第54話:太陽の教会
久々にベットで寝た、よく寝たよマジで。
ベニーにマッサージをしてもらってから記憶が無い。
朝起きるとスロットが光っている。
そうだった、特殊合成がどうとかとあったな。
確認すると特殊合成が開放されましたと情報ボックスに標示されていた。
ヘルプを確認すると『特殊合成』とは特定のアイテムと他のアイテムを合成できるとある。
フレイムタンソードとダガー+5を合成させてみる。
どちらを基礎アイテムとしますかと標示が出るので、、フレイムタンソードを基礎アイテムにする。
成功の確立が4段階下がってリールの中の成功が10個中5個か、失敗成功が交互に並んでいる。
Lv4呪文を3回使用する。
Lv4呪文は1列を全部成功に変化させるものだ。
大成功も上書きしてしまう、普通のアイテムは成功が9個なので使う機会がない呪文と思っていた、それならLv0の失敗1個を成功に変える呪文の方がいい。
成功数がかなり減る高レベルアイテムを作るときにはLv4呪文がとても有用だろう。
スロットをスタート。
『チャラリー♪チャラリー♪ピ♪ピ♪ピ♪』『チャラリーリー♪』
当然成功する、フレイムタンソード+6が出来た。
これって取り出すと爆発するパターンじゃないのか。
スロットマシーンから取り出すと『ボン』と、爆発した。
「ゲホゲホ、煙が凄いな。」
「何事ですか。」
数人やってきたが実験しただけだと追い返した。
今度は、短剣+5を基礎アイテムにしてにフレイムタンソードを合成する。
基礎材保護の呪文を発動して合成する、Lv4呪文を使い切ったので普通にスタート。
『チャラリー♪チャラリー♪ピ♪ピ♪ピ♪』
また真ん中のリールが外れたので、成功を1個増やして再リールをする。
また外れた、再リールの呪文をもう一度使用する。
『チャラリーリー♪』
やっと成功した、フレイムタンダガー+5が出来た。
基礎材保護の呪文は必要ないと思っていたが、失敗時のアイテム損失だけではなく、上がりすぎる強化レベルを止める事にも使えるようだ。
鞘から抜くと『コォー』とわずかな音を立てて青い炎が全体を包んでいる。
完全燃焼時に発生する炎だ、危険なので鞘に戻す。
朝食を食べていると、ベニーの機嫌が悪い。
妹のビッキーを危険な所に置いてきたのが気に入らないのかな。
「ベニー、この後何処か行かないかい。」
女性陣の視線が痛い、別に特別扱いしてないんですよコホンと咳払いして。
「昨日のマッサージが気持ちよくて良く寝れたからお礼にと思ってさ。」
「喜んで行きますわ。」
本日は休みらしい。
あれ、従業員の半分は現在魔法の蜂蜜を取りに森に向かっているはずだ。
途中で巨大スズメバチの討伐もやらせている。
現在従業員11人、ビッキーがまだ帰ってきていないので、10人でこの宿を運営している。
半分の5人と、貴族のキャッシー1人が現在森の中で捜索している。
「従業員半分出かけていますが店大丈夫ですか。」
「宿は今休業中です、食事の提供とアイテム販売だけなら人が多いぐらいです。」
「ならいいけど。」
「今すぐ着替えてきますわ。」
そんなに焦らなくても良いのに着替えに行ってしまった、何故か機嫌が直った。
その間に裏に行き建築状況を確認する。
ドワーフ建築家のカザートが指揮してコンクリート打設の準備が進んでいる。
「このまま任せてもいいですか。」
「おう、任せておけ、リク殿に監督をされるとワシの出番が無い。」
「お願いします。」
ベニーのミニスカートを駄目出して普通のスカートに変更させて出かける。
実をいうと都市を歩いた事がほとんど無いので何処に行くか迷う。
迷っているとベニーが行き先を提案してくる。
「太陽神の教会に行きませんか。」
「信仰してるんですか、いいですよ。」
「この地域では一番多くの信者がいる神様よ。」
まあ、ベニーが良いなら行こうか。
ベニーに連れられ教会に行く、大きな太陽のマークが目印で分かり易い。
朝の礼拝モーニングサービスが終わる頃だ、静かに礼拝堂に入る。
エステルが説教をしている。
内容は、「常に病気や差別など、 弱さの中に置かれている人々の側に立て」と言っているな。
説教が終わり献金の為に僧侶が袋を持って周って来る。
「ベニー献金ってどのぐらいが目安なんですか。」
「月の稼ぎの1%から4%が目安です。」
毎週行くと稼ぎの10%になるのか。
前を見ると貧乏な人はクォーター銅貨を、裕福な人は銀貨5枚ほど入れている。
ベニーは金貨1枚を入れている、俺の前に来たので金貨300枚ほど入れる。
『ゴッ、バタン』
若い僧侶は勢いよく前へ倒れる。
「ちょっと、何枚入れたのよ。」
「金貨300枚だけど、少なかったかな。」
もっと稼いでいるが税金や必要経費を差し引くと、どの位残るか分からないから300枚にした。
「お・お・す・ぎ・ま・す。」
「一度に入れる量が多いのね。」
「ち・が・い・ま・す。」
何故かゆっくり教えてくれた。
その後、金貨300枚は王族でも献金しない金額ですと教えてくれた。
