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ゲーム開始

 










「あにぃどうしたの?」

「いや何でもない、それより呼び方どうにかならないか?お兄ちゃんって言ってみ。」

「無理。あにぃはあにぃ。」


 俺は北原(きたはら)(こう)、会社帰りに最寄り駅で一緒になった小学6年の妹のユラの肩先までかかっている白髪を撫でる、ユラは色白もあいまって垂れ目の目からは気だるさを感じる子だが頬を赤く染めていることからユラが高いテンションだと俺はわかっていた。



「そんなに楽しみなのか?」

「うん。」

 ユラが高いテンションの理由、それはVRMMOゲームのハードが家に届く日だからだ。


 ユラ曰く今日家に届くVRMMOは仮想現実大規模多人数オンラインの略称で仮想世界でインターネットを介して他プレイヤーと共に冒険が出来るというゲームらしい。

 このVRMMOは世界同時発売され1番の魅力は言語変換機能が付いており、その注目度は歴代のゲームハード機の予約台数1位と連日テレビのニュースで見ていた。




「ただいまーパパーゲーム!」

「手洗いうがいを忘れるなよー」

「はーい」

 一戸建ての家に帰ってくるとユラは真っ先に靴を脱ぎリビングに向かってしまったので注意するとランドセルはリビングに置いてきたようでパタパタスリッパの音を響かせ洗面所に向かって行った。

 俺は階段を上がり自分の部屋で暑苦しいスーツを脱ぎ捨て部屋着に着替える。

「この家で住み始めてもう2年か」

 父と2人暮らしのマンション生活が父の再婚により新しい母親ができ、新しい妹ができた。

 ユラは俺と血の繋がった妹というわけではない。父の再婚当時、俺は22で就職も決まり大学卒業を控えていた、父の再婚には賛成していた俺は男手1つで俺を育ててくれた父の新しい生活の邪魔にならないように卒業後1人暮らしだと考えていたんだが、父の再婚相手にはユラがいた。一戸建てを購入した父、新しい母親は働いていくつもりだと言うし、ユラの面倒がみれない時があると言うので俺は残ることに。

 嬉しいことにいかつい目鼻立ちの俺とは違いかわいいユラは俺をあにぃと呼び慕ってくれるので新しい母親、新しい妹と共に楽しい日々を過ごせるのも悪くはない。


 階段を降りてリビングに入ると手洗いうがいを終えたらしいユラがテーブルの上にある置き手紙を読んでいた。

「あにぃこれ」

「ん?」

 ユラが手紙を読むように促してきた。


『親愛なる我が子達へ

 パパとママはデートしてくる、ユラちゃんとの約束通りゲームは買ってあります、ただこのゲームはちょっと小さい子には刺激が強いとのこと、パパはゲームのことはさっぱりわからないからゲーム機を2台買っておきました(すごく高かった(T-T))。このゲームを始めるにあたってルールを2つ、ユラちゃんはコウと一緒じゃないとゲームをしちゃいけません、それとユラちゃんは今度私とデートすること(^3^)/チュ』

 俺は読み終えると手紙を破り捨てる。


「あにぃ」

 ユラは俺をキラキラ光る目で見てくる。

「俺もゲームなんて中学以来してないんだが…」

「大丈夫!私が教えるからあにぃも一緒にしてね」

 ユラは手を合わせてお願いポーズを作る

「うーんわかったよ、でもまずはユラ宿題を終わらせなさい明日から土日だから宿題は多いだろ」

「もう学校で終わらせてきた」

 ピースサインを作りゲーム機が入っているであろう段ボール箱を開け始めるユラ。

 仕事で疲れている体に鞭を打ちユラの手伝いをする。

 段ボールから出てきたのは、ヘッドギアと呼ばれるゴーグルのついた頭に装着する物のみであった。



「あれ?ゲーム機が入ってないな」

「あにぃこれがゲーム機だからいいんだよ、これを着けるとまずはキャラ作りからだよ。着けたら右耳部分を押すだけだからね。早く始めよ」

「あ、あぁ」

 ユラがソファーに座りヘッドギアを装着して右耳のボタンを押す、するとゴーグルがキラッと光った。

「おーい、ユラ」

 呼び掛けて見るがユラからの応答はない。

「なんだよこれ?大丈夫なのか?」

 仮想現実の世界って言ってたよな、もしかして意識がゲームの世界に持っていかれるのかよ?

