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第44話:模擬戦

 朝になりグラバー商会のグラバーが材料を持ってくる。

 昨日必要材料が不足していたので、急いで用意してもらったからだ。


「グラバー自ら持って来なくてもいいのに。」

「面白そうだったので、ぜひ混ぜてくれ。」

「じゃあこれ、近衛兵御用達の馬喰に届けてもらえますか。」

「分かった。」


 グラバーに魔法の蹄鉄を渡すと直ぐに出て行った。

 さて、もう一仕事する事にしよう。

 スロットマシーンに材料を入れる。

 材料はぎりぎり足りるようだ、失敗は出来ないので、呪文を使用する。

 サイの革が必要なので材料が不足するかと思ったが、全部がサイの革で無くてもいいみたいだ。予想通り。

 革は、動物によって特徴の違いがあり内側は豚など肌触りが良い革を組み合わせて革製品を作ると習った事がある。

 鎧30領これで、全部揃ったな。


「手が空いている物は荷馬車に鎧を積むの手伝ってくれ。」

「「はーい。」」


 宿のメンバーに手伝ってもらう。

 人数がいると早い、用意が出来たので出かける。

 城に着くと兵士達が待っていた


「時間が無いすぐに準備をするぞ。」

「「おおー。」」


 元気がいいなこいつら。

 副将軍2人がやって来た。


「リク殿、間に合いましたか。」

「全部揃えてますよ。」

「信じられんな、こんな短期間にこの数の装備を用意するとは。」

「馬の準備は終わっていますか。」

「大丈夫だ。」


 昼まで兵士とみっちり練習を行う。

 その後に兵士達と軽く昼食を取る。


 将軍も、同じ食事を取っている。

「今日の昼食は無礼講でお願いします。」

「まあ、いいだろう。リク殿感謝している。」

「魔法の装備の事ですか。」

「いや、あの二人の事だ。」


 副将軍2人を指差す。

 君主派、議会派と仲が悪かったが、今は一緒に食事をしている。

 両派閥の兵士達も新しい玩具を手に入れた子供みたいに笑顔で会話している。


「案外話をするとわだかまり無くなるんですよ、これからも定期的に飲みに行ったらどうですか。」

 

 前の世界でも飲みニケーションで職人と打ち解ける事が多かった。


「上手くいったら奢りますので飲みに行きましょう。」

「おーい、上手くいったらリク殿が飲みに連れて行ってくれるぞ。」

「「おー、やったー。」」


 ストレス溜まってるなこいつら。


 昼すぎに騎士の演習を始める。

 今回は本物の王だった、お姫様も見に来ている。


「演習始め。」


 騎馬が10体並んで走っていく、魔法の蹄鉄の効果で普段の1.5倍の速さで案山子に突っ込む。

 ランスチャージで案山子を木っ端微塵になぎ倒す。

 兵士には『突撃の革鎧』を着せているので、突撃効果が倍になっている。


「「おおー」」


 周りの兵士達から驚きの声が聞こえる。


「魔法の蹄鉄の効果で騎馬のスピードが1.5倍に上がっています、兵士には突撃の効果が上がる鎧を装備させています。」

「うむ、見事じゃな。」


「模擬戦始め。」


 模擬戦が始まる、紙で作った赤白帽子でチームを分けて運動会の騎馬戦のようだ。

 落馬または帽子を取られたら負けということにしている、余り実戦風にすると勝ち負けでしこりが残るのを防ぐためだ。

 大将の帽子を取ったチームが勝ちですと王に説明する。


『ドガガ』


 うわ、結構マジで突撃している。

 この突撃で、30%が落馬している。

 残り20%はすれ違い時に帽子が破れたり、取られている。


「迫力があるではないか。」


 王様ご満悦。


 混戦に成り、騎手達は合言葉を唱える。

 馬が浮き上がり空を翔る、激しく上下入り乱れての戦いが繰り広げられる。


「おお、飛んでいる。」


 王様は上を向いて驚いている。


 最後は、議会側の副将軍が落馬して決着となった。

 空中で落馬しても着陸の指輪を全員分用意していたので死傷者は出なかった。


 全員王の前に並ぶ。


「いかがでしょうか、天使の鎖帷子を馬用にあつらえました。合言葉で飛ぶ事ができます。」

「お見事天晴れじゃ。」


 俺は小さくガッツポーズ。

 王の言葉を聴き騎士たちは全員、ときの声を上げてる。

 将軍が王に何かささやく。


「なに!この装備を国に寄付するだと。」

「普通に売るには高すぎて売れませんからね、それに騎兵の皆さんにもだいぶ無理を言って助けていただきました。」

「褒美は何が良い。」

「『鋼鉄の拳亭』の裏の土地の購入の許可と、キャサリンのバード家の復興の許可、図書館の閲覧許可をお願いします。」

「土地の購入は商業ギルドで行うがよい、バード家は消滅したが血筋が残っているなら土地はまだ残っているので復興を許可しよう、家臣も声をかければ集まるだろう。」


 少し沈黙が流れる。


「図書館の使用は何のためじゃ。」

「私は違う次元から来ました、帰える方法を探しています。」

「ならば許可しよう。」

「ありがとうございます。」


 夜は、商業ギルドのマスターに宴会の場所と準備をお願いする。

 グラバー商会のグラバーとはライバルのようで会った瞬間お互いが。


「なぜこの男がいる。」  

「私に頼めばよかろう。」


 などと、文句を言ってきたが知らん。


 場所はギルドマスターに酒はグラバーさんにお願いした。


「コンパニオンはどうしようかな。」

「リクの所の女性がいればそれだけでいいぞ。」


 など不謹慎なことを言うやつらが多い、うちの女性はコンパニオンじゃないし、基本俺が苦労して集めた女性だ絶対そんな事はさせない。

 結局歓楽街の幹部バニラにお願いした。


 店を借り切って飲みに行く予定だったのに何故か料理人が並んでいる、それに場所が広くないか。

 酒も最高級品が並んでいる気がするがどうしてだ。

 女性も酒を注ぐだけだから数いらないと言ったはずなのに、綺麗なドレスをきた女性が30人はいるぞ。

 騎兵より多いんじゃないのか。


「もっと小じんまりした所で飲みたかったのですが。」

「人が多いほうが楽しいじゃない。」


 だめだこいつら人の話を聞いてない。

 実際飲み会ではなく、パーティが始まると知らない人が増えていた。

 広い場所が埋まるほどの人、貴族、商人、魔術師の偉いさんが参加しているようだ。

 あまりに人が多すぎ俺は、挨拶された人を殆ど誰も覚えていなかった。


 次の日、支払い金額を見てびっくりした。

 その場でキャッシュで払ったけれどね。



異世界冒険日38目

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