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異世界連邦の売れっ子作家  作者: 東雲青橙
序章
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第2話 目覚めるとそこは異世界

 コールドスリープから目覚め久しぶりに瞼をあげた。不思議なことにカプセルに入っているはずなのに見知らぬ草原の上で寝転がっていた。


「ここはどこなんだ?カプセルから放り出されて長い夢を見ていただけなのか」


 困惑しているハルトの手に先ほど眠りの中でイヴからもらった募集要項と羊皮紙の手紙が握られていた。羊皮紙は初めて見るもので、手紙を読むと


“高峰ハルト様おはようございます、長旅お疲れ様です。お目覚めはいかがですか?この世界はあなたのいた世界から2000年後の世界です。前方の大木は神樹ユグドラシルです。神々と人間と悪魔が最も共存する国ユグドラはその神樹の根本に栄えました。そこを目指せば異世界連邦がある首都に着きます。あなたと会える日を楽しみにしています。 イヴ”


 イヴは本当に存在し、異世界に来ることができた。


 ハルトはとても興奮した。普通なら全く知らない世界に来たら怖くて仕方ないけれど、ここが望む世界そのものだと直感していた。


 この世界が異世界である証拠として遠くからでもわかるくらい、とてつもなく大きな木が立っていた。この木こそがユグドラシルらしい。


 ユグドラシルは本当に大きい、木は空の一部を覆っているほどに、とにかくここから歩いて行くしかない、そう遠くもないはずだろう。


 目的は異世界連邦で面接を受けることだった、そして神様に出会うこと。イヴからもらった募集要項の裏面を見ることにした。


 紙を裏返すと見たことのない文字がびっしりと書かれていた。


「なんだこれ?これじゃあユグドラに着いても面接の場所や時間がさっぱりわからない。」


 なにやらアルファベットに似た文字だが全くそれとは違う、ハルトは要項を見ながら難しい顔をしていると後ろから


「それはルーン文字だねッ、オイラにんじん見るの初めて、にんじんって変な服着てるんだね」


 後ろを振り向くと妖精のような生き物が小さな羽根を使って飛んでいた。


 ハルトは初めて見る妖精に興味津々で興奮気味に話しかけてしまった。


「君はこの世界の住人かい?この文字が読めるの?君は神様にあったことがあるの?なんで僕をにんじんって呼ぶのかい?」


 勢いあまって質問攻めになる。


「にんじん落ち着いて、まずはジコショーカイから!オイラは妖精族のニッピっていうんだ!好きな食べ物はチーズとビスケット!にんじんはにんじんだよ、オイラはまじんなんだ、強そうだろッ」


 ニッピは小さな胸を張った。どうやらこの世界では人間をにんじんと呼ぶらしい、2000年も経ったから言葉が変わったんだろう


「初めまして、僕は高峯ハルト、今から2000年前の時代からコールドスリープでここに来たんだ。夢は神様に会うこと、ニッピよろしくね」


 ハルトが話終えるとニッピはとても驚いた顔をした。


「君ってまさか勇者なのかい?オイラおったまげたよ!!まさか本当にキミがそうだなんて、それならオイラはハルトについていくよダメっていっても!!」


 ニッピは先ほどのハルトよりも興奮していた。


「ニッピ少し落ち着いて、本当に僕なんかが勇者なのかい?」


「オイラは子供のときから勇者と旅をすることが夢なんだ!オイラはそんなに強くないけど、2000年過ごしたにんじんは勇者で、とっても強いんだ!」


 ニッピは目をキラキラと輝かせながらハルトを見つめた


「僕が勇者なのはちょっと信じられないけれど、そんなに強くなったのかな?」


「ハルト自体はフツウのにんじんと同じ強さだよ。オイラくわしくはわからないけど、勇者のことは街にいる長老が知っているはずだからオイラの街にいこう!」


 ハルトは自分が勇者だとして妖精の長老に会いに、ニッピの住む妖精の街に向かうと、ユグドラでの面接に間に合わないのではないかと心配した。


「実は僕、あの木の根本にあるユグドラに用事があるんだ。このルーンでかかれた紙もそのためのもので、あまり遠回りはできないんだ」


「大丈夫だよ、オイラの住む街はユグドラに向かう途中だから。長老はとてもモノシリだからルーン文字も読めるはずだよ」


「そうだね、この世界も初めてで妖精の街に行ってみたいし、ニッピの言う通りにしてみるか」


「そうこなくっちゃ」  

 

 ルーン文字が読めないとユグドラでの面接の場所と時間がわからないので、とりあえずハルトはニッピの住む妖精の街へと歩きだした。

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