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イノシチ 旅に出る  作者: 宮本小鳩
18/20

第18話 再会

「イノシチ! 無事だったのか!」

「イノシッちゃん! 大丈夫か」

 シシヤマさん、それにお友達のタバタさん、ポッキーさんが、僕と分かるなりいっせいに駆けつけてきた。

「お、お久しぶりです」

 僕があいさつをすると、シシヤマさんはがしっと僕の両肩をつかんでユサユサしながら、はぁーと大きなため息をついた。

「いやあ、オレはまったく、生きた心地がしなかったよ」と彼は言った。

「でっかい青い鳥が、シシゾーをくわえたまま、海の方へ歩いて行ったんだ。危うく、踏みつぶされるところだったぜ」

「えっ! シシゾーを見たんですか!」

 今度は僕が、シシヤマさんの手をつかんだ。

「教えてください、シシヤマさん! ホホー鳥とシシゾーは、どっちの方へ行ったんですか? すぐに追いかけないと!」

「待てよイノシチ、はやまっちゃダメだ。まだ危険が去ったわけじゃない」

 大人らしく諫めたシシヤマさんが、ふと僕の後ろに大の字に寝転がっている子どもたちの姿を見て言った。

「おい、あの子たち、大丈夫なのか?」

 僕はシシヤマさんに、この子たちが僕を海まで連れてきてくれたのだということを手短に説明した。バナナを集めながら森を抜け、最終的には風に乗って空を飛んできた、と話すと、シシヤマさんはすごく不思議そうな表情になった。

「飛ぶ、っつったって、どうやって」

「それはその……こう、風呂敷をまとって、フワリ、と」

「はあ???」

 そうだよね、と僕が子どもたちに同意を求めるべく振り返ると、みんなもうとっくに寝息を立てていた。

「ありゃ、熟睡しちまってるよ。よっぽど疲れたんだなあ」

 ポッキーさんが、子どもたちを優しく気遣う一方で、パンチパーマのタバタさんがふと波打ち際に僕が並べたバナナに目を留めた。

「なあ、このズラッと並んだバナナ、ずいぶんいい匂いがするなあ」

 タバタさんは手を伸ばしてバナナを一本手に取ると、ためらうことなくサッサと皮をむいて食べ始めた。

「うお! うまいなこれ!」

 一度食べ始めたらどんどん止まらなくなり、いつしか一本、また一本、と次々にバナナが消費されてゆく。あっ、そのバナナは、と僕が事情を説明しようとしたところ、

「おい! あれ……来たぞ!」

 不意にシシヤマさんが大声を上げ、沖の方を指さした。その先には……あの海の色をした巨大な鳥、ホホー鳥の姿があった。そしてそのクチバシの先端には──いた! シシゾーだ!

「シシゾー!!」

 僕は叫びながら、夢中で海へと走り出していた。バナナを二、三本引っつかみ、ズボンの裾が濡れるのもお構いなしに、ザブザブと海の中へ入っていった。

「あっ! イノ! おーい! オレはここだぜー! イエーイ!」

 僕の姿に気がついたシシゾーが、パッと目を輝かせてブンブン手を振った。まったく、この期に及んでイエーイ、じゃないよ、と内心あきれながらも、僕も必死で手を振りながら彼の名を叫び続けた。

 これに驚いたのはホホー鳥だった。クチバシの先でつまみ上げていたシシゾーが、いきなり激しく動き出したものだから、こりゃかなわんと抵抗し始めた。そこへさらに、先ほど僕が並べたバナナの甘い匂いがホホー鳥を手招きしたのだった。シシゾーをくわえたままのホホー鳥ははたと顔を上げ、見えない力に吸い寄せられるようにユラリユラリと砂浜の方へと近づいてきた。

