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第45話:建築図面

 今俺は反省中です。

 正座してマリーヌに怒られています。

 1晩で金貨4000枚使ってしまったからだ。


「どうやったら飲みに行くだけでこんなに使えるのですか。」

「はい、反省してます。」


 スプモーニが店に顔を出したが驚いてそのまま出て行った。

 スカーレットやビッキーがマリーヌに、


「まあ、いろいろ収穫もあったので良しとしませんか。」

「自分で稼いだお金だから少しぐらい良いでしょう。」

「皆リクに甘すぎます。」


 助け舟が入ったが撃沈した。

 正座しているのでマリーヌの太股が目の前にある。

 マリーヌは胸が無いが足が綺麗だ、ミニスカートから生足が出ているので、このまま太股に顔を埋める事が出来たら幸せだろうな、ああ挟まれてぺろぺろしたい。

 こんな事を考えていると長い説教が終わった。


「騎兵に装備を寄付していろいろ動き易くなったな。」

「王立図書館が利用できるのは大きいですね。」

「マリーヌ分かってるじゃないか。」

「商人は情報が無ければ動けません。」


 皆を集める。

 言語理解の能力をビッキーのサークレットに施す。


「ビッキーのサークレットにどんな言語でも理解できる装備を追加した。図書館へ行って知識の幅を広げてくれ。特に異次元の知識を中心に頼む。」

「マリーヌは、用地買収を頼む。」

「スカーレットは、救出した人の仕事先を探してください。」


 残ったメンバーには売店や食堂をお願いする。


「救出した人達ですが、ここで働きたいと言っていますが。」

「裏の土地を買収したら店を大きくしますので、人手が増えるのはいいですね。」


 ボニーはレベルが上がって、見習いを卒業したので今は暇だよな。


「それまで、研修ということで、ボニーは数字を教えてください。」

「ふぇ、わ、私ですか。」

「教える事も勉強だよ。あと、ベットメイキングや仕入れなど店の仕事も教えてくれ。」


 解散する。


 俺は新しい店兼宿屋と、現在住んでいるところの改修工事の図面を書くことにした。

 CADソフトは有るな、図面を起こす、うーんマウスが無いと使い難いな。


※有料アップデートをしますか。金貨450枚


 マウスが出るのか? YES


 地味に高かったが、思考認識機能が付いた、タッチパネルでどうやって図面を書くか困っていたので良い買い物だ。

 マップから取り込める機能も追加された。

 マップを航空に切り替え今の宿をトリミング、キャドに変換すると立面図、平面図、矩計図が出来た。


 これ、日本でも売れるんじゃね、いや世界中何処でも売れる気がする。

 最近有料機能をどんどんダウンロードしているよな、市場の金の流通量が減らないかな大丈夫か。


 思考認識機能はとても便利だった、線を消すのも書くのも自由自在だ 1日で図面を完成させる、こんなに早く出来るとは自分でも驚いた。

 問題は建築業者を知らない、正確には知っているが頼んでもよいものか悩む。


 話だけでもしてみようかな、図面を印刷する。


 次の日の朝


「ちょっと出かけてくる。」

「危ないから護衛として付いて行く。」

「メルカバありがたいけど、城に行くので駄目だよ。」

「絶対に1人では行かせない。」


 絶対付いて行くと言って聞かないので諦めた、確かにここ数日暇を持て余していたのは分かるけどさ。

 2m以上で、女性で、美人で、ハーフオークの護衛を連れていたら逆に絡まれるとは思わないか。

 そういえば、救出した男性が1人いたな、名前は確かフレデリック、平凡な男で平均を絵に描いたらこいつになるんじゃないかと思うほど普通の男だ。


「フレデリックも来てくれ。」

「旦那いいですが、腕っ節に期待しないでくれよ。」

「分かっているよ。」

「あと、グラバーさんに会いたくないな。」

「あれ?知り合いか。」

「グラバー商会の下請けで物資の輸送を引き受けていたんだ。大量の積荷を奪われた上にオークに捕まり奴隷として働いていたなんて顔見せできない。」

「そうか?生きて帰ってきただけでも嬉しいと思うけどな。」


 好きな装備をさせて3人で出かける事にした。

 どのくらい損害出したのか聞いたら、物資だけで金貨45000枚、他に傭兵隊や馬車などの壊滅を含めると考えたく無いと言う、確かに損害の多さに引くな。


 無事城に着いた、門兵に建築図面を建築家のカザードに渡してくれと頼むと、本人がドタドタ走って出てきた、ドワーフは足が遅いな。


「ぜーぜー、リク殿この図面は。」

「大工や石工を紹介してもらおうと思って。」

「それより見たことも無い技術が多数見えるが。」

「前の世界では普通の図面ですよ。」

「線も綺麗で内容も分かり易い。」


 どうやらここまで細かく図面を書く習慣は無い様だ、建物は正確に書くが部屋の細かな部分までは書かないようだ。


「売ってくれ。」

「売るも何も、これを作ってもらう予定ですから差し上げますよ。工事の段取りの話を出来ますか。」

「立ち話もなんだ、わしの仕事場に行くぞ。」


 メルカバとフレデリックにお小遣いを渡してからドワーフのおっさんの後を追った。

 仕事場に行くと図面が散乱している。


「どんな工法で建物を作るのか。」

「鉄筋コンクリート構造にしようと思います。」

「始めて聞く工法だが。」


 施工方法の話をした後、材料はこちらで用意して、職人はカザードに集めてもらう。

 久々の工事にちょっと心が躍る。


 仕事場を出ると外は薄暗くなっていた。

 あちゃーしまった、フレデリックとグラバーが話している。

 ドキドキしながら話しかける。


「どうかしましたか。」


 グラバーとフレデリックは就職先の話していた。


「リク製作所で働きます。」

「でかした。」

「フレデリックがリク殿の所で働くなら魔法の品を卸してもらい易くなるので歓迎だ頑張れ。」

「ありがとうございます。」


 損害を出した事を聞いたがグラバーは笑って手を振った。


「商売にリスクは付きものさ。今回は貴重なコネが入ったと思えば安い投資だ。」


 別れ際に俺だけに、フレデリックに依頼した商談は、グラバー商会だけでなく共同出資でお金を集めたのでそこまで損害が出てないと教えてくれた。

 賢いな、ハイリスクハイリターンを出資者で分ける株式会社の前身だな。


 フレデリックは大きく頭を下げてグラバーを見送った。 


 この後10日ほどして建築が始まるのだった。



異世界冒険日40目

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