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第42話:千客万来

 来客が多い日だった。

 朝から『真夜中の焚き火』のメンバーがやってくる。

 聖騎士ののギーが一番に口を開いた。


「約束を果たしてくれ、武器を作ってくれ。」

「はいはい、どんな武器がいいですか。」


 犬のラッシーと引き換えに武器か防具を作る約束してたやつだ。

 ギーは羊皮紙に書いてある武器を見せる。

 子供のお絵描きか、剣がゴーと光っている。


「この聖剣だ。我輩の先祖は知性が宿ったこの聖剣を持って悪に挑んだ。」


 インテリジェンスソード=知性を持つ剣。

 喋る魔法のアイテムもこの世の中には存在しているようだ。

 五月蝿くて必要無い機能な気がする。


「出来れば先祖と同じ知性を持った剣がよい。」


 なんか、ハードルを上げられた。

 マップ上を探す、『聖剣 インテリジェンスソード 小型』と。


「先祖の剣でも良いですか。」

「先祖の供養も出来るので、そちらの方が良い。」


 何で上から目線なのかなこいつ。

 マップ検索では、該当なし。

 



※マップの範囲を増やしますか。


 お、ウインドウから何かメッセージが出たぞ。 YES


※1マップごとに対価が必要です。


 追加マップが表示される。


 アルトシュタイン周辺 金貨100枚

 アクシヴィル周辺 金貨100枚

 地下都市への坑道 金貨30枚

 地下都市ダークエルフ 金貨300枚

 地下都市・・・

 

 適当に上から10ほどクリックして対価を支払う。


※金貨でいいですか。

  

 YES


※ダウンロードを開始します。


 ダウンロードバーが100%になると全体マップが広がった。

 聖剣 インテリジェンスソード 小型、の適合アイテムが発見された。

 ダークエルフの地下都市に存在している。

 アンデットの死の騎士が所持しているな。

 ギーはアホだから教えたら単身でも取りに行こうとするからこれは言えない、絶対言えない。


 あとは、うーん、見てはいけないものを見てしまった気がする。

 地下都市や、国外はイービルのマークが多いな。

 城塞都市ランスの中は、盗賊ギルドにチラホラいるだけだが、他の地域は圧倒的に多い。

 検索モードをエネミーマークに切り替えると、地下都市とアクシヴィル周辺はエネミーマークで真っ赤だな。


 聖剣を作成したほうが簡単かな、作成アイテム欄に無いので必要な部材を確認する。

 後光のスクロールか、レベル8のスクロールってかなりレベルが高いな。 

 後日販売しているか調査する事にしよう。


「ギーの希望する剣はすぐに用意できません。」

「分かっている。」

「ちょっと待ってくださいね。」


 スロットマシーンに行き、魔法のフィギアを作成する。


『チャラリー♪チャラリー♪ピ♪ピ♪ピ♪』『チャラリーリー♪』

 

赤赤赤

赤赤○

赤○赤


 久々に目押しをしたので腕が鈍ったか。


『チャラリー♪チャラリー♪ピ♪ピ♪ピ♪』『チャラリーリー♪』


赤赤赤

○赤赤

赤赤赤


 犬の像が6個と、山羊の像が12個できた。


「武器が作れるまでこれを使ってください。」


 犬の像を3個と山羊の像を6個渡した、これだけ有れば効果時間を気にせずに使う事が出来るだろう。

 犬のフィギアを起動させると、ラッシーと同じ大きさの犬に変化した。

 山羊は馬の代わりに成り、角はランス+3やロングソード+5として使える、こいつは大きくなるので店の中では起動確認できない。

 詳しい説明は面倒なので説明書を渡しておいた。

 

「ラッシーがいないのは寂しいが、食事が必要ないので便利だな。」

「気に入ったなら良かったです。」


 残りの像はショーケース行きだな、とりあえず2種類展示する。



 その後は、オークからの救出劇やその後の戦闘などを『真夜中の焚き火』のメンバーに話す。


「信じられないが、オークがライセンを狙っているのは間違いないようだな。」

「送り込んだ部隊が消滅したなら敵も攻めるのを延期するのでは。」


 そんな感じで話をしている。

 大規模な戦争になるなら国の仕事だよな、俺には関係無いよねと思って話を適当に聞いていると。


「ヒツマリクどのは居るか。」


 兵士達がぞろぞろ入って来た。


「はいはい、俺ですが。」

「兵士詰め所まで来てもらおう。」


 いきなり入ってきて感じが悪いな。

 タルトがどうしたと間に入って話をつけてくれる。


「話をまとめると、兵士長のさらに上の副将軍が話を聞きたいそうだ。」

「副将軍なら顔見知りですよ。」

「議会派の方の副将軍だ。」


 派閥があるようだ、大きく分けて君主派と議会派の2つの勢力がある。

 城塞都市ランスは3つの大勢力があり、主君派と議会派、裏を牛耳る盗賊ギルドだと教えてくれた。


「じゃあ行きますか。」


 出かけようと重い腰を上げると、今度はフィ師匠と、カザードが入ってくる。

 兵士達は大物が入ってきたので黙る。


「フィ師匠どうしたんですか。」

「リク殿、準備したら行くぞ。」


 この言葉に兵士達はあわてる。

 

「ちょっと待ってください、こちらが先に話をしています。」

「王の勅命じゃ、話があるなら直接言ってくれ。」


 兵士達は王の名前を出されて黙ってしまう。


「俺、何度も同じ話をするのは勘弁して欲しいんですが。」

「そうじゃな、議会派にも直ぐに来るように言ってくれ。」

「はっ。」


 兵士達は敬礼するとあわてて帰って行った。


 馬車に乗せられ城まで行く。

 ビッキーとキャッシーに付いて来てもらうことにした。

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