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ヤンデレ女神に転生させられてしまった  作者: やすくん
第2章
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機械神族⑯

「そ、そんなのあり得ない・・・」


サリーが信じられない表情でフローリア達を見ている。

「このエデンの結界は外部の者は許可無く入れないはずよ・・・、それをいとも簡単に・・・」


マリーがクスクスと笑っている。

「あれが結界?あんな紙切れみたいなものを自慢しているなんてレベルが低過ぎるわよ。あれだけのレベルなら魔法がそんなに得意でない娘のガーベラでも簡単に出来るわね。誰に喧嘩を売ったのか分からせてあげるわよ。」


春菜がスッと前に出てくる。

「まぁまぁマリーさん、そんなに喧嘩腰にならなくても・・・、私達はヤクザではないのですから、基本的に平和的解決を望んでいますからね。まぁ、私達の慈悲に応じないのなら相応の対応をしますけどね。」

そしてフローリアに視線を移した。

「フローリア様・・・、やはりトラブルが起きましたか・・・、万が一と思って、こうしてみなさん準備をして正解とは正直嬉しくないですけど・・・」


「春菜さん、それは仕方ありませんね。旦那様のトラブルホイホイは無敵ですからね。黙っていても旦那様にはトラブルが舞い込んできますよ。しかも、トラブルの度にお嫁さんが増えるのも困ったものですねぇ~」


「「「「「確かに・・・」」」」」


全員が頷いていた。



サリーがワナワナと震えている。

「何ですか・・・」


「はい?」

フローリアがサリーの独り言に返事をした。


「あなた達!この状況が分かっているのですか!?我々の科学力にあなた達の剣や魔法みたいな時代遅れなモノは通用しないのですよ!それをピクニックに来たようにほのぼのとしているなんてぇえええ!」


夏子がニヤリと笑った。

「ほぉ~、我々は時代遅れの存在だとな。面白い・・・、貴様達の最先端の科学というものがどのようなものか見させてもらおうか。まぁ、科学に関しては旦那様から色々と教わっているからな。この建物や設備を見る限りは、確かに旦那様がかつて生活していた地球に比べて数段上のレベルには間違いないだろう。だけど、科学力だけが全てではないと見せてあげるよ。ふふふ・・・、腕が鳴るよ。」


フローリアも頷いている。

「確かに神界は剣と魔法が中心のファンタジー世界ですからねぇ~、それに、旦那様の読んでいる異世界ものの本にも科学チートというものがありますからね。ファンタジーの世界で科学は相当のチート技術には間違いないでしょう。それは認めますが、ここは神界ですよ。幾億もの世界を管理している神々が存在する世界です。このレベルの技術力を持っている世界などいくつも存在している事が分かっているのですかね?デウス様はそのような世界とも張り合っていたのですよ。やはりあなた方は寝ぼけていたのには間違いないでしょう。可哀想に・・・」


サリーが真っ赤な顔でギリギリと歯ぎしりしている。


「フローリア様!」

冷華がフローリアの後ろで片膝を付き頭を下げていた。


「冷華さん、首尾はどうです?」


「もちろん大丈夫です。メタル・ジャケットも全て私の制御下に置くことが出来ましたし、エリーも通常通りに回復しました。」

いつの間にか黄金のドラゴンがエリーの横に浮いていて、さっきまでフラフラだったエリーも元気な様子で立っていた。


「さすがアイテム・マスターのスキルですね。冷華さんが干渉出来るという事は、冷華さんの方が彼女よりも上位の位置付けでしょうね。この程度であなた方が私達に時代遅れと言うのは片腹痛いです。冷華さん、ご苦労様でした。凍牙さんも喜びますよ。それにしても強化装甲をそんな名前で呼ぶなんてね。旦那様が喜びそうなネーミングですよ。」