「考えてても仕方ないなユラも待ってるだろうし」

 俺はヘッドギアを装着してボタンを押す、すると真っ白な世界が続く場所に俺は立っていた。


「ここは?」

『初めまして、ようこそ剣と魔法の世界、リアルファンタジーワールドの世界へ』

「うぉ!誰?」

 突然聴こえてきた女性の声に驚き周りを見渡してみるが誰もいない。

 ゲームの世界かじゃあなんで俺はさっきまで着ていた普段着なんだよ。

『音声だけで失礼します、私はこのゲームの案内人、名をリアルと申します、新しく来たプレイヤー様まずはあなたのキャラクターを作って行きましょう。

 まずはあなたの目の前にあるMENUボタンを押すか、MENUが開くようにと心で念じてMENUを開いてみて下さい。』

 気づかなかったが俺の目の前にMENUという文字が空中に浮かんでおり頭の上には…………と浮かんでいる表記がある。

 俺は音声に従い恐る恐るMENUの文字を指で押してみるとプレイヤーキャラクター作成という文字がMENUの文字の右横に出てきた。

『お次はプレイヤーキャラクター作成を押すか、心で念じて開いてみて下さい』

 次に俺はプレイヤーキャラクター作成開けと心で念じて見ると種族選択という文字が出て来て俺の廻りには、犬人、猫人、海人、魔人、鳥人、魚人、龍人、魔物、狸人、人、エルフ、ドワーフ、蛇人、読みきれないほどのたくさんの文字が出て来て俺を囲んでいる。というより文字が頭のはるか上にもあり読めないと考えていたら文字が下に向かってスクロールしだして足下に文字が消えていく。

『これらの中からお好きな種族をお選びください』

 魔物なんて選ぶ奴いるのかよと考えていると音声が聴こえた。

「選べって言ってもなー」

『1度適当な種族にタッチしてみて下さい、ワンタッチでは種族確定にはなりませんのでご安心を。』

 俺は目の前に来ていたエルフにタッチしてみると、

 エルフ

 長命種であるエルフは知能に加えて俊敏性に優れている。

 基本、力が弱く体格も低いため装備が限られる場合がある。


 なるほどその種族に対する説明が出るのか、説明文の下に進むと戻ると女性という文字が表示されていたので戻るを選択した。


「性別も選べるのかよ、うーんでも、どれを選べばいいかわからないなー。何百あるかわからない種族1つ1つ見るのも面倒だし、能力が平均的なのが解ればそれでいいんだが。」

『平均的な能力持ちは(ヒト)種でございます。』

「おっありがと、じゃあ人で。」

 俺は人と念じると人の説明が出てきた。

 人

 能力は全て平均的に伸びていく。

 リアルファンタジーワールドでもっとも人口が多い種族。


 うんこれでいい俺は進むを押す。

 すると次は髪型、髪色、目、鼻、口、輪郭、身長、体型、進むという文字がプレイヤーキャラクター作成の文字の下に出てきた。

 試しに身長という文字を心で念じて開くと165から上と下と1センチずつ表記が出た。

 試しに自分の身長より5センチ高い176センチを押してみると自分の身長が高くなった。

「おぉすげー」

『どうですか?まずは自分の分身である体を作りましょう、ですが人種を選んだ場合、すでにヘッドギアの読み取りにより現実の体のパーツは再現できておりますのでそこから新しい自分を創りたい人のためのページになります。』

 新しい自分か、んー面倒だな。

 でも髪色か…俺は髪色を選択して白を選び進むを押す。


 今度は職業選択と文字が表示され種族の時と同じように文字が俺を取り囲む。

『この中からリアルファンタジーワールドでのあなたの職業を選んでください、最初に職業は2個選択出来ます。それ以外の選ばなかった職業はリアルファンタジーワールド内でも取得可能です。』

 浮かんでいる職業には駆け出し剣士や駆け出し魔法使い、駆け出し槍使い、昔やったことあるMMORPGで見かけた職業も並んでいたが、他には駆け出し博打打ちや駆け出し女好き、駆け出し奴隷という物まであった。

 おいおい俺の妹もこのゲームに参加するっていうのに変な職業はやめてくれ。

『ここにある職業は一次職となります、一次職とは一定のレベルに達しますと二次職へのランクアップが出来ます、二次職とは一次職より格段にステータスがアップ致します。三次、四次と続いていきますので目指せ職業ランクアップです』

「四次職で打ち止め?」

『それはご自分でお確かめ下さい』

 全て教えてはくれないってことか。

 しかし困った、ユラはどの職業を選ぶんだろうか?

