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ヤンデレ女神に転生させられてしまった  作者: やすくん
第2章
131/184

フェンリル族の里㊹

マリーがミツキ達の前に来た。

「みんな、おめでとう。何があったのかは聞かないけどね。ふふふ・・・」

3人が一斉に真っ赤な顔になってしまい、マリーがニコニコ笑っている。

「ふふふ、照れてるなんて可愛いわね。でも、ガーベラも大事にしてね。あの子はああ見えてもムッツリなんだから、色々と聞いてくるかもしれないよ。」


「お母さん!変な事言わないで!」

ガーベラが立ち上がってプンプンになっている。マリーがガーベラの隣に移動した。

「ガーベラ、元気になった?あなたは若いから勝負はまだまだよ。どうしてもというなら・・・」

マリーがガーベラにヒソヒソと話をしている。ガーベラの顔がみるみる嬉しそうな表情になった。

「うん!分かった!アイリスお姉ちゃんとサクラにも伝えておくね。」

ニコッとマリーが微笑んだ。

「そいうい事。勝つ為には時には手段を選んだらダメよ。どんな手でも使って勝たないとね。後は、あなた達の覚悟だけよ。春菜と一緒に応援するわ。」

嬉しそうな表情のガーベラだったが、急に不安そうな表情に変わった。

「でも、お母さん、本当に良いの?私達ははまだ8歳、7歳、6歳だし・・・」


「そうね、春菜からもOKはもらっているけど、あなた達がまだまだ考える時間はたっぷりあるからね。本当に正しいのか?心から望んでいるのか?単に焼き餅からなのか?じっくり考えなさい。それも勉強かもね?」

ガーベラが頷いた。

「分かったわ、お母さん。3人で納得するまで話をしてみる。決めた事に後悔はしないように・・・」

マリーも嬉しそうに頷いた。


マリーが俺のところにやってきた。

「ふふふ、焼き餅焼きなのは私と一緒ね。実は昨日の夜に春菜と相談したの。ガーベラとサクラが大人になる事にね。勝手に決めてごめんなさい・・・、大人になると決めた凍牙さんはミツキ達とこれからは夜を共にするわ。実際に昨夜は頑張っていたみたいだしね。まだ子供のガーベラ達はその中に入れないの。アイリスも同じ気持ちでしょうね。」

確かにな、その懸念は最初から思っていた。だから、俺はアイリス、凍牙はサクラとガーベラの立場を考えて、成人を迎えるまでと考えていた。しかし、そうしてしまうとミドリ達大人組はずっと待っている事になる。でも、昨日のスキュラ族の里での冷華の態度や、今朝のミドリ達の様子を見ていたらなぁ・・・、子供達を理由にして大人組の気持ちから逃げていたのを実感した・・・、ずっと待たせていたのに、更に待ってくれっていう感じだしな。

「私達の子供の中では、アイリス、サクラ、ガーベラの3人が特に大人びているし、春菜もビックリしてたわよ。ホント、一体、誰に似たのかしらねぇ・・・可愛さなら私達母親似なんだけどね。」

「私の予想だけど、あの子達は成人まで我慢出来ないと思うわ。今でも置いていかれた気分になっているみたいだしね。もう、あの子達は一人前だと思っているわ。」


「私もです。」

春菜がいつの間にか俺の隣に来ている。いきなり声をかけられてビックリした。心臓に悪いぞ・・・

「あの子達は昨日の戦いで変わりましたね。命を懸けた本気の戦いで精神的に大きく成長したのでしょう。自分達で考えどうやって戦うか・・・、逃げる事もせず、私達の力を借りずに成し遂げ、更に敵だった者までを許し救う事までしてしまいましたからね。もう一人前の女神や天使ですよ。」

「まだ6歳、7歳なのに、何であんな大人な考え方をするのでしょうね?一体、誰が教育したのかしら?あっ!私達でしたね。」

春菜・・・、俺と一緒な事をしないでくれよ・・・

「分かったよ。春菜とマリーが考えて決めた事だ。俺は口を出さない。というか、俺もあの3人の大人すぎるシッカリさにはビックリしているからな。もしかして、俺よりも精神年齢が高いかもしれん・・・」

マリーも嬉しそうにしている。

「あんたもそう思った?変な言い方だけど、ホント、あの3人は異常ね。子供の範疇を超えているわ。私達の中でも1番頭の良い夏子が子供達に勉強を教えているけど、『もうあの3人に教える事がな~い!』ってボヤいていたわね。」

夏子はああ見えてもかなりのインテリなんだよな。地球の基準だと天才の部類に入るのは間違いない。アイリス達3人はそれを遙かに凌駕しているんだよな。俺も夏子から聞いた時は信じられなかったけど、昨日のあの3人を見ていたら本当なんだと思う。

「それに昨日、あの子達はあんた達より先に帰ってきたけど、『妻として頑張らないとね。』と言って、私達の手伝いを頑張っていたわよ。嬉しそうにね。あんたや凍牙さんと正式に結婚した事が嬉しかったのね。ままごとでない本当の妻として・・・」


