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霊峰ガイヘンと聖霊

 









 ナシシ村から街に戻る道中のポルダの森で目の前に飛び出してきた魔物(モンスター)のコロコロに矢が刺さり消滅した。

「えっなんだ!?」

「誰かが弓を放ったみたいだね…矢が飛んできたのはあっち」

 ユラが指差したのは葉で覆われている頭上にある木の上。

 指差す木が揺れてバサッと音とともに上から俺達の前に現れたのは、白装束で肌を隠し、白布で口も覆っているため顔はよく見えないが耳の形からしておそらくエルフだ。忍者みたいな格好だな。



「ごっごめんなさい!魔物(モンスター)しか見てなかったので…あれ?ユラさんにコウさん!?」

「シズカさーん」

 エルフが白布を口からずらして頭をペコペコ下げる、木の上から現れたエルフはシズカさんだった。ユラはシズカさんに抱きつく。



「俺達に当たった訳ではないので大丈夫ですよ」

「うんうん、シズカさんも狩りに出てたの?」

「はいユラさん、矢がお2人に当たらなくて本当に良かったです。まだスキルを取得したばかりで慣れてなかったもので」

「そういえば戦闘スキルがないって言ってましたね、弓のスキルを買ったんですね」

「はっはい、弓術というスキルのおかげて弓を扱えるようになりました」

 ん?弓を扱えるようになった?

「今の魔物(モンスター)を撃ち抜いたのは攻撃スキルじゃないんですか?」

「弓術は弓を装備できるようになるスキルなんです、たとえば狩人(ハンター)射手(シューター)の職業を持っていればスキル要らずで弓を装備できるんですけど…私の職業では何も装備出来なかったのでスキルを買ったんです。弓術スキルのレベルさえ上げれば弓専用の攻撃スキルは覚えられます」



 じゃあスキル買うまでシズカさんは素手で魔物(モンスター)を相手に…不憫だ。

「シズカさんの職業はー?」

 ユラはシズカさんに抱きついたまま尋ねる。

「私の職業は『駆け出し裁縫師』と…『駆け出し聖霊使い』です」

「ん?裁縫師は服を作れる職業だね戦闘職業じゃないね、でも聖霊使いは戦闘出来るんじゃ?」



「…実は聖霊使いのスキルは聖霊との対話と聖霊と契約ができる能力があるんですけど……始まりの街ポルダ付近のフィールドには聖霊がいないですし、聖霊を使役して戦闘しますので武器も装備出来ない職業だったんです」

 聖霊いないてクソゲーじゃん。

「でっでも聖霊使いは回復スキルも使えます」

 職業の印象を悪くしないようにと回復スキルがあると付け加えるシズカさんだった。

「なるほど、外れだね」

 ユラ言葉を選ぼうか。



「でも聖霊と契約出来れば問題ないよね?」

「えっ、はっはいそうですけど始まりの街で1番近くに聖霊がいるフィールドはナシシ草原の東にあるフィールド、霊峰ガイヘンです、私のレベルじゃとても近づける場所ではないです…」

「問題なし」

 ユラはシズカさんから離れてピースサインを見せる。

「えっパーティー申請、ユラさん?」

「私とあにぃが一緒に行くから。行こうシズカさん」

「でもそんな…甘えるわけには…」

「大丈夫、それにシズカさんには色々教えてもらったからそのお礼だよ、ね!あにぃ?」

 俺はユラの問いに頷く。

「いざゆかん!霊峰ガイヘン!」

 ユラはシズカさんの腕を握り一緒に拳を上げた。



 ナシシ草原

「『ファイアーボール』」

 ユラのスキルが前方にいたゴブリンを焼き付くす。

「すっすごいですね、ゴブリンが一撃なんて…さすが緊急依頼をクリアしたユラさんです」

「まぁね」

 ユラは胸を張る。

「わっわたしも…やっ!」

 シズカさんの放った矢は的確にゴブリンの喉元に当たりゴブリンは消滅した。

「やるー」

「はいユラさんにお借りした弓のおかげです」

「その弓は鍛冶でたくさん造った物の1本だから遠慮なくもらってね」

「うー…色々してもらって申し訳ないです」



 ユラはシズカさんと遊べてとても嬉しそうだ、確かに俺と2人でしか狩りにも行ってなかったし他の人と遊べるゲームだったのにな。

 ネットで繋がった他の人と遊んでると問題もあるようだがシズカさんなら問題も起きないだろう、なによりユラがなついてる。

「シズカさんが着ている白装束はシズカさんが裁縫師のスキルで造ったんですか?」

「はいそうです、能力の付与はあまり良くないですから防具というより服感覚で造りました、戦闘で着ていると身が引き締まります」

「シズカさん、私にも造ってね必要な素材は持ってくるから。あにぃの分も」

 えっ俺も着るの?

