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第49話:ハーピーの狩人

 朝早く出発するビッキーを見送る。


「ライア、ビッキーを頼むぞ。」

「私に任せて。」


 えへんと胸を叩く竪琴の像、本当に大丈夫かと思ったがこれ以上品質の良い竪琴が無いのでしょうがない。

 ビッキーも少し緊張しているが大丈夫だろうか。


「行ってきます。」

「死ぬなよ。」

「ポーションを貰ってますので大丈夫です。」


 少し心配だから時間を作って見に行こうかな。


 ぼちぼち人が来ていた。 

 久々の現場だ、と言っても隣だからそんなに早く出る必要は無い。

 山の中の浄水施設を施工した時は毎日6時出だった事を思えばだいぶ楽だな。


 合成した材料をどんどん出して並べていく。

 コンパネ、鉄筋、セメント、道具・・・。

 1時間もすると人が集まりだしていた。

 100人ぐらいか、いくらなんでも多い気がするが、人の手配は宮廷建築家のカザードに任せた。


「若い人が多いのでよく聞くように、安全を優先して怪我をしない事。」 


 整理整頓を徹底させるよう職長を決めて作業を始めた。

 皆始めての工法で、全部教えなければならないので午前中は非常に時間がかかった。


 午後からは流石宮廷付きの職人だ、やり方を覚えて各自で作業を行っていた。

 人数がいるので、上手くいけば今日にもコンクリートが打ち込めると思ったが甘かった予定の半分も進んでない。

 作業を終わり夕飯を食べていると、スカーレットが


「そわそわしてますが気になりますか。」 

「そうかな、態度に出ていたかな。」

「そんなんじゃ仕事に身が入らないでしょう。」

「よし、皆で見に行くか。」


 皆ぱっと明るくなる、なんだ全員気になっていたんだな。


「実を言うと、パーピーの射手が気になっていたんだ、そいつだけでも排除しようと思う。」

「はい。」


 準備を終えるとベニーに明日の仕事が間に合わなければカザードによろしくと伝言を伝えた。

 暗視ゴーグルを付けて魔法の絨毯に乗り込む。


 目指すはハーピーの射手、マップを確認するとハーピー達と一緒にいた。

 ビッキー達は休憩しているようだった。


 4時間ほど飛行してビッキー達の近くまで追いついたので休憩する事にした。

 今回は即席要塞を持ってきた、小さな像を地面に置き合言葉を唱えると小さな要塞になった。

 硬い石製だが、毛布を何枚か取り出し敷き詰める、5人で寝るには十分な大きさだった。


 朝になり要塞を像に戻す。 

 マップを確認するとハーピーは分かれて移動しているようだ。

 ハーピーの射手はビッキー達の後に回り込むようだ。


 全員指輪を起動して徒歩にする。


 射手が見える、見事な隠密だが相手が悪かったようだ、俺達には気が付いてない。

 ステータスを確認するとレベル7レンジャーとなっている、元々強い魔物なのに戦士の訓練を受けていると脅威的な強さになる。


 こいつさえ戦闘に加わらなければビッキー達が負ける事は無いだろう。


「メルカバ、ボニー倒してくれ。」

「「はい。」」


 音も無く駆け出して行く、ハーピーは一瞬周りを見たが気が付かなかったようだ。

 ボニーの短剣が背中を2箇所深く刺さしている姿が現われた。

 ハーピーはボニーを振り落とし、ひねってメルカバの攻撃を避ける、不可視状態の攻撃を避けたのに驚く。


 ハーピーはそのまま森の茂みに突っ込んで行く。


「逃がすか。」


 メルカバのグレートソードが唸る。

 非実体の効果がハーピーの盾と鎧をすり抜け肉を切った。

 驚くハーピーの隙を付きボニーも急所を攻撃するがそのまま茂みに逃げられる。


 ハーピーは移動速度を落とさずに茂みを縫って逃げて行く、メルカバとボニーは移動速度が落ちて見る見る離されていく。

 さらに動物の相棒の大きな鷹が2人を邪魔する、2人は突然の頭上からの攻撃で対応できていない。


「まずいな距離をとられた援護しよう。」


 ハーピーは茂みの中を自在に飛び回り次々矢を射るが、新装備の防御力を抜く事は出来ないようだ。

 マリーヌは呪文を唱え酸の矢を放つが避けられる。


 スカーレットがいつの間にか接近していた、ハーピーは不可視状態での接近に気がついていない、必殺技の気の一撃。

 ハーピーは意識が飛びフラフラになる。


 メルカバとボニーがチャンスとそこに殺到し攻撃する。

 ボニーの連続攻撃でハーピーが落下する、それをメルカバは一刀両断した。


「最後の良い所だけ持っていったな。」

「褒めるな、恥ずかしい。」

「全然褒めてないし、今回はスカーレットとボニーが大活躍だったと言ったんだよ。」


 ぶーたれ顔のメルカバの頭をぐしゃぐしゃ撫でて「お疲れさん」と声をかける。

 嬉しそうに頭を下げて突き出して姿は可愛いな。

 ハーピーの装備を確認する。

 鎧はもう使い物にならないけど、弓は魔法の弓だった。

 雷付属ロングボウ+1、金貨4000枚相当の金額だ。

 ダークウッド製シールド これは強化するのに使えるな。

 知性の巻き物これも、アイテム作成に使えるな。

 あと宝石が金貨400枚相当


「このロングボウを売ったお金は皆のボーナスにしていいぞ。」

「「本当ですか。」」

「あと、宝石もいいぞ。宿で待ってる人と分けるんだぞ。」


 臨時ボーナスで皆テンション上がっていた。

 強敵だっただけあって装備も良く見入りも良かった。

 装備を新調して正解だったな、普通なら茂みの中を高速に飛び回られて一方的に攻撃されて終わっていたな。


 普通のハーピー4匹だけなら大丈夫だろうと撤収する。

 宿に着く頃には基礎部分の型枠が出来上がっていた。

 明日はコンクリートを打つ事が出来るだろう。



異世界冒険日51目


経験値:1680を得た。


総計経験値:27236


マリーヌ:Lv5

ビッキー:Lv4

スカーレト:Lv4→Lv5

ボニー:Lv3

メルカバ:Lv3

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