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第50話:リザードマン

 今日は朝から大忙しだ、基礎のコンクリートを打つ為150人に増えている。

 セメントや川砂、石を運ぶ人、混ぜる人、運ぶ人と別れている。

 コンクリートをどんどん練っている。

 運び終わった所では木の棒で突き空気を抜く人、作業は2時間ほどで終わった。

 皆汗だくだ。

 今日はここまで、散水する人を除いて解散だ。


「今日は早上がりです、お給金を貰って帰ってください。」


 疲れてピクリとも動かなかった人が喜びの声を上げる、明日は筋肉痛で動けないだろうな。

 人力でコンクリートを打つ事は難しいのが分かった。


 壁もコンクリートにしようと思ったが諦める事にした。

 基礎コンクリートの養生が終わったら柱と梁だけなので人は少なくて済むだろう。


 建築家のカザートと打ち合わせをして、壁は後で施工する事にした。


「どんなものが出来るか楽しみじゃのう。」

「たいした物じゃ無いですよ。」


 適度な散水と養生期間をおいて4日後に型枠を外す事となった。

 その間にビッキー達は帰ってきた。

 打消しの歌で被害も無く大活躍だったと騎兵達に囲まれているビッキーは嬉しそうだった。

 中には求婚する者までいたとか。

 ビッキーはうちのパーティでも一番魅力が高いので声が掛かっても不思議ではない。


「なんだ、断ったのか。」

「まだ、リクとの約束を果たしてません。」

「遠慮しなくても良いんだからな。」

「貴族のお嫁さんて柄じゃありません。」


 ぷいっと行ってしまった。

 後で討伐の褒美がでるらしい良かったなビッキー。


 コンクリート養生の4日間は従業員のレベルアップをする事にした。

 

