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緊急

 








「ちょっとま、待ってくださいー。すぐにギルドマスターより緊急依頼のことでお話しがありますから。

 ごめんなさいごめんなさい待っててくださいー」



 冒険者ギルドの前には人だかりができていた、冒険者ギルドの建物の方から人だかりのせいで見えないがシズカさんの悲鳴にも思える声が聞こえてくる。



「おぉ盛り上がってるねあにぃ、シズカさんも楽しそう」

「ユラ、俺にはシズカさんが困ってるようにしか思えんが。」

「うーん前が見えない、あにぃ肩車」

 ぴょんぴょん跳ねて前を見ようとしていたユラは諦めて俺に肩車するよう地面を指差す。

「はいよ」

 ユラを肩に乗せて立ち上がる。



「お、見えた。シズカさんヤッホー」

「あうーユラさん助けてくださいー」

「あにぃシズカさんが手を振ってくれたよ、あっシズカさんに骸骨がまとわりついてる。シズカさんヤッホー」

「ちょっと待てユラ、大丈夫なのかそれ?助けてって言ってるぞヤッホー言ってる場合なのか!?」

「静まれー!!」

「「「「「うぉ!」」」」」



 地響きのような大きな声、冒険者ギルドの前に集まっていた者は驚き耳を塞ぐ、耐えきれない者もいて地面に伏す者も少なくない。

 ユラを肩に乗せていた俺は倒れないようにとなんとか耐えた。

「あにぃ…耳がキンキンする」

「しっかりしろ、効くかわからんが『ヒール』と『キュール』」

 ユラを下ろしてユラの耳に回復スキルを使ってみた。

「…治ったキンキンしない」

「良かった、状態異常だったのかな」

 地面に伏す者のおかげで視界が拡がり冒険者ギルドの前にいる冒険者ギルドのギルドマスターことマスターとシズカさんと数人のギルド職員の姿が見える。

「あっシズカさんヤッホー」

 ヤッホー続けるんかい。

「ユラさーん!」

 シズカさんは地面に伏す者を踏みしだきながら駆けてきてユラの胸にダイブした。

「怖かったです」

「よしよし偉い偉い」

 俺は2人が怖いよ、どうみても大人なシズカさんがユラにあやされているし他の人の注目浴びてるの気づいてないのかな?



「緊急依頼の伝達により冒険者の方々集まっていただき感謝する!私はここの冒険者ギルドのギルドマスターのマスターだ。

 緊急依頼の内容は伝達でお伝えした通り廃鉱山カルイの奥深く、魔物(モンスター)が大量発生した時以来、人がまだ到達出来ていない場所の調査だ!