フローリアに褒められた冷華はとても嬉しそうだ。


千秋が雪の前に立った。

「雪・・・」


「千秋様・・・」

雪がジッと千秋を見ていると、千秋がフッと微笑んだ。


「雪、たった1年でよくぞここまで成長したな。フローリア様の念話でお前の戦いを見させてもらったよ。もう一人前だ。お前の実力は私が保証しよう。アヤは近々我らの一員になる予定で次はお前の番だな。そう遠くないうちにロイヤル・ガードの仲間入りになると思うが、一緒に戦えるその日を待っているぞ。」


「あ、ありがとうございます。」

ポロポロと雪が涙を流しながら千秋に深々と頭を下げていた。


              「あのぉ・・・」



「雪、千秋様に認められて良かったね・・・」

冷華が嬉しそうに雪を見て涙ぐんでいた。


「冷華ぁぁぁ~」


「ひゃっ!」


いきなり背後から美冬に声を掛けられ、冷華が飛び上ってしまった。

「み、美冬!いきなり後ろから声を掛けないでよ!心臓が止まりそうになったわよ!」


美冬は冷華を見てニヤニヤ笑っている。

「冷華、ソータにボロボロに負かされちゃったねぇ~、師匠としては情けないよ。」


「う、うるさい!あれはたまたまなの!蒼太さんとの戦いは相性が悪いだけで・・・」


しかし、冷華の瞳からポロッと涙が流れた。


「うぅぅぅ・・・、本当は悔しい・・・、雪があれだけ頑張っているのに、私だけが置いて行かれている気がするのよ。みんなと肩を並べられるくらいに強くなりたい・・・」


「冷華、分かった。私もこれからは本気で鍛えてあげるわ。レイラは子育て中で訓練が出来ないから、私も冷華だけに集中して教えてあげられるからね。覚悟してよ!」


冷華が冷や汗ダラダラで美冬を見ていた。

「美冬・・・、死なない程度に頼むわ・・・」


ススス~と夏子が美冬の横にやってきた。

「美冬、面白い話をしているわね。私も参加せてくれないかしら?ミヤコさんが育休中だから子供達の勉強だけ教えるのもつまらないのよ。冷華さん、私もあなたの指導に参加するわね。美冬と一緒に鍛えてあげるわ。いえ、渚も参加させて徹底的に鍛えてあげるわよ!もちろん、あなたには拒否権はないわ。ふふふ・・・、覚悟してね。」


              「あのぉぉ・・・」


絶望の表情で冷華が立ちつくしていた。

ポンポンと美冬が冷華の肩を叩く。

「冷華、頑張ってね。それと、さっきのソータとの戦いを見て思った事があったからアドバイスをしてあげるわ。」


「何?」


「冷華は吹雪と一緒で攻撃が素直過ぎるのよ。攻撃力に関しては雪以上には間違いないけど、単調な攻撃だから対人戦闘ではすぐに読まれて対策を取られてしまうのね。だから、さっきもソータにいいようにやられてたんじゃないの?」


「うっ!た、確かに・・・」


「そんなのじゃどんなに頑張っても私達レベルまで上がれないわよ。まぁ、すぐに癖を直すのは無理だろうから、1人で戦うんじゃなくてパートナーと一緒に戦った方が良いと思うの。私の見立てでは冷華と雪がコンビを組んだらとっても凄い戦いが出来ると思うんだ。」


              「あのぉぉぉ・・・」


「それって?」


「雪って遠距離攻撃が得意だから、雪がまず相手をかく乱して、トドメに冷華が攻撃すれば良いのよ。いわゆるコンビネーション・アタックていうヤツね。あなた達2人は小さい頃からの友達だし、絶対に息がピッタリと合うと思うのよ。今度試してみたら?」


