表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヤンデレ女神に転生させられてしまった  作者: やすくん
第1章
12/184

みんなで楽しく食べる食事は最高の調味料③

あんな変態椅子のある光景ではさすがに飯は食べれん。


やっとゆっくり食事が出来る。


テーブルに並べた料理の数を見て、さすがに作り過ぎたかなぁ・・・と思う。

まぁ、残っても時間停止機能付きの収納魔法に収納すれば、いつでも出来たてほやほやの食事にありつけるし、異世界様様だね。


いきなりドラゴンステーキを食べるのも勿体ないので、まずは前菜の海鮮カルパッチョから。


うん、美味い。

我ながら良く出来ている。


みんなを見てみると、何故か黙々と食べて・・・


口に合わなかったかな?

メニューや味付けは俺の好みだからなぁ・・・


しばらくして

「旦那様の手料理・・・もう死んでも良い・・・」

おいおい!

「私はメイドなのに、この敗北感は・・・」

大げさな・・・

「私が下僕になりたい・・・」

勘弁して下さい。

「男に負けた・・・」

そもそも、あんた料理出来ないでしょ。

「美味。どうしてもならモフモフさせてあげても良い。」

出来れば尻尾のモフモフがしたいッス!


概ね好評のようだ。


そして、メインのドラゴンステーキ!

初めての食材だったが、見た目霜降り牛肉に似ていたので、ミディアムの焼き加減にしてみた。

みなさん大量に食べそうな気がしたので1人前500gくらいのビックなサイズである。


実食・・・

美味い!!!

いや!美味いと表現するのはダメな気がするが、これ以上の美味しい表現が思い付かない。

A5ランクの和牛肉も裸足で逃げ出す程だろう。

生きていて良かったと思えるくらい幸せな気分だ。


みんなはというと、全員目がトロ~ンとなっていた。

美冬に限っては、尻尾がブンブンとなっている。

喜びの表現じゃないかな?


「旦那様・・・もう思い残す事はありません・・・」

確かに美味しいけど、死んでもいいくらいまで感動するものか?

さっきの反応といい、普段の食生活が気になる・・・


夏子が

「我々は普段は外食だけど、神界にはこんな美味しい店なんて無いぞ。肉なんて春菜が作った時なんか、消し炭か生肉しか出てこないし・・・」


「はわわわ~~~・・・、う~~~・・・泣きそうですぅ・・・」

またもや春菜が本気で落ち込んでいた・・・


それから色々な料理を出したが、彼女たちは全て平らげてしまった。

みんな本当に美味しそうに食べてくれた。

作った俺も嬉しい。

俺の子供達が全て独立して家を出て行ってからは、食事は婆さんと2人きりだったし、婆さんが死んでからはずっと1人で寂しい食事をしていたからなぁ・・・

こんな、ワイワイした食事って数十年ぶりだろう・・・

同じ料理でもこんな明るい雰囲気で食べると美味しさはまるで違った。


しかし、こんな俺の料理で満足してくれるなんて、彼女たちの食生活の貧しさにちょっと同情・・・


春菜から質問が出た。

「蒼太様はどのようにしてこんなに料理が上手なんですか?特別な師匠とか?」


「そんなもん、いないさ。転生前の話だけど、婆さんが10年前に死んでからは、ずっと1人で家の家事をしてたからな。嫌でも上達するよ。」

「それに、年に1、2回しか孫が来ないけど、孫が喜んでくれるような料理も色々と勉強したし。」

「やっぱり、食べて喜んでくれた時の顔が見たいから頑張ったのかもしれんな。料理は『愛情』に間違いないさ。」


「そうですか。私もいつか大切な人に食べて喜んでくれるように料理が上手くなりたいです。」


「春菜なら大丈夫さ。元々可愛い顔しているし、努力家みたいだからすぐだよ。」


「わ、私が可愛い・・・そんな・・・蒼太様・・・」


「旦・那・様!」


フローリアから黒いオーラが出ていた。


「フローリア・・・、その・・・、す、すまん・・・」



美冬:「またフラグが立った。近いうちに間違いなく修羅場に発展。」



食後、みんなが少し落ち着いたところで

「デザートあるそ!みんな食べるか?」


「「「「「もちろん!!!!」」」」」


「まぁ、時間も無かったから簡単なフルーツチーズケーキしか出来なかったから、味はあんまり期待しないでくれ。」


切り分けて配ってから、みんな一斉に食べたら、4人が

「「「「結婚して下さ~~~い!」」」」


「ああぁっ!!!」

俺の後ろにさっきよりも大量に黒いオーラをまとったフローリアが仁王立ちしていた・・・





夜も更けて寝る時間になった。

フローリアは頑なに俺と一緒に寝ると頑張っていたが、他の4人もいるからそんなのは恥ずかしいし、何とか説得して、女子組は2階で俺はリビング横の和室で寝る事にした。


本当に異世界なんだよな?

