第65話:迫るオークの軍勢2
オークの部隊が集結しつつある。
リクのやることは、城壁の修復だった。
モルタル袋を大量に合成して型枠材と鉄筋も用意する。
砂の侵食で城壁が崩れた所に基礎コンクリートを打つ。
問題は箇所が多くて時間が間に合わない事だ、砂は大量にあるが石が不足している。
施工する人も不足しているし専門の職人もいない。
ビッキーが『創造の竪琴』を使って基礎を作り型枠まで作ってくれた、自動演奏の竪琴のライアは1時間前に演奏を失敗し7日間のディレイタイムになっている。
「ライアお前役にたたんな。」
「ごめんなさい。」
しゅんとなっている、ちょっと言い過ぎたか。
ビッキー用に予備の『創造の竪琴』を作る、15台作った所でひらめいた。
『創造の竪琴』をベットして知性付与させる性格はライアをそのままコピーする。
成功率が5段階も下がるのか、目押しで止める事が出来るスロットマシン前で回したいが無いものねだりは止めよう。
Lv4呪文を使いオール成功にしてまわす。
全部が7のスロットを回すのは爽快だ、15台の知性を付与された『創造の竪琴』を取り出す。
「ライア姉さんはじめまして。」「私もライア。」「僕もライア。」「砂っぽいわね。」「お肌荒れちゃう。」「今日は死ぬには良い日だ。」「ハイホーハイホー。」「辛気臭いわねアニソン一曲歌うわ。」
ぺちゃくちゃお喋りが始まった、最後の方はよく分からん事を言っているし、歌も始まっている。
「お前らちょっと黙れ、分解するぞ。」
分解と聞いてぴたっと止まる。
「お前ら名前が同じライアでは呼びにくいので他の名前を考えろ。発言は手を挙げて。」
「はい」
「ハイどうぞ。」
「じゃあ、ライアシスターズで、アイテム番号で呼んで、9982号とか。」
「じゃあ、私10777号が良い。」「じゃあ、私は・・・・」
まてまて、その元ネタは日本の小説の有名クローン妹じゃないかね。それにアイテム番号を自分で選ぶな。
またぺちゃくちゃ五月蝿くなったので早く終わらせよう。
「却下、面倒なのでライアのライをとって二番目はライイ、3番目はライウのように50音を当てること、はい解散。」
「「えー、ブーブー」」
自分達で歩けないので、タルトとスプモーニを呼び出して押し付ける。
「低い城壁や壊れた所を直してくれる有能な助っ人を用意した、必要な所に配置してくれ。」
「おい、自分達で合唱コンクール開いてるぞ。」
「労働スト結構中とか垂れ幕に書いてあるけど、何したんだよ。」
名前の経緯を話して後は君達に任せたと言って走り去る。
「「おい、待てよリク。逃げるな。」」
「上手くいったら好きな竪琴差し上げますから。」
「ふざけんな、あんなの部屋に置いたら寝れねーじゃん。」
「近所からクレーム来るわ。」
後で見に行ったら上手くやっているようだ。
タルトとスプモーニは5台抱えて城壁を直している。
後で聞いたら「この町がオークに蹂躙されたら君達は全てオークの物に成ってしまうんだよ。」と言ったら素直になったとか。
クリームが困惑した顔でライサ~ライタ5台を持って右往左往しているのを見たが見なかった事にした。
「きゃークリーム様。」「クリーム様あっちを直します。」「もっと強く抱いてください。」「クリーム様がいれば何処までも。」「命を捧げます。」
頑張れイケメンこの5台は君の物だ。
武器の確認をする。
アンドレの元で武器の確認をするとちょっとびっくりした。
300本前後の弓はあるが、狩猟に使っている者やウォーリアや戦士が自分で管理している弓で、1500本も不足している。
「弓は熟練が必要なのでクロスボウが在る。」
「それでも600台以下じゃないですか。」
へビークロスボウ、ライトクロスボウと種類も混ざっているし、手入れも悪いものが多い。
「半分の人は何を使って戦うんですか。」
「投石や、煮えた油かな。」
「武器が統一されて無いと戦い難く無いですか。」
「武器揃えるのって結構金がかかるんだよ。数があるだけ良しとして欲しいね。」
おい、単純に数足りてねえだろ、弓を戦士達に提供してもらう。
「愛着がある方以外は弓を提供してください。」
皆怪しんで来ない、そりゃそうだわな弓が無ければ戦えない、仕方ないから素材から作ろうかと思っていると。
ゴブリン退治で一緒だったレンジャーズがやって来る大男7人かなり目立つ、1人がライセンの出身で6人は助けに同行したとかいい話や。
「愛着はあるが提供するぞ。」
「ありがとうございます。」
武器庫の中に入る、一般人に俺の能力を見せるのはマズイらしい武器庫前は垂幕が用意され出入り禁止になる。
魔法のコンパウンドボウ+1を3本をベットしてまわす。
青赤
赤 赤
赤赤赤
コンパウンドボウ+2が3本作成できた。
次に高品質コンパウンドボウを3本ベットする。
赤赤赤
赤赤赤
赤赤赤
コンパウンドボウ+1が15本出来た。
レンジャー達に弓を渡す。
「お借りしました、返却しますね。」
「あれ、もういいのか。」
「強化してあります。+2と+1になってます。」
「うお、マジかすげー。」
それからは戦士達が我先にと並んでいる。
ぼろ弓を高品質に変えて配る。
10分ほどで弓を使えるもの全員に行き渡る。
次はクロスボウだな、高品質のクロスボウを1500台ほど作成してふと思う。
クロスボウの項目を見ると種類が数多くある、フリックしていく、在ったこれこれ、素材は足りるなクロスボウと少しの追加素材で作れるので作ってみよう。
ガス式クロスボウを60台ほど作った。
問題はガスだな、確か瓶から空気を出すアイテム、在ったこれこれ。
水中呼吸のスクロールが20本以上あったのでこれをベットして60個作るガラスじゃなくステンレスボトルにした。
クロスボウに瓶を装着する。
シュコーと音がして弦が引かれる。
1秒ぐらいで引けるので便利だな。
「おーい、アンドレこれ見てくれよ。」
「何か少し変なクロスボウですね。」
「空気で弦が引ける。」
「おお!!これ凄いですよ、馬に乗りながらでも使えるじゃないですか。」
食い付いてくるアンドレ。
「弦は触るなよ指切れちゃうから。」
「威力もへビークロスボウを超えてますね。」
皮鎧に試し撃ちしている、止めてくれ誰が直すんだよ。
「60台しか作れなかったけど使うか。」
「有効に使わせてもらいます。」
「あと、クロスボウも全員分作っといたから。」
「え、全員分ですか。」
「必要なかったのか。」
「全軍動員する訳じゃないので全員分無くても良かったのですが。」
900人が飛び道具を扱い、残りは矢を運んだり予備兵で待機するとか。
全員分の槍や剣、皮鎧の方が良かったと言われた、先に言ってくれ。
追加で槍や鎧を作って本日の作業を終える。
次の日武器庫の前で立ち尽くしているアンドレを見たと報告があった、喜んでもらえた様で残業して作った甲斐があった。
異世界冒険 121日目




