【第100話:カリンちゃんの憂鬱 その6】
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
リアルの諸事情でWeb作家としての活動を休止しておりましたが復帰いたしました。
まずはこの『槍使いのドラゴンテイマー』の改訂版を公開&更新していく予定です。
下記に全文改稿&数万字加筆した改訂版を公開しております。
更新は順をおってになりますが、こちらをお読み頂けますようお願いいたします。
https://ncode.syosetu.com/n5238jw/
尚、運営様から旧版を残しても基本問題ないとは確認をしていますが、
読者様が混同する場合は旧版の削除を求める場合があるとも伺っております。
その場合、こちらは削除することになりますのでご了承ください。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
~カリン視点~
私は今日もいつものように冒険者ギルドに通い、受付嬢見習いとしての業務に精を出していました。
あれから順調に
『コウガさんの邪魔するものは許さないよ!』
作戦は進んでいます。
今日も昼休みには妖精さんたちから色々と報告を受ける事になっているので、とてもとても楽しみです♪
こんな事を考えながら楽しく仕事を頑張っていると、
「おい! カリン!! 昨日のあの報告書はいったい何だ!!」
真面目に受付嬢見習いの仕事をしていたのに、先輩職員に怒鳴られてしまいました。
私の護衛についてくれている妖精さんたちが何か騒いでいますが、今は先輩とお話し中だから後で注意しておきましょう。
また帰り道に転んで怪我しなければいいんですけど……。
「は、はい? ちゃちゃ、ちゃんと書いて提出したつもりだったんですけど……何か不備がありました?」
私のその答えに先輩職員は、
「不備も何もないだろ!? この間のゴブリンキング討伐依頼で倒したパーティーの名前が『ほにゃてにょの』って何だよ!? そんな変な名前のパーティいてたまるかぁ!!」
どうせ名前聞き忘れたんだろ! とか、誤魔化すならせめてもう少しマシな名前にしろよ!? とか言って怒っています。
たしかにゴブリンキング討伐依頼を書庫に置き忘れたのは私ですし、それを誤魔化すのに妖精さんにお願いしたりはしましたけど、高位妖精親衛隊「ほにゃてにょの」さん達に失礼です!!
ちょうど今日の護衛についてくれている妖精さんの護衛が彼女らなので、今にも姿を現して魔法を叩き込みそうで内心ひやひやです。
「す、すみません!! で、でも……変な名前って言うのは謝っておいた方が……」
「何で俺が謝んなきゃなら……!?」
そこまで言った先輩職員でしたが、急に上の空になってブツブツ言いながら部屋から出て行ってしまいました。
「あれ? 先ぱ~い?」
≪カリンちゃん。あの失礼な奴ならもう大丈夫だよ! 忘却魔法で反省して貰ったから!≫
妖精さんは普通の詠唱魔法に存在しない希少な魔法をたくさん知っています。
確か記憶操作までは出来ないですが、直近数時間の記憶を消せると言っていた気がします。
「そうなの? ありがと~♪ でもでも、また帰り道に転ばせたりしたらダメだよ?」
一応、先輩には良くしてもらっているので、怪我とかはさせないように注意しておきます。
ちゃんとこの後仕事できると良いんですけど……。
~
その日の午後、私が1人書類作成に勤しんでいると、クイちゃんが慌てて窓から飛び込んできました。
「きゃっ!? もう~クイちゃんか~。びっくりさせないでよ~」
いつもはそっと現れてくれるクイちゃんですが、何かとっても慌てているみたい。
私が「どうしたの?」と尋ねてみると、
≪カリンちゃん、ごめんね! でも、大変なの! 使徒様がとうとう魔王と戦い始めたの!!≫
「え!? コウガさんが!?」
私はその報告に驚いてしまいました。
だってコウガさんの今日の予定は、S級冒険者の試験で『欺瞞の迷宮』の『ドラゴンゾンビ』を討伐するだけだったはずなのですから!
そのサポートだって手配していたのに魔王だなんて予定外です!
それから私はクイちゃんから今起こっている事の一通りの報告を受けました。
≪今、使徒様に隠れてお仕えしているセイルは対不死者には圧倒的な強さを誇っているけど、ちょっと不味そうだから、こっちの本隊も動いた方が良さそうなの≫
「あの子じゃ魔王の相手は危険だし……一人でサポートするのもちょっと難しそうだね」
セイルちゃんは妖精特有の魔法は一通り使える高位妖精だけど、所持しているギフトが対不死者特化型なので、不死者以外は苦手としています。
きっと怖がりなあの子の事だから、役目を果たしきれないでしょう。
「どうしよう? クイちゃん、どうしたら良いかな?」
≪そうねぇ……あ……セイルから連絡がきたわ……妖精界に竜人たちを避難させたいって言うから許可をだしておいたわ≫
その話に私はこれだ! って良い事を思いついちゃいました♪
「ねぇねぇクイちゃん! 竜人さん達は古代竜ヴィーヴルさんの血を受け継いでいる人たちなんでしょ?」
≪うん。そうなるね。彼らは元々『竜神信仰』の人たちだったんだけど、古代竜ヴィーヴルから血を授かった事で竜人という種族に生まれ変わったの≫
竜神信仰!? 私は更にこれだ! って思っちゃいました!
「それならコウガさんは、信仰している竜神様が仕えていた竜神のさらにその上の主様ってことでしょ? だったらだったら! コウガさんも信仰の対象だって教えてあげたらどうかな?」
そうすればきっと種族をあげてコウガさんの助けに回ってくれるはず! と、私はちょっと興奮気味にクイちゃんに提案してみました。
≪それ、良いかもしれないね! しかもコウガ様が使徒様だって教えてあげて、竜人のヴィーヴルって子達も使徒様がお救いになったんだよって伝えれば……任せて! ちょうど洗脳……じゃなくて説得に特化したギフトを持った子がいるのよ!≫
一瞬クイちゃんが何か危ないことを言った気がしたけど、良かったわ!
妖精族は一人一人はそこまで強くないけど、全ての妖精が女神様からギフトを授かっているから、あらゆる事柄に対応できるの。いつも本当に凄いなぁって思います。
これで安心して仕事に戻れそう♪
「じゃぁクイちゃん。後はお任せして大丈夫かな?」
≪任せてよ! ヴィーヴルって子達の妖精界への避難はもう完了したわ。あとは私が『妖精の通り道』を使って竜人の里まで迎えに行ってくるよ≫
「クイちゃん、ありがと!! だ~い好き!」
私はそう言ってクイちゃんをぎゅっと抱きしめると、
「それじゃぁ私は仕事に戻るから、洗脳よろしくね!」
そう言って書類作成の仕事に戻るのでした♪
******************************
何とか無事に100話目を迎える事が出来ました~♪(≧▽≦)
100話突破は、処女作の
【パーティーメンバーは『チワワ』です☆ミ】
以来、2度目となります。ちょっと感慨深いです(*ノωノ)
途中で更新が滞ってしまい、ご迷惑をお掛けしたりもしましたが、
それでも読んでくださった読者様のお陰です! 本当に感謝です!
そして記念すべき100話目はやはりこの人しかいないと思い、
カリン嬢に登場して頂きました~(;´∀`)
是非、この100話と言う節目に、ブクマや感想、評価、
100話達成ご祝儀レビューなどもお待ちしていますです(´ω`*)
これからも執筆頑張りますので、
引き続きのご愛読宜しくお願い致します! <(_ _")>
******************************