 報酬は3000000G(ゴールド)そしてスキルの書だ!」

「300万!?」

「目がG(ゴールド)になってるぞユラ」

「だって300万だよ!新しい工房にかかる資金をはるかに越える額だよ!」

「落ち着け」

 ユラが興奮するのは無理もない周りにいるプレイヤー達も歓声を上げている。

「もうひとつの報酬、スキルの書ってのはなんだ?」

「たっ確かランダムで取得していないスキルを得られるアイテムってマスターが言っていました」

 シズカさんはユラから離れながら教えてくれた。

「偉いよさっすが私の諜報員」

「あ、ありがとうございます」

 いつの間にシズカさんはユラの諜報員になったんだよ。シズカさんもユラの冗談に付き合わなくていいのに。



 シズカさんの背中を撫でるユラ、シズカさんは俺より少し低いくらいの身長だから頭にユラの手は届かないからだろう。

「静まれー!!」

「「「「「うぉ!!」」」」」

 マスターの第2波により復活しかけた人達はまた地面に伏した。

「あにぃ…またキンキンする」

「『キュール』」

 シズカさんがユラにキュールをかけた。

「治った」

「良かったですユラさん」

「シズカさんは回復スキル使えるんだね」

「はい」



「報酬に浮き足立つのは冒険者の性だろうが、この調査依頼は急務だ何故ならば魔物(モンスター)がまた増え始め高レベルな魔物(モンスター)も目撃されている。

 街に被害が出ないよう根源を探しだし、可能ならば根源を潰してくれ!この依頼は受けるか受けないかは冒険者の諸君次第だが、自分のレベルを見誤りのないように以上だ!」

 マスターは説明を終えてギルドに入った。

「依頼の受注は臨時でギルド前にて行います。」

 ギルド前に残っていたギルド職員達の元に目をG(ゴールド)になったり血走った目をしたプレイヤー達が勢いよく集まる。300万という報酬だ仕方ないか。

「あにぃ私達も!」

 ここにもG(ゴールド)の目を持つ者がいたか。

「待った」

 プレイヤーの群れに突っ込もうとするユラの襟を掴み止める。

「なんで止めるのあにぃ!?」

「ここにもギルド職員がいるだろ」

 俺とユラの目線がシズカさんで重なる。

「え、私ですか?確かに受注用の小型端末は持っていますのでカードを貸してください」

 カードをシズカさんに手渡す。

「カードをお返ししますこれで緊急依頼の受注となります、頑張って来て下さいね」

「ありがとうございますシズカさん」

「ありがと、絶対300万手にいれてくるね」

「調査だよ300万は報酬」

「解決したら一緒、さぁあにぃ私を担いで廃鉱山まで走って」

「えー」

「そのほうが早い、ゴー!」

「はー」

 ユラを肩に担いで走りはじめる。

「あわー端末は1つなんです!順番に!順番に~!」

 街の出口付近に着いたらシズカさんの悲鳴が聞こえてきた。俺達の緊急依頼を受注をしていたのを他のプレイヤーに見られたんだろう、頑張ってシズカさんと心の中でエールを送り足に力を込めて走る。




 廃鉱山カルイ

「一番乗りかな?」

「やったね!ポルダの森に出てきた魔物(モンスター)を相手にせずに踏みつけて走ったあにぃのおかげ。じゃあ降ろして」

 ユラを下に降ろす

「日誌のこともあるから8の、1番右にある穴だよな」

「そうだね、この日誌は私が持ってるから誰も読めない…プレイヤー達は違う穴に行くでしょ」

 まだ持ってたのかよ、悪どいな。ユラには真っ直ぐ清らかな心のままに育って欲しいって親父は言ってたんだが無理そうだ。


「あにぃ行くよ。とにかくあにぃがガンガン行こうぜ、で作戦は決まり」

「ユラも働いてくれ」

「何があるかわからないから私は体力温存」

 日誌に書いてあった8の穴に向かって一人で歩いていくユラを追い隣を歩く。



 ハイストーン:Lv14、━━━━━━

 ストーンより格段に大きい

 ハイカルイバット:Lv13、━━━━

 カルイバットよりもすばやい

 ハイゴーレム:Lv18、━━━━━━━━

 人形の岩の魔物(モンスター)


 この3種の魔物(モンスター)が倒しても倒しても通路の奥から迫ってきており、たまに道が分かれてることもありそこからも魔物(モンスター)が前からも後からも溢れてくる。

「あにぃ後ろ!」

「うぉっ!」

 後ろで大きな腕を振り上げていたハイゴーレムに一閃を浴びせて倒す。

「あにぃ私ヤバイ」

「どうした!?」


 隣で必死にハイカルイバットに向かってファイアーボールを浴びせまくるユラを確認するが特に危険はなさそうだ。



「すごい勢いでレベルが上がってる!」

「そっちのヤバイか!?」

「あにぃすごい便利、HPも防御も高そうなハイゴーレムを一撃なんて、本当にあにぃに感謝」


「はいはいっ、ていうか進んではいるがこの道であってるか?」

「わかんないなんとなく通路の壁にある松明に沿ってるだけだから、私はあにぃとはぐれたら多分すぐやられるから道なんて気にする余裕はないよ。MPきれそう」

「だよな。うらぁ!よし前が空いた走れユラ」

「うんっ」

 走り続けているといつの間にか俺達を追ってきていた魔物(モンスター)はいなくなり気付けば拓けた空間に俺達はきていた。



「体力温存考える暇なかった」

 空間の入り口で座り込むユラ。

「ははっだな、俺もレベルが凄く上がってるからそれだけ魔物(モンスター)を倒したってことだな」

「あにぃ」

「どうしたユラ」

 ユラが俺の服を引っ張ってきた。

「あにぃ」

「どうしたんだ?」

「うしろ」

「うしろ?うぉ!どっから出てきたこいつ」

 ユラが指差す空間の中央に真っ黒なデカイ蜘蛛がいた。

 ガーディアンスパイダー:

 Lv35、━━━━━━━━━━━━━━


「上から、先手必勝。『ファイアーボール』」

 ガーディアンスパイダーはファイアーボールを前脚で弾き飛ばした。

「私の最強スキルを破るとは化け物め…


 ごめんあにぃMPきれた退治よろ」

 ユラはすすっと身を入り口にあった岩に潜ませる。

「えっ!?」

「あにぃ後ろ!」

 ユラに気を取られていると間近に白い物が迫っていたので剣で防ぐ。


「これは糸、蜘蛛の…ぐわぁ!」

 剣ごと俺の身体は蜘蛛に手繰りよせられ蜘蛛の脚が腹を襲い弾き飛ばされ壁に叩きつけられる。

「あにぃ!」

「ははっ大丈夫だHPも1/4しか減ってないから、ただ剣取られちまった」

「手紙にストックしてた剣を添付して送ったからそれを使って」

 手紙を開き、取られた剣の装備を外して新しい剣を装備する。

「全力でいこう、スキル『光りの剣』発動」

 5分のカウントダウンが始まる。

 地面を力強く蹴りつけ襲いくる脚を避けながらガーディアンスパイダーとの距離を詰める。


「1つ」

『ぎぃー!!』

 前脚を一本切り落とすとガーディアンスパイダーは辛そうな声をあげる。


「2つ」

 後ろに回り込み後ろ脚を切り落とすと同時に蜘蛛の糸が俺を襲ってきたが壁づたいに走り振り切る。


「3つ」

 飛び上がりガーディアンスパイダーの上に乗るとガーディアンスパイダーが目標を見失ったかのようにぐるぐると大きな体躯を回しているうちに頭部目掛けて思い切り剣を突き刺した。

『ぐぎぃぃぃ!!』

「終わりだな」

 頭部から剣を抜き取ると断末魔を残してガーディアンスパイダーの姿は消えた。

 EXP+20000、強靭な糸×3



「どうだユラ、化け物退治やったぜ!」

「あにぃの方が化け物だね」

「ひどいな!頑張ったのに」

「いやいや結局3撃しか浴びせてないのに倒したんだから…やっぱりあにぃチートだね」

「お疲れさま、とかないの?」

「お疲れ…」

「なんかユラからの視線が冷たい」

「ごめんごめん半分冗談だから」

「それ半分本気だよね」



 ガーディアンスパイダーのいたこの空間を探索する。

 壁を叩き隠し通路がないか、地面を歩き地下への空洞がないかと。

 何故探索しているのか、それはユラの提案だった。

『蜘蛛が魔物(モンスター)大量発生の原因じゃないよ、蜘蛛が産むのは蜘蛛で岩の魔物(モンスター)なんて産み出さない。それにガーディアンって名前、何かを守っていた蜘蛛なんだよ。多分隠し通路や地下がある』

 ということだったので探していたんだが。

「なんにもないな」

「なんにもないね、この空間ってか部屋は外れかな?でもガーディアンがいたから…んーわかんない」

「おいおい寝転んでる場合じゃないぞ、他のプレイヤーが来てるかもしれ「あにぃ」どうした?」


「見つけた、蜘蛛は最初に上から糸を垂らして降りてきた。間違いないあれを守ってたんだ」

 ユラが指差していたのは天井の中心に嵌め込んであるある黒色の玉だった、玉を中心に天井には紋様が描かれていた。

「でもどうするあんなに高くちゃ『ファイアーボール』」

 回収もできないと言う前にユラのスキルによって玉は弾け粉々になる。

「よし依頼完了」

「いきなり壊すんかい」

 満足気なユラの表情はすぐに曇ることになる。

 パキパキと天井が崩れ始める。

「あにぃ、これはちょーとまずいかな」

「…逃げろー!!」

 崩壊が始まった。

 どんどん岩が落ちてくる中を走り続ける。

「ユラ、道覚えてるか!?」

「覚えてるわけない」

「俺もだ」

 どれくらい走っただろうか、黒色の玉を破壊した影響か魔物(モンスター)も出ない。

 月明かりが見えたあれが出口か?、ユラは…隣にいるユラの上に迫る岩、ユラを抱き上げ思い切り明かりがさす出口に向けてぶん投げる。目の前がドシャッと音がしたと同時に暗くなった。