「だから、あなた・・・、私とマリーさんは決めたの。サクラ達が例の魔法で大人になるのを止めないとね。アイリスは特に喜んで大人になるでしょう。あなたの傍にもっと近づきたいと思っているからね。」

「でも、親としては淋しいわね。サクラ達が嫁いでいくというのは・・・、こんなにも早く私達の手から離れるとは思ってもいなかったわ。」


確かにな。俺もそう思う。地球時代でも娘が嫁いでいった時は淋しかったな・・・

ミツキの件があるから、今は凍牙ファミリーと一緒に暮らす事になるとは思うが、いつかはこの家を出て独立する事になるだろう。

アイリスは俺と結婚したからここに残るけど、サクラとガーベラは将来的には出て行くのは確定だからな。いつになるか分からないが、笑顔で送り出してあげよう。

でもな、凍牙・・・、無理してココを出なくても良いからな。某アニメみたいに〇〇オさんみたいになっても構わないぞ。義父さんも義母さんもココに住み始めてしまったから、俺もマ〇〇さんと同じ様な状態だから・・・

凍牙、やっぱりココにいてくれ!同志が欲しい!


しばらくすると、フローリアがガーネットを抱いて降りてきた。徹夜だぁあああ!と言っていた割には元気だな。後ろには爺さんバージョンの義父さんと義母さんが一緒にいるが、義母さんはニコニコしているのに、義父さんはかなり疲れた感じだ。春菜達や冷華達がダイニングへ配膳の準備を手伝いに行って、空いたリビングのソファーに義父さん達が座った。

義父さんが「はぁ~」とため息をしている。

「母さんや、結局、お前達は一晩中ガーネットの寝顔を見ていただけだったな・・・」

義母さんがガーネットを見てニコニコしている。

「あなた、何を言っているのですか。ガーネットは見ているだけでも癒されるのよ。一晩どころか1日中見ていても飽きないわ。やっぱりココに住んで正解ね。ずっと毎晩ガーネットと一緒にいられる・・・」

義母さんや・・・、ガーネット愛が凄過ぎ・・・、フローリアも引いているよ。

フローリアが申し訳なさそうに義父さんを見ていた。

「パパ、ごめんね。私もママと一緒にガーネットを見ていたら、いつの間にか朝になっているし・・・、結局、パパ1人に全部やらせてしまって・・・」

フローリア!お前もか!

義父さんが苦笑いしていたが、豪快に笑った。

「ふはははぁあああああ!気にするな!お前達に連れていかれた時点で予想していたからな。それに、こんな貴重な素材を思う存分扱える機会も面白かったぞ。」

マリンが義父さんの前に来て心配そうにしている。

「え~、おじいちゃん、疲れているのぉ~、心配・・・」


「マリン、心配するな。おじいちゃんはお前達の顔を見たら元気になったからな。」

義父さんがそう言ってマリンの頭を嬉しそうに撫でている。マリンが喜んで義父さんの横に座った。それを見ていたアクアと紅葉が慌てて義父さんの横と膝の上に座った。みんなニコニコしている。

「ふはははぁあああああ!アクアも紅葉も可愛いな!おじいちゃん、元気になったぞ!それに、こうやって毎朝お前達に会えるからな。おじいちゃんは嬉しいぞ!」

マリン達が嬉しそうだ。あの子達は歳相応の感じだよ。見ていると俺も心が温かくなる。


それにしても、本当に我が家も大きくなったなぁ~、外観は昔から全く変わっていないけど、中は更に広く豪華になっているよな。昨日、冷華達が来たときなんかは凄かった。冷華とミツキが特に緊張してしまって、ゲートから出る事すらビビってたしなぁ・・・、今はもう慣れて普通にしているから安心だ。

おまけに、風呂の反応も凄かったと聞いている。大きな風呂に感動して雪とレイラが泳ぎまくってララに怒られたとな・・・、アイツら子供か・・・

リビングは空港の高級ラウンジかと思うくらいだし、キッチンは今では厨房だ。まぁ、これだけの人数が住んでいるから、大量に作る必要があるからな。それにダイニングもレストランみたいだ。昔みたいに1つのテーブルでは全員が座れなくなったから、いくつもテーブルが置いてある。

フローリアの空間魔法とアイテム製作魔法の応用と聞いているけど、こうして見ると、迎賓館よりも立派じゃないのかな?やっぱりフローリアも規格外の1人だろう。

フローリアが俺を見ている。

「どうした?」


「いえ、これだけ人数が増えてしまったので、やはりメイドを増やさないといけないかな?と思ったのですが・・・、パパとママもここで住む事になりましたから、ミレニアさんを専属メイドとして付けましたし、アカさんは色々とする事が多いでしょ?基本、私達は自分の事は自分でしていますが、私達は日中は仕事でいませんからねぇ・・・、子供達の世話もありますし、ララさんやミドリさんだけではちょっと厳しいかな?と思っているのです。ルルはまだ赤ちゃんですし、母親のララさんの負担もかなりのもので・・・」

