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第56話:新たな仲間

 女性二人に起こされる。

 夢のような生活じゃないかと思われるかも知れないが、寝起きに女性のキーキー声はとてもやかましい。


「「ねえ、レベルが上がってるの。」」

「なんだそんな事か、もっと寝かせろよ。」


 眼をごしごし擦りながら起きる。


「あんだけの人数と戦ったんだからレベルも上がるだろ。」

「私レベル5になったけど、そんな高レベルそうそう見かけないわよ。」


 5レベルって高レベルなのか。


「僧侶がレベル2になったの。」


 ちょっと待て誰が僧侶になったと。


「朝起きたら、神の声を聞くことが出来るようになったのよ。」

「何の神様ですか。」

「主に太陽神よ。」

「主に?」


 ベニーの話では、ベットから起きたら神託を授けられたとの事だ。

 太陽神からはブルグント王国に重大な危機が訪れるので人々を助けよ。

 森の神からは善なる人々の力を結集しこの土地を守るのだ。

 その他の善の神々の集合意識からも、守れ、集結しろ、先頭に立てと言われた。


 ちょっと判断できないので、エステルさんの所に相談に行く。

 バニラはどうでもいいので放っておいた。

 何故かエステルだけではなくこの教会の最上位の大司教も一緒だった。


「多神の神託を受ける事はあります。」

「へぇそうなの。」

「はい、僧侶の多くは若い時から教会に所属して神の力を授かります。

所属した教会の神の力を授かりその神以外の声を聞くことはありません。しかし、ごく稀に天命を感じて僧侶になるものも存在します。

その者は決められた神を信仰せず善や秩序、悪、混沌の該当属性から力を授かります。」

「属性を確認させてもらうぞ。」


 大司教が属性判断の呪文を使用する。


「中立にして善の属性じゃな。相性がいいのは太陽神や森の神じゃな、じゃからはっきりと声が聞こえたのじゃろう。もしお主が秩序にして善の属性ならば聖騎士の力を発現していたかもしれないな。」

「聖騎士の職業じゃなくてよかった。」

「「???」」


 そこに居た3人が様々な顔で俺を覗く。

 聖騎士、居ると悪とパーティを組む事が出来なくなる、悪をメンバーに入れる気は無いが善悪の判断って誰がするんだ、俺がするならいいけど他のメンバーに方針を歪められるのはごめんだからだ。


「俺、悪とか善の判断は自分でしたいのです、悪い人だらけの国でもきっと家族とか親子関係とか温かい物があると思います。この国の悪の盗賊ギルドのように秩序を守り市民には手を出さない者もいます。」

「甘いぞリク殿、悪の属性はそんなに生易しいものではない。」

「それでも自分で判断をしたいのです。俺の元の世界では、善なる国が悪なる国と対立していました。しかし、善なる国の勝手な思惑を相手国の文化も考えずに押し付けた事による反発でもありました。」


 それから長くなるが大司教と話し合う。

 違う神を信仰する民族を殺すのは善か。

 新しい大陸を発見して原住民を駆逐するのは悪か。

 その駆逐した者達が平等な国を作り人権を擁護するのは善か。

 石油の権利を手に入れる為に、自分の都合のいい民族に武装させるのは善か。

 その民族は利用されるのを嫌い裏切りテロを行うのは悪か。

 自分の都合の良い情報だけを元に交渉(「温暖化」「二酸化炭素の増加」などなど)するのは悪か。

 国それぞれの文化を考えずに非難すること(「捕鯨」「食犬」俺は反対派だが。)は善なのか。

 安い労働を使って一方的に物質を手に入れる行為は悪なのか。

 領土を侵略するのは悪か。


 大司教も答えに詰まる事もあった。


「うーんリク殿は見識が広いですな。」

「俺の国では、情報を幅広く得る事ができます。1日に触れる情報量は農民の一生に得る知識を超えるとも言われています。」

「ベニー殿を我が教会に招こうとも思っていたが、リク殿がいれば正しい方向に導いてくれるじゃろう。」


 真剣に話し合い大司教と仲良くなる事ができた。

 大司教は異世界を移動する呪文で神の住む次元に行った事があるつわものだった。

 古い建物を直す為の資金や、エステルさんに貸した聖句箱を教会に寄付すると言ったら、とても喜んで今度異次元に連れて行ってもらう約束をする事ができた。


 異次元の旅ができる、かなり大きな収穫だ。


「ベニーのおかげで帰郷の手がかりが手に入った。」

「良かったですわね。」


 歩いていると、のの字を書いて待っているバニラがいる。

 無視して横を通り過ぎると涙目で、


「なんで無視するのよ。」

「あーえっと、レベルが上がったんだよな、おめでとう。」

「おざなりすぎる。」


 帰り道にレベル5の人間がどれだけ少ないのか永遠と説明された。

 レベルの上がり方が異常に早いとも言っている。


「盗賊のレベルが上がりやすいだけじゃないの。」

「そんなこと無いわよ。」


 宿に着く頃にキャッシーやフレデリック達と合流した。


「ご希望の品の魔法の蜂蜜を手に入れてきたぞ。」

「おお、ご苦労さん。」

「巨大スズメバチの巣も駆除してきたぜ。」

「メルカバ姉さんが倒したんでしょ。あなた見てただけじゃない。」

「俺は弓で援護してたぞ、お前の方がガタガタ震えて何もしてないだろ。」

「あんな巨大な虫、無理無理。」


 2人仲が悪いなと思っていたが、魔法の蜂蜜の売却金は好きにしろと言ったら仲良く2人で走って行った。実は仲が良いようだ。

 ビッキーが戻って来るまでに従業員とキャッシー、フレデリックのレベルを3まで上げる事が出来た。

 新たなる力を手に入れたベニーもレベルアップに参加してレベル3になった。

 

 そして、新しい宿の工事も順調に進み内装工事の段階まで進んだのだった。



異世界冒険 76日目


取得経験点


マリーヌ:Lv5

ビッキー:Lv5

スカーレト:Lv5

ボニー:Lv4→Lv5

メルカバ:Lv4→Lv5

ベニー Lv2→Lv3

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