 目が覚めたら周りにはプレイヤー達の姿があった。

 ここは、教会の建物に付いてたマークが壁に刻まれた部屋。

 足元には魔方陣のような紋様が描かれていた。

「いきなり洞窟が崩壊ってどういうことだよ」

「潰されたのか」

「トラップにでも巻き込まれたのか」

 ごめんなさいユラのせいだと思います。他のプレイヤーも巻き添えにしたんだな。そして俺も倒れてしまったと言うことか。

「くそっ銀行に預けておけばG(ゴールド)…」

「初めて死に戻りを体験した」

「私は2回目、でもまさか岩に潰されるなんて」

「戻るぞ、選んだ通路が悪かったんだ残りを試す」

「無理無理300万は諦めろ、たぶんお前にも冒険者ギルドから手紙届いてるから読んでみ」

「緊急依頼:廃鉱山カルイ調査終了だと~!?300まーん!」

「運がなかったなたぶん、誰かが終わらせたんだろ」

 手紙を確認してみると確かに調査依頼終了と明記されていた。

「まぁダメだったのはしょうがないから次の依頼でも受けに行こうぜ」

「わかったよ」

 40人程いたプレイヤーは1人、また1人と部屋から出ていく。

 最後になり部屋からドアを開き出るとステンドガラスの月明かりにより中央に怪しく光る像がある部屋に出た。

 NPCがその像に向かって祈りを捧げている横を通りすぎて出口らしき大きな扉を押すと目の前にユラがいた。



「ユラ…」

「必殺パンチ!」

「がっ!」

 いきなりユラに腹を殴られた。

「なんで?」

「私を投げたお返し。これでチャラ」

「文字通り命懸けだったんだが」

「ゲームだからってあにぃは勝手。

 勝手に助けて、勝手に死んで。表示されたあにぃのHPが0になった時はゾッとした…もう一発殴っていいよね?」

「かおっ!」

 ジャンプして顔を殴ってきた。

「よしスッキリした」

「いてて、それより俺は倒れて教会に転送されたみたいだがユラはもう廃鉱山から街に帰ってきたのか」

「走ってきたからね、ほら冒険者ギルドに行くよ依頼報告するから付き合って」



「緊急依頼が終了したって手紙がきてたから誰かが達成したと思ってたが…」

「それは私だよ、私にきた手紙には依頼達成されましたので冒険者ギルドにて報告をしてくれって書いてた。私が黒色の玉を破壊したからだね」

「確かに玉を破壊したのはユラだな」

「早く行こう私の300万が待ってる」

 冒険者ギルドにたどり着いたが緊急依頼前のようにプレイヤーはいなく、通常通りのようですんなりとギルド内に入れた。


「シズカさんはいないなー」

「ログアウトしたんじゃないのか?」

「そうかもねシズカさんに報告したかったけど仕方ないや」

 空いている窓口に向かうと窓口内にはマスターがいた。

「あっ筋肉マスター」

「ユラやめなさい」

「はははっ構わんぞ、それより今は廃鉱山カルイの魔物(モンスター)の大量発生を止めてくれた冒険者を待ってるんだ。」

 待つだけなら窓口なんかに座るなよ通りでこの窓口には人がいないんだな。

「私だよ」

「なに!?嬢ちゃんが?だったらギルドカードを見せてもらおうか、カードには記録が残るからな」

「はい」

 マスターはユラのカードを機械に差し込む。

「おぉ確かにカードには魔晶(ましょう)を破壊したと記録がある…そうか期待の新人とパーティー組んで行動してるのか」

 マスターは俺を見てくる、期待の新人って俺か?