「はい喜んで造らせてもらいます」

「やったありがと」

 またシズカさんに抱きつくユラ。なついてるなー。

「あっ見えました、あの山が霊峰ガイヘンです」



 霊峰ガイヘン、雲に覆われている頂上付近は見えないがゴツゴツした岩肌が目立ち所々に雪が積もっている山だ。

「ここに雪の聖霊が生息しています」

「雪の聖霊かー、現実にいたら冷蔵庫も冷房もいらないのになー」

 ユラ、聖霊をそんなことに使うつもりか。

「山の入り口は…あそこに手足の生えた雪だるまがいるんだが」

「本当だ、弓を持ってる」

「本当ですね、え、弓?」

 スノーダルマ:Lv22、━━━━━

 スノーダルマ:Lv22、━━━━━

 スノーダルマ:Lv22、━━━━━

 スノーダルマ:Lv22、━━━━━

 スノーダルマ:Lv22、━━━━━

 スノーダルマ:Lv22、━━━━━

 スノーダルマ:Lv22、━━━━━

 スノーダルマ:Lv22、━━━━━

 スノーダルマ:Lv22、━━━━━

 スノーダルマ:Lv22、━━━━━

 スノーダルマ:Lv22、━━━━━

 スノーダルマ:Lv22、━━━━━

 スノーダルマ:Lv22、━━━━━

 スノーダルマ:Lv22、━━━━━

 スノーダルマ:Lv22、━━━━━


 青色、赤色、黄色、緑色の様々な色の逆さまなバケツを頭に乗せたつぶらな瞳の雪だるまは間違いなく弓をこちらに向けて…撃ってきた。

「よしあにぃ、打ち落として」

「うぉ、『ソードスラッシュ』『ソードスラッシュ』『ソードスラッシュ』『ソードスラッシュ』」

 なんとか全部の矢を打ち落とすがスノーダルマは2射目を装填してるところだ。

「次は私とシズカさん」

「はい、狙います」

『ファイアーボール』『ファイアーボール』『ファイアーボール』

「やっ!やっ!」

 ユラはファイアーボールで3体のスノーダルマを溶けさせ、シズカさんはスノーダルマの持つ弓を的確に射ぬき壊す。

 残ったスノーダルマは足元の雪に手を突っ込むと中から雪でできたであろう剣を取り出して突っ込んできた。

『ソードスラッシュ』『ファイアーボール』「やっ!」

 全てのスノーダルマを倒しきる。

「お2人とも一撃でLv22の魔物(モンスター)を…」

「あにぃは規格外のチートだからね」

 2人って言ってたよシズカさんは。

「一気にレベルが上がりましたよ」

「おめでとまだまだ今からだよ」

 スノーダルマが陣取っていた場所から霊峰に入る。





 霊峰ガイヘン

 スノーダルマ:Lv22、━━━━━

 スノーモンキー:Lv23、━━━━━

 スノーダルマ:Lv22、━━━━━

 スノーモンキー:毛が真っ白な猿、爪でひっかく攻撃を幾度も仕掛けてくる。たまに雪山に入りこみ奇襲してくる。


「あわわ、レベルがすごい上がります…」

「あにぃ、あとはスノーモンキーだけ今その雪山の中に!」

「はいよっ『ソードスラッシュ』」

 雪ごとスキルで斬ると中からスノーモンキーが飛び出してきた。

『ファイアーボール』

 ユラのスキルで倒しきる。



「外してるじゃんあにぃ」

「勘だからな、悪かった」

 雪の中のどこにいるかまではわからんよ。

「シズカさん聖霊の声は聴こえる?」

「はい、この近くから聴こえます」

 シズカさんには聖霊と対話できるスキルのおかげで聖霊の声が聴こえるらしく声を目印にして進んでいく。



「あっいました、雪の聖霊って名前が付いてます」

 近くにある大きな岩陰に身を隠し覗く。

「ん?どこどこ?」

「なにもいないです」

「えっでもあそこにたくさんいます」

「もしかしてあにぃこれって…」

「聖霊使いしか聖霊は見えないんだろうな」

「うぅ残念、聖霊見たかった」



「ごめんなさいユラさん」

「大丈夫大丈夫、ここまでこれたんだからシズカさん契約してきてね」

「はい!」

 シズカさんは聖霊がいると言う場所まで歩いていく。