 とりあえず1人でも行動可能のために攻撃系の職業とユラと行動できるように支援系の職業を選ぶべきか。

 俺は職業の文字を眺めているとある文字が見えた。

「剣聖?」

 剣聖(ソードマスター)

 剣技を極めたものが到達できる職業。

 STR、INT、VIT、AGI、DEX、ステータス10倍補正

 職業固定スキル:光の剣Lv1(1/100)、聖なる光Lv1(1/100)、剣匠Lv1(1/100)、神速Lv1(1/100)

 戻る、職業確定。

 俺が呟くと説明画面が出た。

 極めたもの?why?一次職のはずだが。

『おめでとうございます!剣聖は五次職業になります。スクロールしていく職業は一次職業はループして無限に出現しますがレア職業は1度足下に消えてしまいましたら2度と出てきません。プレイヤー様!おめでとうございます!』

「まじでか?」

『マジです。』

 俺は速攻確定ボタンを押した。

「てことは他にも…」

『残念、剣聖の説明を読んでいる間にレア職業はすでに足下へと消失致しました。』

「まじでか?」

『マジです。』

 レア職業のチャンスがあったのにそれを無くすとすごく落ち込む。

 そういえばスキルって説明に書いてあったがよく読んでなかった。

 改めて剣聖と念じてみる。

 剣聖(ソードマスター)

 剣技を極めたものが到達できる職業。

 STR、INT、VIT、AGI、DEX、ステータス10倍補正

 職業固定スキル:光の剣Lv1(1/100)、聖なる光Lv1(1/100)、剣匠Lv1(1/100)、神速Lv1(1/100)


 光の剣ってどんなスキルだ?

 光の剣:アクティブスキル、剣を装備時にのみ一時的にVITが30%低下しSTRとAGIが30%上昇、消費MP1500

 光の剣の文字を押してみると説明が出てくれた。

 次々とスキルの説明を開いてみる。

 聖なる光:パッシブスキル、剣を装備時のみ闇属性に対してSTRとINTが10%上昇

 剣匠:パッシブスキル、剣を装備時のみSTRが20%上昇

 神速:パッシブスキル、剣を装備時のみAGIが20%上昇

 おぉさすがレア職業、いいスキルばかりだ…だがステータスが上がるだけで攻撃スキルがない。

「この剣聖って職業攻撃スキルがないんだけど。」

『はい、一次職二次職三次職四次職全てをショートカットしていますので順番に取れる固定スキルもショートカットです!』

 外れだこれ。

『ただリアルファンタジーワールド内での通貨G=ゴールドを消費して自分の職業より下のスキルを取得することは可能でございます。』

 なるほど…

「あとこのLvってのは何?」

『スキルのレベルになりますスキルはレベルに応じて強化されていきます。スキルを使えば使うほど熟練度が上昇しレベルアップします。』

「ありがとう。」

 この職業のおかげで戦闘面は問題ないはず、後は支援系の職業かな。

 もう一度乱立する職業の文字を目で追っていき聖職者の文字を押してみる。

 聖職者(クレリック)

 神に仕える者、回復系のスキルを得意としている。

 INT×2%上昇

 職業固定スキル:ヒールLv1(1/10)キュールLv1(1/10)瞑想Lv1(1/10)

 戻る、確定して次に進む。

 ヒールの文字を押してみる。

 ヒール:INT×10%分のHP(体力)を回復する。消費MP10

 キュール:状態異常を回復する。消費MP15

 瞑想:MPの自然回復上昇、INT×3%ずつ


 ふむ、回復系の定番みたいだしこれでいいか。

 確定のボタンを押すと長細い枠が目の前に出てきた。

『それではプレイヤー様の名前を入力してください』

 名前か…別にありふれた名前だし本名でいいよな。


 コウ


『名前もお決まりになったようですね、これがあなたの初期ステータスになります。』


 コウ:人族Lv1

 職業:剣聖(ソードマスター)Lv1:聖職者(クレリック)Lv1

 HP:6820

 MP:2500

 STR:302

 INT:240

 VIT:316

 AGI:340

 DEX:212

 LUC:700

 スキル:光の剣Lv1(1/100)、聖なる光Lv1(1/100)、剣匠Lv1(1/100)、神速Lv1(1/100)ヒールLv1(1/10)キュールLv1(1/10)瞑想Lv1(1/10)

 称号:創造の女神リアルの加護

 装備:

 頭:

 右手:

 左手:

 上半身:駆け出し冒険者の服

 下半身:駆け出し冒険者のズボン

 足:シューズ

 装飾品:

 装飾品:


 一瞬にして俺の服は着せ変えられた。

 ん?称号ってなんだ?