「分かったわ!雪、やってみましょう!」


雪が元気よく頷いていた。


              「あのぉぉぉぉ・・・」


「それでも私は冷華達には負けないけどね。」

胸を張りながら美冬がふんぞり返っていた。


「ふん!そんなに大きくない胸でふんぞり返らないでよ。」


「冷華!あんたよりは私の方が胸は大きいんだからね!あんたに胸の事は言われたくないわよ。」


「言ってくれたわね、美冬!私はこれからなのよ!凍牙にたくさん揉んでもらって大きくなるのよ!」

次の瞬間、冷華の顔が真っ赤になった。


「いやいや・・・、それは・・・」


全員の生温かい視線がモジモジしている冷華に注がれた。


              「あのぉぉぉぉぉ・・・」


クローディアがポンポンと冷華の肩を叩く。

「冷華、胸の大きさで女の価値は決まらないからな。凍牙からはちゃんと愛されているんだろう?それなら小さくても大丈夫だ、自信を持て。」

巨大な胸をユサユサと揺らしながら、勝ち誇ったような表情で冷華を見ていた。


冷華の額にあちこちと青筋が浮き出てプルプル震えている。

「あんたにだけは胸の話は1番言われたくないわよぉおおおおおおおおおおおお!この乳お化けめぇえええええええええええええ!」



「うぉおおおおおおおおおおおおおおいいっ!いつまでも私を無視するなぁあああああああああああああああああ!」



全員が声の方に振り向くと・・・

肩でゼイゼイと息をしているサリーが立っていた。


「とことん私を馬鹿にしてえぇええええええええ!」


しかし、すぐに冷静な態度に戻った。

「まぁ、マスターは既に私達が手に入れていますから、もうあなた達には用はありません。すぐにここから出て行って下さい。あなた達に関わるととても疲れますので・・・」


「それは困りますねぇ~」

春菜が困ったような顔をしている。

「蒼太さんは確かにこの都市のどこかにいるはずなんですけど、ジャミングされているのか詳しい居場所が特定出来ないのです。さっさと終わらせて帰りたいのですが・・・」


フローリアがにっこりと微笑む。

「それなら最強の旦那様センサーを呼びましょう。すぐに見つかりますわ。」


フローリアが指をパチンと鳴らした。


・・・


「ちょっとだらけ過ぎね・・・、アイリス・・・」


フローリアが呆れたようにアイリスを見ていた。

それもそのはず、その姿は煎餅を口に咥えながらゴロンと転がって漫画を読んでニヤニヤと笑っている。

漫画に夢中なのか、まだ周りの状況に気付いていない。


「ア~イ~リ~ス~~~」


どうやら気が付いたようだ。慌てて漫画と煎餅を隠し立ち上がる。

「マ、ママ!どうしたの?」


「まぁ、今のは見なかった事にしておくわ。あなたのファンがそんなだらしない姿を見たらガッカリするからね。アイリス、旦那様が捕まったみたいなの、探して。」


「はぁぁぁ~~~、ホント、パパってトラブルに好かれているわね。まぁ、放っておいても大丈夫だろうけど、早くパパとイチャイチャしたいから手伝うわ。」

そう言って人差し指をおでこに当て目を閉じた。

しばらくしてから目を開け、ニヤッと笑った。


「見つけたよ・・・、だけど、面倒な場所に監禁したものね。」



「嘘・・・、何で分かるのよ・・・」

サリーが青い顔でアイリスを見ていた。

「ゼウスの場所は何百もの次元フィールドに覆われているのよ。どんな方法でも絶対に感知されないはず・・・」


しかし、アイリスはドヤ顔でサリーを見ていた。

「ふふふ、私のパパに対する愛は無敵なのよ。どこにいようが絶対に見つけるからね。でもややこしい場所に閉じ込めたものね。この真下の地下1000mのところなんてね。予想以上に強固なフィールドっぽいし、転移で移動するのは無理そうね。ここからパパの場所まで一気にぶち抜く手もあるけど、勢い余ってパパを生き埋めにしても可愛そうだし・・・、まぁ、生き埋めになったくらいでは異常に頑丈なパパにとっては問題無いだろうし、その方法でも良いかもね。」


