【第20話:最強にして最悪】
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リアルの諸事情でWeb作家としての活動を休止しておりましたが復帰いたしました。
まずはこの『槍使いのドラゴンテイマー』の改訂版を公開&更新していく予定です。
下記に全文改稿&数万字加筆した改訂版を公開しております。
更新は順をおってになりますが、こちらをお読み頂けますようお願いいたします。
https://ncode.syosetu.com/n5238jw/
尚、運営様から旧版を残しても基本問題ないとは確認をしていますが、
読者様が混同する場合は旧版の削除を求める場合があるとも伺っております。
その場合、こちらは削除することになりますのでご了承ください。
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この巨大な地下遺跡を彷徨いはじめてから既に3日が過ぎようとしていた。
もう体の方はすっかり元通り……とは言えないが、それでも麻痺は完全に取れて随分回復する事が出来た。
おかげで遺跡の中の探索は思った以上に順調に進んでいるのだが、先に進んでも進んでもひたすら同じような巨大な部屋が広がっているだけなのだ。
水の心配がいらないのは村の皆に感謝だが、携帯食料は後2日分しかなく、落ちた時に方向も見失っていることからちょっと焦り始めていた。
ゴゴゴゴゴゴッ……!
「さすがにちょっと心が折れそうだ……」
巨大な扉が開いた先には、また同じような大きな部屋が広がっていた。
「オレ、このまま死ぬまで巨大な扉を開け続ける人生なのだろうか……」
また精神的なダメージ受けたオレは、うな垂れながらも次のドアに向かう。
ゴゴゴゴゴゴッ……!
「もう心が折れそうだ……」
ゴゴゴゴゴゴッ……!
「心が折れた……」
ゴゴゴゴゴゴッ……!
「もう折れる心もないよ……」
ゴゴゴゴゴゴッ……!
「……」
ゴゴゴゴゴゴッ……!
「……あ!?」
いったいいくつの巨大な自動ドアを開けただろうか。
そこには今までと違う光景が広がっていた。
~
その部屋は、光る魔石の光源がなくても眩いほどに明るかった。
何故なら見上げるとそこには天井はなく、青い空が広がっていたからだ。
今までの部屋と違い、空気も澄んでおり、思わず大きく息を吸い込む。
「なんか少し生き返った気分だ」
大きな部屋の構造自体は他の部屋とあまり変わらないが、天井がない為に上から土砂などが流れ込んだのか、床は土に埋もれ、草木が生え、ところどころには巨大な岩や倒木が考え抜かれたオブジェのように配置されていた。
「綺麗だな」
しばらくその眺めに心を奪われていたのだが、良く見ると奥の扉が開いたままになっているのに気付く。
オレは少し警戒を強め、開いたままになっている巨大な扉の方に近づいて行く。
「!? 扉の先に何かの気配がある」
オレは山で狩りをする時のように気配を絶つと、そっと扉の奥を覗き見る。
女の子!?
まるで巫女装束のような恰好をした女の子が、正座をして座っている。
まだ10歳にもなっていないんじゃないだろうか?
オレはしばらく様子を見守ってみるが、正座したまま全く動く気配がない。
このまま待っていても仕方がなさそうだったので、オレは警戒しつつも声を掛けようと立ち上がった。
その時だった。
背後上空に尋常じゃない気配を感じて、近くにあった大きな倒木の影に慌てて身を潜める。
ゴォォォォ!!!
途轍もない突風が吹きつけ巨大な影が部屋に舞い下りると、続いて轟音と地響きを立てる。
ドゴォォォン!!
なんだこれ? この桁外れの威圧と存在感はなんだ。
そしてこの胸の高鳴りは……。
その存在感にあてられて思考が混濁していたその時、可愛らしくも凛々しい声が辺りに響き我に返る。
「仇敵『ジルニトラ』よ! とうとう見つけたぞ!!」
その声につられて振り向くと、先ほど奥の部屋にいた巫女装束の女の子が黒い巨体に向かって叫んでいた。
オレは一瞬助けなければと動こうとしたのだが、少女の魔力が尋常じゃない程高まっているのを受けて動けなくなる。
「あの子は……エルフなのか?」
先ほどは座っている後ろ姿しか見えなかったのでわからなかったが、その容姿からは前世の記憶にあるエルフの姿が想起された。
しかし、オレがそんな事を思っている間も時は進む。
オレが動けずにいる間に少女が爆発的な魔力の高まりと共に朗々と詠唱を始めたのだ。
≪我、この身に流れるクロンヘイムの血の盟約により、その権利を行使する!≫
≪踏みしめるは風! 宿りしは空! 抱くは時の揺り籠!≫
先ほど巨大な影が巻き起こした風を上回る風が吹き荒れ、渦巻き、一所に集まっていく。
そして……詠唱が終わる!
≪顕現せよ! 風の大精霊『シグルステンペスト』!≫
溢れ出した魔力光が迸り、渦巻く風は依代を得てその姿を現す。
身の丈5mほどの純白の馬。
蹄と鬣に輝く白き風を纏い、その澄み渡った碧い瞳には高い知性を感じさせた。
「す、凄い……なんて綺麗な精霊獣なんだ……」
その風の大精霊を一言で現すなら、綺麗としか例えようがなかった。
対するは漆黒。
白と黒が対峙する様は、神話を描いた絵画のようだ。
身の丈10mを超す巨体は全身漆黒の鱗で覆われ、まるで闇そのもののよう。
漆黒の竜。
先ほどの女の子の言葉が正しければ、その名は『ジルニトラ』。
その名はオレも知っている。この世界の神話の時代から生きている古代竜。
この世界の全ての魔法の根源と言われている『始まりの魔法』を生み出した魔法神でもあり、神を殺した呪いで邪竜と化したと言われている最強にして最悪の竜だ。
その最強最悪の口元がニヤリと笑ったように見えた。
いや。それは確かに笑ったのだろう。
その真紅に染まった眼は、ただ獰猛な獣のそれであり、その眼は風の大精霊をも獲物と捉えているようだった。
「行け! 『シグルステンペスト』! 邪竜『ジルニトラ』を塵一つ残さず滅してみせよ!」
再度 響き渡った可愛らしくも凛々しい声を合図に、超常の戦いが始まった。
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今回はドラゴン登場回でした☆
中二っぽい?後悔はしてないです(´_ゝ`)
本日の更新はここまで。出来ればブクマして
引続きご愛読宜しくお願いします(*ノωノ)
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