第3話:生活費を稼ぐ
健康的過ぎる、暗くなってすぐに寝たからか、日が昇ると自然と目が覚めた。
変な夢を見たのかと思ったが、異国の景色と、へんてこな機械が異世界に迷い込んだのを再確認させてくれる。
タッチパネルが光っているので確認をする。
タッチすると錬金機器士呪文
Lv0 3回 成功確立増
Lv1 2回 大成功確立増
を使用可能になりました。
呪文?どうやって使うのだろう。
薬草のサンプルにと売れなかった不良品の薬草を10枚入れる。
作成できる物が増えていた。
ポーション、武器は色々増えたな、防具は木盾、小物も有るな。
鉄と木材が揃ってから作れるものが増えたようだ。
ポーションを選ぶと、タッチパネルにリールが現れる。
呪文?が使用可能なときは出る見たいだ。
Lv0とLv1呪文を1回使用してみよう。
リールの好きな位置に赤7と青7を増やすことができた。
成功確立は0.3*0.3*0.2=0.018 2%以下か厳しいな。
キャンセルすると、呪文は消費されたままでした。
キャンセル不可なのか教えてよね不親切すぎる、せめて一言注意がほしいよね。
気を取り直して鉄の消費量が少ない縫針を選択、0.5*0.5*0.5=0.125 12.5%かとりあえず10本作るまで頑張ろう。
同じように釣針も10本、同じ確立なので、作ってみる。
タッチパネルに時計があったので追加で100回まわした。
10分100回まわすことが出来たので、6秒で1回まわせることになるな。
縫い針23本、釣針10本 残りの鉄は3Kgになっていた。
スプモーニが呼びに来たので食堂で朝飯を食べる。
今日は傷を完治させるため僧院に行って瞑想をするらしい。
瞑想で直るのかと聞いたら、俺の師匠なら治ると言った。
こちらの武道家はレベルが上がると化物じみてくるらしい。
これからどうするのかと聞かれたので、縫針と釣針を見せて売りに行くと言ったら、どうやって作ったのか聞いてきたので、上級職の能力と答えておいた。
スカーレットさんに縫針を見せてこれ売れますかねと聞いたところ、2本くれるなら本日の宿代にすると違う答えが返ってきた。
ボニーも欲しそうなので、1本上げると飛び跳ねて喜んだ。
お礼に町をボニーと一緒に出かけることになった。
「男手があると買出しが楽ね。」
どうやら荷物持ちらしい。夕飯は鳥か。
帰りに雑貨屋に寄り縫針と釣針が売れるか見てもらう。
「同じ大きさで作られているじゃないか。なかなか良い物だよ。」
金貨3枚と、銀貨6枚になった。
帰りに鍛冶屋に寄ってもらい、市場価格の調査をする。
「これ同じような剣でも金貨300枚も違うんですね。」
「高いのは高品質なんだよ。」
焼き入れの仕方や、刺した際に武器が抜けなくなる事を予防するための形状、鋼を使用など高品質の品物は手が掛かっていて高いとの事だ。
ダガーを金貨2枚で購入して帰ることにした。
「縫針は銀貨5枚で売っているのに売ると1/3になるんだね。」
「盗品の可能性もあるから安くなるんだよ。ギルドに入れば50%から75%で買ってくれるよ。」
ただし、入会金が必要なのと、利益に税金がかかるそうです。
北側に川があると聞いて昼食後に見に行くことにした。
どうやらこの宿は門から遠く、各施設からも遠いので人気が無いようだ。
川までたっぷり歩いて今日も良く寝られそうです。
川と聞いていたが、大河でした。
もっと驚くことは、巨大な橋が架かっていることだった。
近くの店のおばちゃんに飲み物を頼み、観光だと言ってチップを弾んだら色々教えてくれた。
100年橋と名づけられていて、ドワーフが100年かけて作った傑作だと。
橋を渡るには銀貨3枚必要で、橋の向こうはシェルの町、さらに北に行くとアルトシュタイン城があるようだ。
シェルの町は、北からの蛮族やモンスターの侵略を止めるための町だそうです。
アルトシュタインは城塞都市ランスよりも歴史は新しいが、ランスより大きな都市で今もどんどん発展しているとのことだ。
ミックスジュースのような飲み物を飲み終え川岸へ行く。
野球ボールぐらいの大きさの丸い石を10個ほど拾って思った以上に重いので止めた。
「おじちゃん何してるの」
子供が話かけてきた。
「スリングストーンにいい大きさかなと思ったけど重いので止めた。」
「スリングの玉は鉛玉を使うかその場で拾った石を使うんだよ。」
ポケットからスリングを出し、投げ方を教えてくれた。
何をしているか聞くと魚を銛で採っていると答えた、今日の夕飯を採っているようだ。
銛は器用に手製で先端は石を使っている。
ちょっと手伝う事にした。
大きな石を魚の居そうな岩にぶつける『ガキーン』鈍い音がして気絶した魚が浮かんできた。
「凄い何で採れるの。」
「水の中は音が伝わり易いから石の当たった音で気絶したんだよ。」
魚のお礼に先端に使っている石の場所を教えてもらい、持てるだけ袋に入れて帰る。
やばい石が重い、汗だくになりながらも、日が沈む前に帰ることができた。
スプモーニは夕食を食べていた。
傷が完全に治っているな、こいつも化物だと心のメモに書いておく。
スカーレットさんに金貨1枚2日分を先に渡す。
お金持ってると使っちゃうからね。
夕飯を受け取りスプモーニと食べる。
「今日は何をしていた。」
「大きな川を見てきました。あと、この石を矢尻にしてクロスボウの矢を作って売ろうかなと思っています。」
「ゴブリンが出たので、偵察の依赖を受けるんだけどパーティに入らないか。」
「危険のは嫌ですよ。」
「怪物が出なくても金貨2枚出るんだ、もしゴブリンに遭遇しても腕利きが3人もいるから後ろで見ているだけでいいから。」
「腕利きって誰ですか、信用できるのですか。」
「俺と同じレベルの戦士と、魔法使いだよ。」
魔法使いか、会ってみたいな。スプモーニと同じぐらい強いと言うのが引っかかると言ったら。
「この国のモンク中で20本の指に入るんだぜ。」
「モンク限定でしかも両手両足じゃないですか、せめて10本の指と言ってくれよ。」
「うーん、12本なら何とか入れるかな。」
どんな指だよ。
武道家と呼んでいたが修行僧やモンクの方が一般的な呼び名らしい。
興味が無いので、空手家でも格闘家でもいいけどね。
押しの強さに負けて依頼を受けることにした。