フレデリック、ボニー、ガリル


ラント、メルカバ、マリーヌ


 とパーティを組み魔物を狩る事にした。


 初日はフレデリック、ボニー、ガリルと出かける。


「旦那、何処に連れてくんだ。」

「北の川や湿地にリサードマンがいるだろ。」

「船の衛兵で雇われてるのを見た事がある。」


 ライア庄に所属しているリザードマン達がいる、紆余曲折ありライア庄の住人として迎えられた珍しい部族のようだ。

 今は、仕事をして金銭を受け取り暮らしている。

 硬い鱗に覆われて並みの剣では貫けないので護衛として人気が高い。


「彼らの住む場所にザリガニのでっかいのが出るようで討伐すると懸賞金が出る。」

「旦那、それって麻痺の鋏を持つやつじゃ・・・。」

「そうそう、よく知ってるな。」

「絶対無理、リザードマンがライア庄と揉めたのもその生物が住む場所を脅かしたからじゃないか。」

「はぐれている2体を狩るだけだから。」

「2体も!明日の太陽は拝めないな俺。」


 1日移動して休息を取る、朝の暗いうちに移動を開始した。

 他のメンバーを待機させて浅瀬に移動する。


「あー、よく寝た。」


 わざとらしく水辺に寄って水袋に水を満たす。

 水の中から2匹の巨大ザリガニが音も無く忍び寄る。

 飛び掛ってくるのをバックステップで避ける、もう1匹の攻撃も避ける。


『ボグッ』稲妻の杖を取り出し殴る、全然効いてない。

 さらにバックステップで攻撃を避けながら6mほど下がる。

 盾の自律効果を起動し空中に浮かべる、杖を両手に持ち替えて殴ると『グシャ』目の柔らかい所に当たった。


「キャシャー」


 怒り狂って突進してきた、避けながらさらに下がるここまで水から離れればもういいだろう、杖から雷を発生させる。

 それを合図にフレデリックとも稲妻の杖から雷を発生させる。

 轟音が発生して徐々に現われるガリルとボニー、もう一匹に雷鳴の効果で攻撃したようだ。

 ガリル達を見た隙を突かれ俺はでかい鋏に挟まれる。 


『バリバリバリ』『ギリギリ』


 指輪の力場をぶち破り鎖帷子も鋏が切り裂いたが、外皮強化の護符の効果で傷付けられずにいた。

 この鋏は麻痺があるので傷つけられるのはマズイ。


「うおぉー」


 フレデリックが帯電した杖を押し付けたショックでザリガニの気が俺から離れる、鋏を無理やりこじ開け攻撃範囲から脱出する。

 ナイスアシスト、俺も杖に帯電効果を発動して殴る、怪物は軽く悲鳴を上げるもう少しだ。


 視界の端でガリルは再度雷鳴の効果を発動しさらに爆雷の効果で怪物を黒焦げにした。


 鋏を指輪の力場で押し戻しながら、ガリルとボニーの援護を待つ。

 ボニーは後から胴体と腰の継ぎ目にダガーを突きたてると凄い速さで凍り上半身と下半身が分かれた。

 あとは、半狂乱に暴れまわる怪物に止めを刺した。


「怖えぇよ、当分海老食べられんな。」

「そうか?黒焦げの良い匂いが食欲を誘わないか。」


 フレデリックは無我夢中で突進したが今の戦いを思い出して腰を抜かして立てなくなっていた。


「良いタイミングで攻撃してくれたよ。」

「旦那、もうやらないからな。」

「何言ってるのレベル3までもう少しじゃん。」

「本当に勘弁してください。」


 帰って次の日フレデリックはレベル2に成っていた。

 ガリルもレベルが3に成っていた。


 ザリガニ怪物の巣には残り3匹いるけど行かないかと誘ったがフレデリックは泣きながら断ってきた。

 仕方が無いのでラント、メルカバ、マリーヌと帰ってきたビッキーの5人でいく事になった。

 あと、懸賞金が思ったより良く1人金貨650枚貰う、フレデリックはまた行っても良いかもって現金なやつだ。


 自分もレベルが上がっていたが時間も無くよく見ずに出かけてしまった特殊合成が何とかって書いてあったな。

 今日は休憩は無く急ぐ、魔法の絨毯なのでそんなにスピード変わらないけどね。

 夜も暗視ゴーグルをかけて移動する。

 深夜になり休憩お尻が少し痛い。


 携帯要塞を起動して皆で寝る、合言葉を知らなければ中に入る事が出来ないので皆で寝ることが出来るとても良いアイテムだ。


「一日乗りっぱなしだとお尻が痛いわね。」

「マリーヌ俺がもんでやろうか。」

「メルカバのもお願い。」

「嫌だ、お前の尻は筋肉の塊だもん。」


 なんて会話をしながら皆でごろ寝をする。


「元の世界に戻る方法は分かったのかしら。」

「ビッキーが図書館で色々調べてくれている。」

「異次元に飛ぶ魔法があるのは結構知られているのよ、問題は何処の世界に飛ぶか確定させるのが難しいのよね。」

「本当に他の次元にいけるんだな。」

「今は他の次元界の勉強中よ、危険な所も多いみたい。」

「調べ物は頼んだ、さて明日も早いから寝よう。」


 朝起きる。

 マップのエネミー確認をすると近くにいる。

 さっさと倒して帰ろう、巣に近づくと食事中らしく水辺は真っ赤になっていた。


「うえ、余り見たくないな。」


 昔ザリガニがカエルを捕食しているのを思い出す。

 何を食っているのか見るとリザードマンだった。

 麻痺に罹って生きたまま食われている

 うつろな目が合った。


「ゲェー」


 ダメだ吐いた、朝飯全て吐いた。

 メルカバは一番早く駆け出し薙刀で切りかかる。


「キィシャー」


 鋏で受け止めたつもりだろうが鋏ごと叩き切られる。

 ビッキーは魔歌を歌う勇気の歌だ。

 吐き気が止まる。

 手の震えが止まる

 心の奥に炎が燃え上がるようだ。

 いけるぞ。


「すまんビッキー助かった。」


 フィギア袋からフィギアを取り出し投げる。


「殺れ。」


 熊はザリガニに組み付く、大型生物の取っ組み合いが始まった。

 その間に弓をセットする。

 実験用に作った物だ。


追加攻撃・遠距離・誘導・神聖・火・雷付与コンパウンドボウ+1

矢は、鋭刃の矢+5


 のアイテムだ。

 

 いろいろ試して強化ボーナスの最大は+5までしか強化できなかった。

 強化ボーナスと強化ボーナス相当の付与効果の合計は+10までアイテムに付与できる事が分かった。

 