少しザワザワしてしまったが、祝祷が始まると静かになった。
その後は礼拝の終わりの演奏を聞く、礼拝が終わり人が出て行くのを見ていると最後になってしまった。
「俺達も帰ろうか。」
「少し司祭にお話をさせてください。」
エステルがこちらに来るのが見える。
「よ、うちの従業員が話をしたいって。」
「はー、やっぱりリクさんでしたか。寄付はありがたいけど、あまり騒がないでください。」
「騒いで無いけど、まあ今度からは白金貨にするね。」
ベニーがおろおろしている。
「お知り合いですか。」
「このどじっ子僧侶たまにうちの店にくるよ。」
「どじっ子ってどんな覚え方してるんですか。これでもここの教会のNo.4なんですけど。」
「エステル司祭様、申し訳ございません、私がちゃんと説明してから来れば良かったのです。」
ベニーが何故謝っているのか分からない、俺悪い事してないよね。
それにしても、レベル4でそれだけの地位とは、人口の90%がレベル1コモナーだからかな。
コモナーは職業無しLv0の仮のレベルみたいだ、コモナーLv1が職業レベルを上げると職業Lv1からスタートする、何かの職業レベルを持ってるだけでも凄いのだ。
コモナーを極める人もいるが、誰もが認める凄い一般人て、器用なおっさんやPTAの会長みたいな存在だ。
ベニーもコモナーLv1だ、せめて職業レベルを付けたいな。
「何かお困りごとですか。」
ちょっと青筋を立てて怒っているが笑顔でベニーに対応するエステル流石だ。
「懺悔を聞いてください。」
「お聞きしましょう。」
狭い部屋に連れて行かれる。
「俺も同席するのか。」
「出来れば聞いて下ださい。」
懺悔の内容は、お客に体を売った事もある身で最愛の人に思いを寄せてもいいのかと言う内容と、戦う力もなく最愛の人の力に成る事が出来ない自分は必要の無い人間ではないのかと言う事だった。
ああ、これは俺への事だな。
エステルも分かったのだろう俺を見てから答える。
「我らが神は処女性を重視してません。悪の道に落ちても助けを求める者がいれば助けます。ただ、自分の心の善悪を見定めて行動しなさい。」
「はい。」
「後は、戦う力が無く助けに成ってないかは本人に聞くのがいいと思います。ね、最愛の人さん。」
「最愛の人最愛の人ってからかわないでください。」
ベニーは俺を見つめる、真剣な眼差しだ。
「私では嫌ですか。」
「嫌じゃないです、でも俺は女性と付き合った事ないからガッカリしますよ。甲斐性無しですよ。」
エステルが横槍を入れる。
「それを決めるのは貴方じゃないわよ、あとベニーに戦う力が必要なのかしら。」
「他のメンバーが戦ってくれるので、店番などの後方支援も必要です。まだまだベニーにはいろいろ手伝って欲しいです。」
「ならこの話は終わりですね、リクさんも懺悔する事はございませんか。」
「じゃあお願いしようかな。」
頭を垂れてひざまづく。
「姉妹の妹を遠い地に置きざりにして先にこの都市に戻って来て姉に心配をさせてしまっています。」
「力ある者は、ときに弱者を救済する為に身を捧げる必要もあるでしょう。」
「俺にはよく分かりません、でも姉は怒っていました。」
「私は心配しているけれどビッキーが自分で残ると行った事を怒っていないわよ。」
「貴方も人を救済しているではないですか、彼女も彼女の思う所をなしているのです。」
「ハーレを作ろうと女性ばかりのパーティを作ったのですが、女性との距離感をつかめず上手くやっていく自身がありません。」
「それは・・・励みなさい。」
何にですかと突っ込みを入れたい。
「貴方には善と秩序の強い意志が感じられます、リーダである事を自覚しその道を精進しなさい、そうすれば結果は後から付いてくるでしょう。」
「はい、精進します。」
こんな感じで懺悔を終える帰るときに、女性僧侶が店を構えているのが見える。
「あれなんですか。」
「お守りとか、聖水とか扱っています。」
見ると色々扱っている、この太陽の顔のやつはなんだ。
俺が珍しそうに見ていると説明してくれる。
「これは聖印と言って、太陽神の力を示したものです。」
「皆持っているものなの。」
「敬謙な信者なら持っているでしょう。」
「ベニーが持ってないならプレゼントしちゃおうかな。」
「じゃあ買ってもらっちゃおうかな。」
お互いの顔を見て笑う、なんかいいムードじゃないか。
奥を見ると木製でなく銀製の物もある。
「奥くのやつとこの木製のとは違うのかな。」
銀製の物は高いので、普通の人は木製を買うらしい。
僧侶の呪文が使える者でも木製の聖印を使っている人もいるのだそうだ。
金貨25枚そんなに高くないので、銀製の聖印を買ってベニーにプレゼントした。
「ありがとうございます大切にします。」
プレゼントを胸にぎゅっと抱きしめている姿を見ると惚れるな。
昼飯を食べるために飲食店街に行く事にする。
怪しい影が2人を追いかける。2人はつけられていたのだった。