「危ない、イノシッちゃん! もっと下がらないと」

 ポッキーさんが、熟睡している子どもたちをかばいながら叫んだ。けれどもこの時の僕には、その声があまり聞き取れていなかった。

「こっちだ、ホホー鳥! さあ、シシゾーを返せ!」

 相手を挑発しながら、僕は海に沿って走り続けた。いつになく活発に、そしていつになく攻撃的に。

「そうだ、いいぞその調子だ! さあ、美味しいバナナがいっぱいあるぞ~」

 ホホー鳥が徐々に身を屈めるようにして、僕の方へと迫ってくる。ギリギリまで追い詰めたところで、手にしたバナナと引き換えにシシゾーを奪い返そう、と僕はもくろんでいた、のだったが──

 突然、僕の足元がツルン! と滑って、僕の視界はあっという間に天地逆転した。うわあ、と叫んだのと、手にしていたバナナがヒョーン! とすっ飛んでいったのとが、ほぼ同時だった。

 僕の名を呼ぶいくつもの声が、まるではるか遠くからこだまのように響いてきた。これまで生きてきた中でのさまざまな思い出や、今回のシシゾーとの旅であった出来事などが、つながらないパラパラ漫画みたいに浮かんでは消え、そのほんの一瞬がとてつもなく永遠であるかのようにさえ思われた。

 ズブッ、と何かがちょうどいい具合にはまるみたいな音がして、僕は我に返った。幸いにも、やわらかい砂地が僕の身体を受け止めてくれたようだった。頭を打たずにも済んだみたいだ。

「……ハッ! シシゾーは!?」

 あわてて飛び起き、普段の十倍速で首を左右に動かし、大切な友達の安否を確かめた。

 シシゾーもまた、僕と同様、砂浜の上に投げ出されていた。まだ座り込んだままだったけれども、彼は愉快そうに笑いながら海の方を指さした。

「イノ! ほら、あれ、見ろよ!」

 その先には、僕らの目の高さにまで屈んだホホー鳥が、クチバシをくちゃくちゃ動かしながらうっとりとした表情をしていた。やがてクチバシの動きがおさまると、彼は満足そうにホーッと息をついた。どうやら、皮ごとバナナを完食したらしい。

