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第76話:新職業選択

 今日からバード領跡地での活動だ。

 小人薬を使用して次元リングを越える、どんなに距離があっても一瞬でいけるので便利だ、ただ、魔法薬を使用する必要があるのでランニングコストがかかる。

 もう1つの問題は、


「お尻が大きいと向こうに行けないんだよな。」

「「な!!違います。」」


 俺の独り言に激しく反応する2人、ボニーとビッキーだった。

 お尻が引っ掛かり通ることが出来なかった2人は追加で滑材を塗ってテカテカになっている下半身を拭いている最中だった。

 ビッキーの俺はお尻を押して弾力を堪能したので文句は無いのだが、ちなみにボニーはビッキーが押した。


「そんな事はどうでもいいが、これから少しの間この地点を整備する。」

「「どうでもよくないです。」」


 ハモル2人の意見を無視して堀と土塁の位置を棒で地面に印す。

 ビッキーは『創造の竪琴』を使用して堀と土塁を作った。

 ボニーは魔法の絵の具を受取り、石作りの家と土塁に鋼鉄の門を書いた。


 1時間もすると立派な砦ができていた。

 魔物の襲撃があると思ったが問題なく作業は終わった。


 メルカバ以外のパーティメンバーをフル出動させているが必要なかった。


「じゃあ、キャッシーはブルワリーと残ってここの整備を頼んだ。」


 猫背の商人ブルワリーは何時もの数倍の速さで手もみをしながら「頑張ります。」と言う。

 今度会うときに、こいつの手のが擦れて無くなってるんじゃないかと思うほどだ。


「俺達はここの防衛で良いのか。」


 クリームとレンジャーズには共に領地が整備されるまで護衛を依頼していた。

 もし魔物に囲まれても土塁の上から射撃すれば相当数の魔物でも倒せるだろう。


「ある程度の整備が終わるまでお願いします、防衛不能なら次元リングを使用して撤退してください。整備が終わったら移住する人が来るので後は彼らに任せます。」

「魔法の竪琴で建築物を建てるんだよな。」

「そうですね、最低でも教会と盗賊ギルドの建物は作る予定です。」


 盗賊ギルドと言っても、住民同士での互助組織に近い初期のマフィアのような組織の設立を目指している。

 悪に走らないようにギルドマスターには中立のバニラをお願いした。


 長い年月が経った時に悪の組織に成らないように近くに善属性の教会を建て監視する事も忘れない。

 たぶん、盗賊ギルドも決まった収入があれば悪に走ることは少ないはずだ、最終的に冒険者ギルドのような組織に成ってくれれば直よし。


 この世界には冒険者ギルドが無かった、魔物を請け負って倒すほど強い者が少なく、存在しても何処かの組織に所属している事が多い。

 フリーの討伐者など夢物語だった。


「もし時間があれば自分の家を作っても良いですよ。バード領は人材不足です、腕のいい狩人は大歓迎です。」

「おれ、住んじゃおうかな。」


 レンジャーズの何人かが言う。


「資材をどんどん運び込みますから好きなのを使ってください。」


 知性ある竪琴のライアに話しかける。


「ここがキャッシーの故郷バード領だ、両親を亡くし家臣を失い青春の全てをオークに踏みにじられた彼女の故郷だ。

 彼女の為に一肌脱いでやってくれ、土塁と堀と耕した大地を用意すれば人が住むだろう。」


 冬になるので、春までに住む所を作り人を呼ぶ準備をしよう。


「いいわよ、やるわ。」

「コンクリートを作る材料が不足しているので今回は火竜山から火山灰を運び石灰を混ぜて臨時のコンクリートとする。」


 古代コンクリートと呼ばれる物だ、大学でちょっと実験した事がある、土塁ぐらいなら問題ないだろう。

 大量の石灰を倉庫に置いて火山と次元リングで繋げる。


「クリーム、ライアとライアシスターズを頼むぞ。」

「俺を隊長に選んだのはそれが狙いか。」

「お前以外に誰が彼女達を扱えるんだ、よ!イケメン頑張って。」