春菜がニコニコと微笑んでいる。

「まぁまぁ、アイリス、そんなに心配しなくても大丈夫よ。しばらくすればデウス様と一緒に戻って来るわ。今、蒼太さんがデウス様をお姫様抱っこをして現われる、そんなイメージが見えたからね。」


「春菜ママの予知なら確実ね。だったらパパが帰って来るまで待っているわ。」


「・・・」


「ちょっと待って!春菜ママ!何でパパとデウス様が一緒なの?考えられない組み合わせなんだけど・・・、それにお姫様抱っこって何?」


信じられない表情をしているアイリスの前にエリーが立ち、深々と頭を下げてきた。

「初めまして、アイリス様。私はエリーと申します。先程、我が母であるデウス様と一緒に蒼太様の妻となりました。今後ともよろしくお願いします。」


「はいぃいいいいいいいいいいいい!」

アイリスがとても変な顔になっている。人には見せられないくらいに面白い顔であった。

「フローリアママ!一体どういう事なの?あのデウス様がパパのお嫁さん?あの白衣を着て根暗そうにしている眼鏡おじさんがぁあああ!よりによってパパと結婚!女の人と結婚するなら分かるけど、おじさん相手って、パパって両刀使い方なの?」


「それに、この人!あっちの性格が悪そうなおばさんとソックリじゃないの!訳分かんないよ!」



ピキッ!


「おばさんって!言ってはいけない言葉を・・・」

サリーの髪の毛が逆立つ。



「アイリス、落ち着きなさい。」


「きゃん!」


フローリアがアイリスの頭にチョップを叩き込んだ。


「痛たたたぁぁぁ・・・、ホント容赦無いんだから・・・」


「アイリス、デウス様は身も心も女の人になったの。だから結婚はOKなのよ。分かった?」


「う、うん・・・、ママがそう言うなら信じるよ。デウス様がどんな姿か楽しみにしておくわ。」


「そうよ、楽しみにしてなさい。きっと驚くわ。」

ニコッとフローリアが微笑んだ。


フリーリアからエリーに視線を戻した。

「それにしてもまたお嫁さんが増えてしまったのねぇ~、エリーさんでしたっけ?あっちのおばさんとそっくりだけど全然違うね。とても可愛いし、機械神族なら年も取らないから、いつまでもキレイなままでいられるなんて羨ましいわ。あっちのおばさんは意地悪さが前面に出ているけど・・・、見た目はキレイでも中身はしっかりとおばさんだから、おばさん臭が滲み出ているのかもね?」


エリーがニッコリと微笑んでいる。

「アイリス様、褒めても何も出ませんよ。でも母様の仰っていた通りの方々ですね。とても楽しく頼りになる方ばかりだと・・・、そんな方々ばかりだから、母様も旦那様と一緒に暮らそうと決めたのでしょうね。私も楽しみです。」



ゴゴゴゴゴゴォオオオオオ!


とてつもないプレッシャーがサリーから放たれている。

「おばさん、おばさんって・・・、もう許さない!気が変わったわ。さっさと出ていってもらおうと思っていたけど、徹底的に恐怖を刻みつけてから追い出してあげるわ!」


「はぁ~、おばさんから意地悪おばさんにレベルアップしたみたいね。」

冷華がニタリとサリーに向けて笑っている。



「許さなぁあああああああああああああああああああああああっい!」



サリーが絶叫した瞬間、周りの景色が広大な荒野に変わった。

「ホールのままだと部屋を傷付けてしまうからね。さっきの様に空間を広げたから、わたしも遠慮しないで痛めつけられるわ!」


「地球を飛び出してから外宇宙を開拓し、他の星の文明と戦い、とうとう銀河の星々を統一した我々マスターの住んでいた地球の科学力!目にもの見せてあげるわ!」


「ラスト・ガーディアン!奴等を殲滅するわよ!剣と魔法では科学に敵わないと証明するのよ!」


サリーの後ろに巨大なロボットが現われた。

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