「アイツ、甘いものが大好きなんだな。オレがポケットに入れてたバナナまで、いつの間にか食われてたぜ」

 なー、とシシゾーがホホー鳥に話しかけると、ようやく落ち着いたホホー鳥が僕をまっすぐに見つめてきて、ひと声、ホホー、と鳴いた。

 すると、

「……け、賢者……!」

 前にもどこかで聞いたことのあるような言葉に振り返ると、この一部始終を見守っていたシシヤマさん、タバタさん、ポッキーさんが呆然と僕を見つめていた。

 シシヤマさんは内心興奮を抑えきれない様子で、

「賢者だ……賢者の再来だ」

 とうわ言のように呟き、タバタさんとポッキーさんはというと、目を輝かせながら僕に向かってこうもてはやした。

「いよっ! さすが賢者! 〝ホホー鳥を制した男〟!」

 こりゃまた妙なあだ名が追加されてしまった……と思っていたら、今度は横からシシゾーが飛びついてきた。

「イノー! 会いたかったぜー!」

「わ、ちょっ、苦しいってば」

 懐かしい馬鹿力でギュムギュムされながらも、僕は心底ホッとしてストレスがほぐれていくのがわかった。無事でよかった、と僕もシシゾーの背中をポンポンさすった。

「ところでタバタ、お前って奴はまったく」

 僕らのそばではポッキーさんが、タバタさんに向かって説教し始めた。

「お前があちこちに食い散らかしたバナナの皮で、イノシッちゃんが危うくケガをするとこだったんだぞ」

「へ!? そうだったの?」

 初耳だ、とでも言うように、タバタさんが目を丸くした。

「ああ、そうだよ」と、少しあきれながらポッキーさんは続けた。

「大体、お前んちはいつ遊びに行っても散らかり放題じゃないか。普段からちゃんとゴミくらい片付けておけ、って俺何度も言ったよな?」

「そ、そりゃまあ、そうだけど」ちょっとたじろぎながらも、タバタさんは言った。

「そのおかげで、こういう奇跡も起こったことだしさ。今回ばかりは、大目に見てくれよ」

 悪い、と僕に向かって手を合わせて謝るタバタさんが何だか憎めなくて、僕はいいですよ、と言った。

「確かに、これは一種の奇跡とも言えますからね」

 ちょっとカッコつけてそう言ったら、またホホー、というのんきな鳴き声がして、みんな顔を見合わせて大笑いした。


 こうして、どういうわけかまた新たな称号を得た僕は、さてこれからどうしようか、ということになり、シシゾーやシシヤマさんたちとの会議の結果、イモガラ島最南端にある「イナホ村」を目指すことになった。この海岸で束の間のバカンスを楽しんだ後、シシヤマさんたちはそこへ向かうことになっていたからだ。

「そもそも、俺たちもシシヤマに言ってたんだよ。たまには、実家に帰ったらどうか、ってね」

 タバタさんとポッキーさんは、ちょっとコワモテの割には意外と家族思いの一面もあるらしかった。

「えっ? シシヤマさん、イナホ村の出身ッすか? いいなあ、あそこは美味しいお米がいっぱい穫れるんでしょ?」

 シシゾーがジュルリと舌なめずりをする一方で、先ほどからどうもホホー鳥が何やら僕に熱い視線を注ぎまくっていた。ボタ、ボタリ、という音がひんぱんに聞こえるようになってやっとそれに気づいたのだったが、彼は海岸にまだ残っていたバナナをチラチラ気にして、一滴がサラダボウル一杯分はありそうなほどのよだれを垂らしていた。

「おい、もしかしてアイツ、お前の許可を待ってるんじゃないか? 食べてもいいよ、って言ってやれよ」

 シシヤマさんが気を利かせて、僕に耳打ちした。あわてて僕がホホー鳥に合図を送ると、彼はホホゥ! と弾んだ声を上げて、一列に並んだバナナをベロリとひとなめで掬い取り、またクチバシをくちゃくちゃ動かした後、バナナに付いていた砂だけを器用にブーッと吐き出した。恐るべき食欲である。

「この鳥、バナナでおとなしくなることはわかったけど」僕は言った。

「さっきみたいに、いったん暴れ出したら手がつけられないですよね。実際、それでシシゾーも大変だったんだし、まだ油断できないというか」

「それもそうだな。それだけでは、この鳥が俺たちにとって安心だ、という保証はない」

 シシヤマさんも、それに同意した。ホホー鳥はというと、バナナを食べて満足したのか、謎の鼻歌を口ずさみながら浅瀬をウロウロ歩き回り始めた。

「このまま、様子を見た方がいいんでしょうか」

「そうだなあ……あの様子だったら、こっそり逃げればバレずに済むかもな」

 僕とシシヤマさんが耳打ちし合っているところへ、突然バシャバシャとけたたましい水音がしたと思ったら、

「おーい、ホホー鳥! オレと一緒に遊ぼうぜー」

 なんとシシゾーが、泳いでホホー鳥に近づいていくではないか!

「あっ! アイツはまったく」

「ちょ、シシゾー危ないって!」

 喉元通れば、じゃないけど、さっきあんな危険な目に遭ったのをもう忘れてるのか? 僕らが引き留めるのも間に合わず、あっという間にシシゾーはホホー鳥のもとに辿り着いた。

「おーい、オレと競争しないか? いくぞ、よーいドン!」

 そう言っていきなり彼は加速し、ホホー鳥をものすごい勢いで追い抜いて行った。ホホー鳥はキョトンとした目で彼を見つめたが、次の瞬間ホウッ! と鋭い鳴き声を上げ、負けじと走り始めた。もっとも走る、といっても、あまりにも脚が長すぎるので大して変わらなかったけれど。