そうだな、こんな広大な家をララとミドリの2人で管理するのは大変だよな。やっぱり、あの方法しかないか・・・

「フローリア、お前の考えている事は分かっている。自称俺の親衛隊の何人かをここのメイドに回そうと思っているだろう。俺はついでに凍牙の親衛隊からも数人を住み込みでメイドにしても良いと思っている。はしゃいでいる者も多かったが、何人かは冷静な子もいたしな。その子達なら信用出来ると思うぞ。」

フローリアが嬉しそうだ。

「旦那様、ありがとうございます。朝食後はスキュラ族の里に行きますし、その時にチヅルさんに相談してみますね。ところで、あのレズ軍団はどうします?」


「レズ軍団は無視しても構わないと思う。独り身同士でくっつくなら個人の自由だから何も言わないけど、既婚者に横恋慕して迫るのは認められないからな。我が家に入れるのは懐に爆弾を入れているみたいだ。今は冷華にゾッコンみたいだけど、いつお前達がターゲットにされるか分からん。それだけお前達も魅力的だからな。」


目をウルウルさせながらフローリアが抱きついてきた。

「旦那様、嬉しいです。私達の心配までしてくれるなんて・・・」


「そりゃそうだろう。俺はこう見えても我が儘だし、独占欲も相当に強いからな。お前達の誰1人も絶対に渡す気は無いからな。」

フローリアが嬉しそうな表情で俺の胸に頬をすり寄せる。

「旦那様ぁぁぁ~、その言葉、最高です。」


デレているフローリアを見ていると、ミドリの声が聞こえた。

「ご主人様ぁぁぁ~、2人の世界に入っているところ申し訳ありませんが、みなさんはもう席に着いて待っていますので・・・、それに、子供達の前では・・・」


はっ!慌ててダイニングの方を見てみると・・・


・・・


ミドリが申し訳なさそうな表情で俺達を見ているし、席に座っているみんなが生温かい目で俺達を見ていた。霞もいつの間にか義父さんの隣に座ってニヤニヤしている。

アクア達は手で顔を覆っていたが、指の隙間からジッと見ているし・・・

義父さんは・・・

「息子よ、朝から見せつけてくれるよなぁ・・・、次からは誰もいないところで頼むぞ・・・、さすがに見ていると恥ずかしいぞ。」


やってしまった・・・



微妙な空気の中(俺だけが思っているかも?)、何とか全員が朝食を食べ終えるとフローリアがみんなの前に立った。

「それではみなさん、昨日、お話ししました指輪やピアスのアップデートを行いますね。」

次の瞬間、みんなの指輪やピアスが輝いた。光が収まり自分の指輪を見てみると、小さな透明な宝石が付いていた。これなら竜の涙と分からないな。それに過度な装飾でもないので、男の俺が着けていても違和感が無い。凍牙のピアスも似たような感じだ。

女性陣のを見てみると、とてつもない手が込んだ細工になっていた。竜の涙が小さなバラの様に細かい細工が施されていて、見た目もエレガントだ。義父さんの技術は凄い!

義母さんと霞は昨日、義父さんが作った金の髪飾りを着けている。鳥の翼をモチーフにしているけど、これも手が込んでいる。目立たないようだけど、さり気なくワンポイントで存在をアピールしているよ。技術もセンスも凄い。〇オウが作ったとは思えない・・・、竜の涙はそのまま付いているが、これは創造神として威厳を出すようにしているんだろうな。

女性陣はうっとりした表情で指輪やピアスを見ていた。その隣で義父さんが超ドヤ顔でいるのは見ない事にしよう・・・


準備も終わったので、俺とフローリア、冷華、クローディアの4人でスキュラ族の里に行く。

長老とシズカの2人がゲートの前で待っていて、一緒に屋敷の外に出た。

それにしても、ああやって長老の隣にいるシズカは、スキュラ族の中でも上位の者なんだろうな。

「フローリア、あのシズカって子だけど、すごく優秀そうだよな。うちのメイド候補に入れておいても良いんじゃないか?」

フローリアも頷いている。

「旦那様もそう思いました。それに、シズカさんは彼女達の中では飛び抜けて強い感じがしますね。私の中では妻候補の最有力者なんですよ。性格も良さそうですし、あの子なら私も喜んで旦那様のお嫁さんにしても良いかなと思っているのですよ。」


ん!シズカの犬耳の方がピクピク動いているぞ。もしかして・・・

チラッと横顔が見えたけど、顔が真っ赤になって「わ、私がそんな風に見られているなんて・・・」と、ブツブツ言っている。

マズイ!俺達の話を聞いてしまったか?あの状態だと確実に聞いてしまっている。軽卒だったな。戦いに影響が出なければ良いのだが・・・


昨日と同じ広場の前に来た。

広場の周りにはズラ~とスキュラ族の人々がいる。何かワクワクした感じになっているが・・・

そして、俺達の前には親衛隊メンバーが気合の入った顔で待っていた。

評価、ブックマークありがとうございます。

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