「魔晶ってなに?私が壊した黒色の玉のこと?」



「そうだな…魔晶とは魔力が固まった結晶のことだよ、原理はまだわかってないんだがこの魔晶は魔物(モンスター)の力を増幅させる、力を増幅した魔物(モンスター)は知性を持つ個体もいるときく大量発生もほとんどが魔晶のせいだ。だが近頃魔晶の事件が増えてやがるな、なにか対策を…」

「質問しといて悪いけど報酬は?」

「おっと悪かったカードにG(ゴールド)を振り込んでおくぞ、そしてこれがスキルの書だ」

「ありがと!」

 ユラはスキルの書を受け取り笑顔になる。



「嬢ちゃん、ランクアップできるからしておいた今日からEランクだ」

「おっやった!レベルが上がってステータスが上昇したからだね」

「良かったなユラ」

「へへへ、あにぃにステータスでは追いつけないかもだけど嬉しいよ。あとマスター10万G(ゴールド)を私の預金からおろして」

「はいよ」

 マスターが機械を操作してユラの目の前に10万を置く。

「街を救ってくれてありがとう、魔晶をそのままにしてたらどうなっていたか、2人のことは俺から上に報告しておくからな」

「上に報告?」

 それに2人って俺もか?

「あにぃはやくースキル買いにいくよー少しでもスキル増やしてスキルの書で当たりのスキル引かなきゃ」

 いつの間にかユラはギルドの出口にいた。マスターの話聞いてないな。

  「はははっ、いいのかコウ。嬢ちゃんが待ってるぞ」

 マスターの話も気になるがギルドを出てしまったユラを追う。




「うーん、どれにするか」

 ユラについていくとスキルを販売するという露店商人の元だった。

「私はこれとこれ、それにこのスキルカードもお願いおじさん」

 スキルを販売するというよりスキルの情報が入ったカードを販売しているのがスキル売りのスタイルらしい。

 スキルカードは使用することによってスキルを覚えることが出来るというものだ。この露店に並ぶスキルカードは安いが低級なものでもっと強力なスキルカードはブランドを持つ店舗みたいな高級店にしかないらしい。露店に並ぶスキルカードは最低300G(ゴールド)からあり高いものでも10000G(ゴールド)は越えない。



「あにぃ決まった?」

「この剣職のスキル欄にある『(ソードスラッシュ)』と『ファイアーエッジ』は名前からして攻撃スキルみたいだからこれがいいかな。名前だけでどういうスキルかわからないのは不安だけど」

 スキル名はカードに記載されてるが内容がわからない。

「ちょっと待ってね、スキルカード使用」

 ユラは手にカードを出すとカードが光だして、カードはユラの手から消えた。

「うんうん、『ソードスラッシュ』はアクティブスキルで剣撃でできた衝撃波を一直線に放つ。レベルに応じて距離は伸びるみたい」

 俺の手にあるカードを見ていたユラ。



「なんでわかるんだ?どこにも書いてないよ。」

「えへへ、鑑定スキルを買ったんだよ。これである程度お店にある商品の内容がわかるよ。」

「おぉ便利なスキルだな、じゃあこっちは?」

 ファイアーエッジのカードをユラに手渡す。

「これはアクティブスキルで装備している剣に火の属性を付与するだね、効果時間もレベルに応じて上がるみたいだよ」

「ありがとう、とりあえずソードスラッシュだけ買うか。攻撃スキルもなしで剣をふるってるだけじゃだめだし」

「え、付与スキル買わないの?戦闘職には必要だと思うよ。ファイアーエッジだけじゃなくてここにウォーターエッジもあったから合わせて買っておこう」

「いいのか?」

「いいよ、G(ゴールド)はあにぃと私、2人のお金なんだから。おじさんこの3枚も買う」

「あいよ、4500G(ゴールド)頂くよ」

 ユラは買ってきたカードを俺に手渡した。



「さっき見せたでしょ使い方」

「あぁわかってる、スキルカード使用」

 手に持っていた3枚のカードが光り消えると、空中に『ソードスラッシュ』『ファイアーエッジ』『ウォーターエッジ』のスキル取得と表示された。

「私も買った残りのカードとスキルの書を使った、スキルの書で覚えたのは解体かー」

「解体?どんなスキルだ」

魔物(モンスター)を倒した時のドロップするアイテムが増加するみたい。鍛冶レベルを上げたい私には便利なスキルだから当たりかな。さぁあにぃスキルも増えたから次はなんの依頼を受けようかな?」