「アッハハ、どうだ、楽しいだろー?」

 怖いもの知らずのシシゾーは、ホホー鳥の脚の間を行ったり来たりしながら、無邪気にはしゃいでいた。

「あれ、あの鳥、俺たちの言葉も分かるのかな?」

 ポッキーさんが、タバタさんが食べ散らかしたバナナの皮を片付けながら言った。

「……だとしたら、」とタバタさんが言った。

「アイツ、今までずっと、ひとりぼっちで淋しかったんじゃねえか?」

 その言葉に僕はハッとした。僕は身寄りがないというだけで、これまで決して孤独だったわけじゃない。でもあの鳥には、ほかに同じような仲間もいないとしたら……

 そんな僕のささやかな感傷をよそに、

「うわー、ホホーどりってでっかいんだねえ!」

「わーい、オレたちもいこうぜ!」

 いつの間にか目を覚ました子どもたちが、初めて見る珍しい鳥の姿に大喜びで飛び跳ねながら、次々と海へ飛び込んでいった。

「おーいお前たち、気をつけろよ、あんまり遠くへは行くなよ」

「はーい!」

 まるで本物の親子みたいに、さりげなく子どもたちに注意するシシヤマさんと素直に返事する子どもたちの姿についほのぼのしてしまう。

「なんか、大丈夫そうだな。俺たち、仲良くなれそうじゃん」

 内心どこかで同じように考えていたらしいタバタさんの言葉に、僕にもだんだん安心感が芽生えてきた。

 これでどうやら、この鳥が完全に僕たちに心を許してくれたことが証明された、といってもいいのかな?

 そうするとゲンキンなもので、さっそくずうずうしい考えが頭の中に浮かんできてしまうものだ。あわよくば、この鳥の背中に乗って……などと考えていたら、シシゾーに先を越されてしまった。

