想に思うぞ。」
千秋もスッと目を細めてアサシンモードに入っている。氷の美女といった感じだ。
「どうやら痛い目に遭わないと現実を理解出来ないみたいね。2度と逆らえないように首を落としてあげげようか?ちゃんと躾をしてあげるわ。ふふふ・・・」
美冬は逆にニコニコしている。
「千秋~、そんな事したら躾以前の問題だよ。首を落としたら確実に死んじゃうよ。普段からフローリアに言われているじゃない、『あまりやり過ぎないように』ってね。まぁ、その言っている本人が1番やり過ぎているか・・・」
そして冷華と雪に方に視線を移した。
「冷華に雪、私達の戦いを見てなさいよ。参考になると思うわよ。さっき言ったコンビネーションの方も後で練習として参加してもらうからね。準備はちゃんとしておいてね。」
2人が頷く。
『あぁあああああああああああ!どこまで私をバカにするのぉおおおおおおおおおおおおおお!』
サリーが絶叫している。我慢の限界を超えたみたいだ。
『もう泣いて謝っても許さないわよ!このエデンの力を思い知りなさぁああああああああああああああああっい!』
春菜がスッとみんなの前に出てきた。
「ここはデウス様のお膝元ですからね。建物などに被害が出ないように手加減はしますが、あなただけにはとことんまで恐怖を植え付けますからね。覚悟して下さい。」
『くっ!そんな脅しには屈しないわ!このラスト・ガーディアンだけが戦力ではないのよ!ガーディアン部隊!出撃!』
ラスト・ガーディアンの周囲に大量の光のリングが湧き上がった。
その中から次々と門番と同じロボットが出現してくる。
『単体でも強力な戦力を誇るガーディアンよ!その数200体、たった数人で対処出来るものではないわ!あんた達が地獄を見るのよぉおおおおおおおお!』
夏子とマリーがみんなの前に出てきた。
嬉しそうな表情で夏子が微笑んでいる。
「ふふふ、最近はデスクワークが多かったから、少し体を動かしたいと思っていたのよ。ストレス発散になるかもね。」
(夏子、ここは私にやらせて。)
「渚・・・、分かったわ。」
夏子の髪の色が青色から赤色に変化した。表情も普段の凜々しい感じから舌舐めずりをして妖艶な感じになっている。
「久しぶりに私も暴れられるわね。いつも鞭を握っているから、周りからはSMの女王様だと思われているかもしれないけど、私もちゃんと戦えるところを見みせないとね。今回は激しくいくわよ・・・」
マリーもポキポキと指を鳴らしてニヤニヤしている。
「たった200体なんて、軽く見られたものね。あんたの認識は間違いだったとすぐに分からせてあげるわ。」
『な、舐めるなぁあああああ!』
サリーの絶叫を合図に2人が翼を広げて上空に浮かんだ。
「渚!行くわよ!」
「えぇ!殲滅よ!」
猛スピードで滑空しながらガーディアン部隊へと2人が突っ込んで行った。
評価、ブックマークありがとうございます。
励みになります。m(_ _)m