 15体のライアのコピーを並べる、知性持ちのアイテムがずらりと並ぶ。


「「ライイからライタまで15名クリームさんの部隊に所属します。よろしくお願いします。」」「きゃ、イケメンよ。」「エルフよ。」「こっち向いて。」


 ぺちゃくちゃ喋りだした。

 五月蝿過ぎるので退散しよう。

 え、この惨状で行くんですか?と顔をしたブルワリーに整備図面を渡しランスに通じる次元リングを潜り宿に戻った。



 自分の部屋に戻り錬金マシーンの前に座る。

 ちょっと落ち付いたので身の振りを考える、というのは錬金機器士がレベル10になりこの職業のレベルが上がらなくなったからだ。

 これ以上総合レベルを上げるなら他の職業を選択する必要があると錬金機器が説明してくれた。


「今更戦士とか盗賊とか基本職をとってもな。」


 基本職なら20レベルまで上がるが上級職は10レベルまでしか上がらない仕様のようだ。

 まあ、総合レベルの最大がレベル20で上級職は基本職を10レベル近くまで上げないと成れない。

 人類は基本職10レベル上級職10レベルの総合20レベルが最強のようだ。

 基本職20レベルでも最強だが、上級職の特殊能力はチート能力で上級職を取ったほうが強くなるらしい。


 タッチパネルに次の職業を選んでくださいと出ている。


 フリックして職業を見ていく。

 戦士、盗賊、魔法使い、風使い、次元戦士、次元魔法使い・・・・

 どうもしっくり来ない。


 異次元に行った事があるのでやけに次元何とかが多い気がする、確認すると異次元を旅行するってのが就業条件に入っていた。

 説明を見ても他の次元に適応して生きていく事ができ、自由に次元の壁を越え移動できるようになるとか。

 日本に帰れないなら興味がない職業だ。

 ちなみに、日本に帰る事が出来るかヘルプで聞いたら無理のようだ、しかも有料情報で金貨100枚を取られた。


 あとは、超能力者、エンチャンター、貴族、あまり良いの無いな。

 エンチャンター、少ない経験値でアイテムに魔法能力を付与できるって、俺は経験値を使ってアイテム作成してないから必要ないし。

 というか、この世界魔法アイテムを作成するのに自分の経験値が必要な事に驚く。


「そりゃ、魔法のアイテムが高価だわな。」


 ヘルプで何となく確認した事で新職業が決まった。

 錬金機器士とエンチャンターの能力は累積するか確認したら答えはYES、+5以上のアイテムの作成も出来る事が確認できた。

 ただし、レベルを上げないと強化値の限界を増やせないとか。


 上等じゃないか、レベルアップの楽しみが出てきた。


 エンチャンターに成るには魔法アイテムを1000個以上の作成が必要で、十分前提条件を満たしていた。

 次の職業はエンチャンターに決定とタップする。


 次の職業はエンチャンターでいいのですね。

 YES

 確認しました。


 有料情報で金貨500枚使用したのはマリーヌには内緒だ。

 よし、やる気が出てきた明日からはレベルアップだ。




異世界冒険 166日目

人物紹介

ボニー:ボニー・バトラー

スカーレットの娘、借金を返すために冒険者になることを夢見る。

盗賊とレンジャーのマルチ職業


ビッキー

歓楽街のホステスとして働いていたが、リクにより雇われる。

吟遊詩人の才能が開花する。


ビッキー

歓楽街のホステスとして働いていたが、リクにより雇われる。

吟遊詩人の才能が開花する。


ライア(知性ある創造の竪琴)

知性のあるアイテム、音楽により物体を動かす事が出来る。

1時間演奏すると100人が7日相当働いた仕事が出来る。


ライアシスターズ

ライアのコピーで15体確認されている。


キャッシー:キャサリン・ド・バード

オークにより滅ぼされたバード家の生き残り。

バード家を復興しようとしている。

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