「なあイノ、これだけなついてるんだしさ、オレたちを南の村まで連れてってくれたりしないかな?」

 すっかりずぶ濡れで海からあがってきたシシゾーが、上機嫌で言った。

「実は、僕も今それを考えていたところだよ、シシゾー」

「やったあ! 気が合うな、オレたち」

 思わず僕らはウエーイ、とハイタッチしていた。

「だが、いくらこの大きな鳥でも、俺たち全員を乗せていくのは難しいんじゃないか?」

 シシヤマさんは意外と慎重派だった。それもそうだな、とみんな考え込んでいると、

「だいじょうぶだよ!」

 あの子どもたちが、僕らの前に進み出た。思う存分遊んで、スッキリとした顔をしていた。

「イノシチにいちゃん、ぼくらのおしごとはここまでだよ」

「ヤナギせんせいに、ほうこくしなきゃ」

「だから、もういかなきゃならないの」

 子どもたちは横一列にきちんと並んで、僕にていねいなおじぎをした。

「ありがとうございました!」

 僕もあわててきちんと彼らに向き直り、ていねいにおじぎをした。

「僕の方こそ……色々助けてくれて、ありがとうございました!」

 ヤナギ先生から、よほど厳しくしつけられているのだろう。実にいい子たちじゃないか。

「君たち、もしよかったら、俺たちがお供するよ」

 タバタさんが、何気なくそう言いだした。

「ほら、見てみなよ。ここに、ちょうど君たち三人が乗れるリヤカーがあるよ。道案内してくれたら、俺たちが君たちを送っていこう。大丈夫、怖くないよー」

 ポッキーさんも、ちょうど砂浜に放置されていたリヤカーを見つけてガラガラ引いてきた。

 子どもたちはコショコショと打ち合わせをした後、うんわかった! と笑顔で言った。

「え、お前らも行っちゃうの?」

 シシヤマさんが驚いて尋ねると、タバタさんとポッキーさんは互いに目配せしてからこう言った。

「そ。俺たちの役目も、ここまでだ」

「後は君たち、久しぶりに会った者同士で、よろしくやってくれよな」

 子どもたちを一人ずつ抱え上げてリヤカーに乗せてやり、タバタさんとポッキーさん、それに子どもたちはそれじゃ、と僕らに手を振った。

「みんなー、お気をつけてー!」

 シシゾーが力いっぱい手を振りながら叫び、僕らも一緒に手を振り、ホホー鳥もつられてホホー、と鳴いた。

「あいつら、俺たちに気を遣ってくれたのかな」

 ボソリとシシヤマさんが呟いた。

「さりげなく、優しいひとたちですよね」

 僕もそれに同意した。そういうシシヤマさんだってすごく優しいんだってことも、僕にはよく分かっていたけれど。

「俺の実家がある、イナホ村ってのはなあ、イノシチ」

「はい」

「もしかしたら、お前にとって何かこう……いや、今はやめとこう。自分の目で確かめるのが、一番だからな。あまり、周りの意見に左右されちゃいけない」

 何か大事なことを言おうとしたのか分からないけれど、結局それ以上シシヤマさんは踏み込まなかった。一体、イナホ村というところには、何があるというのだろう? 僕の胸は、無意識に高鳴った。

 そういえば、キノコ町の巡査であるイノガタさんは、シシヤマさんとは同い年のいとこ同士だ。イノガタさんもシシヤマさんも、身寄りのない僕のことを弟のように可愛がってくれて、何かと気にかけてくれている。ただ、お二方とも──なかなかうまく言い表すことができないのだけれど──たまにどこか、知っているのにそれ以上知らないようなふうを装っているんじゃないか、って思う時がある。少なくとも、僕の前では。

 それはもしかしたら、僕自身に関する何らかの情報なり何なりだったりするのかもしれない。でも、僕は今の自分という存在が意外と嫌いではないし、このままでどうにかなっているのだからそれ以上何も知らなくてもいいや、なんて思ったりすることもあるけれど。こんな時、イノガタさんだったら何て言うのかなあ?

「おーい、イノ! お前も早く乗れよ、置いてくぞー」

「……ふぇっ!? い、いつの間に!」

 僕がぼんやりと物思いにふけっている間に、もうシシゾーとシシヤマさんはとっくにホホー鳥の背中に乗っかっていた。ホホー鳥も、僕らを乗せることに対してはまんざらでもないようで、そればかりか地面に屈みこんで(あの長い脚は一体どうやって折りたたんでいるのだろう?)僕らが上りやすいようにスタンバイしてくれていた。

 シシゾーたちの手を借りながらホホー鳥の背中に乗ると、フカフカの青緑色した羽のじゅうたんに身体が半分めり込む感じになった。乗員全員が揃ったのを確かめたのか、ホホー鳥が秘境の里にまでも届きそうなほどの雄たけびをあげ、ヌオン! と立ち上がった。たちまち僕らの視界が、あのモミジ村の先にある見守りの岬の灯台のてっぺんよりももっと高くなり、その高さのまま、ホホー鳥はズシーン、ズシーン、とゆっくり前に歩き始めた。

 この時まで僕はうかつにも、大事なことをすっかり忘れていた。いや、それに関しては、実はついさっきも……というか、この旅の間中、とっくにそうだったんだけど。

「ひ、ひぃいいいい~~~~~」

 僕はそれからしばらくの間、ひたすら情けない悲鳴を上げ続ける羽目になったのだった。

 半分ホホー鳥の羽にめり込んで、ある程度は身体が固定されているとはいえ。とはいえ、ですよ!

「あ! そういえばイノ、高い所苦手だったな! すっかり忘れてたぜ、アハハ!」

 シシゾーのあまりにも能天気で無邪気な笑い声を、僕はこの時ほど恨めしく思ったことはなかった……!


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