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ドライ平野で出会う

 








 ドライ平野に魔物(モンスター)討伐、素材集めに来たのだが…

「うーん、ヘビィゴブリンがいないどころかブラウンワームも出てこないね。どうなってるんだろう?」

「そうだな…」

 前に来たときはポルダの森を抜けてすぐの所に魔物(モンスター)はいたのに今回はポルダの森を抜けて西に歩いているのだが魔物(モンスター)が1体もいない。

「…あにぃなんか寒い」

「着ぐるみ装備を着けたままだからじゃないか?」

 街から未だに着ぐるみを着ていたユラに問う。

「違う…なにかが私達を見つめているような…鳥肌が止まらない」

 ユラは地面に膝をついてしまう。



「大丈夫か?街に戻る?」

 震えるユラの背中を擦る。

「またプレイヤー見っけ、こんにちはー!」

 突然、黒色の羽織に袴を着た奴が現れた、そいつが自分が頭に被っている笠を上に上げると黒髪短髪でつり目の男の顔が出る。姿からして俺と同じ人種で名前の色表記からしてプレイヤーのようだ。

 プレイヤー名は『レイン』、そしてプレイヤー名の横にpkと赤文字で表示がある。

「…」

「あれ?返事がないなー、女の子の方はどうしたのかな震えてるね」

 男は口角を上げて笑っているように見えるが…その笑顔には寒気を感じる。

「すまない、連れは体調が悪いようだから失礼するよ」

 ユラを抱えて街に向かう…はずだった。

「逃がすわけないじゃん!」

 男、レインは羽織の袖から手にナイフを出すと斬りかかってきた。

 なんとかユラを抱えて後ろに飛び避ける。

「ヒュー!よく避けたね、初めてだな避けられたの。大概プレイヤーも魔物(モンスター)もこれで殺せたのに…君強いね!」

 レインはナイフの刃先を撫でながら俺を見つめてくる。

「…ユラ大丈夫か?」

 ユラの呼吸が粗い、状態異常か?

『キュール』

 ユラに回復スキルを使うが効果は見えない。


「なんで君はその女の子みたいにならないんだろ?」

「あんたが何かしたのか!?」

「いぇーす、僕のスキルだよ。弱った所をブスッと行きたかったけどキミには効かないみたいだね。君は僕よりレベルが高いのかな?それとも無効化できるスキル?」

「…魔物(モンスター)がいないのもあんたのせいな気がするよ」

魔物(モンスター)?そうだねー…見せた方が早いね」

 レインが自分の後ろに手をかざすと山積みになったヘビィゴブリンとブラウンワームといった魔物(モンスター)とその上に重ねられたプレイヤーが出現した。

「なっ!?」

「すごいでしょ、物や人を透明にするスキルだよ。そしてこの魔物(モンスター)達は僕の毒スキルで身体が麻痺して動けない…僕に殺されれば別だけど、魔物(モンスター)がいないこと気にしてたね『ファイアーボム』」

 前にの手から放たれたスキルが山積みになった魔物(モンスター)達をバラバラに吹き飛ばした。

「これで魔物(モンスター)は新たに出現するでしょ?」

「おい!プレイヤーもいたんだぞ!あんたもプレイヤーならこんなこと…」

「プレイヤー?僕が?違うよー僕はプレイヤーじゃない」

 はっ?

「でも名前の色はプレイヤーの物だろ?」



「あーこれか、気にしないで本当に僕は君が言うプレイヤーじゃないから…僕は創られた存在、僕の中の僕がプレイヤーを殺せと呟いてるから僕はプレイヤーを殺す。

 …そういう存在なんだ僕は。君を殺すだけさ」

 レインが目を細めるとその目に恐怖を感じる。

「くっ…」

 剣を構えて待ち構えるがレインは手を耳に当てて空を見上げていた。

「…今じゃないとダメかな?僕遊びたいものを見つけたのに。

 わかったよ。

 …僕帰らないと、君と遊びたかったのにな」

「ちょっと待て!帰るならユラに使ったスキルを解け!」

「…あはは!君おもしろいよ、命が助かったと安堵してればいいのに。わかった」

 レインは指を鳴らすとユラの呼吸は落ち着き、眠ってしまう。

「これで大丈夫だよ、僕のことを女の子の方は覚えてないだろうね。でもコウ君は覚えててねまた会おうコウ君」

 レインの身体が捻れ小さくなっていき消えた。

「なんだったんだよ」

 プレイヤーじゃないならNPCって意味か?

