第80-1話:挿入話
集合時間ぎりぎりで間に合った。
まあ、自分の部屋から降りるだけだが性格上遅れたくない。
15分前集合の俺がどうしてぎりぎりになったかは1時間ほど前に遡る。
―――1時間前―――
「主よ、聞いてくれ。」
ドタドタっと音と共にメルカバが勢い良くドアを開ける。
「どうした急いで。」
「レベルが上がり新しい職業が手に入った。」
「ほう、新ジョブかどんな能力だ。」
「最近マスターした鎖武器を扱う職業『鎖使い』だ。」
鎖使い:鎖や棘付鎖を使い敵を攻撃するジョブ。
レベルが上がると鎖の音で敵に恐怖を与える事も出来るとか。
「頑張ってたもんな、良かったな。」
「ああ、主のおかげだ。」
「後で武器の扱いを見せてくれ。」
「分かった。」
ひゅんひゅんと部屋の中で鎖を振り回しだす、誰がこの部屋でやれと言った危ない。
かなりの速度で回しているが何処にも当たると事は無かったことを付け加える、そしてその鎖の舞は美しかった。
「きゃ、ちょっと危ないじゃない。」
開け放たれたドアの向こうで青い髪の少女が文句を言っている、ボニーだ。
「どうした。」
「えっと、新しいジョブを手に入れたので報告をと思って。」
「凄いな、メルカバもボニーも。」
「え、メルカバも。」
キッと一瞬メルカバを睨むが直ぐに顔を崩す。
「メルカバおめでとう。」
「ボニーありがとう、私はお前が夜遅くまで何かしているのを知っているぞ。私もその姿で勇気付けられた。」
お互いを認めているようだ、そして、ライバル心を持っているようだ。
ぜひ切磋琢磨にお互いを高めて欲しいところだ。
「所でどんなジョブを手に入れたんだ。」
「へへ、『次元の鍵師』よ、ほら次元の鍵のブランクキーが作成できるようになったの。」
じゃらっと鍵束を見せる。
「旅の扉を開けるのか。」
「旅の扉を開く鍵は作れるわ。ただ、安定器が無いと旅の扉を固定できないの次はそれを作るわ。」
旅の扉は、潮の満ち引きや星の配列で消えたり移動するようで固定するには安定器が必要らしい。
安定器は高価なようだが、数個作れればあとは俺が増やせばいい。
「3人で祝杯を挙げなきゃならないな。」
「「3人?」」
「ああ、俺も『エンチャンター』のジョブを手に入れた。」
「「主よ」「リクさん」おめでとう。」
壁掛け時計が鳴る、集合時間が迫っているのに気が付いた。
秘蔵の酒でささやかなお祝いをしていたら時間が押してしまったのだ。
「やばい、メルカバ、ボニーこの部屋のアイテムを運んでくれ。」
「「はい。」」
バタバタとアイテムを運んで急いで集合場所に向かった。