この家に居ると日本にいた時の感じで、異世界感が全く無いが・・・


さすがに今日は色々とあり過ぎてちょっと興奮していたのか、なかなか寝付けなかった。


気分を変えにリビング横のウッドデッキにあるベンチへ行き、そこに腰掛けて星を眺めていた。

見事な星空だ。

地球ではこんなキレイな星空は見られないだろう。

知っている星座を探してみたが、勿論見つかる訳もないし、やはり異世界だと実感した。


そうやってしばらく星空を眺めていたら、いつの間にかフローリアがすぐ傍にいた。


「隣、良いですか?」


「ああ。」


「みなさん騒がしくて申し訳ありません・・・」


「大丈夫さ。」

「見た目は若くても、俺の中身は90過ぎの爺さんだから、一気に4人の孫が出来たみたいで嬉しいよ。」

「あんな賑やかさは大歓迎!一人でポツンといても何も楽しくないからな。」


「そうですか・・・」


その後フローリアは何か言いたそうにしながらも黙って俺を見ていたが、決心した表情になり話し始めた。


「旦那様・・・私が勝手に転生させてしまった事を恨んでませんか?」


「いや・・・それはない。それ以上に第2の人生として、こんなワクワクする事が出来るんだ。感謝する事はあっても恨みは全くないさ。」

「それに・・・」


「フローリアに会えたし・・・」



「旦那様・・・」



フローリアが俺の肩にもたれかかってくる。


「しばらくこうして良いですか。」


「ああ・・・、ちょっと待った。」


俺はリビングに戻り毛布を持ってきた。


「少し冷えてきたから、これを被ってな。」


「ありがとうございます。」

「出来ましたら、旦那様と一緒に被っていたいです。」


「そうか・・・」


フローリアと一緒に毛布を被って、2人でいつまでも星空を見ていた。






春菜視点


朝ですか・・・

いつもよりもかなり早い目覚めでしたが、ベッドが快適だったのかぐっすり眠る事が出来ました。


それにしても、地球のベッドの技術はすばらしいです。

もう、このベッドでないと眠れないかも・・・


それにしても・・・

昨日は本当に色々あり過ぎました・・・

私の今までの中でこんな濃い1日はなかった気がします。


そして・・・

自然と手が唇に触れてました。


「私のファーストキス・・・それに2回も・・・」


あの時を思い出してしまい、顔が真っ赤になったかもしれません。

ベッドの中で自然と悶えてしまいました。


「うるさい。眠れない。」


「す、すみません!美冬さん!」


こんなにバタバタしてしまって、同じ部屋で眠っていた美冬さんには申し訳ないです。


時間的に早いですが、気分転換に朝の準備をしますかね。


リビングに降りていくと夏子さんの姿がありました。


「夏子さ・・・」


「しぃ~~~!」


夏子さんが口に指を当てて「静かに!」とのジェスチャーをしています。


「どうしたのですか?」


「朝の鍛錬をしようと外に出ようとしたらさ、面白いモノが見えてな。」


夏子さんがそう言って窓の外を指差していました。


その先にはベンチで蒼太様にフローリア様が寄り添って仲良く座って眠っているお2人の姿がありました。


「2人の邪魔をしちゃ悪いから、今朝の鍛錬はしかたないな。」


そう言って夏子さんは2階へと上がっていきました。


フローリア様・・・

長く想っていた方と結ばれて本当に良かったです。

あんな幸せそうなフローリア様のお顔は見た事がありません。

心から祝福します。










でも・・・


祝福している私の心の中に、切なく思っている私の心があるのも・・・










自然とまた唇に手を当ててしまいました。




私の本当の気持ちは・・・


















(私もあの輪の中に入りたい・・・・・・・・・・)


仕事が忙しくなってきたので、しばらく休みます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