「~~」

 シズカさんがなにを言ってるのかわからないが聖霊と会話できる言語なのだろう、聖霊と会話してるみたいだ。

 すると突然シズカさんの身体が光だした。光が収まりシズカさんがこっちに戻ってくる。

「やりました雪の聖霊と契約できました」

「本当に!っ!冷たい!背中に雪入れないでよあにぃ!」

「俺は何もしてないぞ!」

「え、でも背中に…動いてる!冷たいくすぐったい!」

 どうしたんだ!?なにが起きてる?

「あわわっ!やめなさい。ユラさんは私の友達です!」

「ひっひー…あれ?背中からなにか出たみたい、まだ背中冷たいけど」

「ごめんなさい、雪の聖霊達がユラさんが私に大声出したからってイタズラを…」

 なるほどユラの大声に反応してシズカさんを守ろうと雪の聖霊達がしたんだな…ん?達?

「複数の雪の聖霊と契約したんですか?」

「はい、雪の聖霊15体と契約できました」

「もう!見えないけど私はシズカさんの友達、仲間、オッケー?」

 ユラその言葉は雪の聖霊に対してか?

 近くの雪が盛り上がり友達と雪文字を作る。

「通じたみたいだなユラ」

「良かった、もう冷たいのもくすぐったいのも嫌だからね」

「ふふふ、ユラさんコウさんありがとうございました。おかげで契約できました」

「うわっ!」

 ユラの身体が宙に浮かぶ。

「ユラ?おぅ!」「きゃ!」

 俺の身体とシズカさんも宙に浮かんで3人が距離をあけてその場をぐるぐると回される。

「これも雪の聖霊?」

「はい友達友達と言っています」

「嬉しいんだね!みんな友達だー」

 宙に浮かされたまま霊峰ガイヘンを下山することになった、ちなみにその間も魔物(モンスター)は襲ってきたが何かに弾き飛ばされるように倒されていた。聖霊強い…















 コウ:人族Lv31

 職業:剣聖(ソードマスター)Lv4:聖職者(クレリック)Lv2:冒険者Lv25

 HP:11220

 MP:4220

 STR:555

 INT:412

 VIT:536

 AGI:610

 DEX:448

 LUC:804

 スキル:光の剣Lv1(2/100)、聖なる光Lv1(1/100)、剣匠Lv1(16/100)神速Lv1(15/100)ヒールLv1(2/10)キュールLv1(2/10)瞑想Lv7(9/10)ソードスラッシュLv12(6/10)ファイアーエッジLv1(1/10)ウォーターエッジLv1(1/10)

 称号:創造の女神リアルの加護:剣豪に認められた者


 装備

 頭:

 右手:ロングソード

 左手:

 上半身:駆け出し冒険者の服

 下半身:駆け出し冒険者のズボン

 足:シューズ

 装飾品:羽飾り

 装飾品:

 所持金80G







 ユラ:ドワーフ族Lv33

 職業:魔法使いLv4:商人Lv11:冒険者Lv26

 HP:3500

 MP:3080

 STR:134

 INT:298

 VIT:150

 AGI:236

 DEX:173

 LUC:131

 スキル:ファイアーボールLv17(9/10)、ウォールLv1(7/10)、瞑想Lv9(7/10)、ヒールLv1(1/10)商品配送Lv8(1/10)目利きLv3(2/10)商人の資質Lv6(6/10)鍛冶Lv21(1/10)鑑定Lv1(2/10)生産強化Lv7(5/10)フライLv1(1/10)解体Lv3(4/10)マジックウィップLv1(1/20)ウォータースライサーLv1(1/20)マジックアップLv1(1/20)

 称号:

 装備

 頭:

 右手:魔法使いの腕輪

 左手:火伝の指輪

 上半身:魔法使いのマント

 下半身:魔法使いのスカート

 足:シューズ

 装飾品:羽飾り

 装飾品:商人バッチ

 所持金154624G





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