第32話:オークの進入
何時も見ていただいている方ありがとうございます。
明日更新できるか分からないので本日投稿します。
今日は朝から蒸し暑いきっとタルトが来ているからだそう決めた。
剣の魔法化のお礼で、酒を持ってくる。
訓練所で兵士達に剣を自慢したが、予想以上に魔法強化が掛かっていたのでびびったらしい。
「この剣ちょっと強化したレベルじゃないぞ。」
「そうだね、+2と爆炎の魔法が付いちゃったからね。」
「ちゃったって自分で作っておいて、悪いからお金を出そうかと思っていたのに。」
「それじゃ、差額で金貨24000枚ください。」
+2相当と+4相当の差額を請求してみた。
「そんなお金何処に有るんだよ。」
「じゃあ変わりに魔法の鞘を買ってください。」
この鞘は武器の切れ味を上げ、クリティカル域の幅が増える。
爆炎はクリティカル時に火から爆炎に効果がランクアップする為クリティカル域が増える効果と相性がいい。
「いくらだ。」
「金貨16000枚かな。」
「・・・そのうちでいいかな。」
まあ、装備に金がかかる貧乏戦士はそんなもんだよな。
オークが出没しているので調査の確認依頼が名指しで来ていると伝言に来たようだ。
最近ちょこちょこ依頼を受けているので、声が掛かったようだ。
マップで確認すると確かにオークが3チーム森や沼にいる。
「じゃあ湿地、沼の方を確認してきます。」
「沼は捜索範囲に入ってないが。」
「何も居なかったらそのまま森に移動しますよ。」
実は1日で帰れそうな所にいるオークは沼の近くにいる1チームだけだった。
そのチームに中立の属性のハーフオークが居るのも気になっていた。
何故国の近くに沼があるか、正確には湿地なのだが、それは雨季で川の水が流れ込んでいて沼地と化しているからだ。
城塞都市ランスの主要農作物は米である。
何百年も前に領主自らが沼に生息していたドラゴンを退治した後、湿地を開拓して米作を行ってからランスの人口は爆発的に増えた。
この湿地帯は国の基盤となっている。
川の氾濫による栄養と適度な水が毎年の米の豊作を約束している。
この米は近くの国にも出荷している近隣にとっても重要穀物である。
そこにオークが現われるのは気になる。
オークは常に領土を拡大して、様々な知性あるクリーチャーと不和を生じている。
ゴブリンが近くに出没したのもオークに追いやられて住処をこちらに移したのかもしれない。
マップを広げて確認してみると、ライセンの町との間にかなり大きな一団が存在していた。
全部で250人ほどいる。
ライセンとはブルグント王国の最南端の町で、南にある唯一の文化的都市とされている。
城塞都市ランスより南は文化的で無いとされている。
内陸部に近いため荒地や岩砂漠が南に広がっていて、そのため他の種族の進行が少なく発展した町である。
これはまずいよね。
なんにしても情報が欲しいので出かける準備をする。
必要な魔法のアイテムを作り出発する。
オークは暗視を持っているので、暗くなる前に遭遇したい。
皆に無理を言って付いて来てもらった。
「リクさん何処に向かっているか聞いていいですか。」
マリーヌが代表して質問をしてきた。
「オークが何チームか潜入しています、一チームは沼地に潜んでいますので、できるだけ陽の昇っている間に遭遇したいです。」
「場所が分かるんですか。」
「ここから正午まで歩いた所です、数は6人です、ハーフオークが居るのでその者を捕らえたいです。」
「そこまで分かるんですか。」
マリーヌは情報が余りにも的確で驚いているようだ。
「この能力は自分達の安全のため黙っててください。」
マリーヌが、ギルドからのスパイだとしても黙ってて欲しい。
「リクさん、ひょっとして私のことスパイだと疑ってない。」
「ちょっとは思っています。」
「これだけの魔法のアイテムと、今まで上がる事が無かったレベルを上げてもらって感謝してるんだけど。」
「「私達もよ。」」
おお、ビッキーもスカーレットも同じ意見のようだな。
「レベルが上がらないのは敵と戦って無いか又は、集団で少ない数を倒していて経験点が分散したのが原因だと思います。」
「普通は自分より強い敵と戦ったらすぐに墓場行きよ。」
「それは作戦が悪いんじゃないですか。」
全員が違う違うと首を横に振った。
あと30分ほどでオークと遭遇するので、休憩と軽い昼食にした。
オーク達の動きは無いので、寝ているのかもしれない。
「マリーヌ、魔法使いとソーサラーはどう違うのかな。」
「色々違うわよ。」
マリーヌの説明では、魔法使いには様々なタイプがあるようだ。
魔術師、知識を元に世界に働きかけて魔法を使う。
賢明で思慮深く賢者などとも呼ばれているようだ。
ようは、裏技やバグを駆使して呪文を使っているのかな。
妖術師、自分の感覚や直感で魔法を使う。
自分の心の中の情景を実際の世界に投影できるようだ。
超能力者なのかな。
吟遊詩人、魂から湧き出た力を音や歌に換えて魔法を使う。
音楽から魔法を引き出すことが出来るようだ。
俺の歌を聴けというやつだな。
呪師生まれたときから魔法が使える、部族の信仰する何かから力を引き出し魔法を使う。
体系化されていない魔法使いのようだ、ゴブリンや、オーガなどの種族の魔法使いは大体これのようだ。
トーテムポールを祭っているやつかな。
もっとも大きな違いは、魔術師は呪文を使うのに呪文の構成要素など準備が必要なので、朝に使う魔法を決めなければならないそうだ。
妖術師や吟遊詩人は使える呪文や覚えた呪文が決まっていて、その中から好きなのを使うことができる。
今は、各レベル2~3種類呪文があるようだ。
呪師はいろいろなパターンが有るので、よく分からないようそうだ。
30分以上休憩してしまったな。
オークの部隊も動いていないので、出発しようか。




