第35話:ミッション開始
早朝に出発する。
魔法の絨毯を他人に見せたく無い為もある。
なぜなら、余り流通していない大きさの魔法の絨毯を2枚も使用しているからだ。
「2人で1枚使うなんて贅沢ですね。」
マリーヌは的確に指摘をしてくる、そう4人で使うと座る必要があるのだが、2人なら寝転んで使っても良い。
「冷たい物とパラソルも用意すれば良かったな。」
1時間ごとに先頭を交代して進む。
この魔法の絨毯の速度は歩くより少し早い程度だが、浮いているので実質歩くより倍は進んでいる気がする。
山道なら4から5倍の速さで目的地にいける。
結局パラソルを作り設置した。
森の上を飛んでいるので、直射日光で暑くて熱中症に成りそうだったからだ。
「快適、快適。」
「おーい、おーい。」
遠くで誰か呼んでるな、マップを確認するとスプモーニ達だ。
「舵をあの木の上に登っている人の方向に向けて。」
「了解。」
近くに行くとスプモーニが木の上に立っている、一体どんなバランス感覚をしているんだと驚く。
「やっぱりリクだったな。」
こいつの視力はマサイ族もびっくりだな。
「まだ帰って無いんですか。」
「捕虜がいるとなかなか進まないんだよ。」
地面に降りる。
「じゃあ、これ使ってください。」
もう一枚魔法の絨毯を取り出し渡す。
『真夜中の焚き火』一団がやってくる。
「お、おかーさん。」
ボニーが驚いて声を上げる。
「あらボニーちゃん頑張ってるじゃない。」
「どこ行くの。」
オークが居るので、エルフ語で話をする、クリームはエルフなので解るだろう。
「ライセンの町近くのオーク一団に囚われている人を解放しようかと思ってね。」
「そのミッションは危険すぎないか。」
「不可視の指輪で姿を隠して潜入して開放したら逃げるだけですよ。」
不可視の指輪の予備を10個ほど取り出して見せる。
イケメンエルフは両肩をあげて。
「まあ、そこまで言うなら止めないけどね。」
昼食を『真夜中の焚き火』一団と一緒に取る事にする。
昼食後何故かボニーがパーティに加わっているが仕方無い連れて行こう。
暗くなるまで飛び夜営をする。
再度様々な状況を予想して打ち合わせを行い就寝した。
見張りは前半後半で、二人ずつ組んでもらっう。
俺だけ、申し訳ないが8時間たっぷり寝させてもらった、俺だけ呪文を消費していたからだ。
空中のマップ画面から周囲を範囲設定して敵が入ってきたらベルが鳴る有料機能のアラームを使ってみた。
これでモンスターが接近したときに対応する事が出来るだろう。
今後は泊まる為のアイテムを作ろうと誓った。
異世界冒険日31目