「あの称号ってあるんだけど。これは?」

『私の加護となります。キャラクター作成中に私に対して感謝を忘れなかったプレイヤー様達には加護を与えております。』

「へっ?」

『私はこのリアルファンタジーワールド案内人であり11人の女神の1人であり創造の女神リアルです。言ってしまえば私がルールです』

 音声だけで姿は見えないのにリアルがドヤッと胸を張っているのが想像できる。

 創造の女神リアルの加護

 礼儀を尽くしたプレイヤーに与えられる称号。

 LUCステータス10倍補正。

 リアルの神殿にて神に関連する職業であれば神託を受けることが出来る。

「結構使える称号みたいだな。」

『称号はリアルファンタジーワールド内にてプレイヤー様の行動により付与されるものです。

 これでキャラクター作成終了となります、プレイヤー様これよりリアルファンタジーワールドの世界をお楽しみください!』

 目映い光と共に羽を背にした美女が俺の前に現れ、消えたと思ったら俺はいつの間にか森の中に立っていた。


 始まりの地:ポルダの森

 ユラもいないためどう行動するか悩んでいたが目の前にちらついていたMENUを開いてみると現在地の地名が出てきた。

 森の香り、鳥のさえずりを現実のように感じる。

 俺の頭上にはコウと緑色で俺の名前が浮かんでいる。

 MENUを開くと

 ステータス

 アイテムバック

 コミュニティ

 ログアウト

始まりの地:ポルダの森と文字が空中に浮かぶ。

 ステータスを開くと

 コウ:人族Lv1

 職業:剣聖(ソードマスター)Lv1:聖職者(クレリック)Lv1

 HP:6820

 MP:2500

 STR:302

 INT:240

 VIT:316

 AGI:340

 DEX:212

 LUC:700

 スキル:光の剣Lv1(1/100)、聖なる光Lv1(1/100)、剣匠Lv1(1/100)、神速Lv1(1/100)ヒールLv1(1/10)キュールLv1(1/10)瞑想Lv1(1/10)

 称号:創造の女神リアルの加護

 装備:

 頭:

 右手:

 左手:

 上半身:駆け出し冒険者の服

 下半身:駆け出し冒険者のズボン

 足:シューズ

 装飾品:

 装飾品:

 所持金10000G

 先程みたステータスが出てきた。

 次にアイテムバックを開くと

 4/50の表記と共にショートソードという物があるようだ。

 ショートソード:STR+21

 装備する。

 装備するを押すと目の前の空中に剣が出て来てそのまま地面に突き刺さる。


 剣を地面から抜き軽く振ってみて重さを確かめる。

「初期装備みたいなものか。」

 残りは…

 駆け出し冒険者の服:

 駆け出し冒険者のズボン:

 シューズ:

 能力がないみたいで空欄だった。

 森の茂みがガサガサと音を立てると茂みから何かが飛び出してきた。


 コロコロ:Lv1、━━━

 丸いビー玉が大きくなったような手足のない物体が俺の前にいる。

 名前とレベルが赤で表現されているからおそらく敵キャラなんだろう。レベルの隣にある線はおそらくHPバー。

 俺はショートソードを振るってコロコロに攻撃するとキューと声をあげてEXP+20と丸石×3をドロップと表示が出てコロコロは消滅した。

「一撃か、初期の敵だろうしこんなものかな?次のレベルまでの経験値がわからないが。」

 俺はもう一度アイテムバックを開くと5/50の表記になり丸石×3が入っていた。

 なるほど自分でドロップを拾わなくてもアイテムバックに自動で入るのか。



 いつまでもじっとしているわけにもいかないので1番広い道を選び歩いて進むというより他の道は見えない壁があり進むことが出来ないようだったからだ。

その間にコロコロとツリーモドキという木の魔物を何体か倒していたら人族レベルが2に上がり少しだけステータスが上昇した。


「~~~」

 人の声が聴こえてきたのでその方角に進むと頭に羽の装飾品を着け顔には形は様々だが黒の化粧か入れ墨をした民族が10人程いた。

 メインシナリオ解放:NPCから操作法を学ぼう。

 という文字が表示された。

「こんにちは、あなたは冒険者?」

 1人の女性が俺に話しかけてきた。

「えっこんにちは、冒険者?なのかな?一応。」

「私はこのキャラバン所属のミーナです。あなたは初めて見かける顔ね、ここは魔物も出る危険な森です。何かお困りのことがあれば私に何でも聞いてください。」

 NPCのお助けキャラか?

