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【第13話:か~ら~の~】

オレは何故かA級冒険者のジョゼさんと模擬戦をする事になり、今まさに試合が始まろうとしていた。


「さぁ、遠慮しねぇでかかってこい!」


ジョゼさんが叫ぶと、鍛錬場の隅にいたさっきの女性が手を上げて、


「はいはーい。じゃぁ私が審判しまーす。……そんじゃ始め」


と、気の抜けた開始の合図を告げる。


オレは久しぶりの強敵相手に集中を高めていく。

遠くで「きゃぁー! コウガさん、やっちゃって下さーい!」とか聞こえたりはしていない。

絶対あいつ仕事サボって抜け出してきてるだろ……。


「では遠慮せずに行きます! 黒闇穿天(こくあんせんてん)流槍術(りゅうそうじゅつ)、【月歩(げっぽ)】!」


オレは、流派によっては縮地(しゅくち)と呼ばれる間合いを一瞬で詰める歩法で5mの間合いを一気に詰め、ジョゼさんに三段突きを放つ。


「うおぉぃ! よっ! はっ! あ、危ねぇ……マジかよ……」


しかし、野生の獣のような感と身のこなしで避けられて後ろに逃げられたので、追い打ちをかける。


黒闇穿天(こくあんせんてん)流槍術(りゅうそうじゅつ)、【雷鳴(らいめい)】!」


ガッキィィン!!


オレの放った間合いのはるか外からの攻撃もバスタードソードで受け止められるが、せっかく意表を突いてこちらのペースなので、まだまだここで終わらせない。


「か~ら~の~黒闇穿天(こくあんせんてん)流槍術(りゅうそうじゅつ)、【月歩(げっぽ)】&【閃光(せんこう)】!」


ジョゼさんが動揺して態勢崩した所を月歩で一気に間合いを詰めて、閃光で決めにかかったのだが、5段目の突きがジョゼさんの額に当たると思った瞬間、ジョゼさんが()()()


「ぐはっ!?」


ジョゼさんの体が薄っすら光を帯びてブレて掻き消えたかと思うと、オレの真横に瞬間移動したジョゼさんから横殴りの一撃を喰らって吹き飛ばされる。


「あいたた……久しぶりにまともに攻撃くらってしまった~」


結界は中々優れもののようで、母さんとの模擬戦の時に何度も味わった悶絶するような痛みは襲ってこなかった。

あれ? でもなんか目に水が……。


「えっと、オレの負けですよね?」


いつまでも場が静まり返っており、審判役の女性も目を見開いて口を大きくあけて何も言ってくれないので、終わっていいか聞いてみる。


「え!? あ! うん! ジョゼっちの勝ち! 模擬戦しゅうりょ!」


審判役の女性がそう言った瞬間、周りから急に歓声が上がる。


「な、何もんだよアイツ!!」


「ちょっと俺まだ何が起こったのか理解できないんだけど?」


「名前! 名前は!? あの子の名前!」


「ふふふん! 彼の名前はコウガさんだよ! そして私が受付担当の……あ! 痛い! 痛いです! 先輩、耳引っ張らないで! ちぎれます! ちぎれちゃいますって!」


なんか思ったより沢山の人が模擬戦を見学していたようだ。

最後の奴は見なかった事にしよう。



「や、ヤバかった……つい奥の手使っちまったじゃねぇか……」


「ねねね。ジョゼっち本気だったよね? さっきの切り札使ったのってあれってマジだよね?」


「あぁ、参ったぜ。ギフト使わなきゃ負けてたかもしれねぇ」


「マジですか……」


「大マジだ。これからアイツがステータス上がったら、とんでもねぇバケモンになるぞ」



「とりあえずこれで実技訓練は終わりだ! ギルドには結果を報告しておく。30分もすれば受付で依頼を斡旋してもらえるようになるから、依頼を受けたい奴は飯でも食ってから行ってみろ」


ジョゼさんのその言葉で初心者講習は終了となり、オレたちはギルドの建物に向かう。

いつの間にかもうお昼を回っていたので、オレもお昼ご飯でも食べよう。

なんかさっきから3人組が視線をあわせてくれないが、お疲れ様と言ってギルドの飲食スペースに向かう。


「ねぇねぇ! コウガ凄い強いね! ……にゃ」


「ほんとほんと。私たちの父さんと良い勝負かも……にゃ」


相変わらず取ってつけたような語尾に若干ひきながらも、


「ありがと。でも、負けちゃったけどな」


と言葉を返す。


「それでも凄かったよ。身体能力やステータスなら獣人族の私たちの方が上のはずなのに、何であんな風に動けるの? ……にゃ」


「そうそう。私の動体視力でも最後の突きとか何が起こったのかわからなかった……にゃ」


「あ。私の名前は『リリー』だよ。よろしく……にゃ」


「私の名前は『ルルー』。よろしく……にゃ」


そう言って手を差し出してくる。


「さっきジョゼさんが呼んでたから知ってるかもだけど、オレは『コウガ』だ。よろしく……な」


ちょっと真似してから2人と順に笑いながら握手を交わす。


「「うん! じゃぁパーティー名どうする? 先に依頼受けちゃう? ……にゃ?」」


あれ? いつのまにそう言う話になってるんだ……。


なんか都会怖いです……。


************************

新作リリース記念の連続更新はここまでとなります。

えぇ、リリース記念ってのは今考えました(;´∀`)


明日も数話連続更新する予定ですので、ブクマして

最新話の公開を楽しみにお待ちいただけますと

こげ丸が泣いて喜びます。


しばらくは ほぼ毎日更新出来ると思いますので、

これからもよろしくお願いします!(*'▽')

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