ただの散文
嘘だったらいいのに、なんて思ってる。
どうしようもない事実がある。
ちっぽけな僕には身動きすら取れなくて
大きな波に飲み込まれたが如く
力がなくなっていくような感覚に苛まれる。
視界に映る景色は
まるで最初からそうであったかのように
なにもかもすべてが
すごくつまらないものになってしまった。
ご飯も音楽も空も
大好きだったものすべてが色褪せた。
不完全ながらカラフルだった日常は
永遠性をもって単なる過去となり
もう戻っては来ないのだ。
こんなに苦しいなんて思ってもみなかった。
僕は勘違いをしていた大莫迦者だ。
僕が意味づけた世界はあっさりと姿を変えた。
理由などない。運命でもない。
ただそうなったというだけの話だ。
言葉を紡ぐことで
必死に自分を繋ぎとめることしかできない。
神さまなどいないのだから
責任を押しつけようとするのはやめておこう。
誰も悪くないのだ。
ただタイミングが狂っただけ。
そんなことわかりきっているさ。
こうやってゆっくりと文字を連ねることが
僕にとっての精神安定剤の役割を果たしている。
可能性があることをわかっていたはずなのに
突きつけられた現実は
衝撃となってこころを乱してきた。
ニーチェは言った。神は死んだと。
そうじゃない。神は殺されたのだ。
ヴィトゲンシュタインは言った。
語りえぬものについては
沈黙しなければならない、と。
違うよ。沈黙するしかないんだ。
僕は言った。
ありきたりな言葉はそれだけ
多くの人のこころに響いたものだ、と。
でもそうじゃないかもね。
果てしなく遠い宇宙の先に
思いを馳せたことなどない。
僕にあったのは映像によってすり込まれた
複合的なイメージでしかない。
旅に出た人たちは誰も帰ってはこなかった。
そうやって世界は回っているのだと
ひどく冷たい声で言っていたのは誰だったろう。
少しずつでいい。僕は僕程度の人間だ。
周りが途轍もないスピードで変化して
独り取り残されても
またそれは僕の人生なのだろう。
遠くから聞こえてくる雑音は
なんて素晴らしいものだろうか。
卑屈になるな。
そう言っていた人もいたっけ。
ほとんどなにも得るものがない日でも
まったくなにもないわけじゃない。
繰り返す無意味な言葉に
意味を持たせてやれないだろうか、なんて
余計なおせっかいなんだろうな。
砕けたこころは
新品と交換することはできなくて
自分探しの旅なんてだいたい日帰りで
自分ばっかり大事に思っているの。
本当に大切なものってなんだろう。
価値観と理性が喧嘩しているのを
ぼうっと眺めているけれど
答えなんてないんだよ?って言ったら
彼らに、そんな結論求めてないんだ
って怒られちゃった。
さて、現実逃避はここまでにしよう。
少し楽になった気がする。
気のせいじゃないといいな。
爆音の洗礼を受けたあの日以来
僕たちは変わってしまった。
それはそうなったというだけのこと。
良いとか悪いとかじゃないんだよね?
わかってるよ。
こうして僕は筆を置く。




