第八話
やっとあらすじに追い付いた。遅いね。あらすじって何だろうね。
そして評価少し上がってた。めちゃくちゃ嬉しいです。
「カービスチーム、リーダーカービス、他5名、計6名。エワイトチーム、リーダーエワイト、計1名。入場。」
審判が合図と同時にアーリアチームの6人が入場してくる。それと同時に観戦しに来た生徒たちもしゃべりだした。
「落ちこぼれ1人とか」「1人もメンバー居ないとか笑う」「これは結果見るまでもないなぁ」「アーリアの勝ち一択だろうなぁこれ」
魔法師には大きく分けて3つの種類がある。殺傷能力のある魔法を主に使い攻撃を行う主力魔法師、治癒系、支援系魔法を得意として戦闘の支援を行う補助魔法師、自分の武器や防具に自ら付与魔法を行い、それらで前線に立つ魔法騎士。カービスチームは主力魔法師が2人、補助魔法師が1人、大楯持ちの魔法騎士が2名、片手剣持ちの魔法騎士が1名。生徒から見れば人数差で負けている時点で一方的だが、チームのバランスを見てもアーリアチームのただただ一方的な試合にしか見えない。
「あいつ一人も集めることできなかったのか。まぁ落ちこぼれと組むのなんているわけないと思うが。」
「カービス様、どのようになさいますか。」
「あぁ...できるだけ飛ばさないように加減しながら痛めつけるか。降参とでも言いそうになったら風魔法で吹き飛ばしでもしたらいいだろう。落ちこぼれに何したって誰も構いはしないさ。」
カービスチームのメンバーもただカイルを痛めつけてストレス発散する事しか考えておらず、笑いながらそのようなことを話していた。少し遅れてもう向かいの入場口からローブで身を包んだ人物が入場してきた。
「まぁよく逃げなかったな。とりあえずローブは脱げ、もしも代理人だったら意味がないからな。」
「...いくつか条件がある、それでいいならローブは脱ぐ。」
「は?お前自分の立場が分かってるのか」
「落ちこぼれ相手にリスクを負うのが怖いのか。」
「チッ、まぁいいだろう、その安い挑発に乗ってやる。だが勝ったらこの6人で回してやる。お前の目の前でな。」
「まず前提として、この学院では生徒は平等で出自等を利用した恐喝、脅しは禁止されている。それを使って摸擬戦等を強制的に承諾させることがあるからだ。それは知っているな。」
摸擬戦などは学院の規則で、挑まれた側にルールの決定権や、その摸擬戦を行うか行わないかの決定権がある。しかし現状は今回のように出自等を出した脅しなどで貴族などが無理矢理強行していることのほうが多い。
「それがどうした。」
「私がローブをとる条件は、私が勝てば、今後出自を利用した脅し等を行い、それが露見した場合、即退学を全生徒に課すという条件です。」
闘技場内が静まり返った。しかしそう思ったとたんに罵声が飛んできた。
「ふざけんな!」「なんでこの摸擬戦だけでそんなこと決められなきゃいけないんだ!」
あれやこれやと罵声が飛び交っているは答えた。
「別に今すぐ退学になるわけではないですし、規則を守って脅しを行わなければいいだけじゃないですか。それともすでに規則を破っているんですか?」
そうカイルが言うとカービスも反論してきた。
「そんな面倒な条件を吞むわけないだろう。」
「本当にいいんですか?」
カイルはカービスに対しての煽りはすでに準備済みだった。
「私は落ちこぼれと呼ばれています。貴方はその落ちこぼれが出した条件程度にプレッシャーを感じて逃げたということになり、かなり信用が落ちることになりますが。」
「...くそが、やってやる、やってやる。てめぇ本気で煽ったことを後悔させてやる。落ちこぼれ。」
乗ってきた。カイルはローブの中でニヤリと笑った。
「では交渉成立というわけで。私もローブは脱ぎます。」
再度闘技場内のほぼ全員が驚愕し、空気が静まり返った。いや、凍った。ローブを取ってそこにいたのは、アーリア達が見慣れた落ちこぼれのカイルではなかった。
髪は黒ではなく薄っすらと青い白色になって、普通の人には生えているはずがない狐のような耳と尻尾。そして彼の顔には学院のそれぞれの学年上位10名が持ってるはずの面をつけていた。