第60-1話:挿入話
「なあ、俺達かなり強くなったけど城に呼ばれるってどんな理由だと思う。」
「そりゃ、オークとの戦いの助力の話だろう。」
こんな会話をしているのは、タルトとスプモーニだった。
「あんた達余計な事を喋らないでよ。」
注意するのはジェラとバニラ、珍しく『真夜中の焚き火』のメンバーが勢ぞろいしている。
「バニラ スプモーニ クリーム タルトゥフォ ジェラート エステル ギー 入れ。」
「よ、皆さんお揃いで」
「あれ、リクじゃないか。」
「今重要な議題が終わった所なので入ってもらいました。」
「おう、まかせとけって、て、重要な議題ってなんだ。お!!」
部屋が少し暗い事に気がつく、一番下座のリクに気を取られて気がつくのが遅れる。
将軍、副将軍2人、盗賊ギルドの頭領ワルザーの腹心タムールまでいる。
タルトは小声で
(おい、お前の上司までいるじゃねえか)
(あんたはもう口を開くな。)
内心バニラも驚いていた。
商業ギルドマスターまで居るのは余程の事だろう。
「オークの軍勢が迫っています。」
一番奥から声をかけられる、凛とした声と強い意志が混じっているこの人物こそブルグント王国の第一王女だった。
遠くから見たことしかないが間違いないだろう。
タルトもスプモーニも直立して話を聞く。
「ライセンの町にオークの刃を届かせてはなりません。ライセンが落ちれば次はこの都市を狙うでしょう。」
「でも俺らだけじゃ如何しようもなくね。」
『パカン』『パカン』とジェラとバニラに頭を叩かれるスプモーニ。
「あんたも口を開くな。」
「良いのです、オーク5000の軍団、まともに戦ったら辛い戦いになるでしょう・・・・。」
―――それから時は流れて―――
呼び出されてから2週間後オークの軍勢はライセンまで1/3ほど進軍していた。
「まさか俺達だけで戦う事に成るとは夢にも思って無かったよな。」
「遅延だけの任務なので少数精鋭なのでしょう。」
現在タルトと、スプモーニ、ジェラ、バニラの4名はオークの軍勢の上空400mにいる。
4人とも飛行のマントを使用して飛んでいるのだった。
「オーク達も俺達を見つけたみたいだな。」
「予定通り行くわよ。」
輜重兵を中心に攻撃する、と言っても直接に攻撃するわけではなく、リクが用意した火炎瓶+5を異次元袋から取り出して落とすだけだった。
「火炎瓶+5初めて見たけどよく燃えるな。」
「面白いほど良く当たるしな。」
「あんたら気を抜いてたら殺られるわよ。」
「そうかな、これって一方的な蹂躙じゃね。」
実際矢が飛んできているが届いていなかった。
馬車に火を着けて周り元に戻ると、火を消化しているオークの集団がいる。
そこにもう1つの袋をぶちまける。
ただの鉄の棒が無数に落ちていく。
少しすると動いている者はいなくなった。
「輜重兵が想定より少ないな、後3回分は火炎瓶残ってるぞ。」
「俺の予想通りだろ、自分の飯は自分で持つのが基本なんだよ。」
翌日、輜重兵の生き残りは馬車を直して行軍を開始していた。
双眼鏡を覗きながらスプモーニは、
「どうする、残りの輜重兵を叩くか。」
「いや、オーク達の主戦力の行軍スピードが上がった、さらに騎兵と軽装兵が別れた、主戦力の歩兵を叩こう。」
「「了解。」」
オーク達の上空に行くと今回は警戒されていた。
散開している兵士達の上に鉄の棒をぶちまける。
「駄目だな効果が薄い。」
「オークの王の所に行くぞ。」
旗のあるところを目指して火炎瓶を落とす。
「・・・・・・・・」
「あいつらなんか言ってるぞ。」
「聞こえないから無視しろ無視。」
少しして空中に浮かび上がるオークが3体いる。
「げ、オークメイジが来たぞ。」
「貴様ら好き勝手やってくれたな。消し炭にしてくれる。」
爆発の魔法の射程距離の入る前に4人は逃げ出した。
「な、まて貴様ら。逃げるな卑怯だぞ。」
3体のオークメイジから逃げる、追うメイジ、さらに逃げる。
2体のオークメイジは呪文の効果が終わり地面に落ちていった。
1体はレベルが高いのだろう、追ってくる、さらに4分ほど逃げると地面に落ちていった。
落ちた所に石を降らせる。
鉄の棒が無くなったので異次元袋に石を詰め込んであった。
石と言っても拳大以上の石で当たれば無事で済むはずがない。
土煙で見えなくなったが念を入れて火炎瓶も落とす。
残りのオークメイジ2体にも火炎瓶と石のコンボ攻撃で止めを刺した。
こうしてオーク達は毎日高い所から石を降らせる攻撃に頭を悩めるのだった。
『真夜中の焚き火』のメンバーの紹介
バニラ: 人間(女) 盗賊
スプモーニ: 人間(男) 武道家 陽気でタルトと仲が良くつるんでいる事が多い。
クリーム: エルフ(男)レンジャー
タルトゥフォ:人間(男) 戦士 通称タルト、ランスの兵士の教育係で人望が厚い。
ジェラート: 人間(女) 魔法使い 通称ジェラ、毒舌女で本人は気にしている。
エステル: 人間(女) 僧侶 修道服からも分かる巨乳。
ギー: ちっこい種族(男)聖戦士 お調子者でKYだが悪を許す事のない鋼の意思を持つ。




