第35-1話:挿入話「真夜中の焚き火」団
昼食を『真夜中の焚き火』団と一緒に取る事にした。
クリームが干し肉を食べながら話しかけてくる。
「ボニーは順調に技術を覚えているよ。」
「私の盗賊の技術もいい感じで覚えているわ。」
バニラが後から俺の首に腕を回してながら声を掛けてきた。
「ボニーに渡している魔法のアイテムのおかげで技術の覚えも良いみたいだな。」
うちのパーティの女性陣の視線が痛いので、腕を外しながら。
「早く一人前に成れるといいですね。」
「ボニーの装備はいくらなんでもやり過ぎじゃないか。」
「どれの事を言ってるのかな、ダガーなら確かにそうだよね。強化しすぎて売れなくなったやつだから。」
「俺は、全ての装備を言っているんだけれどな。」
どれ1つ取っても高レベルの者が装備する装備らしい。
バニラは真剣な顔で、貧乳だし、女子力が足りないのかもとぶつぶつ言っている。
「バニラちゃんにも1個装備を頂戴。」
くねくね変な踊りを踊りながらお願いされた。
「対異形付きダガー+2を借りパクしてるじゃないですか。」
「異形属性のモンスターなんてそんなに遭遇しないわよ。」
少しすると、
「リクーお願いだ。俺にも武道家の黒帯を作ってくれよ。」
泣きながらスプモーニが俺に抱きついてきた。
スカーレットさんと食後の運動で組み手を行い完封負けして泣きついて来たのだった。
レベル4に成ったのにレベル3のスカーレットさんに完封負けしたのは屈辱的だったらしい。
「汗臭いから引っ付かないでください。」
スプモーニには、この世界に蘇生してから世話になったからな。
巨人の力+6付き黒帯が5本も不良在庫で余っていたから渡す。
「4レベル相当の武道家のレベルが上がる効果が有ります。」
「マジかこれ、神装備じゃね。」
「HPは増えないんですけど、喜んでもらえれば嬉しいですね。」
「間違いなく城塞都市中のモンクでは5本の指に入ったな。」
「アイテムで強化した強さを誇ってもかっこ悪いでしょ。」
「今俺の実力はアイテム無しでも10本の指には入っているぞ。」
ギーが遠くから羨ましそうに見ていた。
「ギーどうしたんですか。」
「聖騎士が人に物を恵んでもらっては示しが付かないのである。」
「そうですか、これからもリク製作所を御ひいきにお願いします。」
「お布施として提供されれば使っても構わないのである。」
「思いっきりたかってるじゃん。」
見ると犬が怪我をしていたので、ポーションを飲ませた。
「回復を使い果たしていたので助かったのである。」
元の世界のクレートデンぐらいの大きさだな。
俺に飛びついてくる、可愛いなこいつ。
ギーと一緒にいたら遠からず死んじゃいそうだよな。
「名前は何て言うんです。」
「名前はラッシーだ。」
「このわんちゃん譲ってくれたら何か武器か防具を寄付しますよ。」
結局今在庫の武器防具では小っちゃい種族の体に合わなかった。
町に戻ったら作りますと約束した。
今作っても良いけど材料が不足して本人の希望のアイテムを作れないかもしれないからだ。
「バニラちゃんはこれ欲しい。」
「本当にキモイからその喋り方止めたら好きなのを持って行ってください。」
「キモイって何よ、可愛いって言ってよ、え、良いの。」
「良いですけど1点ですからね。」
「チェ」
天使の鎖帷子とダガーと杖を抱えているバニラは残念そうだ。
結局散々迷った挙句、稲妻の杖を1本持って行った。
長い休憩に成ってしまったが出発する事にする。
魔法の絨毯の起動方法を教えて別れるときボニーが。
「お願い連れてって、ください。」
「危ないから駄目。」
「危険も乗り越えます。」
スカーレットを見るとOKのサイン、クリームとバニラは
「「リクに任せる(任したわ)」」
「じゃあ一緒に行きますか。」
こうして、『真夜中の焚き火』団と別れた。