 追加攻撃は+3相当。

 神聖は+2相当

 遠距離・誘導・火・雷は+1相当の強化ボーナス

 これで+9相当の強化ボーナスだ。

 強化ボーナス+1を足して合計+10相当の強化弓だ。


 弓と矢の強化ボーナスは高い方しか反映されないので弓に限界まで付属項効果をつけて矢は強化ボーナスを最高にした。

 弓の火の効果を+2相当の爆炎にして、矢に爆雷効果を添付する方法もあるが出来るだけ矢にお金を掛けたくない。

 今でさえ矢が1本金貨1500枚の価値がある。


『ズガガ』


 追加攻撃の効果で2本の矢を放つ。

 神聖な光の効果を纏った2本の矢は厚い甲羅を簡単に貫き、炎と電撃と白い光が怪物の内部を破壊した。


「ギョギョギョ」


 熊に組み付かれながら騒ぐ。 


 ラントもフィギア袋からフィギアを投げる。

 熊が現われメルカバと怪物の元に走って行った。


 3匹の内の1匹は逃げるようだ、岩場に身を隠す。  

 

「1匹たりと逃がさん。」


 弓の誘導効果を発動する。

 岩の後を指定すると岩の前で矢が曲がり後の怪物に当たった。

 あわてて岩から飛び出してくる。


 ラントが火炎瓶を投げる。

 間髪いれず燃え上がる怪物に弓を射る。

 ラントが火炎瓶をもう1本当てた所で動かなくなった。


 メルカバの方を見ると、巨大な鋏に捕らえられて熊がもがいている。

 熊と戦っている隙にメルカバは袈裟切りにして二つにした所だった。


 俺が放った熊は水面に叩きつけられ動けなく成っていた。


「戻れ。」


 小さな人形に戻り煙のように消えた。


 頭に弓を打ち込むと巨体が倒れ水しぶきが上がった、やったか、いやまだ動いている。

 メルカバが止めの一撃を入れるが鋏で受け止められる、そのまま挟まれた。


「メルカバ大丈夫か。」

「早く今のうちに止めを。」


 良く見ると自動防御の盾と薙刀で防御している。

 矢を頭部に打ち込むとやっと動きを止めた。


「しぶといやつだったな。」

「リク、生きてます。」

「え、まだ生きてるの?」

「リサードマンの子供が生きています。」


 急いで中回復ポーションを取り出し無理やり口に突っ込む、手を噛まれたが無視して喉に流し込む。

 腹の裂けた所から光が漏れる、腸が飛び出ていたのが引っ込み、みるみる傷が塞がる。

 肩から先が無い女性のリザードマンもポーションを与えると腕が生えてくる。

 流石に首が無い者は回復できなかったが、5人中3人回復させる事ができた。 


 女性のリザードマン?でいいのかな、が話しかけてくる。

 ガラガラ声で俺より体格が良い、近くで話すと大きな口で噛み付かれそうで怖い。


「命を助けていただき感謝します。」

「遅くなってすまない全員は助けられなかった。」

「主人も祖父も勇敢に戦い子供が生き残ったので本望でしょう。」


 子供2人、幼い子供と成人前の若者のようだ。

 伝手を頼りにライア庄ドラッデンヘイルに向かう途中だったらしい。

 新築の作業は今から帰らなければ間に合わないのでどうしようかと思っているとラントが。


「ライア庄に連れて行きませんか。」

「お前、親が心配するぞ。」

「私も連れて行ってあげたいです。」

「私も賛成だ。」


 結局皆の意見を聞き送っていく事になった。

 



異世界冒険日53目


経験値:1050を得た。

総計経験値:28286


異世界冒険日55目

経験値:960を得た。


総計経験値:29246


マリーヌ:Lv5

ビッキー:Lv4→Lv5

スカーレト:Lv4→Lv5

ボニー:Lv3→Lv4

メルカバ:Lv3→Lv4


Lv7→8

HP:36→45

命中:+5→+6


筋力13(+1)

敏捷14(+2)

耐久力12(+1)

知力13(+1)→14(+2)

判断力6(-2)

魅力11(0)



取得スキル

錬金術

神秘学

建築術

地理

歴史

自然学

宗教

異次元

交渉術


特技

長弓習熟

接近射撃

精密射撃

回避



呪文数

Lv0 4回

Lv1 5回

Lv2 4回

Lv3 4回

Lv4 3回


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