「あまりゲームをやりすぎると親父に怒られそうだ、今日はここまでにしないか?」

「むーレベルも上がったし高いレベルの依頼も受けられるのに、まだまだやりたいこともあるんだよ」

「明日もあるだろ?」

「それは明日も一緒にしてくれるってことだねあにぃも休みだし」

「あっ…


 わかったよ」

 よく俺の休みを把握してるな、たまに土曜でも出勤してるってのに

「わーい約束だよ!」

「じゃあログアウトな」

「うん」

『『ログアウト』』




 手に伝わる感触はリビングに敷いている絨毯、ヘッドギアを外すと目の前にユラの顔がある。

「よーおつか…れ?ぐふぉ!」

 いきなりユラは俺の腹にボディプレスをかましてきた。

「ユラ、ゲームじゃないんだぞ…超いてぇ」

「楽しかった!」

「えっ?」

「楽しかったあにぃ!また明日、約束だもんね!」

 俺は笑顔のユラの髪を撫でる。

「あぁまた明日な」

「うん!お風呂入ってくる」

「ご飯用意しておくからな、身体は冷やさないようにちゃんと拭けよ」

「はーい」

「さてと…」

 片付けをさせれば良かった。

 目の前に拡がる段ボールの片付けが先だな。

















 コウ:人族Lv21

 職業:剣聖(ソードマスター)Lv3:聖職者(クレリック)Lv2:冒険者Lv15

 HP:9220

 MP:3430

 STR:469

 INT:333

 VIT:436

 AGI:459

 DEX:342

 LUC:784

 スキル:光の剣Lv1(2/100)、聖なる光Lv1(1/100)、剣匠Lv1(8/100)神速Lv1(8/100)ヒールLv1(2/10)キュールLv1(2/10)瞑想Lv1(7/10)ソードスラッシュLv1(1/10)ファイアーエッジLv1(1/10)ウォーターエッジLv1(1/10)

 称号:創造の女神リアルの加護

 装備

 頭:

 右手:ロングソード

 左手:

 上半身:駆け出し冒険者の服

 下半身:駆け出し冒険者のズボン

 足:シューズ

 装飾品:羽飾り

 装飾品:

 所持金980G


 ソードスラッシュ:アクティブスキル、剣撃の衝撃波により遠隔まで攻撃可能。レベルに応じて距離は伸びる。

 ファイアーエッジ:アクティブスキル、剣に火属性を付与する。レベルに応じて持続時間は伸びる。

 ウォーターエッジ:アクティブスキル、剣に水属性を付与する。レベルに応じて持続時間は伸びる。







 ユラ:ドワーフ族Lv23

 職業:駆け出し魔法使いLv16:商人Lv11:冒険者Lv16

 HP:2380

 MP:1920

 STR:93

 INT:182

 VIT:94

 AGI:156

 DEX:107

 LUC:99

 スキル:ファイアーボールLv6(3/10)、ウォールLv1(7/10)、瞑想Lv5(3/10)、ヒールLv1(1/10)商品配送Lv5(6/10)目利きLv3(2/10)商人の資質Lv6(6/10)鍛冶Lv11(3/10)鑑定Lv1(2/10)生産強化Lv1(1/10)フライLv1(1/10)解体Lv1(1/10)

 称号:

 装備

 頭:

 右手:魔法使いの腕輪

 左手:火伝の指輪

 上半身:魔法使いのマント

 下半身:魔法使いのスカート

 足:シューズ

 装飾品:羽飾り

 装飾品:商人バッチ

 所持金103016G




 鑑定:記載されていないアイテム情報を知ることができる。

 生産強化:生産系スキルの成功率が上がる。

 フライ:効果時間の間、宙に浮くことができる。レベルに応じて効果時間、飛翔距離が伸びる。

 解体:魔物(モンスター)からのドロップ数が増加。

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