【第79話:普通じゃない】
オレの身体を竜気が覆い、輝く光を発すると、全能感が精神を支配する。
「行くぞ!! 黒闇穿天流槍術、【雷樹】!」
天に上る雷樹のごとく、オレは巨大なドラゴンゾンビの顎を雷となって貫く。
今までの戦いが何だったのかと思えるほど呆気なく厚い瘴気の防御を貫いたオレは、ドラゴンゾンビの下顎に大きなダメージを与えていた。
そこから【月歩】で片翼の付け根あたりまで移動すると、次は【閃光】で残った翼を破壊する。
声なき叫びをあげてまた精神干渉をしかけてくるが、竜気に包まれているオレには勿論微塵も届かない。
そこからはもう一方的な展開だった。
振るわれる牙やブレスを掻い潜り、真の力を発揮したヴァジュランダの槍で次々と大きな傷を負わせていく。
本来なら絶大な回復力を誇るドラゴンゾンビなのだが、オレの竜気を纏った攻撃を受けると瘴気が散らされるため、思うように回復も出来ないようだった。
そして終わりは呆気なく訪れる。
「黒闇穿天流槍術、【鹿威し】!」
その一撃は瘴気を散らされ完全に無防備になったドラゴンゾンビの頭部を粉微塵に破壊する。
そしてそれだけに留まらず、その一撃は胴まで達して体の半分を爆ぜさせたのだった。
「良し!! 今度こそほぼ一人で倒したぞ!!」
そうだ……そう言えば片翼はヴィーヴルが破壊したけど、ただのドラゴンゾンビじゃなかったし、おまけしてもらえるかな……。二匹目だし……?
そんな風にちょっと考え込んでいると、オレの側にヴィーヴルが舞い下りてきた。
「凄いわね!! さすが私のコウガさんだわ!!」
断じてあなたのではない。
だがまぁ色々褒め称えられるのは悪い気はしないし、一人で戦わせてくれたお礼を伝えておく。
「とりあえず一人で戦わせてくれてありがとう。しかし、凄い巨大なドラゴンだったな」
この前に戦ったドラゴンゾンビもかなり上位のドラゴンを元にしたドラゴンゾンビだったが、このドラゴンゾンビはそれを上回っている……。
「おそらくなのですけど、さっきのは緑の竜王『リドリア』だと思うわ」
本当に竜王のドラゴンゾンビだったのか!? オレでも知っている名前が出てきてちょっと驚いた。
「緑の竜王『リドリア』と言えば『深き森』の主とか言われている竜だよな?」
オレが母さんに聞いた話では、この人類未踏の地『深き森』の主と言われているドラゴンで、多数の眷属の竜を率いているこの森の支配者だったはずだ。
その力は歴代の魔王すら一目置いていて、過去魔王軍が深き森を抜けて攻めてきた時も不干渉の盟約を結んでいるほど。
その竜王が死んでドラゴンゾンビとして現れた。
これの意味するところは一つだ。
「えぇ……緑の竜王『リドリア』は、眷属もろとも魔王軍に滅ぼされたわ」
~
それからオレ達はゼクト達と合流し、お互いの持つ情報を交換しあっていた。
と言ってもオレの方はギルドから単にドラゴンゾンビ討伐を命じられただけで、ほとんど情報らしい情報を持っていないのだが……。
「しかし、無数の眷属の竜を従えた竜王を魔王軍が滅ぼせるものなのか?」
言っちゃ悪いが、魔王軍とはオレも……と言うかジルが2度戦っているが、そこまでの力を持っているとはとても思えないのだ。
今のオレなら一人でも結構良い勝負できるんじゃないだろうか?
「そうね。私たち竜人の集落に攻めてきたような普通の魔王軍なら簡単に蹴散らされるでしょうね」
なんだ? 普通の魔王軍って言うのは?
ヴィーヴルが少し悔しそうにしているが、返り討ちにしたんじゃなかったのか?
「普通の魔王軍? という事は普通じゃない魔王軍がいるって言うのか?」
オレが疑問に思ってヴィーヴルに質問すると、横からゼクトがこたえてくれる。
「そうだ。俺たち竜人は、竜王『リドリア』と親交があったんだがな……俺たちに助けを求めてきたんだ。あの竜王がだぜ」
「竜王が助けを……いったいその普通じゃない魔王軍って言うのはなんなんだ!?」
プライドの高い竜が助けを求めるほどの相手とはいったい何者なんだ!?
「これもおそらくなのですけど……魔王が邪神を降臨させたようなの」
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風邪が中々完治しなくて更新が滞っていました。申し訳ないです(/ω\)
熱はすぐ下がったのですが鼻詰まりからくる思考能力低下ががが……。
明日以降徐々に元の更新ペースに戻していきますので、これからも
ご愛読よろしくお願いします!(*ノωノ)
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