「じゃあスキルってどうやって使用出来るんですか?」


「スキルはアクティブスキルとパッシブスキルに別れます。

アクティブスキルはMENUを開く時と同じように心で念じれば発動出来ます、ただMPを消費しますのでMPが必要量に達してなければスキルは発動しません。

パッシブスキルは条件を満たしていれば常に発動状態でMP消費はありません。」

「ほうほう、心で念じる。」

 俺は光の剣を使って見るとMPが消費され、残り時間5分と表示されてカウントが減っていく。

「ミーナさん、プレイヤーがいる所って知ってます?」

「この道沿いに1キロ程で始まりの街ポルダがあります」

「ありがとう、とりあえず聞きたいことはもうないです」

「そうですか、あなたの冒険に女神の加護がありますように」

 ミーナさんは俺にそう言って自分の仲間の所に戻った。

 いやもうリアルの加護があるんだけど。

 メインシナリオ:操作法を学ぼうクリア!

 報酬:EXP+1500、装飾品:羽飾り

 メインシナリオをクリアしたという文字が表示された。

 人種のレベルが4まで上がる。

 羽飾りを確認してみる。

 羽飾り:AGI+3、DEX+3

 装備する

 とりあえず羽飾りを装備すると右頭部に刺さったように羽飾りが装備された。


 始まりの町ポルダを目指して道沿いに歩いていくと開いている大きな門があり槍を持った身長2メートルは軽く越えてガッチリした体格の男が2人門の前で立っていた。

 2メートルの男を遥かに越える門の大きさ、そして門を中心に白いブロック壁が連なっている。

 男たちは近づいている俺に対して見向きもせずただ前を見据えて立っているだけのようで俺は門をくぐり街に入る。

 始まりの町ポルダ

 門をくぐると一瞬文字が空中に表示され消えた。



 始まりの街ポルダ

 壁が高いため壁の周辺は日陰になると思っていたこの街だが、太陽が真上にありガヤガヤと人の声が聞こえてくることから明るい印象を感じる。

門の目の前の人通りの多い通りに目を向けると、あちこちに屋台があり味覚をそそる匂いをたちこめる煙が上がっている。

…3階建てくらいの建物が建ち並び、通りの奥には教会だろうか十字架を象ったマークが付いている建物は、周りの建物より一際大きな物で存在感が際立っていた。

時刻を知らせるための時計台も教会の隣にあり負けじと存在感を放つ。



「あにぃ!」

 これからどうしたものかと思案していると杖を持ったユラが俺のもとに駆け寄ってきた。

「あにぃ遅かった」

「悪かったそれよりユラ縮んでないか?」

「うんそうかも私はドワーフ族を選んで身長を140に設定したから」

「えっ?ドワーフ族って何?」

「固定スキルに鍛冶がつく種族だよ、ほら耳が少し丸くなってるのもドワーフを選んだからだよ。外見をいじってないけど耳だけこうなっちゃった。

 それよりあにぃ白髪?何の種族を選んだの?」

「俺は人種だ、髪はユラと一緒にといじってみた。」

「…」

 ユラが何か言いたそうな顔をして俺をじっと見てきた。

「なんだ?俺なにか間違った。」

「あにぃ人種は固定スキルを持たない平凡種族だよ、人気もない種族なんだから、…オソロイハウレシイケド」

「えっそうなのか?後半何て言ったの?」

「何でもないよ。それよりあにぃ私とギルドを創ろう」

「ギルドって昔やったことあるMMOで一応所属してたけど、ユラと2人だけでか?」

「ギルドに入っておけばギルドルームって機能が使えるから便利なんだよ。あにぃがMENUからコミュニティを開いてみて」

「わかった」

 ユラに言われるがままコミュニティを開くとギルドの文字が浮かんだ。

「ギルドから設立を選んでね」

 ギルドから設立を選ぶとギルド名を決めるようにとアイコンが出る。

「ユラ、ギルド名はどうする?」

「もう決めてるんだ、NEW(ニュー) WORLD(ワールド)私とあにぃの新しい世界の始まりだよ」

 ユラは両手を拡げながら体を回転させジャンプした。

 俺はNEW WORLDと入力した画面を見つめながら指を動かし決定を押した。











コウ:人族Lv4

 職業:剣聖(ソードマスター)Lv1:聖職者(クレリック)Lv1

 HP:6700

 MP:2580

 STR:310

 INT:248

 VIT:324

 AGI:348

 DEX:220

 LUC:708

 スキル:光の剣Lv1(1/100)、聖なる光Lv1(1/100)、剣匠Lv1(2/100)、神速Lv1(2/100)ヒールLv1(1/10)キュールLv1(1/10)瞑想Lv1(2/10)

 称号:創造の女神リアルの加護

 装備:

 頭:

 右手:ショートソード

 左手:

 上半身:駆け出し冒険者の服

 下半身:駆け出し冒険者のズボン

 足:シューズ

 装飾品:羽飾り

 装飾品:

 所持金10000G

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