「んんっあにぃ?」

「ユラ!目が覚めたか?」

「あれ私、寝てた?ゲームだから眠る機能なんてないはず」

「もう朝からゲームを続けてる…影響かもなゲームのやりすぎはよくないログアウトしよう」

 ユラはレインのことを覚えてないようだ。そうだよなレインが現れてからレインをユラは視認できてないし。

「まだやれるよ!」

「だーめ、兄ちゃんの言うこと聞けないか?」

「…わかったよ」

「じゃあ終わるぞ『ログアウト』」

『ログアウト』



 ベッドの上で目を覚ましてヘッドギアを外すとユラも隣でヘッドギアを外した所だった。

「むーまだやれたのに」

 頬を膨らませてむくれているユラ。

「もう14時だ、遅い昼飯にしよう」

「…オムライス」

「はいはい、でも卵なかったな買いに行かないと」

 部屋のドアがノックされる。

「コウ君ユラちゃんいるの?」

「あっママ!」

 ユラがベッドから降りて部屋のドアを開くとスーツ姿の母さんが立っていた。ロングヘアを後ろで束ねてポニーテールにするのは母さんの仕事場でのスタイルだ。

「お帰りなさい母さん、仕事は終わったんだ。」

「えぇ、今日は外回りから直帰してきたのよ」

「ママ、いまねーあにぃとゲームしてたんだ!楽しいよ!」

「あらあら新しくパパに買ってもらったゲームね、良かったねユラ」

 母さんは屈んでユラの頬を撫でる。

「母さん、昼ご飯は食べたの?今からユラのためにオムライスを作ろうと思ってたんだ」


「まだよ、ユラちゃんが好きなオムライスの材料は買ってきたからすぐ作るわ」

「俺が作ろうか?仕事帰りでしょ」

「大丈夫よ、コウ君とユラちゃんには私の料理を食べさせたいから作らせて」

「私は手伝いたい!」

 ユラは母さんの手を握る。

「わかったわ、一緒に作りましょう」

 ユラは母さんと手を繋いで階段を降りていく。


 俺はすぐにパソコンを立ち上げて『リアルファンタジーワールド レイン』と検索する。

 運営のホームページにレインの名前がある。

 レイン:レイン・ニュース、リアルファンタジーワールド創造の女神リアルの神殿を守護するために女神リアルにより創造された騎士のひとり。

 顔も載っていたので確認すると髪の色が銀色で少し印象が違う気がするが…俺が対峙したレインと名乗った奴に顔は似ている。

 どういうことだ、レインの言う創られた存在は合っているようだが神殿を守護する騎士がなんでプレイヤー狩りをしているんだ?

 やっぱりシナリオの範疇か、バグか?

 俺はパソコンを閉じて1階に降りる。



 リビングに入るとキッチンではエプロン姿の母さんとユラが和気あいあいと料理をしていた。

「それでね私がファイアーボールを使うとイモムシがいい香りを出すんだー!」

「へ、へー…すごいね…」

 ユラやめなさい、母さんは虫嫌いだぞ。見ろユラの前だから頑張って作った笑顔を…ひきつってる。

「あにぃもバサバサと魔物(モンスター)を倒して格好いいんだ」

「モンスター?…すごいのね…?」

 母さんは俺に目配せをする、わかるよ母さん。心配なんだね。

 オムライスが完成して3人でテーブルを囲んで食事をする。

 その間もずっとゲームの話をしていたユラは母さんを困らせていたが食事が終わるとリビングのソファで寝てしまった。



「良かったわユラがこんなに元気になって」

 食器洗いをしていたらテーブルでお茶を飲む母さんがそんなことを言った。

「ユラはいつも元気じゃないか」

「…パパと結婚するまで私はシングルマザー、仕事をして夜中にユラを私の母さんの所に迎えに行ってた。そんな母親に子供は笑いかけてくれないわよね、それがつらかった。

 でもパパとコウ君のおかげで今私はユラと笑い合えてる。

 幸せよありがとうコウ君」

「俺の…おかげ?本当にそうかな?」

「そうよ、…でも心配なのはパパが買った新しいゲームね」

 あっやっぱり心配なんだ。

「ゲームのやりすぎに注意してね、ユラは私の母さん相手には凄い我が儘な子だったから心配で」

「うん、わかったよ」

 すでに今日だけで5時間以上はやっちゃったけど…

 ごめん母さん…

「なんか隠してる気がする…」

「えっ!俺が?なにもないよ母さん」

「人って嘘をつくときに目が…」

「あー今日は仕事の整理があったんだ、洗い物は終わったから2階に戻るよ」

 乾燥機に食器を入れ込み逃げるようにリビングを出て部屋に籠る。

 危ない母さん怒ったら止まらないんだよな…




 






 コウ:人族Lv31

 職業:剣聖(ソードマスター)Lv4:聖職者(クレリック)Lv2:冒険者Lv25

 HP:11220

 MP:4220

 STR:555

 INT:412

 VIT:536

 AGI:610

 DEX:448

 LUC:804

 スキル:光の剣Lv1(2/100)、聖なる光Lv1(1/100)、剣匠Lv1(16/100)神速Lv1(15/100)ヒールLv1(2/10)キュールLv1(2/10)瞑想Lv7(9/10)ソードスラッシュLv12(6/10)ファイアーエッジLv1(1/10)ウォーターエッジLv1(1/10)

 称号:創造の女神リアルの加護:剣豪に認められた者


 装備

 頭:

 右手:ロングソード

 左手:

 上半身:駆け出し冒険者の服

 下半身:駆け出し冒険者のズボン

 足:シューズ

 装飾品:羽飾り

 装飾品:

 所持金80G







 ユラ:ドワーフ族Lv33

 職業:魔法使いLv4:商人Lv11:冒険者Lv26

 HP:3500

 MP:3080

 STR:134

 INT:298

 VIT:150

 AGI:236

 DEX:173

 LUC:131

 スキル:ファイアーボールLv17(9/10)、ウォールLv1(7/10)、瞑想Lv9(7/10)、ヒールLv1(1/10)商品配送Lv8(1/10)目利きLv3(2/10)商人の資質Lv6(6/10)鍛冶Lv21(1/10)鑑定Lv1(2/10)生産強化Lv7(5/10)フライLv1(1/10)解体Lv3(4/10)マジックウィップLv1(1/20)ウォータースライサーLv1(1/20)マジックアップLv1(1/20)

 称号:

 装備

 頭:

 右手:魔法使いの腕輪

 左手:火伝の指輪

 上半身:着ぐるみ『ベンガル』

 下半身:着ぐるみ『ベンガル』

 足:シューズ

 装飾品:羽飾り

 装飾品:商人バッチ

 所持金154624G




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